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一章・・・宵の森
思い立ったら行動
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「ただいま新月・・・ってどうしたのこれ!?」
紅月が帰ってきた時には、衣服、武器、書類などが所狭しと並べられていた。
床には置いていないため歩く場所はあるが、ベッドやチェストの上、テーブルの上は山になっていた。
「紅月さん、おかえりなさい。食料とそれ以外をわけたくて出してたんですけど、俺の衣類とか武器とかが多くてですね・・・こんなんになっちゃいました。あ、紅月さんの衣類は少なかったんでチェストの上にたたんでおいてあります。」
紅月は唖然としている。
もしかして不味いことでもしただろうか。
「ねぇ、新月・・・?このチェストの中に入れたものは互いに不干渉だから衛生面とか汚れとかは問題ないんだよ?」
「それはツクヨミさんからの手紙に書いてあったので知ってますけど、俺が気分的に嫌です。
せめて食料とだけはわけたくて。
これもツクヨミさんからの手紙に書いてあったんですけど、クローゼットもチェストと同じ構造だそうなので、衣類はそっちに入れます。武器も同じところに入れますね。」
「あ・・・うん。私の分も同じところに入れておいてくれたらいいよ・・・。」
「クローゼットの方には自動洗浄とか、自動修復をしてくれる機能があるらしいのて、丁度いいですよね。洗濯の手間が省けます。」
紅月は完全に新月の勢いに飲まれている。
特に害がある訳でもないため、何も言うことがないようだ。
「そう言えば、米とか調味料とかはツクヨミさんが用意してくれたものだって書いてあったから分かるんですけど、はぐれフォレストウルフの肉塊とかデスクランベリーとかって、ツクヨミさんが用意してくれたものじゃないですよね。」
「あ、あぁうん。肉塊以外は昨日、私が採ってきたものだよ。肉塊は昨日捌いたものだね。」
(ん?入れた所は見てないような・・・)
「空間魔法でチェストの中に入れてたんだよ。直接開けなくても遠くから取り出せるし。」
そう言って手を握ってから広げると、コロリと硬そうな表皮のものが出てくる。黄色っぽい色をしていて、仄かに柑橘系の匂いがする。
「ロックシトラス・・・ですか?」
「そう、見たままだよね。
新月もやれるはずだからやってごらん。食べ物だったらチェストを、それ以外ならクローゼットを思い浮かべて。」
紅月からロックシトラスを受け取る。
手触りはまるっきり石だが、柚子くらいの大きさで、重さもそれくらいだ。
(これを、“ツクヨミさんからの贈り物”の中に・・・)
空間を繋げる。
「上手上手!新月は魔法の上達が早いね。」
前よりも使いやすくなっていた。
(取り出せるかな・・・)
チェストの中から、ロックシトラスを取り出すことを強くイメージすると、直ぐに手元に現れる。
「おっ、取り寄せることも出来るようになったね!
魔法っていうのはイメージさ。その現象を想像出来れば、新月の魔力量ならなんでも出来るよ。」
ヒクッ、と頬が引き攣るのがわかる。
(なんでも・・・?違うんだよ俺は目立たずにのんびりと生活したいだけなんだよ、チートはいらないんだよ・・・)
「新月は元々魔力強かったみたいだね。まさか底なしだとは思わなかったけど、この世界で過ごす上では有利だよね。」
(元から!?あぁそうかご先祖さまか!これに関しては何も言えねー・・・)
なんか、目の前で何かがふんぞり返ってる気がする。困ってるんだけどわかってるのかなぁ・・・。
「空間魔法を使える奴ってあんまり見た事ないから、隠しておいた方がいいのかな。」
「じゃあ念のために、バックにしまうふりをしながらやりますね。」
「確かそういうバックがあったからそれでいいと思うよ。」
出したものをクローゼットの中にしまう。一つ一つイメージするのは面倒だし、極力魔法には頼らない方向でいきたい。手間がかわらないなら魔法は控えることにする。
(思いもよらずチートだったし。)
最後に、七実からの小包と、ツクヨミからの手紙×2、身分証明書×2が残る。
「これが、取り敢えず確認したいものです。」
紅月にツクヨミからの手紙(紅月用)を渡す。
「わざわざ手紙・・・主もなんだかんだ楽しんでらっしゃるようで何よりです。」
確かに口頭でいえばいいものを手紙にするとは、なかなか暇人な気がする。まぁ、失礼だが。
「新月はもう読んだんだっけ?」
「はい。この世界を楽しんで欲しいってことと、困ったら紅月さんを頼ること、最後に、この小屋についての説明が書いてありました。」
「そっか、私も自分の分を後で読んでみるよ。
で、これがこの世界の身分証明書だね。冒険者ギルドのカードで、犯罪記録とか討伐記録とかが記載される。それは専用の装置で見るんだけど、まぁ、今はそれはいいか。
