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最終章 脱出
16.カーテンコール(後編)
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宿泊研修の事件から十数年後、勝平小学校のグランドで一人の男性教員が体育の授業の準備をしている。
『佐上先生、励んでるか?』
『あ、加賀谷教頭、おはようございます。』
中年の女性が、手のひらをグウにして、若い男性教員の肩を軽く叩く。
苦笑いをする男性教員は、照れながら、片手で自分の頭を撫でる。
『まさか、先生が教頭先生になって勝平小学校に戻って来られるとは・・』
『それは、こっちのセリフよ。10何年ぶりに、勝平小学校に戻ったら、以前の教え子が居るんだもの』
『それも二人も・・』
『そうですよね、まあ。教員採用試験に何度か失敗した自分と、すんなり先生になれた松本の・・』
『タイミングが丁度あってしまったようで、縁でしょうかね』
『それより、加賀谷教頭、だいぶお腹が目立ってきましたが、そろそろお休み取らなくて大丈夫ですか?』
『ウチは、旦那様が優しいからね、未だもうちょっと頑張りたいと思ってるんだけど・・』
『一さんたら、高齢出産なんだからって、毎日の様に言うの、女性に年の事を言うなんて、失礼よね』
『私も、大変なのよ。いっぺんに生まれてくれば良いのに、数年あけて授かるんだもの、やっと3人目よ』
『・・・。まあ、おめでたい事です。それだけ、愛されているって事ですよ・・』
『あらっ、アナタも言う様になったわね。私達の結婚式の時には、あんなに小さかった男の子だったのに』
二人がそんな会話をしていると、後ろから二人の女の子たちがやって来た。
『教頭先生、佐上先生、おはようございます。』
『君は・・確か・・』
『あっ、じゃあ、私は午後からの職員会議の準備があるから、行くわね。』
加賀谷教頭は、そう言って立ち去ろうとした。
しかし、一旦忘れた事を思い出したように、立ち止まり声をかける。
『佐上先生、来月にでも、皆で遊びに来て!カッチ君、ナオケン君、松本先生の4人で、我が家のバーベキュー大会に招待するわ!』
哲也は、同意の合図として恩師に軽く会釈をする。それを確認した福岡先生、いや加賀谷先生は満足そうな顔で職員室に戻って行った。
『あっ、ゴメンゴメン、それで何か話があるのかな?』
『はい、私、5年3組の松本先生のクラスの者です。鎌田です。』
『松本先生に相談したら、佐上先生にも話をしてみてって言われて・・』
『実は、私の妹が一昨日、不思議な女の子に出会って、それからちょっと怖い事が起き始めたんです』
『ホラ、桜子ッ、アナタも自分で説明しなきゃ』
『お姉ちゃん、いいよ、恥ずかしい、きっと幽霊だなんて、信じてもらえないよ』
前の子に引っ張られてきた女の子は、緊張した顔でそう言った。
二人は、姉妹だった。
『幽霊の件だったら、先生の幼馴染に、プロがいるよ。知ってるかな、勝平寺の3代目、自称2代目清明、野田和尚・・』
お姉さんと、妹は二人そろって首を振る。
『後ね、考古学の教授の卵の幼馴染もいるんだ。世界の不思議はオレが解明するって言ってる、勇気のある男もね』
『だから、大船に乗ったつもりで、何でも相談してくれていいよ!』
『実は、松本先生を入れて僕たちはチームなんだ。困った子供達を助けるチーム』
『4人で絶対君たちを助けてみせるよ!!』
哲也は、優しい笑顔でそう宣言したのである。
その言葉を聞いて、二人の姉妹の顔から、不安が消え、安心した表情を見せる。
そして時代と使命は受け継がれていくのであった。
(完)
『佐上先生、励んでるか?』
『あ、加賀谷教頭、おはようございます。』
中年の女性が、手のひらをグウにして、若い男性教員の肩を軽く叩く。
苦笑いをする男性教員は、照れながら、片手で自分の頭を撫でる。
『まさか、先生が教頭先生になって勝平小学校に戻って来られるとは・・』
『それは、こっちのセリフよ。10何年ぶりに、勝平小学校に戻ったら、以前の教え子が居るんだもの』
『それも二人も・・』
『そうですよね、まあ。教員採用試験に何度か失敗した自分と、すんなり先生になれた松本の・・』
『タイミングが丁度あってしまったようで、縁でしょうかね』
『それより、加賀谷教頭、だいぶお腹が目立ってきましたが、そろそろお休み取らなくて大丈夫ですか?』
『ウチは、旦那様が優しいからね、未だもうちょっと頑張りたいと思ってるんだけど・・』
『一さんたら、高齢出産なんだからって、毎日の様に言うの、女性に年の事を言うなんて、失礼よね』
『私も、大変なのよ。いっぺんに生まれてくれば良いのに、数年あけて授かるんだもの、やっと3人目よ』
『・・・。まあ、おめでたい事です。それだけ、愛されているって事ですよ・・』
『あらっ、アナタも言う様になったわね。私達の結婚式の時には、あんなに小さかった男の子だったのに』
二人がそんな会話をしていると、後ろから二人の女の子たちがやって来た。
『教頭先生、佐上先生、おはようございます。』
『君は・・確か・・』
『あっ、じゃあ、私は午後からの職員会議の準備があるから、行くわね。』
加賀谷教頭は、そう言って立ち去ろうとした。
しかし、一旦忘れた事を思い出したように、立ち止まり声をかける。
『佐上先生、来月にでも、皆で遊びに来て!カッチ君、ナオケン君、松本先生の4人で、我が家のバーベキュー大会に招待するわ!』
哲也は、同意の合図として恩師に軽く会釈をする。それを確認した福岡先生、いや加賀谷先生は満足そうな顔で職員室に戻って行った。
『あっ、ゴメンゴメン、それで何か話があるのかな?』
『はい、私、5年3組の松本先生のクラスの者です。鎌田です。』
『松本先生に相談したら、佐上先生にも話をしてみてって言われて・・』
『実は、私の妹が一昨日、不思議な女の子に出会って、それからちょっと怖い事が起き始めたんです』
『ホラ、桜子ッ、アナタも自分で説明しなきゃ』
『お姉ちゃん、いいよ、恥ずかしい、きっと幽霊だなんて、信じてもらえないよ』
前の子に引っ張られてきた女の子は、緊張した顔でそう言った。
二人は、姉妹だった。
『幽霊の件だったら、先生の幼馴染に、プロがいるよ。知ってるかな、勝平寺の3代目、自称2代目清明、野田和尚・・』
お姉さんと、妹は二人そろって首を振る。
『後ね、考古学の教授の卵の幼馴染もいるんだ。世界の不思議はオレが解明するって言ってる、勇気のある男もね』
『だから、大船に乗ったつもりで、何でも相談してくれていいよ!』
『実は、松本先生を入れて僕たちはチームなんだ。困った子供達を助けるチーム』
『4人で絶対君たちを助けてみせるよ!!』
哲也は、優しい笑顔でそう宣言したのである。
その言葉を聞いて、二人の姉妹の顔から、不安が消え、安心した表情を見せる。
そして時代と使命は受け継がれていくのであった。
(完)
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