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風邪と豆腐(全12話)
10.思い出の丘
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親方から聞き出した丘の方向へと行ってみれば、見通しが良さそうな小高い丘がいくつか連なっている。一番大きくて、見晴らしが良さそうな丘に目星を付け登り始める。
ある程度登っていくと、丘のてっぺんに並んで腰を下ろし楽しそうに話をしている二人が見えた。
お多恵が銀次をいつ見つけたのかわからない。
ただ二人の仲の良さは、以前聞いていた仲の良さとは違って見えた。
おそらく一悶着あって、本音をぶつけり合い仲直りをしたのではないだろうか。
それくらい仲睦まじい様子だった。
今回の包丁紛失騒ぎは、二人の関係に変化をもたらしたらしい。
雨降って地が固まったと言えば良いのか。
それとも本来は、このように仲が良かったのだろうか。
邪魔をするのも悪いと、日向たちは少しの間、丘からの景色を楽しむことにした。
初夏の鶯谷は緑が濃く、聞こえてくるのはサワサワという風の音だけ。ときおり銀次たちの声が途切れ途切れ聞こえるくらいだが、声色は幸せそうで、それもむしろ心地良い。
木々には程よく手が入り、陽と緑がキラキラと混ざり合う。少し汗ばんで熱を持った肌を谷間を流れる風が和らげてくれる。
点在する鄙びた家屋は、緑の芝生に散らした落ち葉のようだ。
その風景は恋人とでなくともゆっくりと眺めていたい光景だった。
話が一段落した様子を見て取って、銀次たちに気が付かれるよう、あえて足音を立てて丘を登る。
「お邪魔じゃないかしら?」
「ずいぶん良い雰囲気でしたね~!」
「日葵様! それに日向様も!」
「様はやめてちょうだい。そんな身分じゃないわ。私たちの家は貧乏御家人ですよ」
「そうですよ! ひまりちゃんなんて紀州の猿って言われたくらいですから」
「それは、あんたも一緒でしょ!」
銀次はいきなり始まる漫才に戸惑っていたが、お多恵は吹き出すように笑い出した。
「ふふっ。こちらがさっき話したお二人よ。色々相談に乗って頂いたの」
「そうでしたかい。こいつがご面倒お掛けしたようで」
「こっちが首を突っ込んだだけですから」
「それに面倒を掛けられたのは銀次さんにという方が正しいですし」
「余計なこと言わない!」
お多恵は慣れたようで、ニコニコと話を聞いていたのだが、当然の質問をする。
「それはそれは。私たちがご迷惑おかけしちゃったわね。それにしてもどうしてここへ?」
「報告と相談があってね。探してたのよ」
「報告と相談……ですか?」
「うん! とりあえず包丁は見つかったよ!」
「本当ですかい?!」
「良かったじゃない、銀次!」
銀次たちは手を取り合い喜びを嚙み締める。
二人にホッとした空気が漂う。
「ええ。まずは一安心よね。それで相談なんだけど……犯人は身内だったわ。それをどう扱うか相談したかったの」
「やはりそうでしたかい」
「それは疑いようの無い事だったわね。私たちは犯人の名前も知っているの。そして包丁は今夜、本店の板場に戻される予定だってことも。それで銀次さんはどうしたいのかなって」
「……包丁は無事に戻るんですかい?」
「ええ、本人にその意思があるみたい」
「犯人さんは仕事道具の包丁を捨てる気にはなれなかったって言ってたよ」
「どこでそんな事を? まさか、とっ捕まえちまったんじゃ?」
「いいえ。その人は、自分が犯人だと気が付かれている事を知らないわ」
「どうやったらそんな事が出来るんで?」
「ないしょです!」
銀次は思わずお多恵を見るが、お多恵自体も知らぬこと。首を傾げるくらいしか出来ない。
「……そうですかい。まあ恩人に根掘り葉掘り聞くのは男じゃねえや」
「そうしてくれると助かるわ。それでどうするの? 誰が犯人だったか教えましょうか?」
「それも聞きやせん。何もかも。包丁が戻るのであれば、元の鞘に収まるってこった。つまり騒ぎはそもそもなかったんだ。俺は、こいつと結婚して上野うぐいす屋をやっていければそれで満足でさぁ。さっき二人で話していて、それを再認識しました。それに、そいつは不甲斐ない俺に嫌気が差したんでしょう。俺がしっかりしてりゃあ良かったって話です。だからもう大丈夫です」
