兄の代わりを務めたら嫌われものでした

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(悠人side)


碧くんがかわいい。

元々可愛かったけど、最近どんどん可愛くなってる。

人が多いところはまだ怖いみたいで、僕が手を握ると碧くんもぎゅっと握り返してくれる。

他にも不安な気持ちの時は僕の影に少し隠れる。


こんな風になる前に助けられなかったのは後悔しかないけど、今隣にいられて自分を頼ってくれてるのは不謹慎ながら嬉しい。


碧くんも僕のこと少なからず好意的に思ってくれてるんじゃないかって最近思うことが度々ある。



この前の可愛かった碧くんを思い出す。


ある日のご飯食べた後のこと。


「そういえば碧くんって、いつもカラコンしてるよね。本当は綺麗な茶色の目、してるよね。よく見せてほしいな?」


前から気になっていた碧くんの目をしっかり見たくて碧くんの顔に手を添えて覗き込む。


「え!あ!」


驚いて目を見開いた碧くんの目は茶色の透き通っていてまん丸になっていた。


「とっても綺麗だね。」


碧くんの顔を見たら、ぽっと顔が一気に赤くなって、耳まで真っ赤になっている。

恥ずかしそうに下を向く碧くんがまた可愛くてたまらない。






またこれは別の日のこと。


ご飯を食べてる碧くんの口の横にシチューのソースがついてしまってる。

手を伸ばしてスっと指でとってそのまま自分の口に入れる。


「え!何してるの?」

「シチューがついてたから。」

「う~・・・・・・・・」


顔真っ赤にして唸ってる。


「こんなことすぐするなんて、悠人くんは悪い男だ。」


「ははっ。そんなことないけどなぁ。誰にでもはしないよ、こんなこと。」


これ以上赤くならないだろうというくらいまで、顔を真っ赤にさせている。

「ごめんごめん、食べよっか。」



とにかくかわいい。



碧くんも笑顔を見せることが多くなっている。

でも、寝る時は不安みたいで。


コンコン


「入っていいよ。」



「悠人くん、今日も、いい...?」


パジャマ姿の碧くんがドアからひょっこり顔を覗かせている。

一人で寝ると碧くんはまた嫌な夢を見て魘されてしまうから、一緒に寝ることにしたのだ。


「もちろん。おいで。僕ももう寝るよ。」


一緒のベッドに入る。

「ほら、そんな離れたら危ないよ。」

僕の方を向かせて近づく。

「おやすみ。」


碧くんの頭を撫でてるとしばらくして寝息が聞こえてくる。


額にそっと唇を落として起きないようにそっと抱き寄せて自分も眠りにつく。





西園寺家についてはだいぶ情報が集まった。

親にもどうしたいか連絡はして手筈を整えつつある。

ただこれには碧くんの気持ちも大事になってくるから、しっかり心も手に入れないと。
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