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第三章・凶器という名の愛
4 深海の淵4
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「お前は俺が怖くないのか?」
つられた態勢で、息もうまく吸えない朦朧とした状態で問われた葵は、それでも懸命に東條の顔を見ていた。
何度も何度も首を振る。
気持ちを汲もうとしたのだ。
――なんて表情しているんだろう。
――ねぇ、あなたの方が傷ついている顔をしているよ。
葵はそう思い、慰めるように手を伸ばそうとした。
――あっ、伸ばせる手は無かったんだった。
クククっと笑いが込み上げた。
複雑な表情をした東條はその笑い声に反応して、蜜壺に入れていた指を無理矢理に動かした。
「痛いっ、やめて大和さん。もっとゆっくりと」
「お前が俺をバカにするからだ、逃げたくなったか? お前も俺を捨てるのか」
「違うよ……」
「嘘だ!」
――だからそんな傷ついた顔をしないで。
――バカな、大和さん。やっていることは端からみれば鬼畜かもしれない。
でも、怖くはないのか? と聞いてきた大和さんが僕にはとても愛おしかったんだ。
東條はこの強引でサディスティックな性癖で幾度となく逃げられてきた。
誰が見てもバリバリのイケメン。背も高く見た目も頭脳も超一流。年収だってそれなりだろう。
男も女も決して彼を放ってはおかない。
それでもいつも続かない。
――それはきっと、心の奥底で大和さんがそれを望んでいるからだ。
葵はそう思った。
さっき、小さな声で聞こえた俺が殺したというあのセリフ、あれはどういう意味を持っているんだろう。
葵は苦痛に歪む顔で懸命に笑った。
今までは執着以前に続かなかった。そのうち東條自身も期待しない事を覚えていく。
うわべでセックスし、適度に欲求を解消しながら本気のプレイをしたい時は金でSM専用デリヘルを買った。
「……なんで? 頭をなでて……あげたかった……だけ……だよ。僕だっ……て、してあげ……たかったんだ。でも……これじゃあ出来ない……なって……思っただけ。捨てよう……とか、逃げ……ようとか、思って……ない。信じて……」
東條はそれには答えなかった。
拘束されたままの葵の体を丹念に舐めていく。
東條から与えられる快楽に、体が敏感に反応する。
東條の手には羽毛のような物が握られていてそれを鈴口から睾丸にむけて滑らせていく。
――あぁぁぁぁぁぁぁ
「ヤマ……トさん」
「怖くないのか、お前だって嫌だろう」
「いやじゃ……ない。なんで怖いなんて思うと思ったの? ってこと」
一生懸命目を見開き、まっすぐ見つめてくる一途で真摯な目に東條は誤魔化すのをやめ、大きなため息をついた。
「きっとこれから俺がお前にしようとしている事を知れば、気持ち悪くて近寄りたくないと思われても仕方がないと自覚があるからだ」
拘束されていなければ、きっと葵は東條の頬に手をやりキスをしただろう。
「好きにしていいよ」
天使のように可愛い葵の台詞に夢かと思うと、東條は自分の手をつねった。
「大和さん、あはは、何可愛いことしてるのさ。夢なんかじゃないよ。勿論、弱音を吐くかもしれない、すぐ泣くかもしれない、それでも僕は貴方の本気が欲しいと思っているよ。まだ見ないその性癖なしでは本当の貴方は見られないんでしょう。それなら選択の余地なんかないじゃないか」
指で強く中を擦り、葵の声が苦しそうに泣いた。
「大和さん……」
「その台詞は反則だろう。他の奴にも言ったかもと想像するだけで、嫉妬で狂ってしまいそうだ。手酷く苛めたくなってしまう」
