36 / 57
35
しおりを挟む
数日経って、皇様とは普通にお話できるようになった。いや、皇様じゃない。悠人くんだ。
呼び方が変わった昨日のことを思い出す。
「お願いがあるんだけど、様付けで敬語でだと話しにくいかなと思って、良かったら普通に話してほしいんだけど、ダメかな?」
「え、いや、でも、みんなそう呼んでるので...僕が急にそんな馴れ馴れしくするのは良くないかと....」
「そっか...考えが足りてなかった。自分がそうしてもらいたいがために面倒なことに巻き込むとこだった。でも2人の時はダメかな?ここにいる時とか、部屋に戻れるようになったら部屋でとかだけ....」
1回断ったけどそんなふうに言われたら2人の時だけはいいかも...
「それなら、はい。なれなくて変な感じなりそうですけど...」
「良かった。嬉しい。悠人って呼んで?」
「え、下の名前を呼び捨てですか...?ちょっとハードル高いです...」
「ほら、俺には兄がいるから苗字だとちょっとね、名前で呼んで欲しい。」
「それなら...悠人くん、で.....」
なんか無理やり押さえつけたようなよく分からない表情をした皇様、いや、悠人くんだったけど、ふーっと息を吐いて、「じゃあ慣れたら呼び捨てにしてね」と言った。
今日も夕方が待ち遠しい。先生から、そろそ一緒にご飯食べれそうなら食べたら?って言われて、今日から一緒に夜ご飯も食べる。最近は少しずつ食欲も出てきて、たまに調子悪いけどいい感じの日が多くなっている。
ガチャ
「碧くん、入るよ?」
来た。
「悠人くん!」
「ちょっと顔色いいね。」
しばらくお話して、夜ご飯を一緒に食べることになった。
「今日、俺が作るよ。ここのミニキッチン貸してくれるって先生がいうから。」
「え、悠人くん、料理するの...?僕が作ろうか...?」
「元々してなかったけど、碧くんいつも作ってくれててこういう時に逆に作ってあげれるようになりたくてちょっと練習したんだ。ごめん、碧くんみたいにそんな美味しくは作れないんだけど...」
「とんでもないです...」
自分のために練習してくれたっていうのが嬉しくて胸があったかくなる。
「ちょっと準備してくるからゆっくり待ってて。」
そう言って準備に向かっていった。
気持ちのいい包丁の音とか料理している音をバッグに僕はだんだん眠くなって気づいたら眠っていた。
「碧くん・・・碧くん・・・・・!」
ん.....あ、ごはん!
「ごめんなさい!作ってくれてたのに眠っちゃいました....」
「全然気にしないで!ご飯準備できたけど食べれそうかな?」
いい匂いがしている。近くを見るとお腹に優しそうな雑炊やお味噌汁といったものが少しずつついである。
「どれくらい食べれるか分からなかったから、とりあえずこれくらいついでるけど、もしもう少し食べれそうだったら言ってね。また鍋に残ってるから。味は多分そんな変じゃないと思うけど...もし口に合わなかったら教えてね。」
少し不安そうな顔でこっちを伺ってくる。
なんだか悠人くんがかっこいいのにかわいくみえる。
「ふふっ。ありがとうございます。いただきます。」
どれも美味しそう。
ふぅっと冷ましながら食べる。
「美味しい...!」
前まで何食べても戻してて最近も少し食べれるけど美味しいなんて気持ちにならなかったのに、いまはこのご飯がとても美味しい。
「良かった.....無理しないで食べれる分だけ食べてね。」
「いん。悠人くんも、食べよう?」
「ははっ。そうだね。いただきます。」
また一緒にご飯を食べている。嬉しくて、目から涙がこぼれる。
「碧くん......?どうした?まずかった?気分悪くなった??」
悠人くんが慌てだした。
「違うの、またこうやってご飯一緒に食べれるようになったのが嬉しくて.....」
「俺も凄く嬉しいよ。」
そう言って悠人くんは嬉しそうに微笑んだ。
呼び方が変わった昨日のことを思い出す。
「お願いがあるんだけど、様付けで敬語でだと話しにくいかなと思って、良かったら普通に話してほしいんだけど、ダメかな?」
「え、いや、でも、みんなそう呼んでるので...僕が急にそんな馴れ馴れしくするのは良くないかと....」
「そっか...考えが足りてなかった。自分がそうしてもらいたいがために面倒なことに巻き込むとこだった。でも2人の時はダメかな?ここにいる時とか、部屋に戻れるようになったら部屋でとかだけ....」
1回断ったけどそんなふうに言われたら2人の時だけはいいかも...
「それなら、はい。なれなくて変な感じなりそうですけど...」
