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第三章・凶器という名の愛
5 深海の淵5
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「して、大和さん」
「迷いもせずか。淫乱だなぁ。でも残念だ、さすがに届かん」
ぬぷっと指を抜いた東條はその指を葵の唇の前に持っていき、口の隙間に指を添えた。
「舐めろ、お前の中に入っていたものだ。お掃除フェラと同じだろう」
「お掃除……フェラ……」
自分で言って悲しくなった。
それでもここで泣いたら負けだと思ったし、泣けば絶対になら止める。もう逃げろ、そう言われる。意地悪なんかじゃない、むしろ、東條はそれを望んでいるとさへ思った。
――僕が引くのを待っている。
――大和さんは自分なんか許されちゃいけないって思ってる。
――ふざけるな! 誰があなたの思い通りになんかなってやるものか。
東條のペニスをなめるより遥かに淫猥なその行為に、体の芯からゾワゾワするものが上がってくるのを葵は感じていた。言われたまま東條の指を咥える。
「自分の中に埋まっている指を躊躇せずに咥えるなんて、淫乱なんだな。なんていい子なのだよ」
東條のいやらしい言い方と、頭をなでる優しい手、寂しそうな眼に葵は翻弄された。
咥えなければ絶対にお仕置きが待っている。そっちのほうが良かったのか、正解なんか分からない。
でも本能は正直だ。部屋の隅にちらっと見える浣腸の注射器のようなものは、とてつもなく大きいけれど、でも絶対にあれは僕様だ。
「いい子には何をしてくれると思う?」
「大和さん」
「何なのだよ。 言っておくれ」
「ご褒美に褒めてくれますか」
褒めてほしいのだろう。手足が拘束され宙ぶらりんの肢体はうっすらとピンクに染まり振り子のように若干前後に揺れていた。
天蓋からぶら下がるバーをベッドの横に降ろした。下にはマットの様な物が敷かれていて、それはとてもフカフカだった。
「幾らでも褒めてあげるのだよ。これからお前の体に降り注ぐご褒美を全て受け入れられたら、もっともっと褒めてあげる」
狂気のような声色に僕は脂汗が止まらなかった。
じんわり出るそれを東條はキスでぬぐい取っていく。
さっき嚙まれ血が滴っていた乳首もこれでもかという程の繊細さで舐め吸っていった。
「入っておいで」
入り口に向かって声をかける。
ギーっと静かな音が響き、見知った顔がそこには立っていた。
「なんで、あんた……」
葵は大きな目を見開き信じられないものを見るようにその男を見つめていた。
その人はあの日偶然見つけたカフェのマスターだった。
「嫌、嫌だ他の人となんかしない!」
葵は必死になって東條に訴えた。拘束された自分が歯痒い。しがみつきたいのに動かないもどかしさは葵を従順に変えていく。
――触らないで。僕の好きなその人に、勝手に触らないでぇぇぇぇぇ。
「泣かないでおくれ。そんな不安な顔をしないで大丈夫なのだよ」
東條の大きな手は葵を包んだ。
「葵に性癖を見せるだけだ。こいつは暁斗だ。会ったことはあるんだよな」
「性癖なら僕相手にやればいいじゃないか!」
「大切な葵にきらわれたくはない。見ておくれ。それで葵が嫌なら、俺は二度としないから」
「だから、なんでもいいっていったぁ! 信じてないの大和さんじゃないか」
「そんな事はない。お前が好きなんだ。嫌われたくないんだよ」
「ばかぁ!」
泣き叫ぶ葵を不憫に感じたのか、暁斗は「東條さん……もうやめようよ」と訴えていた。
「黙れ」
「俺の意見はどうでもいいのかよ」
暁斗が口を挟んだが、東條は気にもせず、ただ暁斗にと命令するだ早く脱げと命令するだけだった。
「迷いもせずか。淫乱だなぁ。でも残念だ、さすがに届かん」
ぬぷっと指を抜いた東條はその指を葵の唇の前に持っていき、口の隙間に指を添えた。
「舐めろ、お前の中に入っていたものだ。お掃除フェラと同じだろう」
「お掃除……フェラ……」
自分で言って悲しくなった。
それでもここで泣いたら負けだと思ったし、泣けば絶対になら止める。もう逃げろ、そう言われる。意地悪なんかじゃない、むしろ、東條はそれを望んでいるとさへ思った。
――僕が引くのを待っている。
――大和さんは自分なんか許されちゃいけないって思ってる。
――ふざけるな! 誰があなたの思い通りになんかなってやるものか。
東條のペニスをなめるより遥かに淫猥なその行為に、体の芯からゾワゾワするものが上がってくるのを葵は感じていた。言われたまま東條の指を咥える。
「自分の中に埋まっている指を躊躇せずに咥えるなんて、淫乱なんだな。なんていい子なのだよ」
東條のいやらしい言い方と、頭をなでる優しい手、寂しそうな眼に葵は翻弄された。
咥えなければ絶対にお仕置きが待っている。そっちのほうが良かったのか、正解なんか分からない。
でも本能は正直だ。部屋の隅にちらっと見える浣腸の注射器のようなものは、とてつもなく大きいけれど、でも絶対にあれは僕様だ。
「いい子には何をしてくれると思う?」
「大和さん」
「何なのだよ。 言っておくれ」
「ご褒美に褒めてくれますか」
褒めてほしいのだろう。手足が拘束され宙ぶらりんの肢体はうっすらとピンクに染まり振り子のように若干前後に揺れていた。
天蓋からぶら下がるバーをベッドの横に降ろした。下にはマットの様な物が敷かれていて、それはとてもフカフカだった。
「幾らでも褒めてあげるのだよ。これからお前の体に降り注ぐご褒美を全て受け入れられたら、もっともっと褒めてあげる」
狂気のような声色に僕は脂汗が止まらなかった。
じんわり出るそれを東條はキスでぬぐい取っていく。
さっき嚙まれ血が滴っていた乳首もこれでもかという程の繊細さで舐め吸っていった。
「入っておいで」
入り口に向かって声をかける。
ギーっと静かな音が響き、見知った顔がそこには立っていた。
「なんで、あんた……」
葵は大きな目を見開き信じられないものを見るようにその男を見つめていた。
その人はあの日偶然見つけたカフェのマスターだった。
「嫌、嫌だ他の人となんかしない!」
葵は必死になって東條に訴えた。拘束された自分が歯痒い。しがみつきたいのに動かないもどかしさは葵を従順に変えていく。
――触らないで。僕の好きなその人に、勝手に触らないでぇぇぇぇぇ。
「泣かないでおくれ。そんな不安な顔をしないで大丈夫なのだよ」
東條の大きな手は葵を包んだ。
「葵に性癖を見せるだけだ。こいつは暁斗だ。会ったことはあるんだよな」
「性癖なら僕相手にやればいいじゃないか!」
「大切な葵にきらわれたくはない。見ておくれ。それで葵が嫌なら、俺は二度としないから」
「だから、なんでもいいっていったぁ! 信じてないの大和さんじゃないか」
「そんな事はない。お前が好きなんだ。嫌われたくないんだよ」
「ばかぁ!」
泣き叫ぶ葵を不憫に感じたのか、暁斗は「東條さん……もうやめようよ」と訴えていた。
「黙れ」
「俺の意見はどうでもいいのかよ」
暁斗が口を挟んだが、東條は気にもせず、ただ暁斗にと命令するだ早く脱げと命令するだけだった。
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