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43 シカゴに向かって③
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【課題】
ウエストサイド物語
先生は生徒たちをそろえ言った。
「ウエストサイドストーリーはアクションも多いのが特徴だ。配役は先ほど張り出してあったものを確認したか?」
生徒たちは背筋を伸ばして気分はタカラジェンヌだ。
「リフのシーンから行くぞ」
生徒たちは口々に言った。
「体育の授業で走りあがる練習してたのはこういう事か……。あの時桜華と南條どっちが勝ったっけ……」
あの時はまさかのウエストサイドの練習なんて思わなかったから、私、手を抜いていた。
さくらは心臓が鷲掴みされるような間隔を覚えてぐっと息が詰まった。
「アクションはさくらがふりかな……」
「そこ!煩いぞ!次注意されたものは試験には参加させない。そのつもりでいろ」
試験が始まった。
桜華あんずと私は同じ役を狙う事になる。
南條、あらすじを言ってみろ。
戸倉先生は演技指導のめちゃこわ先生だ。
「ジェット団とシャーク団はニューヨークのウエストサイドを根城にする不良少年のグループで、きっかけさえあればいつでも戦いになるような空気感です。
その中で一目見た時から恋に落ち愛し合うようになった2人、マリアはシャーク団のベルナルドの妹で、トニーはジェット団のドン・リフの親友でした。
しかし……」
「そこまで!そうだな、いわゆる悲恋だ。もとはシェイクスピアのロミオとジュリエットだと言われている」
この話は世界でも山ほど演じられている話なのだが、かなり内容が違うのが特徴だ。
「その中でもウエストサイドには名場面がいくつかある。今回のテストはその感覚の掴み方を見る。
別にアクションがうまい役者を探しているわけではない。そこを勘違いするな」
「感覚の掴み方、ですか?」
「いくぞ」
第二幕
『そう簡単に断られちゃ困るよ。俺が頼んでるんだ』
『リフを忘れたっていうのかい?なぁ!』
『中国人を見たきゃチャイナタウンに行けばいいだろう?』
「桜華!声が違う。そんなんじゃどんな役もお前には回ってこないぞ」
「すいません」
「木偶のぼうか、お前は!下手くそ」
「すいません」
「もういい、教室の端で台詞の感情の掴み方を考えろ」
「はい」
「つぎ南條!」
「はい」
「同じセリフだ」
スタート!
『そう簡単に断られちゃ困るよ。俺が頼んでるんだ』
『リフを忘れたっていうのかい?なぁ!』
『中国人を見たきゃチャイナタウンに行けばいいだろう?』
「ほう、お前はダンスは桜華の足元にも及ばないが演技は群を抜いているんだな」
戸倉先生に話しかける先生がいた。
さくらはどこかで見たことのある先生を思い出せずにいるとその先生から声をかけられた。
「メーテルリンクの作品を演じたことはないか?」
メーテルリンク?
「青い鳥なら……」
ウエストサイド物語
先生は生徒たちをそろえ言った。
「ウエストサイドストーリーはアクションも多いのが特徴だ。配役は先ほど張り出してあったものを確認したか?」
生徒たちは背筋を伸ばして気分はタカラジェンヌだ。
「リフのシーンから行くぞ」
生徒たちは口々に言った。
「体育の授業で走りあがる練習してたのはこういう事か……。あの時桜華と南條どっちが勝ったっけ……」
あの時はまさかのウエストサイドの練習なんて思わなかったから、私、手を抜いていた。
さくらは心臓が鷲掴みされるような間隔を覚えてぐっと息が詰まった。
「アクションはさくらがふりかな……」
「そこ!煩いぞ!次注意されたものは試験には参加させない。そのつもりでいろ」
試験が始まった。
桜華あんずと私は同じ役を狙う事になる。
南條、あらすじを言ってみろ。
戸倉先生は演技指導のめちゃこわ先生だ。
「ジェット団とシャーク団はニューヨークのウエストサイドを根城にする不良少年のグループで、きっかけさえあればいつでも戦いになるような空気感です。
その中で一目見た時から恋に落ち愛し合うようになった2人、マリアはシャーク団のベルナルドの妹で、トニーはジェット団のドン・リフの親友でした。
しかし……」
「そこまで!そうだな、いわゆる悲恋だ。もとはシェイクスピアのロミオとジュリエットだと言われている」
この話は世界でも山ほど演じられている話なのだが、かなり内容が違うのが特徴だ。
「その中でもウエストサイドには名場面がいくつかある。今回のテストはその感覚の掴み方を見る。
別にアクションがうまい役者を探しているわけではない。そこを勘違いするな」
「感覚の掴み方、ですか?」
「いくぞ」
第二幕
『そう簡単に断られちゃ困るよ。俺が頼んでるんだ』
『リフを忘れたっていうのかい?なぁ!』
『中国人を見たきゃチャイナタウンに行けばいいだろう?』
「桜華!声が違う。そんなんじゃどんな役もお前には回ってこないぞ」
「すいません」
「木偶のぼうか、お前は!下手くそ」
「すいません」
「もういい、教室の端で台詞の感情の掴み方を考えろ」
「はい」
「つぎ南條!」
「はい」
「同じセリフだ」
スタート!
『そう簡単に断られちゃ困るよ。俺が頼んでるんだ』
『リフを忘れたっていうのかい?なぁ!』
『中国人を見たきゃチャイナタウンに行けばいいだろう?』
「ほう、お前はダンスは桜華の足元にも及ばないが演技は群を抜いているんだな」
戸倉先生に話しかける先生がいた。
さくらはどこかで見たことのある先生を思い出せずにいるとその先生から声をかけられた。
「メーテルリンクの作品を演じたことはないか?」
メーテルリンク?
「青い鳥なら……」
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