12 / 36
一章・・・宵の森
探索してみよう
しおりを挟む
意識がゆっくりと浮上する。
(・・・あ、そうだ。あれやりたいな。)
「知らない天井だ・・・」
やりたかったことをやってご機嫌になった蓮也改め新月は起き上がる。
「わっ!俺裸だ!?」
服を着てなかった。
慌ててチェストを探す。
(どこ!?チェストってどれ!?)
慌てれば慌てるほど見つかる気がしない。
「チェストはベッドのすぐ隣だよ。」
そこを見てみると、確かにわかりやすく置いてあった。
(灯台もと暗しってこの事か。)
「・・・ん?」
「起きたね、少年。」
振り返ると紅月が立っている。
「紅月さん!・・・あっ、待ってください俺今裸です。」
「知ってる。チェストの中に着替えがあるから着替えよう。」
そう言ってチェストを開けると、テキパキと衣類を取り出す。
ベッドの上に、いかにも“異世界の村人です!”と言った感じの服が置かれた。
「着方はわかる?」
「大丈夫だと思います。」
「わからなかったら聞いて?私もこの格好では目立つから着替える。」
「分かりました。」
服のつくりは簡単なため、直ぐに着ることが出来た。
(あとは靴だけど・・・)
靴下がない。靴は革でできた編み上げのブーツなのだが、靴下を履かずに履くには抵抗がある。
「紅月さん、靴下って・・・」
紅月の方を向くと、丁度髪をまとめているところだった。額に角はないが、角がある姿を知っているために、少しだけ違和感を感じた。
「ん?あぁ、この世界には靴下を履くっていう文化がないから、靴下は存在しないんだよね。ちょっと待ってね、多分チェストに入ってるから・・・」
はい、と靴下を渡される。
「ありがとうございます。
紅月さんはこの世界のこと、詳しいんですか?」
靴下を履き、靴を履きながら聞く。慣れないから少しだけ時間がかかる。
「それなりにね。主に頼まれてこの世界に来ることは多いから、割と知ってる。生まれは地球だけど、地球よりもこっちの方が長くいるかな。」
「そうなんですか。じゃあこの世界って、どんな種族がいるんですか?」
紅月も靴紐を結びながら答える。
「結構いるよ。
一番多いのが人族
一番少ないのが妖族
それ以外だと獣人族とか、精霊族とか、妖精族とかかな。あと魔族もいて、人族と対立してるね。」
「どの種族が強いとかってあったりするんですか?」
「個体差があるし、どの強さでいうのかにもよるからなんとも言えないけど、妖族はダントツで強いね。妖術っていう妖族固有の技を持ってて、魔法とは比にならないくらい強いんだよ。手先も器用で、独自の文化を築いている。ただ、個体数が少ない上に、産まれたばかりの妖族は弱いから他種族との接触は好まないね。住んでいる場所も大陸から離れた島だから、実質鎖国状態だよ。そして、妖族同士の結束が強い。
長老を王とおき、最も強い力を持つ人格者を長とすることで結束を保っている。特に長の人気はとどまることを知らない。
妖族は長生きだから、多分前回来た時と王も長も代わってないはずだよ。」
「何年前ですか?」
「五十年前。」
(長生きのレベルが違う!てかそうだよ紅月さんも鬼だったよ結構生きてるはずだよ・・・)
丁度靴を履き終わり、立ち上がる。
革は柔らかくて、足を傷めずにすみそうだった。
「準備出来たみたいだね。他にも聞きたいことはあるだろうけど、外も気になるだろ?散策に行こう。」
矢筒と弓を背負い、いかにも狩人という感じの服を着ている。
「新月は護身用のナイフを持っててね。」
皮の鞘に納まっているナイフを手渡される。
そっと出してみると、厳ついサバイバルナイフだった。
「解体用ナイフだけど、護身程度ならできるよ。」
紐で腰に括りつけてもらった。
紐は弾力があって、痛くない程度に縛ってあるだけなのにしっかりと固定されている。
「よし、行こうか。」
扉を開けると、薄暗い森が広がっている。
「ここは宵の森と言って、こんなふうに常に薄暗いんだ。」
小屋の周りは少しひらけていて、小屋の裏には断崖絶壁の壁がそそり立っている。
(雨降った時とか大丈夫なのかこれ。)