ギルドカードは神が発行するものなんだ。冒険者のランクとかは人間が決めるけどね。だから、主が発行しておいてくれたみたい。」
(ツクヨミさん、気が利くなー。これで近くの街とかにも遊びに行けるや。)
「あとは、妹ちゃんからの小包だね。」
・・・正直、これを開けるのが一番緊張している。
そっと結び目を解いて、少しだけ震える手で包を広げる。
・護符×20
・白紙×30
・墨
・硯
・筆
・勾玉
・短刀
・手紙
手紙を手に取り、開いてみる。
蓮也へ
あまり時間が無かったので、簡潔に書きます。この包みの中にあるのは、陰陽師として必要になるものです。
護符は体の一部に貼っておくことで、一度だけ身代わりになってくれます。
白紙には、“呪”と書きながら、こういう効果が欲しいと強く念じて言うと、その現象が起きる札ができます。その現象を起こしたい時につよく念じれば発動できます。
勾玉は、蓮也の霊力を外に漏らさないようにしてくれます。極力身に付けていてください。
最後に短刀ですが、蓮也と私が生まれた時に、龍神が持ってきた二振りのうちの一つです。きっと、蓮也を守ってくれます。大事にしてください。
離れても私達は双子です。あなたの無事を祈り、待っています。あなたを守りきれなくてごめんなさい。あなたに重荷を背負わせてごめんなさい。せめて、私は立派な陰陽師になって魑魅魍魎のせいで苦しむ人々を減らします。
P.S.
ずっと大好きだし、絶対に忘れないからね、蓮也。
「七実・・・!」
じわっ、と目頭が熱くなる。
(ごめん、めちゃくちゃ楽しんでた・・・!)
勾玉には紐が通っていたため、首から下げる。
(大事にするよ)
体内の魔力の循環がスムーズになった気がした。
(霊力って、こっちの魔力のことなんだな。)
短刀は解体用のナイフと替える。紐は丈夫そうだからそのままにすることにした。
残りの護符とかは包み直して、クローゼットにしまう。
「うん、魔力がすごく安定してる。これなら気配を察知したり消したりするのも上手くできるようになるよ。」
外に出て、紅月と特訓をすることになった。
To Be Continued・・・・・・
紅月が帰ってきた時には、衣服、武器、書類などが所狭しと並べられていた。
床には置いていないため歩く場所はあるが、ベッドやチェストの上、テーブルの上は山になっていた。
「紅月さん、おかえりなさい。食料とそれ以外をわけたくて出してたんですけど、俺の衣類とか武器とかが多くてですね・・・こんなんになっちゃいました。あ、紅月さんの衣類は少なかったんでチェストの上にたたんでおいてあります。」
紅月は唖然としている。
もしかして不味いことでもしただろうか。
「ねぇ、新月・・・?このチェストの中に入れたものは互いに不干渉だから衛生面とか汚れとかは問題ないんだよ?」
「それはツクヨミさんからの手紙に書いてあったので知ってますけど、俺が気分的に嫌です。
せめて食料とだけはわけたくて。
これもツクヨミさんからの手紙に書いてあったんですけど、クローゼットもチェストと同じ構造だそうなので、衣類はそっちに入れます。武器も同じところに入れますね。」
「あ・・・うん。私の分も同じところに入れておいてくれたらいいよ・・・。」
「クローゼットの方には自動洗浄とか、自動修復をしてくれる機能があるらしいのて、丁度いいですよね。洗濯の手間が省けます。」
紅月は完全に新月の勢いに飲まれている。
特に害がある訳でもないため、何も言うことがないようだ。
「そう言えば、米とか調味料とかはツクヨミさんが用意してくれたものだって書いてあったから分かるんですけど、はぐれフォレストウルフの肉塊とかデスクランベリーとかって、ツクヨミさんが用意してくれたものじゃないですよね。」
「あ、あぁうん。肉塊以外は昨日、私が採ってきたものだよ。肉塊は昨日捌いたものだね。」
(ん?入れた所は見てないような・・・)
「空間魔法でチェストの中に入れてたんだよ。直接開けなくても遠くから取り出せるし。」
そう言って手を握ってから広げると、コロリと硬そうな表皮のものが出てくる。黄色っぽい色をしていて、仄かに柑橘系の匂いがする。
「ロックシトラス・・・ですか?」
「そう、見たままだよね。
新月もやれるはずだからやってごらん。食べ物だったらチェストを、それ以外ならクローゼットを思い浮かべて。」
紅月からロックシトラスを受け取る。
手触りはまるっきり石だが、柚子くらいの大きさで、重さもそれくらいだ。
(これを、“ツクヨミさんからの贈り物”の中に・・・)
空間を繋げる。
「上手上手!新月は魔法の上達が早いね。」
前よりも使いやすくなっていた。
(取り出せるかな・・・)
チェストの中から、ロックシトラスを取り出すことを強くイメージすると、直ぐに手元に現れる。
「おっ、取り寄せることも出来るようになったね!
