22 / 44
22 残り120日
しおりを挟む
遠足と称した鬼の2泊3日が終わり皆とりあえずは雨情先生に課題を提出した。メイさんはやはり凄くて……歌が上手いとかじゃないしサシスセソ多分苦手だし……でもあんなに光輝く男役って本当ひとにぎり。
前に先生がいっていた、ダンスや歌が苦手でもトップスターに成れる人材はひとにぎりもいない。
メイさんはそのひとにぎりの逸材。
私は凡人。
なら練習あるのみだ!
だーれかが僕をよーんでいる。だーれかが僕をまーっている。チャッチャチャラン・チャチャン。ひみーつが一杯なぞーを呼ぶ事件がトリック仕掛けた罠の中!!冷静、沈着……
「さくら何してんだ?」
雨情先生。
「この前の名探偵はふたりぼっちのワンフレーズですよ」
お気に入りの場所なのだとさくらは校内で歌い踊っていた。
「本当にお前最高だよ!一回みただけで覚えられるのは、才能のひとつさ。俺はお前がラインダンスを踊って、得意のコミカルな役を演じるのを見てみたいよ」
「雨情先生、私絶対受かってみせるよ」
「で話しはかわるんだが、今年演劇コンお前どうするんだ?」
演劇コン→演劇コンクール、数々の名だたる学校が役者を揃えてっぺんを取りに来る!
先生はすごく真面目な顔して言った。
「どっち付かずになるぞ!選べ」
芝居を諦める?いやコンクールを諦めるんだ。
私は演劇部を退部することにした。
「席だけ置いておかない?」
部長はすごく優しくて、出来たら私もそうしたい。でも……多分追い込まないと私は頑張れない。
今年も落ちたら、来年頑張れるかわからない。でもどっち付かずになって落ちたら100%頑張れない!ってことだけはわかる。
「頑張ったからって誰もが望むものを手に入れられる訳じゃない!でもなさくら、頑張らなければ、そのスタート地点にすら立てないんだ」
私は黙って頷いた。
【教室にて】
「最初は面接だ。そこでは何一つテクニックは披露出来ない。面接を通過して初めて課題曲をうたう機会が与えられる。残り120日だ」
「面接って何を見るんですか?」
誰もが気になる内容だ。
「さあな、俺は面接官じゃないから知らないよ。ただ小手先で受かろうとしたやつを何人も見てきたが、そいつらが受かったのを見たことは無いな」
切り捨てるように言った冷たい声で、その場の緩い空気は一気に消滅した。
「俺が言ってるのは面接の練習をしろってことじゃない!面接の練習なんかしたってだめだからテクニックを磨け!自信に裏付けされる練習量をこなせと言っている」
さあ残り120日だ。
前に先生がいっていた、ダンスや歌が苦手でもトップスターに成れる人材はひとにぎりもいない。
メイさんはそのひとにぎりの逸材。
私は凡人。
なら練習あるのみだ!
だーれかが僕をよーんでいる。だーれかが僕をまーっている。チャッチャチャラン・チャチャン。ひみーつが一杯なぞーを呼ぶ事件がトリック仕掛けた罠の中!!冷静、沈着……
「さくら何してんだ?」
雨情先生。
「この前の名探偵はふたりぼっちのワンフレーズですよ」
お気に入りの場所なのだとさくらは校内で歌い踊っていた。
「本当にお前最高だよ!一回みただけで覚えられるのは、才能のひとつさ。俺はお前がラインダンスを踊って、得意のコミカルな役を演じるのを見てみたいよ」
「雨情先生、私絶対受かってみせるよ」
「で話しはかわるんだが、今年演劇コンお前どうするんだ?」
演劇コン→演劇コンクール、数々の名だたる学校が役者を揃えてっぺんを取りに来る!
先生はすごく真面目な顔して言った。
「どっち付かずになるぞ!選べ」
芝居を諦める?いやコンクールを諦めるんだ。
私は演劇部を退部することにした。
「席だけ置いておかない?」
部長はすごく優しくて、出来たら私もそうしたい。でも……多分追い込まないと私は頑張れない。
今年も落ちたら、来年頑張れるかわからない。でもどっち付かずになって落ちたら100%頑張れない!ってことだけはわかる。
「頑張ったからって誰もが望むものを手に入れられる訳じゃない!でもなさくら、頑張らなければ、そのスタート地点にすら立てないんだ」
私は黙って頷いた。
【教室にて】
「最初は面接だ。そこでは何一つテクニックは披露出来ない。面接を通過して初めて課題曲をうたう機会が与えられる。残り120日だ」
「面接って何を見るんですか?」
誰もが気になる内容だ。
「さあな、俺は面接官じゃないから知らないよ。ただ小手先で受かろうとしたやつを何人も見てきたが、そいつらが受かったのを見たことは無いな」
切り捨てるように言った冷たい声で、その場の緩い空気は一気に消滅した。
「俺が言ってるのは面接の練習をしろってことじゃない!面接の練習なんかしたってだめだからテクニックを磨け!自信に裏付けされる練習量をこなせと言っている」
さあ残り120日だ。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
瞬間、青く燃ゆ
葛城騰成
ライト文芸
ストーカーに刺殺され、最愛の彼女である相場夏南(あいばかなん)を失った春野律(はるのりつ)は、彼女の死を境に、他人の感情が顔の周りに色となって見える病、色視症(しきししょう)を患ってしまう。
時が経ち、夏南の一周忌を二ヶ月後に控えた4月がやって来た。高校三年生に進級した春野の元に、一年生である市川麻友(いちかわまゆ)が訪ねてきた。色視症により、他人の顔が見えないことを悩んでいた春野は、市川の顔が見えることに衝撃を受ける。
どうして? どうして彼女だけ見えるんだ?