「あの崖なら大丈夫。簡単に崩れやしないよ。」
見てて、と言って近くにあった岩にむきなおる紅月。
「?」
「よいせっと。」
ドゴッ!ガラガラガラ・・・
「!?」
軽い掛け声とともにだされた回し蹴りで、その岩が崩れさる。
「まぁ、岩はこんな感じに砕けちゃうんだけど、」
そう言いながら崖にむきなおる。
「いやいやいや!崩れちゃいますって!」
あれを見たら止めざるを得ないだろう。
「大丈夫だから見てて。」
同じように、壁に蹴りをする。
「そいっ!」
ズンッ・・・
地響きこそしたものの、壁はビクともしていない。
(あ、紅月さんが蹴ったところだけ凹んでる。)
「とあまぁこんなふうに、ちっとやそっとじゃ壊れないからね。本気じゃないけど。」
(本気だったら壊せるってこと!?恐ろしや恐ろしや・・・)
紅月の不穏な言葉をききながらも、ひとまず大丈夫だと安心することにする。
(異世界の常識は俺の非常識だから気にしない気にしない・・・)
紅月に連れられて森の中に入ると、木が鬱蒼と茂っている。
歩いていて気がついたが、低い木の枝がひょいと避けてくれていて、木の根は転ばないように引っ込んでくれている。
「紅月さん、この森って生きてるんですか?」
「この森だけに限らず、自然は意志を持ってるよ。それがどうかした?」
ちゃんと立ち止まって話をさせてくれる。
「さっきから森の木が、俺の歩きやすいように動いてる気がして・・・」
「それは主の・・・大地と自然を司る神、アトランシスの加護があるからだよ。自然達は決して新月を傷つけないし、新月を必ず助けてくれる。」
(えっ、チート・・・)
でも、スローライフを送る上では有難い能力だと自分を納得させる。
「アトランシスってツクヨミさんのことですよね。」
「うん、主のことだよ。」
(チートはいいって言ったのになぁ・・・)
肩を落とした新月に、紅月は首を傾げる。
「もっとカッコイイ加護が良かった?
一応、大地からの恵みで体力、魔力は常に回復するから強いと思うんだけど・・・。」
回復量にもよるが、またチート要素が増えた気がする。
(いや、でもスローライフが送れないわけじゃないさ!)
なんとか自分を納得させて、紅月に大丈夫だと伝える。
「じゃあ行こうか。」
しばらく歩いていると、沢山木の実がなっていることに気がついた。
(見た目はすごく毒々しいものとか、トゲトゲなものが多いけど、あれ食べられるのかな?)
「お腹すいた?」
木の実ばかり見つめていることに気がついた紅月が聞いてくる。
「あっいえ!食べれるのかなーって思ってただけです。」
「ふふふ、ここら辺で少し休憩しようか。」
まだ全く疲れてないのに、小休止をはさむことになった。
「疲れは大地が癒してくれても、空腹は癒してくれないからね。」
「そんなに歩いてませんよ?」
「楽しくて気がついてないんだと思うけど、三時間くらいずっと歩いてるからね?」
えっ、と固まる。
(足も痛くないし、全然疲れてないのに・・・回復って凄過ぎない?朝から晩まで農作業出来そうだよ。)
「木の実を取ろう。美味しい果実は直ぐに分かるはずだよ。」
割と高い位置にあるため、新月の背では届きそうもない。
すると、その果実がなっている木の枝が下がってきて、新月の前に垂れる。
「・・・いいの?」
頷くように枝が揺れ、果実の下に手を出すとポトリと果実が手に納まった。
見た目がとても毒々しい。
(た、たべれるのかこれ?食べれるとしても、どうやって食べればいいんだ?)
《そのままたべて、だいじょーぶ》
幼い子供のような声が頭に響く。
《かわもちゃんと、たべれるの
むしてもやいてもおいしいけど、にるのはやめてね
たべあわせでどくになるからね、きをつけてね?》
声に従い、かぶりつく。
シャキッとした食感で、真ん中の方はトロッとしている。とても甘いのに後味はさっぱりしていて嫌味がない。
「美味しい・・・!」
あっという間になくなってしまった。
(もう一個食べたい・・・あと紅月さんにもあげたい・・・この美味しさを、ぜひとも共有したい!)
