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今日も一日を終え寮に戻る。
部屋を掃除し、勉強する。
テストまであと1ヶ月かぁ。
毎日勉強してるし今のところついていけてると思う。
今日の復習と明日の予習を終え、スーパーに買い物に行き帰ってくるといつもはまだいない同室者が帰ってきていた。
「....ただいま」
「................おかえり」
!?
え、おかえりって今言った??
空耳かと思って思わず前を見るとそこに皇様が立っていた。
「この間はせっかく夜ご飯作ってくれてたのにごめんな。」
「え、いや、何も聞かずに勝手に作った僕が悪かったので、皇様は全然、なにも悪くないです、謝らないでください。」
「いや、ほんとに悪かったと思ってる。」
「いえ、とんでもないです。あ、よろしかったら今日も夜ご飯作るので一緒にお作りしましょうか....?」
「........」
あ、僕また間違えたみたいだ。
謝ったからといって一緒に食べようと思ってくれてる訳がない。
「すみません、なんでもないです。」
「いや、ひどいこと言ったのにまたそう言ってくれるんだなと思ってびっくりして。今日頼んでもいいか?」
「え、はい、もちろんです。はい。え、あ、何か食べたいものとか食べれないものはありますか?」
「いや、特になんでも食べれるけど...あ、よかったらこの間作ってくれてたハンバーグが食べたい。」
「分かりました!今から作りますね!」
どういうこと?これは夢?それとも何か罠??
よく分からないけど一緒に食べてくれるんだよね。
なんで、急にどうしたんだろう、
でも食べて貰えるなら頑張って作らないと!
嬉しい気持ちで少し顔がにやけそうになるのを必死で抑えながら作り始めた。
「皇様はお部屋で待ってて下さって大丈夫ですよ。出来たらお呼びしますので!」
「あ、いや、そこにいる。なにか手伝えることあったら言ってほしい。」
え、共同スペースの所に座ってなにかし始めたみたいだ。
同じ空間にいることに少し緊張する。
急ぎながらこの間のと同じように付け合せやサラダ、スープも準備する。
美味しくできたかな?
少し味見をしてみたけどいい感じ。
お口に合えばいいんだけどな....
ご飯をついでテーブルに並べ始める。
「これを運べばいいのかな?」
「あ、座ってて下さって大丈夫ですよ。」
「いやいや、これくらいさせて。」
皇様はお箸や飲み物を準備してくれた。お皿も向かい合うように並べてある。
本当に一緒に食べてくれるんだ....
「美味しそうだな...食べてもいい?」
「もちろんです!お口に合えばいいんですけど...」
「いただきます」
皇様がハンバーグを切って口に入れる様子をじっと見る。
どうかな?
「....美味しい」
皇様が顔を上げたことで目が合う。
「凄いね、本当に美味しいよ。」
そう言って皇様はふわっと笑った。
その笑顔があまりにもかっこよくて呼吸が止まった。
「............良かったです!」
自分も口に入れる。うん、上手くできてると思う!
皇様はそのままスープにお野菜に次々と食べては美味しいと言ってくれる。
その度に胸が暖かくなり、こんなにも自分が作ったものを一緒に食べてくれる人がいるのが幸せなんだということを噛み締めていた。
夜ご飯を誰かと一緒に食べるのは初めてだった。
「明日もよかったらお願いしてもいい?材料費は俺が払うから。忙しかったり用事ある時は全然してもらわなくて大丈夫だから、、、」
「明日からも一緒に食べてくれるんですか?もちろんです!」
「ありがとう。片付けは俺がやるから先にお風呂入っておいでよ。」
「いやいや、自分で片付けしますよ、お先にどうぞ。」
「ご飯作ってもらうの頼んじゃってるからできることは俺がしたい。」
「それなら、すみません、お願いします。」
なんだか一気に距離が縮まった気がして自分でもびっくりしている。
こんなことあっていいのかな?今日の運勢はきっと1位だろうな。
この間とは全然違う気持ちでお風呂に向かった。
部屋を掃除し、勉強する。
テストまであと1ヶ月かぁ。
毎日勉強してるし今のところついていけてると思う。
今日の復習と明日の予習を終え、スーパーに買い物に行き帰ってくるといつもはまだいない同室者が帰ってきていた。
「....ただいま」
「................おかえり」
!?
