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しおりを挟むんっ、なんかあったかい。
それは大好きな温かさで擦り寄る。
なんだか幸せで包まれているような気分でここから抜け出したくない。
いや、でも起きないと。朝から今日の分の仕込みのお仕事あるし!
目を開けるといつもない何かがある。
え?人?
怖くなってベッドの端に下がろうとする。
その瞬間ギュッと抱きしめられる。
「そっち行かないで。もうちょっとこうしてたい。」
は、と顔を上げると寝起きながら完璧なお顔をした悠人くんが優しそうな目でこちらを見ていた。
「え、あ、悠人くん・・・・おはよう」
そっか。昨日、悠人くんがお店に来て、それでお話して、付き合うことになったんだ!
恥ずかしくなって顔が熱くなる。
「おはよう。朝から碧はかわいいね。」
目を細めて笑う悠人くんはかっこよすぎて見てられない。
「悠人くんは朝からかっこよすぎ。」
「ははっ、かっこいいって思ってくれてるの?嬉しいな。」
こっちはこんなにドキドキして悠人くんに振り回されてるのに悠人くんはなんだか余裕そうでムカつく。
「碧、今日は朝ゆっくりでいいよって蘭さん言ってたよ。もうちょっとごろごろしてから下に行こう。」
「わかった!蘭さんには本当にお世話になったなぁ。」
「ベッドで他の男の話聞くのは嫌だけど、こればっかりはほんとに蘭さんに感謝で頭が上がらないな。昨日も言ったけど碧が蘭さんのとこにいてくれてほんとに良かった。」
僕達はしばらくベッドでゴロゴロして、下に降りた。
「おー、お二人さんおはよう。思ったより早かったね!」
「おはようございます。」
「碧くんはいつ悠人くんの家に引っ越すのかな?」
「今日中に荷物をまとめて俺の家に連れていこうと思ってますけど蘭さんはお店的にどうですか?」
「そうだね、今日引っ越すとして、碧くんのこと気にかけてるお客さんいっぱいいたからその人たちに今日で終わりって挨拶してから夜に移動はどう?」
「分かりました。それで大丈夫です。ちなみに、碧のこと気にかけてるお客さんって男ですか?」
「え、あ、まあ、女の人もいるよ!お昼とかは!
夜は男の人が多いけど....」
「あんま碧を見せたくないけどせっかく碧が築いた関係性ですもんね。僕もお店にいていいですか?」
「番犬だね~、いいよ。お店にいて。」
「ありがとうございます。」
なんだか僕の知らないところで話が進んでいく。
とりあえず僕は今日までアルバイトをして、夜に悠人くんの家に行くってことだよね?
みんなにお別れの挨拶が出来て良かった。お客さんみんないい人たちで親切にしてくれたから...
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