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第三章・凶器という名の愛
10 新開の底4
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ぐちょぐちょでヌルヌル、テカテカでギラギラ、そんな形容がぴったりのボールが手の上で転がされている。
微かに聞こえる卑猥な音に、緊張で体がすくんだ。
「今何時かわかるかい」
甘い声がした。
すぐにでもこれを入れるのかと思った僕には、拍子抜けするような質問だった。
「ううん……分からない……けど」
葵は首を振った。
風で擦れるたびに、若干の痛みが付きまとう。
「カーテンを開けてごらん」
誰かがそこに居たら、誰かに見られたら、そう思った。それでも、東條の望むことは何でも叶えてあげたい。
「好きだよ」
一気にエンジの布を引き寄せた。
町を一望する高さから見えるそれはまるで宝石箱のようだった。
「誰かに見られるかもと興奮したのか? ここがひくついているぞ」
東條の指の先端がくぷっと捩じ込まれた。
「ンンンンンンンン」
「何が見える」
苦しむ顔を見て、東條の顔がうっとりした。
「沢山の街明かりが……見える。エレベーターに乗った……ときは……貴方に抱かれて……いた……から。何階か……見ていなかった。ここは……何階?」
「9階だ」
「キラキラ光ってすごくきれい」
「こんなにきれいな景色を見ていたら、少しは怖くなくなるのだはないのか?」
「僕怖くなんて……」
言ってから気が付いた。
恐怖で握りしめた掌は爪が食い込み、うっすらと血がにじんでいた。
信じられないほどの優しさで、滲む掌にキスをする。
「大和さん」
「なんだ?」
「大和さんは何度もキスをしてくれるけど、一度も唇にはしてくれないってきがついている?」
「ああ」
「なんで?」
「それは……」
東條の顔が一瞬で濁る。
贖罪のにおいがした。
「キス苦手?」
「ああ、そうだなぁ。ほかの場所なら幾らでもキスしてあげる。もういいだろう」
聞きたい、何が東條を傷つけているのか、なんでそんな、自分におざなりになるのか。サディスティックとうたう割に、なんだかいつも優しい。本気で追い詰めることを怖がっているように葵には見えた。
「あまりに静かで……世界に二人っきりっていう気がしないか?」
耳元で囁かれる声に体が反応し、ぞわぞわと電流のようなものが流れ、瞬間的に力を入れて抱きついた。
それに反応するように葵の尻を東條の足が窓に押し付けていく。
可愛らしい小さめのペニスを膝で確認するように押すと、ゆるりと立ち上がった。東條はひざまずくと葵のペニスに口づけた。
「待って……」
「なんだ。嫌ならヤマトと呼び捨てにしたら止めると言っているのだよ」
「そうじゃない」
「……」
「大和さん」
「ああ、ごめんよ。じゃあ、もっとおねだりしてごらん」
「大和……さん、ンンン」
「ほら」
乳首を爪の先で痛いほどつまみ上げ、葵の苦痛に歪む顔にキスをした。
「言え」
「その、ボール……いれて」
「もっと可愛くおねだりしてくれないか? その気にならないだろう?」
首まで真っ赤に染めながら、窓に手を付き尻を突き出しさっきより大きな声で言った。
「僕のお尻に黒くてテカテカしたおっきいボールを沢山……いれて下さい」
涙が目尻にたまっている様がなんとも加虐心をそそる。
――たまらないなと東條は葵を見下ろし、口元に自然と笑みが浮かんだ。
「良くできた、偉いね」
東條は解した葵の尻の穴に一つづつゆっくりとボールをいれていった。
「お腹がぎゅうぎゅうになるまで沢山入れてあげるよ、苦痛に歪む顔が最高に可愛いよ。葵……」
東條に言われるがまま尻を広げ、苦しくて息が出来なくなる程にボールを飲み込んだ。
僕にしか向かない執着の裏に、僕じゃない誰かを見ている気がした。
「ご褒美だよ」
僕のひくつく入口にマグナム級のペニスの先端があてがわれた。
ボールできつきつの僕の穴に、東條のものが無理やり侵入して、それが苦しくて、でも……幸せだった。
