兄の代わりを務めたら嫌われものでした

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気づいたら空は暗くなっていた。

「ねぇ、暇なの？さっきからこの辺にいるよね？奢るからご飯行こ！」


「すみません、行きません。」

さっきから何人かからそんなふうに誘われる。
なんで僕に声掛けてくるんだろう。
僕とご飯食べたいって意味わかんない。



どこかに泊まるにもお金もない。残金は大体3000円しかない。これから先のことを思うと今日はお昼ご飯食べたし夜は食べずにいた方が良さそう。


歩いてるのも疲れて、道端の座れそうなとこに座り込む。


「ねぇ、いくら？」


「え？何がですか？」


「君いくらって聞いてんだけど。売りしてんじゃないの？」


「売り？」


「え、違うの？じゃあ3万あげるからお兄さんと楽しいことしない？」


お金くれる？なんか良くないことのような気がする。


「やめときます。」


「えー。めちゃくちゃ当たりだと思ったのに！もしそういうつもりじゃないならこの辺でそんなふうに座ってるのやめた方がいいよ。」


そう言って男の人は去っていった。


ここじゃないとこと言っても行く場所もない。


とりあえずここは良くないらしいからまた適当に歩く。


ポツ････ポツ･･････


雨....か。

まるで自分の気持ちを表してるかのような天気だ。

傘も持ってなくて濡れるけどもうどうでもいいやという気持ちになる。一応雨宿りできそうな所まで移動してまた座り込む。建物と建物の間の隙間で、本当はこんなとこにいるのはダメなのかもしれないけど、今日はもうここにいることにする。



時計もなく時間も分からない。座ってたらだんだん眠くなってきた。
雨に濡れて身体が冷えてるような気がするけど疲れの方が大きくてウトウトし始める。


あぁ。本当は今日は明日のお出かけを楽しみにワクワクしてた時間だったのかな。

昨日までに戻りたい。
悠人くん、僕がいないの気づいたかな？
ご飯もオムライスだよって言ったのに作り終えないまま来ちゃった。




悠人くんに会いたい。


涙がこぼれ落ちる中そのまま僕は眠りについた。











(？side)




「おーい。」



「こんなとこで寝てたら危ないよ？てかびちょびちょじゃん。」



そっと濡れた前髪をどける。



「わお。ますますここにいたらまずそう。連れて帰るか。」



そっと抱き上げ、お店の中に連れ帰った。