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第十二話*
しおりを挟むさて、俺は今、右臀部の熱さに悶えている。
アレスはあれから皆が出払っているときに限り、俺に近付いた。
二人きりになり俺だけが臀部を晒し、うつ伏せか壁に向かって立つとアレスが解除魔法を唱える。
「この術式の元となる呪詛を調べているが、国家機密に関わるものだと回答があった」
「……そっか」
俺たちはあれからぽつぽつと喋るようにはなったが、その空気はいつも気まずい。
喧嘩こそないものの、「動くな」「くそ、もう匂うな」「なんだって俺が……!」という悪態は常に吐かれている。
当然それを毎回聞かされると面白くはない。やっぱこいつ苦手だ、と思いながら我慢してこの時間を耐えている。
お互い好きでこんなことをしているわけじゃない。だがβの俺は特殊能力を持っていないので、結局魔法能力のあるαに頼るしか方法がないわけだ。そうなると、文句は言えまい。
尻に刻まれた術式に向かって解除魔法を唱えられると、そこが反応するためかいつも右臀部の皮膚が焼けるように熱くなる。実際右尻を見ると紅く腫れ上がっているので、この痛みは錯覚ではないはずだ。
それでも文句を言うわけにもいかないと声を押し殺して我慢を続けていれば、今度は術を唱えているアレスの様子がおかしくなる。息が荒くなりはじめると発情期間際になっているのがわかるので、その頃には声を張り上げることにしていた。
ただ、それでも間に合わない時があるんだ。
そう、今日のようにアレスが俺の尻を両手で割りさいたときなんかは。
「ちょ、アレス、落ち着け!」
「うるせえな」
宿のベッド近くの壁に向かって立っていた俺は、ベッドに座って術を唱えていたアレスが両尻を掴んだときに息を呑んで制止の声を上げたが、次には窄まりをれろり、と舐められ爪を立てるはめになった。
「ア、レス……っ!」
濡らすように表面を上下に舐められたあと、ぐりと尖らせた舌がそこを押し広げて侵入してくる。びりびりと甘い衝撃が走り、咄嗟に声を我慢する。
肉厚で熱いその舌で躊躇もなく抜き差しされ、時折回すように周囲を舐められると勝手にちんぽが震えてあの快楽を思い出してしまう。
制止の声は情けなくも震えている。身をよじり逃げを打つ身体を簡単に押さえ込んだアレスは、まるでそこを愛しいものでもあるかのようにしゃぶり舐め、こじ開ける。
「あ、アレ、ス……っ!」
尻穴を舌で割り裂かれる感覚が、たまらなく気持ちいい。
そこから玉袋までなぞるように舌で辿られ、双球を優しく口に含まれ愛撫されるとガチガチのちんぽが痛いほど硬くなった。
疼くのは、アレスがそうしているからなのか。
Ωの呪いはどこまで真実なのか俺に計ることはできない。尻で感じるのはΩの呪いのせいなのか、それとも単にアレスの愛撫がうまいからなのか?
わからない。
それまでそういった経験のなかった俺が唯一わかるのは、何度も尻穴にアレスのちんぽをはめられ、馬鹿みたいに喘ぎ、死ぬほどの絶頂を味わったあの快感だ。
その深すぎる快楽に一度知ってしまった身体が勝手に期待して、意思とは関係なく拓いていく。
尻を広げていた舌先が抜かれ、代わりにアレスの太い指でにゅぐにゅぐと穴を広げられても、結局ろくな抵抗もできず気がつけばベッドに屈していた。
頬をシーツに埋めて、ぐぽぐぽ指を出し入れされる快楽に腰が勝手に揺れてしまう。
もっと奥に。もっと熱くて太くて硬いもので。
「ちんぽガチガチじゃねえか、このド変態」
「ちがっ♡ ちがう、ぅ♡」
「じゃあケツ振るな、じっとしてろ!」
ぱしん、と尻を叩かれて衝撃でビク、と中の指を更に締め付けてしまう。ちょうどちんぽの裏にいたアレスの指が、狙ったかのようにぐりぐりとそこをほじる。
「や、めっ♡ やめ、ろっ♡ そこ♡ だめ……っ♡♡」
「もうまんこで感じてるのか? アクメするのか? この早漏」
「やっ♡ やめっ♡ と、とめろっ♡ い、イク♡ イっちゃう♡ イク~~~っ♡」
じゅぽじゅぽと手前と奥をほじられるだけで、ぶるぶると射精の絶頂より深いなにかが突き上げてくる。
尻を振って逃れようとしてもアレスは容赦なく指を出し入れしてきた。恐怖に構える暇もなく、その太くて長い指がぐりん、と弧を描いた瞬間俺はヨダレを垂らしながら絶頂に陥る。
「ア~~~っ♡♡♡」
「……だらしのないケツマンコだな、まだ欲しがってるじゃないか」
びくんびくんとのたうち回る俺を見下ろして指を抜いたアレスが笑った。
すっかりぐったりとシーツに横たえた俺の尻を持ち上げて、断りもなく熱いちんぽでそこを押し広げてくるのだ。
「ひ、いぃぃ~~~っっ♡」
「うるせえな、声を抑えろよこのメスβがっ」
理性を失ったアレスは、こういった時必ず饒舌で、無駄に言葉が汚くなる。
俺はそれを不快だと思うしやめてほしいのに、罵られるとなぜか腹の奥が疼いて脚が震えた。
これも呪いのせいのはず。じゃないとおかしい。
罵られて気持ちよくなる性癖はないし、そもそも男のちんぽを挿入されて悦ぶ趣味もない。
「これが好きか? ちんぽが好きなんだろ?」
「あっ♡ あっ♡ す、好き♡ 好き♡」
「βのくせにちんぽに悦んで子種を欲しがる男なんて、どこを探してもミュレ、おまえだけだろう!」
「や、うそっ♡ うそだっ♡ ちんぽっ♡ きもちいぃっ♡ もっと♡ ほしい、のにっ♡♡」
腰を持たればちゅんばちゅんと抉られ、ひっくり返され両足首を顔の横につけられて上からたたきつけられるように太いちんぽで腫れ上がった穴に出し入れされる。
血管の浮き出たアレスの極太ちんぽが、ぬるぬるの俺のそこを的確に容赦なく抉ってくる。
ズドン、と突き入れられる度に悲鳴を上げて苦しいと涙が出るのに、引き抜かれる快感はぶっ飛ぶほど強烈だ。
その強烈な光景から目を離せずにいると、次第に動きが速くなり何も考えられなくなった。
俺の目の前にはアレスのちんぽだけ。
でかくてカサの張った、えぐいほど反り返っている冗談みたいな、完璧なちんぽだ。
「飲めっ」
ズルン、と唐突に抜かれた尻穴がぽっかりと口を開いている。
入れ替わりに俺の口元に突き出されたアレスのちんぽが、容赦なく俺の口を犯した。
「うっぐ、ンンンンっ♡♡♡」
口内でびゅくびゅくと断続的に出ているそれを更に奥へ突き入れられて、窒息から逃れようと必死に嚥下する。青臭くて苦しくて屈辱的なのに、俺は寸前で放置された腹奥の熱に悶えた。
こっちの腹じゃなくて、下の腹に出して欲しいのに。
「うまいか……っ? は、まるでちんぽ奴隷だな」
ごくごくと喉を鳴らす俺を見下ろして、アレスが笑った。
……一体俺は、どうなっている?
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