αと嘘をついたΩ

赤井ちひろ

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第二章 リ,スタート

19長月 俺のオメガに教えてあげる

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「僕は特殊体質だからヒートは抑制剤飲んでたら大抵わからない。少し微熱が続く位」
「今は飲んでいないのか」
「貴方が飲み忘れたのは、僕がアルファって嘘をついたから、貴方に罪はない」
 紫苑を抱きしめる腕の力はとても温かくて、神無月の腕の中は母なる大地の様だった。
「でも、僕の薬が切れてるのはおかしいでしょう。うっかりとかは無いよ。そんなの疑似α剤飲んでるくらいなんだから自殺行為だ」
 もういいもういいと背中をさすりながら好きだと言い続けた。
「もしかしたら僕の匂いに充てられてくれるかもって、期待したからだよ」
 こんな悲しそうに笑う君、あの時以来だ。
「なぜ。俺は美月が好きだろう。気が付いていたのではないか」
「名前で呼んでくれるんだね。好意を持っていてくれることには気が付いていたよ。だからと言って出来損ないにアルファを独り占めする権利は無いよ」
「出来損ないなんかじゃないって言っているだろう。それに俺はアルファじゃない、神無月 柊かんなづき しゅうだ」
 怒らないでとおでこに掛かる前髪をゆっくりと横に流していた。
「柊さん、一回でもよかったんです。ちょっとだけその気になってもらって、アルファとしてアルファのあなたに抱いて貰う位で、諦められると思っていたんだ」
「一回って」
「うん、一回。何回もしちゃうと情が移っちゃうでしょ」
「美月……」
「あーあ、ぐちょぐちょに濡れてるならあなたも気持ちがいいかもって思ったけれど、特殊体質ってこういう時不便。もうオメガの機能なくなっちゃったみたい……」
 紫苑は開いた足の間から流れ出ていた蜜が渇いているのを寂しそうに触っていた。
「お終いです」
 動けるようになった紫苑はスルッと神無月から逃げると、温くなったハイボールの缶に手を伸ばした。
「いーや、始まりだよ」
 神無月は紫苑を後ろから抱きしめ、掴んでいた赤缶をひょいっと抜くと、サイドテーブルに置きそのままお姫様抱っこをした。
「本格的なヒートは知らない?」
 意味が解らないとばかりに目だけが宙を泳ぐ。
「ちょっと待って」
「待たないよ。教えてあげる。美月、オメガはねヒートになったら嫌って言わないんだよ」
 壁に逃げるように後ろにずった。
「美月、ヒートのオメガは自分で足を開くんだ。やってごらん」
 いやいやと首を振る。
「うん、だから嫌って言わないんだよ」
 神無月は紫苑の股を大きく開かせて可愛いよと太ももに口づけた。
「ここ舐めてあげるね」
 神無月は紫苑のペニスを掴み亀頭に唇をつけ、一々やることを口にする神無月は紫苑の真っ赤になった顔を嬉しそうに見つめた。
「口に含むよ、少し先端をぐりぐりするよ。ちゅうちゅうするから感じてごらん」
「んんんんんんん、神無月さん」
「柊さんでしょ。アヌスに舌を入れるよ。嬉しいだろう」
 舌先をグイっと奥まで突っ込んだ。
「んんん」
 今まで感じたことのないむず痒さが紫苑を襲った。
 両サイドに無理やり開かされたアヌスに神無月は指を一本づついれていく。
「んはっ」

 
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