狼狽する春野に畳み掛けるように、市川がストーカーの被害に遭っていることを告げる。
春野は、夏南を守れなかったという罪の意識と、市川の顔が見える理由を知りたいという思いから、彼女と関わることを決意する。
やがて、ストーカーの顔色が黒へと至った時、全ての真実が顔を覗かせる。
第5回ライト文芸大賞 青春賞 受賞作
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
月並みニジゲン
urada shuro
青春
「僕には、涙の色が見える」
特殊な能力を持っていることを公言しては、同級生から変わり者扱いをされてきた少年、
鈍条崎ルチカ(にびじょうさきるちか)。
高校では、素敵な出会いがあるといいな。
そんな希望を抱え、迎えた入学式。
ルチカには願いどおり、ある少女との出会いが訪れる。
はじめて自分の能力を信じてくれたその少女は、ルチカも知らない、特別な色を持っていた。
※完結しています。読んで下さった皆様、どうもありがとうございました。
※他サイト様にも、同小説を投稿しています。
水曜日は図書室で
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
青春
綾織 美久(あやおり みく)、高校二年生。
見た目も地味で引っ込み思案な性格の美久は目立つことが苦手でクラスでも静かに過ごしていた。好きなのは図書室で本を見たり読んだりすること、それともうひとつ。
あるとき美久は図書室で一人の男子・久保田 快(くぼた かい)に出会う。彼はカッコよかったがどこか不思議を秘めていた。偶然から美久は彼と仲良くなっていき『水曜日は図書室で会おう』と約束をすることに……。
第12回ドリーム小説大賞にて奨励賞をいただきました!
本当にありがとうございます!
ヤマネ姫の幸福論
ふくろう
青春
秋の長野行き中央本線、特急あずさの座席に座る一組の男女。
一見、恋人同士に見えるが、これが最初で最後の二人の旅行になるかもしれない。
彼らは霧ヶ峰高原に、「森の妖精」と呼ばれる小動物の棲み家を訪ね、夢のように楽しい二日間を過ごす。
しかし、運命の時は、刻一刻と迫っていた。
主人公達の恋の行方、霧ヶ峰の生き物のお話に添えて、世界中で愛されてきた好編「幸福論」を交え、お読みいただける方に、少しでも清々しく、優しい気持ちになっていただけますよう、精一杯、書いてます!
どうぞ、よろしくお願いいたします!
カスのライフハック研究会
七谷こへ
青春
【あらすじ】
ただスーパーで買いものをしていただけなのに、不審な女性に呼びとめられることとなった男子大学生、羽賀カラハ。
「カスのライフハック研究会・会長代行」を名乗る彼女によって、カラハはとある秘密を暴かれ、カスどもの饗宴に巻き込まれていくこととなる――
【ネタバレあらすじ】
結末までのネタバレありのあらすじも、下のURLにて公開しています。
https://docs.google.com/document/d/1CkXpIqKi15iHTg6MlFC7mkqweQCpyEfXU36r0_ej-pE/preview
【登場人物】
・羽賀カラハ
主人公。男子大学生。
ある日突然会長代行に呼びとめられ、事件に巻き込まれていく。
・会長代行
女子大学生。
「自分は大したカスではない」と落ち込むこともあるけれど、カス。
偉大なるカス――「カス・ザ・グレイト」が創設した研究会を守るため奔走している。
芥川近子(あくたがわちかこ)という名前があるが、ほぼ話の中には出てこない。
・カド
男子大学生。
カスのライフハック研究会のライバル団体創設者。
カスとして越えてはならない一線を越えてしまったカス。
・その他
ザコカスども。
【着想元】
オモコロさんの『どうしようもない生活の知恵「カスライフハック」評議会』を見て大層笑ってから思いつきました。
リスペクトとして「カスのライフハック」の用語をほぼそのまま残しており、冒頭のラーメンネタをお借りしています。
https://omocoro.jp/kiji/366264/
【表紙】
アドリアーン・ブラウエル『苦い薬』1636-1638年
【完結】カワイイ子猫のつくり方
龍野ゆうき
青春
子猫を助けようとして樹から落下。それだけでも災難なのに、あれ?気が付いたら私…猫になってる!?そんな自分(猫)に手を差し伸べてくれたのは天敵のアイツだった。
無愛想毒舌眼鏡男と獣化主人公の間に生まれる恋?ちょっぴりファンタジーなラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる