37 / 44
37 なつかしの小田原
しおりを挟む
「よお」
キャーキャー言われているそいつらは翠川 零斗だった。
ユニフォームをきているとこ見るとロードワーク中か。
「練習中?」
「ああ、お前ら5分休憩にするぞ!木陰にはいれ」
部員たちは誰だ誰だと こそこそ噂話をしていた。
「可愛い、すげー可愛い、翠川 さんの彼女かなー」
「うわ、皆可愛い!あの人背高ーカッコいい」
「未来のタカラジェンヌだ!受験要項に容姿端麗ってあるからな」
キャプテンがそう言うと、部員は茶化すように言った。
「彼女っすか?」
一際背の高いサツキが言った。
「恋は禁止だよ」
守屋のパン屋からピーナッツやあんずジャムをぬったバタロールと甘食を買ったさくらが飛び出して、零斗に抱きついた。
「 零斗!地区予選勝ったんでしょー?おめでとう。次は甲子園だよね!」
「サンキュー、なあお前いつまで夏休み?」
零斗はさくらにチケットを渡し行った。
「決勝戦のチケット、必ず勝ち上がるから見に来てくれないか?」
いつものお姉言葉じゃなく、はっきり勝ち上がると告げる力強い言葉。
「決勝……23日か。わかった、行くよ。絶対勝って!」
「何々翠川君、さくらだけ?私達のチケットは?」
さくらが中をチラッとみると、なかにはあと3枚入っていた。
「全部で4枚入ってるよ」
「1枚は向日葵ちゃんがいくっていっていたからあと2人かな」
キャプテンの川越が口を挟む。
「足りるか?」
「サツキとあんず行く?」
「勝ち上がるなら行ってあげよう!」
「同じく同郷のよしみだ!」
パン屋からおばちゃんが出てくる。
「相模の子達、パン持ってきな!!」
「今ロードワーク中で持てないんで大丈夫です」
ペコリと頭をさげる。
「残念だわー」
おばちゃんは心底残念そうだ。
「おばちゃん、私が相模学園まで届けるよ。貰って帰っていいかなー」
「ほんとかい?ありがとうねー」
栗饅頭まで入った、愛が沢山詰まった守屋のパンスペシャルをもち、さくらは【豆や】に向かった。
【通称豆や】
小田原には漫画専門店がある。
なんで豆やって、入り口に豆が売られているからだ。
ここで揃わない漫画は恐らくない。
「こんにちわ」
「サツキちゃん、さくらちゃん、帰ってきてるの?」
ここのおばちゃんたちは凄く気さくで、ほんと小学生のころからここで【マーガレット】を買っていた。
レジの後ろから二階に続く階段に声をかけた。
「お土産持ってきたんだよ!宝塚名物さくらのみち饅頭」
バタバタと響く足音と共におじいが降りてきた。
「さくらちゃん、元気だったかい?」
久しぶりに沢山の漫画を買い漁り
20冊近い漫画をゲットした。
「漫画読み耽って遊ぶのは今日までよ?」
おばちゃんにチクりと釘を刺された。
残りのお土産を持ち、桜城下高校へ向かった。
キャーキャー言われているそいつらは翠川 零斗だった。
ユニフォームをきているとこ見るとロードワーク中か。
「練習中?」
「ああ、お前ら5分休憩にするぞ!木陰にはいれ」
部員たちは誰だ誰だと こそこそ噂話をしていた。
「可愛い、すげー可愛い、翠川 さんの彼女かなー」
「うわ、皆可愛い!あの人背高ーカッコいい」
「未来のタカラジェンヌだ!受験要項に容姿端麗ってあるからな」
キャプテンがそう言うと、部員は茶化すように言った。
「彼女っすか?」
一際背の高いサツキが言った。
「恋は禁止だよ」
守屋のパン屋からピーナッツやあんずジャムをぬったバタロールと甘食を買ったさくらが飛び出して、零斗に抱きついた。
「 零斗!地区予選勝ったんでしょー?おめでとう。次は甲子園だよね!」
「サンキュー、なあお前いつまで夏休み?」
零斗はさくらにチケットを渡し行った。
「決勝戦のチケット、必ず勝ち上がるから見に来てくれないか?」
いつものお姉言葉じゃなく、はっきり勝ち上がると告げる力強い言葉。
「決勝……23日か。わかった、行くよ。絶対勝って!」
「何々翠川君、さくらだけ?私達のチケットは?」
さくらが中をチラッとみると、なかにはあと3枚入っていた。
「全部で4枚入ってるよ」
「1枚は向日葵ちゃんがいくっていっていたからあと2人かな」
キャプテンの川越が口を挟む。
「足りるか?」
「サツキとあんず行く?」
「勝ち上がるなら行ってあげよう!」
「同じく同郷のよしみだ!」
パン屋からおばちゃんが出てくる。
「相模の子達、パン持ってきな!!」
「今ロードワーク中で持てないんで大丈夫です」
ペコリと頭をさげる。
「残念だわー」
おばちゃんは心底残念そうだ。
「おばちゃん、私が相模学園まで届けるよ。貰って帰っていいかなー」
「ほんとかい?ありがとうねー」
栗饅頭まで入った、愛が沢山詰まった守屋のパンスペシャルをもち、さくらは【豆や】に向かった。
【通称豆や】
小田原には漫画専門店がある。
なんで豆やって、入り口に豆が売られているからだ。
ここで揃わない漫画は恐らくない。
「こんにちわ」
「サツキちゃん、さくらちゃん、帰ってきてるの?」
ここのおばちゃんたちは凄く気さくで、ほんと小学生のころからここで【マーガレット】を買っていた。
レジの後ろから二階に続く階段に声をかけた。
「お土産持ってきたんだよ!宝塚名物さくらのみち饅頭」
バタバタと響く足音と共におじいが降りてきた。
「さくらちゃん、元気だったかい?」
久しぶりに沢山の漫画を買い漁り
20冊近い漫画をゲットした。
「漫画読み耽って遊ぶのは今日までよ?」
おばちゃんにチクりと釘を刺された。
残りのお土産を持ち、桜城下高校へ向かった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
ヤマネ姫の幸福論
ふくろう
青春
秋の長野行き中央本線、特急あずさの座席に座る一組の男女。
一見、恋人同士に見えるが、これが最初で最後の二人の旅行になるかもしれない。
彼らは霧ヶ峰高原に、「森の妖精」と呼ばれる小動物の棲み家を訪ね、夢のように楽しい二日間を過ごす。
しかし、運命の時は、刻一刻と迫っていた。
主人公達の恋の行方、霧ヶ峰の生き物のお話に添えて、世界中で愛されてきた好編「幸福論」を交え、お読みいただける方に、少しでも清々しく、優しい気持ちになっていただけますよう、精一杯、書いてます!
