42 / 43
秘密
しおりを挟む「優作くん、久しぶり!」と言って麻衣と加奈、梨奈は、もちろんのこと・・・小太郎やららぁまでが、優作くんを歓迎していた。
「ここのところ、どこで何してたの?」と麻衣に質問されて、優作くんは――――
「有給休暇をとって、旅に出ていたんだ」と応じて・・・
「お土産のお菓子を袋から取り出して、テーブルに載せた。麻衣たちは、喜び勇んで菓子を取り合う。
わたしの顔を注意深く見つめていた麻衣が
「お姉ちゃん、小太郎の散歩から戻ってきて顔が青ざめているよ、どうしたの?」と訊いてきた。
「久しぶりに身体動かしたからかしら・・・」と応じると、、、
「そうよ、お姉ちゃん最近引きこもって小説に向かいすぎだよ。少しは運動しなきゃ」と麻衣。「そうよ、そうよ」と加奈、梨奈が同調する。
優作くんと話し合って〝脅迫〟されていることなどは、家族には内密しておくということに決めていたので、妹たちには申し訳ないが事実は話せなかった。
わたしは、優作くんが帰ったあと・・・
陽子ちゃんに渡す原稿のチェックのつづきに、取りかかった、がしかし少し書き加えた。
午前2時を回ったところで、加筆そして一通りの誤字・脱字などのチェックを終えて、プリントアウトを始めた。
なんとか午後の講義のあとに、陽子ちゃんに原稿を渡せた――――
けれど、睡眠不足で眠たくてしかたがなかった。
「ありがとう、友香ちゃん」と言って陽子ちゃんは、わたしの原稿を受け取り、持ってきた原稿のコピーを貸してくれた。
わたしもお礼を言って
「ゴメン、眠たいから今日はもう帰る。原稿は、急いで読んで返すね」と彼女に言うと、、、
「そんなに無理しなくて良いわよ、ゆっくり読んでちょうだい」と返された。
早々に、帰宅して〝爆睡〟した。
目覚めた時には、日付がかわって・・・夜明けが迫っていた。リビングに行くと麻衣が、朝刊を読んでいた。
「麻衣、早いわね」と声をかけると――――
「お姉ちゃん、おはよう!たっぷり寝たみたいだね?」と返事を寄越した。
「お姉ちゃん、コーヒー飲む?」と彼女は、訊いてきた。
「麻衣が、淹れてくれるの?」と返すと・・・
「もちろん、挽きたてのコーヒーを飲ませてあげる」と彼女は、新聞をたたんでさっそく豆を挽き始めた。
わたしは、彼女がテーブルにたたんで載せた朝刊を手に取り目を通していて・・・
とある記事に、釘付けになった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
29
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる