兄の代わりを務めたら嫌われものでした

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頭を冷やしてたら少しお風呂の時間がかかりすぎてしまった。

少し急ぎめで部屋に戻る。


「碧、遅かったね。大丈夫？」

「うん、ちょっと長く入りすぎちゃった。全然大丈夫。」

「それなら良かった。お風呂場で倒れてないか心配だった。碧、こっちおいで。髪濡れてる。」


悠人くんに近づくとそのままバスタオルで優しく髪を拭かれる。


「先にお水飲もうか。脱水になっちゃう。」
そう言ってお水を渡してくる。ごくごく飲む。


「ドライヤーしていい？」

「え、自分でするよ？」

「お願い、させて。嫌かな？」

「全然！嫌なわけないよ。いいの？」

「させてくれてありがとう。」

そういって優しい手つきで髪を乾かしてくれた。


何から何まで至れり尽くせりで、悠人くんの優しさをしみじみと実感する。


髪を乾かされながら暖かい気持ちになってきもちいいなって思ってたらどんどん瞼が落ちていった。






「碧、終わったよ？」

「え、あ、僕寝てた？ごめんね、してもらってたのに寝ちゃって。悠人くんの手が気持ちよくてそのまま寝ちゃった....」


「そう言ってもらえて光栄だよ。またさせてね。碧も疲れただろうし、もう寝ようか。」


「うん。」

久しぶりに悠人くんと一緒のベッドで寝る。

布団に入ると緊張しちゃってベッドの端によってしまう。

「ほら、そんなとこ行ったら落ちちゃうよ？
こっちおいで。」

ポンポンと隣をたたかれる。


少し近づいてみると、そのまま悠人くんに抱き寄せられる。


「捕まえた。またこうやっていられてほんとに嬉しい。」

そう言って頭をゆったりと撫でてくる。

顔を見ると恥ずかしくなっちゃうからそのまま目の前の悠人くんの胸元に顔を埋める。


「ふふっ、心臓がバクバクしてる。僕も同じだけどね。」

確かに、余裕そうに見えるけど、悠人くんの心臓もバクバクしてる。


でもそのリズムも心地よくて、撫でられながら僕はそのまま眠りについた。








「あー、かわいいな。ほんとにたまんない。



おやすみ、碧。」


チュッ


そっと額にキスを落として悠人も眠りについた。