タカラジェンヌへの軌跡

27 さくら新たな出発

「おと……おと！……お……お……えおと」


　さくらは爆笑しながら言えてないじゃんと言った。
「何どうようしてるの？」
「まってよ。確かにハスキーボイスだったけど、そこらの女より綺麗だったんだけど……」
「摩利ちゃんだから」
「理由になってねーよ」
　食いぎみに突っ込むとこ見ると、さてはお主、惚れたな？
「俺は気が付いていたぞ！」
　川越が言うと、日向ひゅうがはなら言えよ！とむっとする。
「向こうは騙してはなかっただろう？わざわざ、言うことではないかと判断したんだが……」
「スカートはいてたじゃねーか！」
　日向ひゅうがの動揺、マジパネェよ。
「似合っていた！」
　川越は真顔で答える。
「だよね～」
　零斗れいとも川越サイドにたつ。
「いんじゃねーの？スカートとかズボンとか小せーだろ？あいつがさくらを心配して他校まできた。それが事実で真実だ。
　沢山教え子いんよね。さくらが言うには有名なバレエ教師なんだろ？んな奴が、山程仕事あん中に、さくらを心配するってぇミッション仕込んでさ……わざわざ、ここまできたんじゃん。むしろ俺は惚れたよ。かっけーよ」


「さくら！身長今なんセンチ？」  
「今は163センチ」
「後なんセンチ欲しいんだよ」 
「ん？8センチあったら最高だよ！ぶら下がり健康法どうだろう」
　ふざけていうと、零斗れいとにめちゃくちゃ怒られたけど、でもまっやめとけ、手しか伸びんとかアホなこといっていた。


「川越達は次は何が目標？」
「春の選抜！」
　目が違う！本気の目が私に力をくれる。

　やつらのおかげで体力もついた！
　明日から本気のボイトレが待っている！

　□□□

　さあさあ桐生きりゅう先生！私の肺活量見てください。
　だって内緒でスイミングも頑張ったんだから！
　ひとえに肺活量を増やすため……