え、おかえりって今言った??
空耳かと思って思わず前を見るとそこに皇様が立っていた。
「この間はせっかく夜ご飯作ってくれてたのにごめんな。」
「え、いや、何も聞かずに勝手に作った僕が悪かったので、皇様は全然、なにも悪くないです、謝らないでください。」
「いや、ほんとに悪かったと思ってる。」
「いえ、とんでもないです。あ、よろしかったら今日も夜ご飯作るので一緒にお作りしましょうか....?」
「........」
あ、僕また間違えたみたいだ。
謝ったからといって一緒に食べようと思ってくれてる訳がない。
「すみません、なんでもないです。」
「いや、ひどいこと言ったのにまたそう言ってくれるんだなと思ってびっくりして。今日頼んでもいいか?」
「え、はい、もちろんです。はい。え、あ、何か食べたいものとか食べれないものはありますか?」
「いや、特になんでも食べれるけど...あ、よかったらこの間作ってくれてたハンバーグが食べたい。」
「分かりました!今から作りますね!」
どういうこと?これは夢?それとも何か罠??
よく分からないけど一緒に食べてくれるんだよね。
なんで、急にどうしたんだろう、
でも食べて貰えるなら頑張って作らないと!
嬉しい気持ちで少し顔がにやけそうになるのを必死で抑えながら作り始めた。
「皇様はお部屋で待ってて下さって大丈夫ですよ。出来たらお呼びしますので!」
「あ、いや、そこにいる。なにか手伝えることあったら言ってほしい。」
え、共同スペースの所に座ってなにかし始めたみたいだ。
同じ空間にいることに少し緊張する。
急ぎながらこの間のと同じように付け合せやサラダ、スープも準備する。
美味しくできたかな?
少し味見をしてみたけどいい感じ。
お口に合えばいいんだけどな....
ご飯をついでテーブルに並べ始める。
「これを運べばいいのかな?」
「あ、座ってて下さって大丈夫ですよ。」
「いやいや、これくらいさせて。」
皇様はお箸や飲み物を準備してくれた。お皿も向かい合うように並べてある。
本当に一緒に食べてくれるんだ....
「美味しそうだな...食べてもいい?」
「もちろんです!お口に合えばいいんですけど...」
「いただきます」
皇様がハンバーグを切って口に入れる様子をじっと見る。
どうかな?
「....美味しい」
皇様が顔を上げたことで目が合う。
「凄いね、本当に美味しいよ。」
そう言って皇様はふわっと笑った。
その笑顔があまりにもかっこよくて呼吸が止まった。
「............良かったです!」
自分も口に入れる。うん、上手くできてると思う!
皇様はそのままスープにお野菜に次々と食べては美味しいと言ってくれる。
その度に胸が暖かくなり、こんなにも自分が作ったものを一緒に食べてくれる人がいるのが幸せなんだということを噛み締めていた。
夜ご飯を誰かと一緒に食べるのは初めてだった。
「明日もよかったらお願いしてもいい?材料費は俺が払うから。忙しかったり用事ある時は全然してもらわなくて大丈夫だから、、、」
「明日からも一緒に食べてくれるんですか?もちろんです!」
「ありがとう。片付けは俺がやるから先にお風呂入っておいでよ。」
「いやいや、自分で片付けしますよ、お先にどうぞ。」
「ご飯作ってもらうの頼んじゃってるからできることは俺がしたい。」
「それなら、すみません、お願いします。」
なんだか一気に距離が縮まった気がして自分でもびっくりしている。
こんなことあっていいのかな?今日の運勢はきっと1位だろうな。
この間とは全然違う気持ちでお風呂に向かった。
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