吉宗のさくら ~八代将軍へと至る道~

破天荒な将軍 吉宗。民を導く将軍となれるのか

―――

将軍?捨て子?
貴公子として生まれ、捨て子として道に捨てられた。
その暮らしは長く続かない。兄の不審死。
呼び戻された吉宗は陰謀に巻き込まれ将軍位争いの旗頭に担ぎ上げられていく。

次第に明らかになる不審死の謎。
運命に導かれるようになりあがる吉宗。

将軍となった吉宗が隅田川にさくらを植えたのはなぜだろうか。

※※

暴れん坊将軍として有名な徳川吉宗。
低迷していた徳川幕府に再び力を持たせた。
民の味方とも呼ばれ人気を博した将軍でもある。

徳川家の序列でいくと、徳川宗家、尾張家、紀州家と三番目の家柄で四男坊。
本来ならば将軍どころか実家の家督も継げないはずの人生。
数奇な運命に付きまとわれ将軍になってしまった吉宗は何を思う。

本人の意思とはかけ離れた人生、権力の頂点に立つのは幸運か不運なのか……


突拍子もない政策や独創的な人事制度。かの有名なお庭番衆も彼が作った役職だ。
そして御三家を模倣した御三卿を作る。
決して旧来の物を破壊するだけではなかった。その効用を充分理解して変化させるのだ。

彼は前例主義に凝り固まった重臣や役人たちを相手取り、旧来の慣習を打ち破った。
そして独自の政策や改革を断行した。

いきなり有能な人間にはなれない。彼は失敗も多く完全無欠ではなかったのは歴史が証明している。

破天荒でありながら有能な将軍である徳川吉宗が、どうしてそのような将軍になったのか。

おそらく将軍に至るまでの若き日々の経験が彼を育てたのだろう。
その辺りを深堀して、将軍になる前の半生にスポットを当てたのがこの作品です。

本作品は、第9回歴史・時代小説大賞の参加作です。
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