上 下
26 / 30

第二十六話*

しおりを挟む

 こんなに夢中でちんぽをしゃぶってる場面なんて見られたくないと思うのに、やめられない。
 でも、知っているから。
 こいつとの性交を、知っているから。
 ぐい、と頭を引き剥がされる。無言のアレスが俺を立たせて、後ろを向かせる。
 尻穴を撫でられる。指の腹で何度か押されて、息を呑んだ。
 つぷ、と入ってきたその感触に咄嗟に息を詰める。
 あれ、なんか、違う。前みたいにすんなりのみ込めない。
 痛みさえあったその衝撃に、俺の身体は固くなったのか。
 でもすぐに偽発情期のせいで今までは身体まで変わっていたのだと気付いて、つまり今は発情なんてしていないからこれが本来の自分の身体なんだとわかり、もどかしさに呻く。
 だが、アレスは躊躇もせず俺のそこが固いことに気付くとすぐに手のひらに湯をためて魔法を施した。ぬめりのある液体に変化させて、くちゅくちゅと手のひらに揉み込んで、その指を今度こそ突き入れてくる。

「……っ」

 ぐるりとその長い指が回り、上下を広げるように出し入れされる。ビリビリと縁から電流が走ったような衝撃がちんぽに伝わって、壁についた指に力が入った。
 アレスの指が時間をかけて増やされ、俺の中を抉り、擦り、そこからちゅくちゅくと卑猥な音を出しながら感じる箇所を押され、引き抜かれる。何度もそうされると次第にガクガクと両脚が震えだした。
 覚えのある快楽がさざ波のように襲ってくる。
 そこをそうされると、苦しいくらいの絶頂が襲い、真っ白になる。

「~~~ァ、ァ、あっ♡」

 ぐ、と指を勢いよく埋められ、思わず仰け反った。ちんぽが勝手に揺れて、白濁を漏らしている。前までとは違う、不思議な絶頂感だ。物足りないような、これ以上は無理なような、そんな感じの。
 なのにダメ押しのようにアレスが指を動かすので、その快感から逃れるように尻を振り逃げを打つ。その反動なのか、にゅぷりとアレスの指が抜けていった。
 そのまま引き寄せられ、閉じかけたそこに熱い感触を覚える。
 アレスの、ちんぽだ。

「ちょ、イッたばっかだから、ま、て……ま、~~~っ♡」

 にゅぐぐ、と突き入れられ、尻穴が驚いたようにアレスのちんぽを締め付ける。だがアレスは容赦なく奥深くまで入り込んで、今度は快楽を思い出した穴が歓喜に震えた。
 今まで感じたことのない、痺れるような衝撃に息を詰めて、男に犯されている事実を叩きつけられる。
 馬鹿みたいな気持ち良さだけじゃない、その圧倒的な存在感。
 俺は今、望んでいたとはいえ同じ男のちんぽを受け入れたのだ。

「ひ、アアぁ~~~っ♡」

 興奮した。
 尻肉を両手で掴まれ、奥深くに入りながら身体ごと揺さぶられて死ぬほど興奮した。
 なんでこんなに気持ちいいのか理解できなかった。
 偽発情期の訳のわからない快楽ではない、焦らされるような焼け付くような気持ち良さだ。何も言わないアレスも変で、なのにあのちんぽだけは変わらなくて、動きもどこか遠慮するような味わうような、そんな抽挿なのに、俺のちんぽは呆気なく射精に至った。
 ぶるぶる震える俺のちんぽを見て、アレスが今度は片足を抱え上げ、更に抽挿を早める。ぱちゅんぱちゅんと肉を打つ音と結合部から水音がして、今更羞恥が襲ってきた。
 ちんぽを尻に挿れられて揺さぶられて、触りもせず絶頂する。
 頭のどこかでそれがおかしいことだとわかるのに、きっとこれからも望んでしまう気がした。

「ン……お前の尻まんこ、凄いぞ」
「あ♡ あっ♡ おっ♡ も、突くなっ♡」
「こんなに悦んでおいてそれはないだろうが。お前だって尻まんこでイキたいだろ」
「やっ♡ やっ♡ やめぇっ♡」

 ばちゅばちゅとピストンが早くなり、足が落ちて勢いに壁に逃げを打つ。だがアレスは更に距離を詰めてきて、俺は最早つま先立ちで奴の猛攻に涎を垂らしながら喘ぐだけだ。
 ずろ、と出され、ズドンと挿入される。何度も何度もそうされて呼吸さえ止まるほどの気持ち良さが連続で俺を襲った。堪えきれずに内部が勝手に痙攣して、頭が真っ白になる。

「ぁぁあああ~~~っ♡♡」

 ガタガタガタと身体が痙攣した。

「す、げ」

 背後で息を呑むようなアレスの呟きに、追い打ちのような絶頂感が続く。
 しぬ、死んでしまう。

「中に、出すぞ」

 ぎゅう、と尻肉を強く掴まれて興奮しきったアレスの呟きが背に降った。
 更にズドンズドン、と突き入れられ、今まで入り込んだことのない部分までアレスの巨大なちんぽが侵入した。

「~~~~っ♡♡♡」

 びゅうびゅうと熱い飛沫を最奥に感じる。気持ちよすぎてまた性懲りもなく絶頂感に苛まれ、ちんぽからは既に薄くなった液体が糸を引きながら、床に滴り落ちていた。


 風呂から出ても俺たちはいつものように身体をつなげた。
 だが今までと違ったのは、疲労で一度二人ともベッドに倒れ込んだので少し眠ってからしたことだ。
 発情期とは違う理性の残る性交は、終始不思議で、恥ずかしくて、なのに穏やかささえ連れていて新鮮だった。
 アレスは驚くほど言葉少なに俺の身体をまさぐったし、俺も俺で暴言を吐かれない性交に落ち着かなくて、それを奴の優しさに頭が勝手に変換して勘違いの反応を続けているような感覚だった。
 