ポトポトッと、手の中にさっきの木の実が落ちてきた。
「わっ!・・・えへへ、ありがとね?」
木を見上げてお礼を言えば、嬉しそうに枝が揺れている。
紅月を探してキョロキョロとするも、いつの間にか見当たらない。
「紅月さーん?」
返事もない。もしかして、離れてしまったのだろうか?
「紅月さーん!どこ行っちゃったんですかー?おれ、一人じゃ帰れませんよー?」
両手に木の実を持ちながら、声を出して紅月を探す。
だが、新月は失念していた。ここは森で、さらに言えば異世界で、人を狙う魔獣がいることを。
大声を出せば、魔獣がよってくるということを。
グルルル・・・
背筋がスっと、冷たくなる。
パッと振り返ると、目を爛々とさせた獣がいる。口からはヨダレが垂れていて、自分が獲物として狙われていることを悟る。
(ど、どうしよう・・・!今、両手塞がってるのに・・・それに戦闘の経験なんてないよ・・・)
ゆっくりと後ずさっても、ジリジリと間合いを詰められる。
トン、と背中に木が当たった。
(しまっ・・・!)
動きが止まった新月に、獣はおどりかかった。
To Be Continued・・・・・・
(・・・あ、そうだ。あれやりたいな。)
「知らない天井だ・・・」
やりたかったことをやってご機嫌になった蓮也改め新月は起き上がる。
「わっ!俺裸だ!?」
服を着てなかった。
慌ててチェストを探す。
(どこ!?チェストってどれ!?)
慌てれば慌てるほど見つかる気がしない。
「チェストはベッドのすぐ隣だよ。」
そこを見てみると、確かにわかりやすく置いてあった。
(灯台もと暗しってこの事か。)
「・・・ん?」
「起きたね、少年。」
振り返ると紅月が立っている。
「紅月さん!・・・あっ、待ってください俺今裸です。」
「知ってる。チェストの中に着替えがあるから着替えよう。」
そう言ってチェストを開けると、テキパキと衣類を取り出す。
ベッドの上に、いかにも“異世界の村人です!”と言った感じの服が置かれた。
「着方はわかる?」
「大丈夫だと思います。」
「わからなかったら聞いて?私もこの格好では目立つから着替える。」
「分かりました。」
服のつくりは簡単なため、直ぐに着ることが出来た。
(あとは靴だけど・・・)
靴下がない。靴は革でできた編み上げのブーツなのだが、靴下を履かずに履くには抵抗がある。
「紅月さん、靴下って・・・」
紅月の方を向くと、丁度髪をまとめているところだった。額に角はないが、角がある姿を知っているために、少しだけ違和感を感じた。
「ん?あぁ、この世界には靴下を履くっていう文化がないから、靴下は存在しないんだよね。ちょっと待ってね、多分チェストに入ってるから・・・」
はい、と靴下を渡される。
「ありがとうございます。
紅月さんはこの世界のこと、詳しいんですか?」
靴下を履き、靴を履きながら聞く。慣れないから少しだけ時間がかかる。
「それなりにね。主に頼まれてこの世界に来ることは多いから、割と知ってる。生まれは地球だけど、地球よりもこっちの方が長くいるかな。」
「そうなんですか。じゃあこの世界って、どんな種族がいるんですか?」
紅月も靴紐を結びながら答える。
「結構いるよ。
一番多いのが人族
一番少ないのが妖族
それ以外だと獣人族とか、精霊族とか、妖精族とかかな。あと魔族もいて、人族と対立してるね。」
「どの種族が強いとかってあったりするんですか?」
「個体差があるし、どの強さでいうのかにもよるからなんとも言えないけど、妖族はダントツで強いね。妖術っていう妖族固有の技を持ってて、魔法とは比にならないくらい強いんだよ。手先も器用で、独自の文化を築いている。ただ、個体数が少ない上に、産まれたばかりの妖族は弱いから他種族との接触は好まないね。住んでいる場所も大陸から離れた島だから、実質鎖国状態だよ。そして、妖族同士の結束が強い。