魔法っていうのはイメージさ。その現象を想像出来れば、新月の魔力量ならなんでも出来るよ。」
ヒクッ、と頬が引き攣るのがわかる。
(なんでも・・・?違うんだよ俺は目立たずにのんびりと生活したいだけなんだよ、チートはいらないんだよ・・・)
「新月は元々魔力強かったみたいだね。まさか底なしだとは思わなかったけど、この世界で過ごす上では有利だよね。」
(元から!?あぁそうかご先祖さまか!これに関しては何も言えねー・・・)
なんか、目の前で何かがふんぞり返ってる気がする。困ってるんだけどわかってるのかなぁ・・・。
「空間魔法を使える奴ってあんまり見た事ないから、隠しておいた方がいいのかな。」
「じゃあ念のために、バックにしまうふりをしながらやりますね。」
「確かそういうバックがあったからそれでいいと思うよ。」
出したものをクローゼットの中にしまう。一つ一つイメージするのは面倒だし、極力魔法には頼らない方向でいきたい。手間がかわらないなら魔法は控えることにする。
(思いもよらずチートだったし。)
最後に、七実からの小包と、ツクヨミからの手紙×2、身分証明書×2が残る。
「これが、取り敢えず確認したいものです。」
紅月にツクヨミからの手紙(紅月用)を渡す。
「わざわざ手紙・・・主もなんだかんだ楽しんでらっしゃるようで何よりです。」
確かに口頭でいえばいいものを手紙にするとは、なかなか暇人な気がする。まぁ、失礼だが。
「新月はもう読んだんだっけ?」
「はい。この世界を楽しんで欲しいってことと、困ったら紅月さんを頼ること、最後に、この小屋についての説明が書いてありました。」
「そっか、私も自分の分を後で読んでみるよ。
で、これがこの世界の身分証明書だね。冒険者ギルドのカードで、犯罪記録とか討伐記録とかが記載される。それは専用の装置で見るんだけど、まぁ、今はそれはいいか。
ギルドカードは神が発行するものなんだ。冒険者のランクとかは人間が決めるけどね。だから、主が発行しておいてくれたみたい。」
(ツクヨミさん、気が利くなー。これで近くの街とかにも遊びに行けるや。)
「あとは、妹ちゃんからの小包だね。」
・・・正直、これを開けるのが一番緊張している。
そっと結び目を解いて、少しだけ震える手で包を広げる。
・護符×20
・白紙×30
・墨
・硯
・筆
・勾玉
・短刀
・手紙
手紙を手に取り、開いてみる。
蓮也へ
あまり時間が無かったので、簡潔に書きます。この包みの中にあるのは、陰陽師として必要になるものです。
護符は体の一部に貼っておくことで、一度だけ身代わりになってくれます。
白紙には、“呪”と書きながら、こういう効果が欲しいと強く念じて言うと、その現象が起きる札ができます。その現象を起こしたい時につよく念じれば発動できます。
勾玉は、蓮也の霊力を外に漏らさないようにしてくれます。極力身に付けていてください。
最後に短刀ですが、蓮也と私が生まれた時に、龍神が持ってきた二振りのうちの一つです。きっと、蓮也を守ってくれます。大事にしてください。
離れても私達は双子です。あなたの無事を祈り、待っています。あなたを守りきれなくてごめんなさい。あなたに重荷を背負わせてごめんなさい。せめて、私は立派な陰陽師になって魑魅魍魎のせいで苦しむ人々を減らします。
P.S.
ずっと大好きだし、絶対に忘れないからね、蓮也。
「七実・・・!」
じわっ、と目頭が熱くなる。
(ごめん、めちゃくちゃ楽しんでた・・・!)
勾玉には紐が通っていたため、首から下げる。
(大事にするよ)
体内の魔力の循環がスムーズになった気がした。
(霊力って、こっちの魔力のことなんだな。)
短刀は解体用のナイフと替える。紐は丈夫そうだからそのままにすることにした。
残りの護符とかは包み直して、クローゼットにしまう。
「うん、魔力がすごく安定してる。これなら気配を察知したり消したりするのも上手くできるようになるよ。」
外に出て、紅月と特訓をすることになった。
To Be Continued・・・・・・
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