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第五章
8 最後の賭け2
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「別れる? 葵が俺と?」
東條の心臓が悲鳴をあげた。
意識が思うように動かない。脳が働かない。葵に優しくしたい。愛して愛されて普通に幸せになりたい。ただそう思った……。
「泣いてももう止めない。傷ついても逃がしてやらない。お前が俺を切り捨てるなら、せめてお前に俺を刻みつけてやる……ここだろ? いいとこ。知っているのだよ。ぷくーって突いて貰ったら気持ち良くてたまらないだろう。俺のは長いからお前の欲しいとこに、きちんと届くよ。どんな男にやられてもお前を狂うまで逝かせられるのは俺だけだ……もっと動けよ。ほら自分でおかしくなって」
東條の声が常軌を逸していく。
東條が獣のように狂う様が葵には何よりのご馳走。自分だから引き出せる顔、狂う程愛しい男に恋い焦がれるドМなら、だれでも願う自分の存在証明だ。
「もっと――そこぉ頭おかしくなるぅ――痒い痒い、あなたので奥まで擦って――」
「淫乱なメスイヌの癖に、主人を捨てるなんか最低だな」
二の腕や鎖骨を東條に噛まれ、犬歯が食い込んだ。
「ヒィィィィィィ」
東條の目は怒りで我を忘れて、無理矢理葵を引き裂いた。さっきまで東條のスペルマを流し込んでいた蜜壺に、更に無理矢理ネジ込み、葵の弱い結腸をガツガツとついた。
「ヒィィィィィィィ」葵は口をぱかっと開け息を吐く。
鎖骨に立てた歯形はくっきりと痕が付き血が滲んでいた。葵の顔が苦痛に歪む。その顔を見るのが快感だ。手首がミシミシっと悲鳴をあげた。
「大好き……」
決して東條には聞こえない、葵の告白はそのまま空気に飲まれて消えた。
「別れるんだろ、なぁ孕めよ。腹ん中、一杯にしてやる」
産めるもんならとっくに産んでる。
「なんで別れるなんて言うんだ」
東條は絞り出すように言った。
意識……今はあるんだと葵は思った。
「感情も意識もあるの?」
通常の何倍もゆっくりと言葉を選ぶ。
「ある……らしい」
東條は葵の言葉を反芻しながら最後のチャンスに賭けた。
「なんで別れるかって大和さん言ったよね」
逃げない葵の肩をつかむと、脈拍を落ち着けるように何度も吸っては吐いた。
ゆっくりと首を前後に振り、体内の中を流れる血がどくどくと音を出す。
自分自身で見たくないものが目に前にある。それは同じくらい放したくないものだった。
「あなたが優しすぎるからだよ。いつか僕の為にっていう理由で、僕を捨てる日が来ると知ってる」
「捨てない!」
唇を嚙んだ。
「だから噛むなって。僕はね……あなたに捨てられる日が来るのが怖いんだ。きっと生きてはいられない。そうしたらあなたは罪の意識に今度こそ囚われてしまうから」
「俺たちは何が正解なんだ?」
手首の痕をじっと見つめていた。
「優しくしなきゃって思いこむの止められる?」
葵は東條の唇から流れる血を舌先で拭った。
東條の心臓が悲鳴をあげた。
意識が思うように動かない。脳が働かない。葵に優しくしたい。愛して愛されて普通に幸せになりたい。ただそう思った……。
「泣いてももう止めない。傷ついても逃がしてやらない。お前が俺を切り捨てるなら、せめてお前に俺を刻みつけてやる……ここだろ? いいとこ。知っているのだよ。ぷくーって突いて貰ったら気持ち良くてたまらないだろう。俺のは長いからお前の欲しいとこに、きちんと届くよ。どんな男にやられてもお前を狂うまで逝かせられるのは俺だけだ……もっと動けよ。ほら自分でおかしくなって」
東條の声が常軌を逸していく。
東條が獣のように狂う様が葵には何よりのご馳走。自分だから引き出せる顔、狂う程愛しい男に恋い焦がれるドМなら、だれでも願う自分の存在証明だ。
「もっと――そこぉ頭おかしくなるぅ――痒い痒い、あなたので奥まで擦って――」
「淫乱なメスイヌの癖に、主人を捨てるなんか最低だな」
二の腕や鎖骨を東條に噛まれ、犬歯が食い込んだ。
「ヒィィィィィィ」
東條の目は怒りで我を忘れて、無理矢理葵を引き裂いた。さっきまで東條のスペルマを流し込んでいた蜜壺に、更に無理矢理ネジ込み、葵の弱い結腸をガツガツとついた。
「ヒィィィィィィィ」葵は口をぱかっと開け息を吐く。
鎖骨に立てた歯形はくっきりと痕が付き血が滲んでいた。葵の顔が苦痛に歪む。その顔を見るのが快感だ。手首がミシミシっと悲鳴をあげた。
「大好き……」
決して東條には聞こえない、葵の告白はそのまま空気に飲まれて消えた。
「別れるんだろ、なぁ孕めよ。腹ん中、一杯にしてやる」
産めるもんならとっくに産んでる。
「なんで別れるなんて言うんだ」
東條は絞り出すように言った。
意識……今はあるんだと葵は思った。
「感情も意識もあるの?」
通常の何倍もゆっくりと言葉を選ぶ。
「ある……らしい」
東條は葵の言葉を反芻しながら最後のチャンスに賭けた。
「なんで別れるかって大和さん言ったよね」
逃げない葵の肩をつかむと、脈拍を落ち着けるように何度も吸っては吐いた。
ゆっくりと首を前後に振り、体内の中を流れる血がどくどくと音を出す。
自分自身で見たくないものが目に前にある。それは同じくらい放したくないものだった。
「あなたが優しすぎるからだよ。いつか僕の為にっていう理由で、僕を捨てる日が来ると知ってる」
「捨てない!」
唇を嚙んだ。
「だから噛むなって。僕はね……あなたに捨てられる日が来るのが怖いんだ。きっと生きてはいられない。そうしたらあなたは罪の意識に今度こそ囚われてしまうから」
「俺たちは何が正解なんだ?」
手首の痕をじっと見つめていた。
「優しくしなきゃって思いこむの止められる?」
葵は東條の唇から流れる血を舌先で拭った。
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