「勝手にイクな。だらしないまんこだな」
「っ♡ そこ、ばっかぁ♡ や、めっ♡」
「ちんぽはもう反応してないのに、お前の尻まんこはまだ欲しがってる」
「ひっ♡ や♡ お前こそっ♡ もう、いれ、んなっ♡」
「お前のまんこが俺のちんぽにしがみついて放さないだけだろ」

 にゅっぷにゅっぷと緩やかに突かれ、囁き声で責められる。
 以前とは違う空気に恥ずかしくてたまらなくて逃げ出したい気持ちになるのに、このままでもいいような気がして相反する気持ちについていけない。
 ただみっちり埋まったアレスのちんぽに満たされるような感覚さえして、ゆっくりされるのにも馬鹿みたいに身体が反応してしまう。自分でも尻穴が細かく蠕動しているのがわかって、アレスが息を荒げて俺の両足を押さえつけながら隙間なくぴったりと潜り込んでくるのにも興奮した。
 そのまま身体ごと揺さぶられて、また真っ白になる。絶頂にびくびく震える俺を正面から見下ろしながら、アレスが乳首をつまみ片方を舌先で舐めてくる。
 首筋に歯を立てられても、勃たなくなったちんぽをしつこく扱かれても、俺はただ脚を開きアレスにしがみつき喘いでいた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

召喚された美人サラリーマンは性欲悪魔兄弟達にイカされる

KUMA
BL
朱刃音碧(あかばねあおい)30歳。 ある有名な大人の玩具の開発部門で、働くサラリーマン。 ある日暇をモテ余す悪魔達に、逆召喚され混乱する余裕もなく悪魔達にセックスされる。 性欲悪魔(8人攻め)×人間 エロいリーマンに悪魔達は釘付け…『お前は俺達のもの。』

変態村♂〜俺、やられます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。 そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。 暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。 必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。 その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。 果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?

【完結】【R18BL】異世界転移したオメガ、貴族兄弟に飼われることになりました

ちゃっぷす
BL
Ωである高戸圭吾はある日ストーカーだったβに殺されてしまう。目覚めたそこはαとβしか存在しない異世界だった。Ωの甘い香りに戸惑う無自覚αに圭吾は襲われる。そこへ駆けつけた貴族の兄弟、βエドガー、αスルトに拾われた圭吾は…。 「異世界転移したオメガ、貴族兄弟に飼われることになりました」の本編です。 アカウント移行のため再投稿しました。 ベースそのままに加筆修正入っています。 ※イチャラブ、3P、レイプ、♂×♀など、歪んだ性癖爆発してる作品です※ ※倫理観など一切なし※ ※アホエロ※ ※ひたすら頭悪い※ ※色気のないセックス描写※ ※とんでも展開※ ※それでもOKという許容範囲ガバガバの方はどうぞおいでくださいませ※ 【圭吾シリーズ】 「異世界転移したオメガ、貴族兄弟に飼われることになりました」(本編)←イマココ 「極上オメガ、前世の恋人2人に今世も溺愛されています」(転生編) 「極上オメガ、いろいろあるけどなんだかんだで毎日楽しく過ごしてます」(イベントストーリー編)

生贄として捧げられたら人外にぐちゃぐちゃにされた

キルキ
BL
生贄になった主人公が、正体不明の何かにめちゃくちゃにされ挙げ句、いっぱい愛してもらう話。こんなタイトルですがハピエンです。 人外✕人間 ♡喘ぎな分、いつもより過激です。 以下注意 ♡喘ぎ/淫語/直腸責め/快楽墜ち/輪姦/異種姦/複数プレイ/フェラ/二輪挿し/無理矢理要素あり 2024/01/31追記  本作品はキルキのオリジナル小説です。

僕の調教監禁生活。

まぐろ
BL
ごく普通の中学生、鈴谷悠佳(すずやはるか)。 ある日、見ず知らずのお兄さんに誘拐されてしまう! ※♡喘ぎ注意です 若干気持ち悪い描写(痛々しい?)あるかもです。

無事に子供が産まれたので2人目子作り頑張ります

BL
タイトル通りの男性妊娠可能となった世界で子作り出産して家族になった凸凹カップルの「みのかな」が、満を持して2人目子作りとしてゲロ甘イチャラブ交尾をする話。今回もエモ&ポエム濃度が濃い目なのでご注意ください。   Twitterのリクエスト企画でいただいたリクエスト第9弾です。ありがとうございました!   pixiv/ムーンライトノベルズにも同作品を投稿しています。   攻め:犬花実 / ほわほわスパダリ天然S 受け:猫咲奏 / ひねくれツンデレ甘えM 「いぬねこのみのかな」   なにかありましたら(web拍手)  http://bit.ly/38kXFb0   Twitter垢・拍手返信はこちらから行っています  https://twitter.com/show1write

真面目系上司が陽キャ系新入社員に突かれてアヘアヘする話♡

てと
BL
陽キャ系新入社員×真面目系上司。 ♡喘ぎと濁点喘ぎとんほぉ♡な内容のBLです。

珍しい魔物に孕まされた男の子が培養槽で出産までお世話される話

楢山コウ
BL
目が覚めると、少年ダリオは培養槽の中にいた。研究者達の話によると、魔物の子を孕んだらしい。 立派なママになるまで、培養槽でお世話されることに。

処理中です...