兄の代わりを務めたら嫌われものでした

16（悠人side）

（悠人side）
「なぁ、悠人、ちょっと。」



突然兄の隼人が風紀委員長を伴ってクラスに来た。


不思議に思いながら2人について行く。


人気のないところに移動した途端、風紀委員長から衝撃の話をされた。




「寮の事でお願いがあるんだが、しばらくの間西園寺くんと同室になってもらえないか？」



「え...？どうしてですか...？」


「西園寺くんのいじめもちょっと心配で、記憶喪失の状態の彼を1人にするのもどうかと言う話が出てな。もう1ヶ月経ってしまったがこれから何かあるかもしれない。その時すぐ気づけないのもよくないという結論になった。ほかの一般生徒は全員2人部屋で人数が余ってないし、君と九条くんは生徒会補佐で一人部屋を貰っているだろう？今は自分の部屋に持ち込むほどの仕事はないだろうし、しばらく彼の部屋で過ごしてくれないだろうか？状況が落ち着いたり仕事が忙しくなったりしたらまた考えるから。」




「はい、、、分かりました。」


隣に兄がいることからしてももう二人の間で話がついてしまっているのが分かり、そう言うしかなかった。


よりによってなんであいつでしかもこの役目が俺なんだ...


「ありがとう。本当に助かるよ。西園寺くんにはもう伝えてあるから、早速今日から必要な荷物を持って移動してね。」


既に西園寺に伝えてるなんてやっぱり決定事項か。


溜息をつきながら自室に戻り荷物を纏めた。




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「隼人、これで良かったの？」


「そうそう、ありがとう。完璧。助かるよ風紀委員長。」


「弟くん西園寺の事嫌ってなかった？こっちとしては助かるけど本当にいいのか？」


「蓮から頼まれてな。悠人とあいつを同室にした方がいいって。蓮が言うならそうなんだろう。」


「へぇー、九条が。よく分からないけど何かあるんだろうな。」


「あぁ。」