「――中で何かが動くぅ――――――」
涎を垂らして焦点の既にあっていない目で、僕は必死に大和さんにしがみついた。
微かに聞こえる卑猥な音に、緊張で体がすくんだ。
「今何時かわかるかい」
甘い声がした。
すぐにでもこれを入れるのかと思った僕には、拍子抜けするような質問だった。
「ううん……分からない……けど」
葵は首を振った。
風で擦れるたびに、若干の痛みが付きまとう。
「カーテンを開けてごらん」
誰かがそこに居たら、誰かに見られたら、そう思った。それでも、東條の望むことは何でも叶えてあげたい。
「好きだよ」
一気にエンジの布を引き寄せた。
町を一望する高さから見えるそれはまるで宝石箱のようだった。
「誰かに見られるかもと興奮したのか? ここがひくついているぞ」
東條の指の先端がくぷっと捩じ込まれた。
「ンンンンンンンン」
「何が見える」
苦しむ顔を見て、東條の顔がうっとりした。
「沢山の街明かりが……見える。エレベーターに乗った……ときは……貴方に抱かれて……いた……から。何階か……見ていなかった。ここは……何階?」
「9階だ」
「キラキラ光ってすごくきれい」
「こんなにきれいな景色を見ていたら、少しは怖くなくなるのだはないのか?」
「僕怖くなんて……」
言ってから気が付いた。
恐怖で握りしめた掌は爪が食い込み、うっすらと血がにじんでいた。
信じられないほどの優しさで、滲む掌にキスをする。
「大和さん」
「なんだ?」
「大和さんは何度もキスをしてくれるけど、一度も唇にはしてくれないってきがついている?」
「ああ」
「なんで?」
「それは……」
東條の顔が一瞬で濁る。
贖罪のにおいがした。
「キス苦手?」
「ああ、そうだなぁ。ほかの場所なら幾らでもキスしてあげる。もういいだろう」
聞きたい、何が東條を傷つけているのか、なんでそんな、自分におざなりになるのか。サディスティックとうたう割に、なんだかいつも優しい。本気で追い詰めることを怖がっているように葵には見えた。
「あまりに静かで……世界に二人っきりっていう気がしないか?」
耳元で囁かれる声に体が反応し、ぞわぞわと電流のようなものが流れ、瞬間的に力を入れて抱きついた。
それに反応するように葵の尻を東條の足が窓に押し付けていく。
可愛らしい小さめのペニスを膝で確認するように押すと、ゆるりと立ち上がった。東條はひざまずくと葵のペニスに口づけた。
「待って……」
「なんだ。嫌ならヤマトと呼び捨てにしたら止めると言っているのだよ」
「そうじゃない」
「……」
「大和さん」
「ああ、ごめんよ。じゃあ、もっとおねだりしてごらん」
「大和……さん、ンンン」
「ほら」
乳首を爪の先で痛いほどつまみ上げ、葵の苦痛に歪む顔にキスをした。
「言え」
「その、ボール……いれて」
「もっと可愛くおねだりしてくれないか? その気にならないだろう?」
首まで真っ赤に染めながら、窓に手を付き尻を突き出しさっきより大きな声で言った。
「僕のお尻に黒くてテカテカしたおっきいボールを沢山……いれて下さい」
涙が目尻にたまっている様がなんとも加虐心をそそる。
――たまらないなと東條は葵を見下ろし、口元に自然と笑みが浮かんだ。
「良くできた、偉いね」
東條は解した葵の尻の穴に一つづつゆっくりとボールをいれていった。
「お腹がぎゅうぎゅうになるまで沢山入れてあげるよ、苦痛に歪む顔が最高に可愛いよ。葵……」
東條に言われるがまま尻を広げ、苦しくて息が出来なくなる程にボールを飲み込んだ。
僕にしか向かない執着の裏に、僕じゃない誰かを見ている気がした。
「ご褒美だよ」
僕のひくつく入口にマグナム級のペニスの先端があてがわれた。
ボールできつきつの僕の穴に、東條のものが無理やり侵入して、それが苦しくて、でも……幸せだった。
「――中で何かが動くぅ――――――」
涎を垂らして焦点の既にあっていない目で、僕は必死に大和さんにしがみついた。
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