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「碧くん、金曜日の夜ね、悠人くんここに来ることになったから。こんなふうに無理やり進めちゃって大丈夫だったかな...?」
「蘭さん...ありがとうございます。悠人くんには会いたかったから、感謝してます。」
「それなら良かった。そしたら元気な姿で会えるようにいっぱいご飯食べなきゃね。」
蘭さんは無理に話を進めすぎたんじゃないかと心配してる。
全然そんなことないのに。
悠人くんに迷惑かけちゃうという気持ちはあるけどやっぱり会いたい気持ちが勝ってしまう。
僕のことずっと探してくれてたっていうのがそもそも嬉しくて。
僕を求めてくれてる人がいるなんて......
会える日が決まって僕も前より食欲は戻ってきた。
そんな僕を見て蘭さんも嬉しそうな顔をしていた。
そして金曜日。
「ははっ。碧くん緊張してる?ドキドキって感じかな?さっきからソワソワしてる。大丈夫、もうすぐ着くって連絡来たから。お茶でも飲んで座ってて。今日はお店もう閉めちゃってるから心配しないで。」
「すみません、お店閉めていただいて.....」
蘭さんは僕たちが話しやすいようにお店を臨時休業にしてくださった。
「いいのいいの。たまにはお休みしたいしね。碧くんのおかげで売上もいいし!」
「ありがとうございます...」
カランカラン
「こんばんは.........碧くん!」
ガタンッ
「悠人くん....!」
「よかった、本当に良かった......」
ギュッ
きつく抱きしめられる。
少し経って身体を離すと次は顔に手を当ててくる。
「少し痩せたね。でも蘭さんのとこにいて良かった....」
その手は少し震えていた。
「悠人くんも、少し痩せた。」
「ほらほら、とりあえず座りなよ。飲み物何がいい?コーヒーかな?」
「そうですね、コーヒー、ブラックでお願いします。」
今更になって、あの手紙に大好きって書いたことを思い出す。近くにいると胸がドキドキする。
「碧くん。まず謝らせて。碧くんが大変な時に助けてあげられなくてごめん。間に合わなくてごめん。次こそは守るって決めてたのにこんなことになってごめん。」
「悠人くん......顔上げてください.....
悠人くんが謝ることなんて何もないし、こうやって探しに来てくれて、それが本当に嬉しいです。」
「それでね、碧くんの家の事なんだけど、これは勝手に進めちゃダメだと思って、碧くんの許可を得てからしか動けないことなんだけど、聞いてほしい。碧くんが西園寺家から籍を抜いたならもう西園寺家を潰してもいいかなと思って。そしてね、碧くん、僕と付き合ってほしい。碧くんのことが好きなんだ。本当はあのお出かけする日に伝えようと思ってたんだけど、言えなくって.....言いたいことはすぐ伝えないとって学んだ。会えたら直ぐに言おうと思って。碧くんがいなくなった日、本当に目の前が真っ暗になった。もう会えないなんて耐えられなかった。」
「悠人くん......僕も好きです悠人くんのことが、大好きです......」
「付き合ってくれる?」
「こちらこそ、なんもない僕だけど....」
「碧くんがいてくれればそれだけで俺は幸せなんだ。それと、こんなに急に話すことじゃないとは思うんだけど、年齢が大丈夫になったら俺の籍に入らないか...?碧くんと家族になりたい。」
「え、そんな、いいの...?お家の方とかいろいろあるんじゃないの....?」
「俺は次男だし、もう親には言ってある。親も俺の気持ちを汲んでくれた。だからそこは気にしなくていいんだ。」
「うん、それなら、悠人くんがその時も僕でいいって思ってくれてたら、お願いします....」
「これ、受け取ってください。」
そう言って差し出されたのは指輪だった。
「蘭さん...ありがとうございます。悠人くんには会いたかったから、感謝してます。」
「それなら良かった。そしたら元気な姿で会えるようにいっぱいご飯食べなきゃね。」
蘭さんは無理に話を進めすぎたんじゃないかと心配してる。
全然そんなことないのに。
悠人くんに迷惑かけちゃうという気持ちはあるけどやっぱり会いたい気持ちが勝ってしまう。
僕のことずっと探してくれてたっていうのがそもそも嬉しくて。
僕を求めてくれてる人がいるなんて......
会える日が決まって僕も前より食欲は戻ってきた。
そんな僕を見て蘭さんも嬉しそうな顔をしていた。
そして金曜日。
「ははっ。碧くん緊張してる?ドキドキって感じかな?さっきからソワソワしてる。大丈夫、もうすぐ着くって連絡来たから。お茶でも飲んで座ってて。今日はお店もう閉めちゃってるから心配しないで。」
「すみません、お店閉めていただいて.....」
蘭さんは僕たちが話しやすいようにお店を臨時休業にしてくださった。
「いいのいいの。たまにはお休みしたいしね。碧くんのおかげで売上もいいし!」
「ありがとうございます...」
カランカラン
「こんばんは.........碧くん!」
ガタンッ
「悠人くん....!」
「よかった、本当に良かった......」
ギュッ
きつく抱きしめられる。
少し経って身体を離すと次は顔に手を当ててくる。
「少し痩せたね。でも蘭さんのとこにいて良かった....」
その手は少し震えていた。
「悠人くんも、少し痩せた。」
「ほらほら、とりあえず座りなよ。飲み物何がいい?コーヒーかな?」
「そうですね、コーヒー、ブラックでお願いします。」
今更になって、あの手紙に大好きって書いたことを思い出す。近くにいると胸がドキドキする。
「碧くん。まず謝らせて。碧くんが大変な時に助けてあげられなくてごめん。間に合わなくてごめん。次こそは守るって決めてたのにこんなことになってごめん。」
「悠人くん......顔上げてください.....
悠人くんが謝ることなんて何もないし、こうやって探しに来てくれて、それが本当に嬉しいです。」
「それでね、碧くんの家の事なんだけど、これは勝手に進めちゃダメだと思って、碧くんの許可を得てからしか動けないことなんだけど、聞いてほしい。碧くんが西園寺家から籍を抜いたならもう西園寺家を潰してもいいかなと思って。そしてね、碧くん、僕と付き合ってほしい。碧くんのことが好きなんだ。本当はあのお出かけする日に伝えようと思ってたんだけど、言えなくって.....言いたいことはすぐ伝えないとって学んだ。会えたら直ぐに言おうと思って。碧くんがいなくなった日、本当に目の前が真っ暗になった。もう会えないなんて耐えられなかった。」
「悠人くん......僕も好きです悠人くんのことが、大好きです......」
「付き合ってくれる?」
「こちらこそ、なんもない僕だけど....」
「碧くんがいてくれればそれだけで俺は幸せなんだ。それと、こんなに急に話すことじゃないとは思うんだけど、年齢が大丈夫になったら俺の籍に入らないか...?碧くんと家族になりたい。」
「え、そんな、いいの...?お家の方とかいろいろあるんじゃないの....?」
「俺は次男だし、もう親には言ってある。親も俺の気持ちを汲んでくれた。だからそこは気にしなくていいんだ。」
「うん、それなら、悠人くんがその時も僕でいいって思ってくれてたら、お願いします....」
「これ、受け取ってください。」
そう言って差し出されたのは指輪だった。
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