兄の代わりを務めたら嫌われものでした

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ふわぁ....





いつもと違う柔らかいふかふかの布団につつまれて碧は目を覚ました。



一瞬何処か分からなかったが、昨日寮に来たことを思い出した。


眠い目をこすりながらベットから出てちまちまと朝の準備をしていく。


(お兄ちゃんっぽくした方がいいのかな？でもお兄ちゃんがどんなだったか分からないもんな...)


(よく分からないけど記憶喪失ってことなんだし気にしなくていいよね)


ひとりで勝手に納得して目が黒くなるようにコンタクトを入れる。



よし。



今日はクラス分けを見に行って自分のクラスに荷物を置いたあと入学式がある講堂へ行くのだ。



成績と家柄でクラスは決まる。
1番上がSクラスで、あとはA~Fまである。



ちょっと早めに部屋を出て掲示板のところまでみんなの流れに乗って向かっていく。




身長が170ない碧はなかなか後ろからクラス分けの紙が見えない。後ろの方でウロウロしているとだんだん碧の周りが空いていき、ちょっと遠巻きにされているのを感じた。



(あ、Sクラスに名前あった！お兄ちゃん勉強頑張ってたのかな？)


Sクラスのところに名前があったのを見てそそくさとその場を離れる。




Sクラスの教室の場所が分からず誰かに聞きたいけど誰に聞けばいいか分からない。




とりあえず1番近いところにいる人に声をかけてみる。


「すみません、Sクラスの教室ってどこにあるか教えてくれませんか...？」



声をかけた途端その子は怯えたような顔をして震えながら奥の方を指さした。


「あっちの階段を使って3階まで上がって左手にあります...」


「ありがとうございます」


怯えた反応をされたことに少し傷つきながら言われた通りの方に向かった。














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「またあいつヤッてテスト資料貰ったのかよ」




「まあ顔だけはいいしヤらせてくれたら確かにテスト出るとこくらい教えていいもんな」




「あんなビッチ俺ならごめんだな」




「今度は記憶喪失のフリして皇様に付きまとってるらしいぞ」




「せっかく2ヶ月くらいいなかったのにまた戻ってきやがった」




「最近平和だったのにな、終わったな」














碧が去った後、色んな声が飛び交っていた。