長老を王とおき、最も強い力を持つ人格者を長とすることで結束を保っている。特に長の人気はとどまることを知らない。
妖族は長生きだから、多分前回来た時と王も長も代わってないはずだよ。」
「何年前ですか?」
「五十年前。」
(長生きのレベルが違う!てかそうだよ紅月さんも鬼だったよ結構生きてるはずだよ・・・)
丁度靴を履き終わり、立ち上がる。
革は柔らかくて、足を傷めずにすみそうだった。
「準備出来たみたいだね。他にも聞きたいことはあるだろうけど、外も気になるだろ?散策に行こう。」
矢筒と弓を背負い、いかにも狩人という感じの服を着ている。
「新月は護身用のナイフを持っててね。」
皮の鞘に納まっているナイフを手渡される。
そっと出してみると、厳ついサバイバルナイフだった。
「解体用ナイフだけど、護身程度ならできるよ。」
紐で腰に括りつけてもらった。
紐は弾力があって、痛くない程度に縛ってあるだけなのにしっかりと固定されている。
「よし、行こうか。」
扉を開けると、薄暗い森が広がっている。
「ここは宵の森と言って、こんなふうに常に薄暗いんだ。」
小屋の周りは少しひらけていて、小屋の裏には断崖絶壁の壁がそそり立っている。
(雨降った時とか大丈夫なのかこれ。)
「あの崖なら大丈夫。簡単に崩れやしないよ。」
見てて、と言って近くにあった岩にむきなおる紅月。
「?」
「よいせっと。」
ドゴッ!ガラガラガラ・・・
「!?」
軽い掛け声とともにだされた回し蹴りで、その岩が崩れさる。
「まぁ、岩はこんな感じに砕けちゃうんだけど、」
そう言いながら崖にむきなおる。
「いやいやいや!崩れちゃいますって!」
あれを見たら止めざるを得ないだろう。
「大丈夫だから見てて。」
同じように、壁に蹴りをする。
「そいっ!」
ズンッ・・・
地響きこそしたものの、壁はビクともしていない。
(あ、紅月さんが蹴ったところだけ凹んでる。)
「とあまぁこんなふうに、ちっとやそっとじゃ壊れないからね。本気じゃないけど。」
(本気だったら壊せるってこと!?恐ろしや恐ろしや・・・)
紅月の不穏な言葉をききながらも、ひとまず大丈夫だと安心することにする。
(異世界の常識は俺の非常識だから気にしない気にしない・・・)
紅月に連れられて森の中に入ると、木が鬱蒼と茂っている。
歩いていて気がついたが、低い木の枝がひょいと避けてくれていて、木の根は転ばないように引っ込んでくれている。
「紅月さん、この森って生きてるんですか?」
「この森だけに限らず、自然は意志を持ってるよ。それがどうかした?」
ちゃんと立ち止まって話をさせてくれる。
「さっきから森の木が、俺の歩きやすいように動いてる気がして・・・」
「それは主の・・・大地と自然を司る神、アトランシスの加護があるからだよ。自然達は決して新月を傷つけないし、新月を必ず助けてくれる。」
(えっ、チート・・・)
でも、スローライフを送る上では有難い能力だと自分を納得させる。
「アトランシスってツクヨミさんのことですよね。」
「うん、主のことだよ。」
(チートはいいって言ったのになぁ・・・)
肩を落とした新月に、紅月は首を傾げる。
「もっとカッコイイ加護が良かった?
一応、大地からの恵みで体力、魔力は常に回復するから強いと思うんだけど・・・。」
回復量にもよるが、またチート要素が増えた気がする。
(いや、でもスローライフが送れないわけじゃないさ!)
なんとか自分を納得させて、紅月に大丈夫だと伝える。
「じゃあ行こうか。」
しばらく歩いていると、沢山木の実がなっていることに気がついた。
(見た目はすごく毒々しいものとか、トゲトゲなものが多いけど、あれ食べられるのかな?)