どうぞ、よろしくお願いいたします!
瞬間、青く燃ゆ
葛城騰成
ライト文芸
ストーカーに刺殺され、最愛の彼女である相場夏南(あいばかなん)を失った春野律(はるのりつ)は、彼女の死を境に、他人の感情が顔の周りに色となって見える病、色視症(しきししょう)を患ってしまう。
時が経ち、夏南の一周忌を二ヶ月後に控えた4月がやって来た。高校三年生に進級した春野の元に、一年生である市川麻友(いちかわまゆ)が訪ねてきた。色視症により、他人の顔が見えないことを悩んでいた春野は、市川の顔が見えることに衝撃を受ける。
どうして? どうして彼女だけ見えるんだ?
狼狽する春野に畳み掛けるように、市川がストーカーの被害に遭っていることを告げる。
春野は、夏南を守れなかったという罪の意識と、市川の顔が見える理由を知りたいという思いから、彼女と関わることを決意する。
やがて、ストーカーの顔色が黒へと至った時、全ての真実が顔を覗かせる。
第5回ライト文芸大賞 青春賞 受賞作
無敵のイエスマン
春海
青春
主人公の赤崎智也は、イエスマンを貫いて人間関係を完璧に築き上げ、他生徒の誰からも敵視されることなく高校生活を送っていた。敵がいない、敵無し、つまり無敵のイエスマンだ。赤崎は小学生の頃に、いじめられていた初恋の女の子をかばったことで、代わりに自分がいじめられ、二度とあんな目に遭いたくないと思い、無敵のイエスマンという人格を作り上げた。しかし、赤崎は自分がかばった女の子と再会し、彼女は赤崎の人格を変えようとする。そして、赤崎と彼女の勝負が始まる。赤崎が無敵のイエスマンを続けられるか、彼女が無敵のイエスマンである赤崎を変えられるか。これは、無敵のイエスマンの悲哀と恋と救いの物語。
水曜日は図書室で
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
青春
綾織 美久(あやおり みく)、高校二年生。
見た目も地味で引っ込み思案な性格の美久は目立つことが苦手でクラスでも静かに過ごしていた。好きなのは図書室で本を見たり読んだりすること、それともうひとつ。
あるとき美久は図書室で一人の男子・久保田 快(くぼた かい)に出会う。彼はカッコよかったがどこか不思議を秘めていた。偶然から美久は彼と仲良くなっていき『水曜日は図書室で会おう』と約束をすることに……。
第12回ドリーム小説大賞にて奨励賞をいただきました!
本当にありがとうございます!
【完結】ぽっちゃり好きの望まない青春
mazecco
青春
◆◆◆第6回ライト文芸大賞 奨励賞受賞作◆◆◆
人ってさ、テンプレから外れた人を仕分けるのが好きだよね。
イケメンとか、金持ちとか、デブとか、なんとかかんとか。
そんなものに俺はもう振り回されたくないから、友だちなんかいらないって思ってる。
俺じゃなくて俺の顔と財布ばっかり見て喋るヤツらと話してると虚しくなってくるんだもん。
誰もほんとの俺のことなんか見てないんだから。
どうせみんな、俺がぽっちゃり好きの陰キャだって知ったら離れていくに決まってる。
そう思ってたのに……
どうしてみんな俺を放っておいてくれないんだよ!
※ラブコメ風ですがこの小説は友情物語です※
【完結】カワイイ子猫のつくり方
龍野ゆうき
青春
子猫を助けようとして樹から落下。それだけでも災難なのに、あれ?気が付いたら私…猫になってる!?そんな自分(猫)に手を差し伸べてくれたのは天敵のアイツだった。
無愛想毒舌眼鏡男と獣化主人公の間に生まれる恋?ちょっぴりファンタジーなラブコメ。
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる