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おとり捜査、開始!
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わたしは、ひとまず角田犯人説を横に、置いといて真犯人説で調査を進めるように優作くんとも話し合いの上に決めた。
満を持して、わたしの〝おとり捜査〟の始まりです。
いつもはつけていない〝勝負下着〟で、いざ!
まず、事件の発生した時間帯に、新宿、渋谷付近を歩くことにしました。
1日、2日・・・そして1週間と、犯行現場の新宿、渋谷そして恵比寿とランダムにまわりましたが、はかばかしい成果はえられませんでした。
連続婦女暴行事件自体も、恵比寿での事件以降は鳴りを潜めていて、解決の糸口すら掴めない日々が、続いていた。
定期的に、ミステリー研究会の集まりがあったので、わたしも息抜きに出席すると陽子ちゃんも来ていた。
そこで、角田のことを尋ねてみた。
「よっ、陽子ちゃん・・・元気?角田くんとはうまくいってる?」
「まぁ、そこそこね」
と陽子ちゃんは、多くを語らなかった。
「友香ちゃん、連続婦女暴行事件の方はどうなんだい?」と先輩に聞かれたので
「なかなか、事件解決とはいきません」と答えると
「あの事件をモチーフにしたミステリー小説を執筆してるって聞いたけど」
「はい、でもあれは事件と連動してるから、止まったままなんです」
「それじゃあ、やっぱりミステリーというよりノンフィクションじゃない?」
「いいえ、『女子大生、危機一髪』はフィクションです!」とかたくなに、否定した。
講義も始まり、本格的に2年目の大学生活も始まった。でも陽子ちゃんのことや事件が、曖昧な状態だったので、気分は新学年スタートの清々しい気分には到底なれなかった。
でも意外なことに『女子大生、危機一髪』という、わたしの手がけている小説の執筆は結構進んでいた。
おそらく、陽子ちゃんの波乱な恋愛事情に刺激を受けたのではないでしょうか。彼女は、同い年の大学2年生だけど・・・もう立派な〝オトナ〟の女性へと変貌している。
それにひきかえ、わたしは二十歳を前にして未だに、少女のままだ。陽子ちゃんにどんどん先に行かれているようで焦る気持ちを、振り払いきれない。
その焦る気持ちが、逆に創作活動にはプラスに働いているようです。
それに事件自体は、解決していないけど・・・うちの探偵事務所においては、容疑者〝角田〟を追跡調査していたので動きが、あったわけです。
だから、執筆するネタはあるのでペンが進んでいるのだと思います。
そして、わたしは事件の調査状況を知るために以前からお世話になっている〝和久さん〟という年配の刑事さんを有力な情報源としていた。
〝和久さん〟は、定年間近の禿頭の結構、背の高い、わたしにとっては〝おじいさん〟みたいな存在です。
年齢の割には、背筋がピーンと伸びていて非常に姿勢の良い刑事さんです。それに比べて、わたしはスマホでゲームをしたり、YouTubeの動画を観たりで〝猫背〟気味です・・・情けない(苦笑)
わたしの実家の近くに、住んでいらして以前飲み会の帰りでは、一緒に付き添って帰ってくれた。
わたしは幼い頃、かなりの〝おじいちゃん子〟だった。実のおじいちゃんは、高校生の時に他界しています。
だから、和久さんと知り合えて本当に、甘えています。
和久さんによると、警察でも犯人の特定すらできていない状況らしい。陽子ちゃんの件もさりげなく尋ねてみると。。。
陽子ちゃんが、証言した飯田橋の案件は、当初から〝狂言〟ではないかと疑っていて、捜査すらしてないらしい。
やっぱり、プロの目にかかれば嘘か本当かは、すぐに見抜かれてしまうのだな、と感心した。だから陽子ちゃんの話を聞いて、角田を容疑者とした自分がとても〝あまちゃん〟に思えて恥ずかしかった。
春の麗らかな、いや地球温暖化のためか既に〝夏日〟を観測した暑い日のことでした。わたしのスマートフォンに、和久さんからメールが届いた。
その内容は・・・
満を持して、わたしの〝おとり捜査〟の始まりです。
いつもはつけていない〝勝負下着〟で、いざ!