「良かった。嬉しい。悠人って呼んで?」
「え、下の名前を呼び捨てですか...?ちょっとハードル高いです...」
「ほら、俺には兄がいるから苗字だとちょっとね、名前で呼んで欲しい。」
「それなら...悠人くん、で.....」
なんか無理やり押さえつけたようなよく分からない表情をした皇様、いや、悠人くんだったけど、ふーっと息を吐いて、「じゃあ慣れたら呼び捨てにしてね」と言った。
今日も夕方が待ち遠しい。先生から、そろそ一緒にご飯食べれそうなら食べたら?って言われて、今日から一緒に夜ご飯も食べる。最近は少しずつ食欲も出てきて、たまに調子悪いけどいい感じの日が多くなっている。
ガチャ
「碧くん、入るよ?」
来た。
「悠人くん!」
「ちょっと顔色いいね。」
しばらくお話して、夜ご飯を一緒に食べることになった。
「今日、俺が作るよ。ここのミニキッチン貸してくれるって先生がいうから。」
「え、悠人くん、料理するの...?僕が作ろうか...?」
「元々してなかったけど、碧くんいつも作ってくれててこういう時に逆に作ってあげれるようになりたくてちょっと練習したんだ。ごめん、碧くんみたいにそんな美味しくは作れないんだけど...」
「とんでもないです...」
自分のために練習してくれたっていうのが嬉しくて胸があったかくなる。
「ちょっと準備してくるからゆっくり待ってて。」
そう言って準備に向かっていった。
気持ちのいい包丁の音とか料理している音をバッグに僕はだんだん眠くなって気づいたら眠っていた。
「碧くん・・・碧くん・・・・・!」
ん.....あ、ごはん!
「ごめんなさい!作ってくれてたのに眠っちゃいました....」
「全然気にしないで!ご飯準備できたけど食べれそうかな?」
いい匂いがしている。近くを見るとお腹に優しそうな雑炊やお味噌汁といったものが少しずつついである。
「どれくらい食べれるか分からなかったから、とりあえずこれくらいついでるけど、もしもう少し食べれそうだったら言ってね。また鍋に残ってるから。味は多分そんな変じゃないと思うけど...もし口に合わなかったら教えてね。」
少し不安そうな顔でこっちを伺ってくる。
なんだか悠人くんがかっこいいのにかわいくみえる。
「ふふっ。ありがとうございます。いただきます。」
どれも美味しそう。
ふぅっと冷ましながら食べる。
「美味しい...!」
前まで何食べても戻してて最近も少し食べれるけど美味しいなんて気持ちにならなかったのに、いまはこのご飯がとても美味しい。
「良かった.....無理しないで食べれる分だけ食べてね。」
「いん。悠人くんも、食べよう?」
「ははっ。そうだね。いただきます。」
また一緒にご飯を食べている。嬉しくて、目から涙がこぼれる。
「碧くん......?どうした?まずかった?気分悪くなった??」
悠人くんが慌てだした。
「違うの、またこうやってご飯一緒に食べれるようになったのが嬉しくて.....」
「俺も凄く嬉しいよ。」
そう言って悠人くんは嬉しそうに微笑んだ。
31
お気に入りに追加
2,141
あなたにおすすめの小説

俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。


王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

6回殺された第二王子がさらにループして報われるための話
あめ
BL
何度も殺されては人生のやり直しをする第二王子がボロボロの状態で今までと大きく変わった7回目の人生を過ごす話
基本シリアス多めで第二王子(受け)が可哀想
からの周りに愛されまくってのハッピーエンド予定

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

双子の兄になりすまし単位を取れと言われたが、おいおい何したらこんなに嫌われんの?
いちみやりょう
BL
長男教の両親のもとに双子の弟として生まれた柊木 紫(ひいらぎ むらさき)。
遊び呆けて単位もテストも成績も最悪な双子の兄、柊木 誠(ひいらぎ まこと)の代わりに男子校で学園生活を送ることに。
けれど、誠は逆に才能なんじゃないかというくらい学校一の嫌われ者だった。
※主人公は受けです。
※主人公は品行方正ではないです。
※R -18は保険です。
感想やエール本当にありがとうございます🙇
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる