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16伝説の研1天満(あまみ)と佐伯 佳夜(さえき かよ)
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「ねーそれオシャレタトゥー?」
「なんだオシャレタトゥーって」
担任は呑気にホームルームをしていたけれど、誰かが腕の所をさすと、とたんになきネズミみたいに可愛い顔になった。
「おしゃれじゃないタトゥーだ」
「本気タトゥーっていうんだよ」
「へー知らなかったよ」
「ねーいつからタトゥーとかしてるの?」
神代先生は遥か遠くをみつめ、大好きだった人とお揃いにしたかっただけだと言った。
「お前らが音楽学校に入ってタカラジェンヌになったら教えてやるよ」
腕を跡がつくほど握って……それでも何もなかったかのように道化の如くに笑う神代先生……先生にも誰にも言えない秘密の一つや二つあるんだ。
「そんなことよりこの歌で振り付け考えろって言ったの誰かやってきたか?
神代先生の出した曲……。
「はい」
勢いよく手が上がる。
「佳夜先輩」
神代先生はまさかの先輩にびっくりしたのか『へ―』と素直な一発をお見舞いすると、「優等生のお前がねー、この曲でモダンジャズ?おもしれ―ジャン。佐伯 佳夜やってみろ」と言った。
高校二年の佐伯佳夜、通称女神様と呼ばれる彼女はとてもお行儀のいい優等生だった。
自称面白みがないと自身をいじる彼女は、同じ様な理由で最終面接でふるい落とされた。
しかし神代は今年は佐伯 佳夜にとっては生涯最高の年になると思うぞと言った。。
「今年は宝塚歌劇団の研1に天満がいるからな。音楽学校を首席で入学し卒業した伝説のイケメンだ」
「どういうことですか?」
「今年受かれば佐伯が宝塚歌劇団に入団した時、天満は研4だ。アイツの相手を絶対に探してる」
「宝塚は男役の世界だ。男役が最高にかっこよく見えるためのキャスティングをするものだ。
佐伯の要旨は、天満の為にあるようなものだろう。
今の花組トップスターの嶋田 巴の相手役亜紀篠 巳緒も、トップスターの嶋田にとって、最高の相手役だ。
天満は恐らく最速でトップに上り詰めるぞ。黄金比率と思われる二人を並べたら値段が付く程のポスターになるだろう」
「そんなことが?」
神代はぎろりとにらみ、小馬鹿にしたように笑った。
「そんなこと?そうだ、そんなことがとても重要なんだ。娘役が通常の聖域より遥か高音で声を出す訓練をするのは何のためだ?男役をより男らしく見せるための補佐だろう。そんな事も解らないなら、そんな事で泣くんだな」
佳夜先輩は神代先生に向かって言った。
「去年は私は宝塚に必要がなくて落ちました。華が無い、引き付けるものがない、だから替えがききました。でも今年はこの容姿で取りに行きます」
深々と頭を下げた。
5年後、研3で天満の相手役として娘役トップスターに上り詰めることとなる。
「なんだオシャレタトゥーって」
担任は呑気にホームルームをしていたけれど、誰かが腕の所をさすと、とたんになきネズミみたいに可愛い顔になった。
「おしゃれじゃないタトゥーだ」
「本気タトゥーっていうんだよ」
「へー知らなかったよ」
「ねーいつからタトゥーとかしてるの?」
神代先生は遥か遠くをみつめ、大好きだった人とお揃いにしたかっただけだと言った。
「お前らが音楽学校に入ってタカラジェンヌになったら教えてやるよ」
腕を跡がつくほど握って……それでも何もなかったかのように道化の如くに笑う神代先生……先生にも誰にも言えない秘密の一つや二つあるんだ。
「そんなことよりこの歌で振り付け考えろって言ったの誰かやってきたか?
神代先生の出した曲……。
「はい」
勢いよく手が上がる。
「佳夜先輩」
神代先生はまさかの先輩にびっくりしたのか『へ―』と素直な一発をお見舞いすると、「優等生のお前がねー、この曲でモダンジャズ?おもしれ―ジャン。佐伯 佳夜やってみろ」と言った。
高校二年の佐伯佳夜、通称女神様と呼ばれる彼女はとてもお行儀のいい優等生だった。
自称面白みがないと自身をいじる彼女は、同じ様な理由で最終面接でふるい落とされた。
しかし神代は今年は佐伯 佳夜にとっては生涯最高の年になると思うぞと言った。。
「今年は宝塚歌劇団の研1に天満がいるからな。音楽学校を首席で入学し卒業した伝説のイケメンだ」
「どういうことですか?」
「今年受かれば佐伯が宝塚歌劇団に入団した時、天満は研4だ。アイツの相手を絶対に探してる」
「宝塚は男役の世界だ。男役が最高にかっこよく見えるためのキャスティングをするものだ。
佐伯の要旨は、天満の為にあるようなものだろう。
今の花組トップスターの嶋田 巴の相手役亜紀篠 巳緒も、トップスターの嶋田にとって、最高の相手役だ。
天満は恐らく最速でトップに上り詰めるぞ。黄金比率と思われる二人を並べたら値段が付く程のポスターになるだろう」
「そんなことが?」
神代はぎろりとにらみ、小馬鹿にしたように笑った。
「そんなこと?そうだ、そんなことがとても重要なんだ。娘役が通常の聖域より遥か高音で声を出す訓練をするのは何のためだ?男役をより男らしく見せるための補佐だろう。そんな事も解らないなら、そんな事で泣くんだな」
佳夜先輩は神代先生に向かって言った。
「去年は私は宝塚に必要がなくて落ちました。華が無い、引き付けるものがない、だから替えがききました。でも今年はこの容姿で取りに行きます」
深々と頭を下げた。
5年後、研3で天満の相手役として娘役トップスターに上り詰めることとなる。
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