まず、事件の発生した時間帯に、新宿、渋谷付近を歩くことにしました。
1日、2日・・・そして1週間と、犯行現場の新宿、渋谷そして恵比寿とランダムにまわりましたが、はかばかしい成果はえられませんでした。
連続婦女暴行事件自体も、恵比寿での事件以降は鳴りを潜めていて、解決の糸口すら掴めない日々が、続いていた。
定期的に、ミステリー研究会の集まりがあったので、わたしも息抜きに出席すると陽子ちゃんも来ていた。
そこで、角田のことを尋ねてみた。
「よっ、陽子ちゃん・・・元気?角田くんとはうまくいってる?」
「まぁ、そこそこね」
と陽子ちゃんは、多くを語らなかった。
「友香ちゃん、連続婦女暴行事件の方はどうなんだい?」と先輩に聞かれたので
「なかなか、事件解決とはいきません」と答えると
「あの事件をモチーフにしたミステリー小説を執筆してるって聞いたけど」
「はい、でもあれは事件と連動してるから、止まったままなんです」
「それじゃあ、やっぱりミステリーというよりノンフィクションじゃない?」
「いいえ、『女子大生、危機一髪』はフィクションです!」とかたくなに、否定した。
講義も始まり、本格的に2年目の大学生活も始まった。でも陽子ちゃんのことや事件が、曖昧な状態だったので、気分は新学年スタートの清々しい気分には到底なれなかった。
でも意外なことに『女子大生、危機一髪』という、わたしの手がけている小説の執筆は結構進んでいた。
おそらく、陽子ちゃんの波乱な恋愛事情に刺激を受けたのではないでしょうか。彼女は、同い年の大学2年生だけど・・・もう立派な〝オトナ〟の女性へと変貌している。
それにひきかえ、わたしは二十歳を前にして未だに、少女のままだ。陽子ちゃんにどんどん先に行かれているようで焦る気持ちを、振り払いきれない。
その焦る気持ちが、逆に創作活動にはプラスに働いているようです。
それに事件自体は、解決していないけど・・・うちの探偵事務所においては、容疑者〝角田〟を追跡調査していたので動きが、あったわけです。
だから、執筆するネタはあるのでペンが進んでいるのだと思います。
そして、わたしは事件の調査状況を知るために以前からお世話になっている〝和久さん〟という年配の刑事さんを有力な情報源としていた。
〝和久さん〟は、定年間近の禿頭の結構、背の高い、わたしにとっては〝おじいさん〟みたいな存在です。
年齢の割には、背筋がピーンと伸びていて非常に姿勢の良い刑事さんです。それに比べて、わたしはスマホでゲームをしたり、YouTubeの動画を観たりで〝猫背〟気味です・・・情けない(苦笑)
わたしの実家の近くに、住んでいらして以前飲み会の帰りでは、一緒に付き添って帰ってくれた。
わたしは幼い頃、かなりの〝おじいちゃん子〟だった。実のおじいちゃんは、高校生の時に他界しています。
だから、和久さんと知り合えて本当に、甘えています。
和久さんによると、警察でも犯人の特定すらできていない状況らしい。陽子ちゃんの件もさりげなく尋ねてみると。。。
陽子ちゃんが、証言した飯田橋の案件は、当初から〝狂言〟ではないかと疑っていて、捜査すらしてないらしい。
やっぱり、プロの目にかかれば嘘か本当かは、すぐに見抜かれてしまうのだな、と感心した。だから陽子ちゃんの話を聞いて、角田を容疑者とした自分がとても〝あまちゃん〟に思えて恥ずかしかった。
春の麗らかな、いや地球温暖化のためか既に〝夏日〟を観測した暑い日のことでした。わたしのスマートフォンに、和久さんからメールが届いた。
その内容は・・・
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