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30 空を見上げる喜び
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合格発表だ
「寝たか?」
朝からびっくりした!
「なんで摩利ちゃんも、神代先生も……え?伊吹先生もなんで?」
「ちょっとなんであたしだけ摩利ちゃんなわけぇ?いげーん」
雨情摩利先生、今日はミニスカポリスの日だ。
「気になったんだよ。お前たちほど手のかかったクラスはなかったからな……」
朝ごはんに降りてきていた桜華も、先生を見つけると珍しく破顔し、走り寄ってきた。
「みんなに連絡をしなくては」
スマホを立ち上げライングループを開いた。
「早く降りてこい!雨情先生、高倉先生、神代先生が来てくれてるよ。みんなで朝ごはん食べよう」
ひよこたちが降りてくるのはそりゃあ早かった。
寝不足の顔がちらほら見える。
「聞いていいかわからないんだが、お前たち自信はあるのか?」
桜華は言った。
「首席で合格の自信がありますわ」
摩利ちゃんが私を見た。
「聞かれたよ、娘役なのにハスキーボイスだねって」
皆、シーンとしている。
「やらないって言った」
「まじか」
のどぼとけが上下に嚥下した。
「ん?愛と死の輪舞歌ってきたよ」
さくらの爆弾発言だ。
「はぁ~?」
どういうことだと神代先生が聞くと、南條より後の番号だったサツキは、凄かったんですよーと、廊下で聞いていていい意味で肩の力抜けて良かったと言っていた。
「やり切ったってことか!」
「これでだめなら来年もう一度受けますよ」
みんなでおなか一杯になるほど朝ご飯を食べ、涙も笑いも一緒に行こうと、さくらがいうので俺たちは空を見上げに行った。
合格発表
「キャ――――――――」
喜ぶ人をうらやむように泣き崩れる人たちがいる。
私達はゆっくりと歩きながら張り出されている合格者氏名に近寄った。
023 桜華あんず
111 佐伯百合
356 下北すみれ
777
778
779 高井サツキ
780
781
782
783
784
785
786
787……
「やった――――――」
「ほらほら、見てよ――」
いつもはひっそりと野に咲く花のように大人しい百合が皆を呼んだ。
サツキは叫んだ。
「見てみろよ!あの時お前からパワーをもらった順番を待っていた奴、皆受かってんよ」
「おめでとう!」
遠くから軽やかに歌うように言った。
「はぁ~?ざけんな!お前他人事じゃねーんだよ」
雨情先生は大声で叫んだ。
皆はさくらを見た。
何この緊張感……
何が起こってんの?
今年は諦めていた、何があってもみんなの前では泣かないって
昨日決めた。
一番好きな歌を先生たちの前で歌うことができた。
だから……
まさか……
私は大地をけり走り出していた。途中小石につまずき転びそうになりながら、発表のボードの前に身を乗り出していた。
777 南條さくら
私の名前があった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
サツキは拳を高々と掲げた。
「やったなお前ら。今日は好きなもんおごってやんよ」
桜華が手を出す。
「よろしく同期だね」
知らない人たちがこちらを見ている。
「あの……777番の方ですか?
「寝たか?」
朝からびっくりした!
「なんで摩利ちゃんも、神代先生も……え?伊吹先生もなんで?」
「ちょっとなんであたしだけ摩利ちゃんなわけぇ?いげーん」
雨情摩利先生、今日はミニスカポリスの日だ。
「気になったんだよ。お前たちほど手のかかったクラスはなかったからな……」
朝ごはんに降りてきていた桜華も、先生を見つけると珍しく破顔し、走り寄ってきた。
「みんなに連絡をしなくては」
スマホを立ち上げライングループを開いた。
「早く降りてこい!雨情先生、高倉先生、神代先生が来てくれてるよ。みんなで朝ごはん食べよう」
ひよこたちが降りてくるのはそりゃあ早かった。
寝不足の顔がちらほら見える。
「聞いていいかわからないんだが、お前たち自信はあるのか?」
桜華は言った。
「首席で合格の自信がありますわ」
摩利ちゃんが私を見た。
「聞かれたよ、娘役なのにハスキーボイスだねって」
皆、シーンとしている。
「やらないって言った」
「まじか」
のどぼとけが上下に嚥下した。
「ん?愛と死の輪舞歌ってきたよ」
さくらの爆弾発言だ。
「はぁ~?」
どういうことだと神代先生が聞くと、南條より後の番号だったサツキは、凄かったんですよーと、廊下で聞いていていい意味で肩の力抜けて良かったと言っていた。
「やり切ったってことか!」
「これでだめなら来年もう一度受けますよ」
みんなでおなか一杯になるほど朝ご飯を食べ、涙も笑いも一緒に行こうと、さくらがいうので俺たちは空を見上げに行った。
合格発表
「キャ――――――――」
喜ぶ人をうらやむように泣き崩れる人たちがいる。
私達はゆっくりと歩きながら張り出されている合格者氏名に近寄った。
023 桜華あんず
111 佐伯百合
356 下北すみれ
777
778
779 高井サツキ
780
781
782
783
784
785
786
787……
「やった――――――」
「ほらほら、見てよ――」
いつもはひっそりと野に咲く花のように大人しい百合が皆を呼んだ。
サツキは叫んだ。
「見てみろよ!あの時お前からパワーをもらった順番を待っていた奴、皆受かってんよ」
「おめでとう!」
遠くから軽やかに歌うように言った。
「はぁ~?ざけんな!お前他人事じゃねーんだよ」
雨情先生は大声で叫んだ。
皆はさくらを見た。
何この緊張感……
何が起こってんの?
今年は諦めていた、何があってもみんなの前では泣かないって
昨日決めた。
一番好きな歌を先生たちの前で歌うことができた。
だから……
まさか……
私は大地をけり走り出していた。途中小石につまずき転びそうになりながら、発表のボードの前に身を乗り出していた。
777 南條さくら
私の名前があった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
サツキは拳を高々と掲げた。
「やったなお前ら。今日は好きなもんおごってやんよ」
桜華が手を出す。
「よろしく同期だね」
知らない人たちがこちらを見ている。
「あの……777番の方ですか?
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