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渋谷へ
しおりを挟むミステリー研究会では、休講中に郷里に帰った会員や海外旅行に行っていた会員らの地方や海外の土産話は、出身が東京のわたしにとっては実に刺激的で、わたしも旅行に行きたいなぁって思わされた。
そのためには、アルバイトをしてお金を貯めなきゃ・・・
うちの探偵事務所で、パートとして働くのが一番手っ取り早い・・・でも、優作くんにおとり捜査に頻繁に、かり出されるのも・・・この世の春を謳歌している花の女子大生の身としては、死と隣り合わせの〝おとり〟として働くことには、多少、いや・・・多大な嫌気を感じていた。
どうせなら、事件の謎を解く名探偵として働きたかった。
だから、優作くんには内緒で、新宿、渋谷、飯田橋と事件の発生した現場に足繁く
赴いては調べていた。
それに所轄の刑事さんたちとも優作くんよりも仲良くなっていた!
今日も所轄の刑事さんとの飲み会が、渋谷の居酒屋で行われることに、なっている。
だから、ミステリー研究会の男子から「今夜、飲み会するけど来ないか?」って誘われたけど・・・丁重に断った。
他の女子の会員も最近の〝連続婦女暴行事件〟の影響で、外を特に夜に街をひとりで歩かない!っていうのがミス研の女子の暗黙の了解となっていた。
でもわたしは、夜の渋谷を歩くことになる。
とても怖かったけど、聞き込みだと思って勇気を振り絞って渋谷に向かった。
地球温暖化の影響だろうか?まだ春先だというのにノースリーブでもいいくらいの気温だった。山手線の渋谷で降りて居酒屋へと向かう。
刑事さんたちから捜査状況を聞き出すべく勇んで渋谷の街を闊歩した。
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