「銀次ったら、格好つけちゃって」
満更でもない様子を隠そうともせず、お多恵は茶化す。
「混ぜっ返すんじゃねえやい。包丁さえ戻れば、親方を唸らせる淡雪豆腐を作ってやるぜ。そしたら、みんな収まるとこに収まるって寸法よ」
「楽しみにしてるわ!」
「おうよ! そしたら晴れて夫婦になれるな。随分待たせちまって悪かった」
「本当よ……馬鹿……待ちくだびれちゃったわ」
「悪かったって言ってんだろう?」
「良いわ。許してあげる」
だいぶ甘い空気になっている。その空気感に耐えられなくった日向たちはどっちが話を切り出すか無言の目配せで押し付け合う。
しかしそこは年の功。しっかりと日向に貧乏くじを引かせることに成功した。
もしかしたら日向は日ごろの口の悪さを後ろめたく思ったのかもしれない。
「あのー、お二人の世界に浸っているところ申し訳ないのですが、ちょっと良いですか?」
「え? ごめんさない。日向さんたちもいたのよね」
「はい! ずっといました!」
「だからそういう事を言わないの! お邪魔しちゃってごめんなさい。お薬渡しそびれちゃってたから」
「薬ですかい? なんだってそんな高価なもん」
「あなたのためよ。淡雪豆腐の試食をすると風邪を引くって言ってたじゃない。日葵さんが風邪のお薬を分けてくださったのよ」
「そんな高価なもん受け取れませんって」
「それはもうお多恵ちゃんと話が付いてるの!」
「そうです! 淡雪豆腐で手を打ったのです!」
「そんな事まで……こいつには苦労掛け通しで……」
「良いのよ。あなたのためじゃない。苦労なんて何でもないわ」
また醸し出す甘い雰囲気。
「ちょっと待った~! それは私たちがいなくなってからにしてください」
こればかりは同意と日葵も否定はしない。
「じゃあ、お薬渡しておくから。すぐに治るものじゃないから、戻ったらすぐ飲み始めて、症状が無くなっても飲み切っておいてね」
「何から何まで。ありがとうごぜえやす」
「ありがとうございます」
「いえいえ、それじゃあ私たちはこれで」
「ごゆっくり~」
ある程度登っていくと、丘のてっぺんに並んで腰を下ろし楽しそうに話をしている二人が見えた。
お多恵が銀次をいつ見つけたのかわからない。
ただ二人の仲の良さは、以前聞いていた仲の良さとは違って見えた。
おそらく一悶着あって、本音をぶつけり合い仲直りをしたのではないだろうか。
それくらい仲睦まじい様子だった。
今回の包丁紛失騒ぎは、二人の関係に変化をもたらしたらしい。
雨降って地が固まったと言えば良いのか。
それとも本来は、このように仲が良かったのだろうか。
邪魔をするのも悪いと、日向たちは少しの間、丘からの景色を楽しむことにした。
初夏の鶯谷は緑が濃く、聞こえてくるのはサワサワという風の音だけ。ときおり銀次たちの声が途切れ途切れ聞こえるくらいだが、声色は幸せそうで、それもむしろ心地良い。
木々には程よく手が入り、陽と緑がキラキラと混ざり合う。少し汗ばんで熱を持った肌を谷間を流れる風が和らげてくれる。
点在する鄙びた家屋は、緑の芝生に散らした落ち葉のようだ。
その風景は恋人とでなくともゆっくりと眺めていたい光景だった。
話が一段落した様子を見て取って、銀次たちに気が付かれるよう、あえて足音を立てて丘を登る。
「お邪魔じゃないかしら?」
「ずいぶん良い雰囲気でしたね~!」
「日葵様! それに日向様も!」
「様はやめてちょうだい。そんな身分じゃないわ。私たちの家は貧乏御家人ですよ」
「そうですよ! ひまりちゃんなんて紀州の猿って言われたくらいですから」
「それは、あんたも一緒でしょ!」
銀次はいきなり始まる漫才に戸惑っていたが、お多恵は吹き出すように笑い出した。
「ふふっ。こちらがさっき話したお二人よ。色々相談に乗って頂いたの」
「そうでしたかい。こいつがご面倒お掛けしたようで」
「こっちが首を突っ込んだだけですから」
「それに面倒を掛けられたのは銀次さんにという方が正しいですし」