「お腹すいた?」
木の実ばかり見つめていることに気がついた紅月が聞いてくる。
「あっいえ!食べれるのかなーって思ってただけです。」
「ふふふ、ここら辺で少し休憩しようか。」
まだ全く疲れてないのに、小休止をはさむことになった。
「疲れは大地が癒してくれても、空腹は癒してくれないからね。」
「そんなに歩いてませんよ?」
「楽しくて気がついてないんだと思うけど、三時間くらいずっと歩いてるからね?」
えっ、と固まる。
(足も痛くないし、全然疲れてないのに・・・回復って凄過ぎない?朝から晩まで農作業出来そうだよ。)
「木の実を取ろう。美味しい果実は直ぐに分かるはずだよ。」
割と高い位置にあるため、新月の背では届きそうもない。
すると、その果実がなっている木の枝が下がってきて、新月の前に垂れる。
「・・・いいの?」
頷くように枝が揺れ、果実の下に手を出すとポトリと果実が手に納まった。
見た目がとても毒々しい。
(た、たべれるのかこれ?食べれるとしても、どうやって食べればいいんだ?)
《そのままたべて、だいじょーぶ》
幼い子供のような声が頭に響く。
《かわもちゃんと、たべれるの
むしてもやいてもおいしいけど、にるのはやめてね
たべあわせでどくになるからね、きをつけてね?》
声に従い、かぶりつく。
シャキッとした食感で、真ん中の方はトロッとしている。とても甘いのに後味はさっぱりしていて嫌味がない。
「美味しい・・・!」
あっという間になくなってしまった。
(もう一個食べたい・・・あと紅月さんにもあげたい・・・この美味しさを、ぜひとも共有したい!)
ポトポトッと、手の中にさっきの木の実が落ちてきた。
「わっ!・・・えへへ、ありがとね?」
木を見上げてお礼を言えば、嬉しそうに枝が揺れている。
紅月を探してキョロキョロとするも、いつの間にか見当たらない。
「紅月さーん?」
返事もない。もしかして、離れてしまったのだろうか?
「紅月さーん!どこ行っちゃったんですかー?おれ、一人じゃ帰れませんよー?」
両手に木の実を持ちながら、声を出して紅月を探す。
だが、新月は失念していた。ここは森で、さらに言えば異世界で、人を狙う魔獣がいることを。
大声を出せば、魔獣がよってくるということを。
グルルル・・・
背筋がスっと、冷たくなる。
パッと振り返ると、目を爛々とさせた獣がいる。口からはヨダレが垂れていて、自分が獲物として狙われていることを悟る。
(ど、どうしよう・・・!今、両手塞がってるのに・・・それに戦闘の経験なんてないよ・・・)
ゆっくりと後ずさっても、ジリジリと間合いを詰められる。
トン、と背中に木が当たった。
(しまっ・・・!)
動きが止まった新月に、獣はおどりかかった。
To Be Continued・・・・・・
0
お気に入りに追加
389
あなたにおすすめの小説
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
天使な息子にこの命捧げます
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
ファンタジー
HOTランキング第6位獲得作品
ジャンヌは愛する夫に急死されて、生まれて間もない息子と二人で残されてしまった。夫の死を悲しむ間もな無く、伯母達に日々虐められるが、腕の中の天使な息子のお陰でなんとか耐えられている。その上侯爵家を巡る跡継ぎ争いに巻き込まれてしまう。商人の後妻にされそうになったり、伯母たちの手にかかりそうになるジャンヌ。それをなんとか切り抜けて、0歳の息子を果たして侯爵家の跡継ぎに出来るのか?
見た目はおしとやかな淑女というか未亡人妻。でも実際は……
その顔を見た途端、顔を引きつらせる者もちらほらいて……
結果は読んでのお楽しみです。ぜひともお楽しみ下さい。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた
リオール
恋愛
だから?
それは最強の言葉
~~~~~~~~~
※全6話。短いです
※ダークです!ダークな終わりしてます!
筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。
スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。
※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】悪役令嬢の真実
三園 七詩
恋愛
悪役令嬢と言われた侯爵令嬢のお話
それは第一王子の婚約者として上手くいっていた人生に訪れた変化だった。
急に学園に編入してきた光の魔法をもつヒカル嬢…彼女の言うことに周りは翻弄されていく?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる