タカラジェンヌへの軌跡

赤井ちひろ

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39 ひよこたちのタップダンス

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「さあ、ひよこども。そもそもタップダンスってわかってるか?」
「モダンダンスの一つでしょ?」
 流石に桜華、受け答えが早い。

 ではとにかく実地から行くか!

「誰が教えてくれるの?」
 さくらが聞くと得意な奴がそこにいるぞ。
 そこに居たのは神代先生だった。

 既にタップシューズを履き、万全の体制。
「さぁ、並べ」
「まずはステップからおさらいする。音楽をかけるから基本の8個をやるぞ。」

 緊張感溢れるこの瞬間は何より楽しい瞬間だ。

「シャッフルステップ、、123、123、123、123、ンパッパッパパ、ンパッパッパパ、ンパッパッパパ このステップだ」
「次シャッフルステップヒール、ヒールだから 蹴り上げたときにちょっとだけかかとを上げる」
 サイドステップスタンプ、ダブルサイドステップ、フラップと基礎の8個を丹念に教えてくれる。

「難しい――――――」
「泣き言いってんじゃないよ!黙って踏め!さくら違う!違う!でくの坊!何べん言わせる!」
「やってます!」

「お前は音楽学校で口答えする気か」
「いや、そういう……」
 段々声が小さくなる。
「もう一度30秒、ゆっくりからやり直し。一番大きな音が鳴ってるときにステップを合わせて、ステップとステップの間にヒールを鳴らす。音楽に合わせまずはテンポ80、ファイブ、シックス、セブン、エイト タッタ タッタ タッタ タッタ」
 
 テンポがゆっくりだからかみんな何とか神代先生についていく。
 
「次テンポ100、ファイブ、シックス、セブン、エイト」
 タッタタッタタッタタッタ、タッタタッタタッタタッタ、タッタタッタタッタタッタ、
「そうそうその調子」
「次テンポ140!」
 タッタタタタタタタ タっタタタタタタタタ

「その場で足だけ動かせ!ステップとりずらければ手を広げろ」

「テンポ180!」
 ティ トゥトゥトゥトゥトゥットゥ ティ トゥトゥトゥトゥトゥットゥ ティ トゥトゥトゥトゥトゥットゥ

「早い……」
「テンポ400だってあるんだぞ?180程度でグダグダ言うな」

「とりあえずシャッフルをやろう。メトロノームに合わせて連続シャッフルしてみて」
「それができたらタッタ タッタ タッタ  タッタ タッタ タッタ タッタッタ」

 これを永遠テンポ200まで

 毎日夏休み返上で付き合ってくれた神代先生と摩利ちゃんのおかげで私達のタップダンスはかなりの成果になった。
 
 
 
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