「余計なこと言わない!」
お多恵は慣れたようで、ニコニコと話を聞いていたのだが、当然の質問をする。
「それはそれは。私たちがご迷惑おかけしちゃったわね。それにしてもどうしてここへ?」
「報告と相談があってね。探してたのよ」
「報告と相談……ですか?」
「うん! とりあえず包丁は見つかったよ!」
「本当ですかい?!」
「良かったじゃない、銀次!」
銀次たちは手を取り合い喜びを嚙み締める。
二人にホッとした空気が漂う。
「ええ。まずは一安心よね。それで相談なんだけど……犯人は身内だったわ。それをどう扱うか相談したかったの」
「やはりそうでしたかい」
「それは疑いようの無い事だったわね。私たちは犯人の名前も知っているの。そして包丁は今夜、本店の板場に戻される予定だってことも。それで銀次さんはどうしたいのかなって」
「……包丁は無事に戻るんですかい?」
「ええ、本人にその意思があるみたい」
「犯人さんは仕事道具の包丁を捨てる気にはなれなかったって言ってたよ」
「どこでそんな事を? まさか、とっ捕まえちまったんじゃ?」
「いいえ。その人は、自分が犯人だと気が付かれている事を知らないわ」
「どうやったらそんな事が出来るんで?」
「ないしょです!」
銀次は思わずお多恵を見るが、お多恵自体も知らぬこと。首を傾げるくらいしか出来ない。
「……そうですかい。まあ恩人に根掘り葉掘り聞くのは男じゃねえや」
「そうしてくれると助かるわ。それでどうするの? 誰が犯人だったか教えましょうか?」
「それも聞きやせん。何もかも。包丁が戻るのであれば、元の鞘に収まるってこった。つまり騒ぎはそもそもなかったんだ。俺は、こいつと結婚して上野うぐいす屋をやっていければそれで満足でさぁ。さっき二人で話していて、それを再認識しました。それに、そいつは不甲斐ない俺に嫌気が差したんでしょう。俺がしっかりしてりゃあ良かったって話です。だからもう大丈夫です」
「銀次ったら、格好つけちゃって」
満更でもない様子を隠そうともせず、お多恵は茶化す。
「混ぜっ返すんじゃねえやい。包丁さえ戻れば、親方を唸らせる淡雪豆腐を作ってやるぜ。そしたら、みんな収まるとこに収まるって寸法よ」
「楽しみにしてるわ!」
「おうよ! そしたら晴れて夫婦になれるな。随分待たせちまって悪かった」
「本当よ……馬鹿……待ちくだびれちゃったわ」
「悪かったって言ってんだろう?」
「良いわ。許してあげる」
だいぶ甘い空気になっている。その空気感に耐えられなくった日向たちはどっちが話を切り出すか無言の目配せで押し付け合う。
しかしそこは年の功。しっかりと日向に貧乏くじを引かせることに成功した。
もしかしたら日向は日ごろの口の悪さを後ろめたく思ったのかもしれない。
「あのー、お二人の世界に浸っているところ申し訳ないのですが、ちょっと良いですか?」
「え? ごめんさない。日向さんたちもいたのよね」
「はい! ずっといました!」
「だからそういう事を言わないの! お邪魔しちゃってごめんなさい。お薬渡しそびれちゃってたから」
「薬ですかい? なんだってそんな高価なもん」
「あなたのためよ。淡雪豆腐の試食をすると風邪を引くって言ってたじゃない。日葵さんが風邪のお薬を分けてくださったのよ」
「そんな高価なもん受け取れませんって」
「それはもうお多恵ちゃんと話が付いてるの!」
「そうです! 淡雪豆腐で手を打ったのです!」
「そんな事まで……こいつには苦労掛け通しで……」
「良いのよ。あなたのためじゃない。苦労なんて何でもないわ」
また醸し出す甘い雰囲気。
「ちょっと待った~! それは私たちがいなくなってからにしてください」
こればかりは同意と日葵も否定はしない。
「じゃあ、お薬渡しておくから。すぐに治るものじゃないから、戻ったらすぐ飲み始めて、症状が無くなっても飲み切っておいてね」
「何から何まで。ありがとうごぜえやす」
「ありがとうございます」
「いえいえ、それじゃあ私たちはこれで」
「ごゆっくり~」
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