東條は自分が話しているときは羽で敏感な秘部をくまなく愛撫し、それ以外はくすぐったいくらいの敏感な肌を嫌という程舐めた。
決して痛くはない。しかしやられ続ければペニスは痙攣するし、身体は触られただけで仰け反る程敏感になる。東條はしつこい程に舐め続け、葵のペニスから白濁としたものが出なくなるまで舐めては吸うを繰り返した。
拘束具で吊り下げられた葵はアナルに埋まっている2本の指の動きに敏感になりながら、喘ぎ疲れて脱力する。意識が遠退く葵を確認すると東條は一段ステップアップし、乳首に歯を立て痛みを加えてきた。
「ひ――――――」
血が滴り落ちたかと思うような激しい痛みだった。
東條の左手が葵を振り子の様に激しく揺さぶり、揺れ動く秘部を受けとめるように右の2本の指は奥までつきささった。器用な東條の指は常人より遥かに長く太い。快楽を与えるのに最適な悪魔の指だ。
「ダメ、ダメ――そこあてちゃ嫌、嫌、嫌――」
「立場をわきまえろ」
東條の冷酷な声色が葵を捕まえる。ビクッと肩を縮め潤んだ目は恐る恐る東條を見上げた。
「感謝だ、葵。まずはありがとうございますというんだよ。出来ないか?」
怖い……。
――怖かったら逃げろ。大和さんはそう言った。今なら解放してもらえる。
今なら逃げられる。
逃げろ! 頭の中に木霊する。
――それだけはダメだ。僕が逃げたら、もう大和さんはきっと誰のことも信じなくなってしまう。
絶対に逃げちゃいけない。
「あ、ありがとうございます」
言われたままに葵は従った。
東條の口元が歪む。
「良い子だ。そんなに嬉しいならもっとしてあげるよ。もっとゆさぶって指で結腸をグリグリして欲しいか?」
コクンと小さく頷いた。
――好きだといっているのに。
――逃げないといっているのに。
それでもこの顔は決して僕を信じてはいないと、僕は確信していた。
それなら、僕は絶対にあなたから逃げない。
「良い子。そういう時はおねだりするといいよ」
左手で尻朶を掴むと指を何度も擦りあげた。
「ンンンンンンンン」
「言っておくれ。葵」
つられた態勢で、息もうまく吸えない朦朧とした状態で問われた葵は、それでも懸命に東條の顔を見ていた。
何度も何度も首を振る。
気持ちを汲もうとしたのだ。
――なんて表情しているんだろう。
――ねぇ、あなたの方が傷ついている顔をしているよ。
葵はそう思い、慰めるように手を伸ばそうとした。
――あっ、伸ばせる手は無かったんだった。
クククっと笑いが込み上げた。
複雑な表情をした東條はその笑い声に反応して、蜜壺に入れていた指を無理矢理に動かした。
「痛いっ、やめて大和さん。もっとゆっくりと」
「お前が俺をバカにするからだ、逃げたくなったか? お前も俺を捨てるのか」
「違うよ……」
「嘘だ!」
――だからそんな傷ついた顔をしないで。
――バカな、大和さん。やっていることは端からみれば鬼畜かもしれない。
でも、怖くはないのか? と聞いてきた大和さんが僕にはとても愛おしかったんだ。
東條はこの強引でサディスティックな性癖で幾度となく逃げられてきた。
誰が見てもバリバリのイケメン。背も高く見た目も頭脳も超一流。年収だってそれなりだろう。
男も女も決して彼を放ってはおかない。
それでもいつも続かない。
――それはきっと、心の奥底で大和さんがそれを望んでいるからだ。
葵はそう思った。
さっき、小さな声で聞こえた俺が殺したというあのセリフ、あれはどういう意味を持っているんだろう。
葵は苦痛に歪む顔で懸命に笑った。
今までは執着以前に続かなかった。そのうち東條自身も期待しない事を覚えていく。
うわべでセックスし、適度に欲求を解消しながら本気のプレイをしたい時は金でSM専用デリヘルを買った。
「……なんで? 頭をなでて……あげたかった……だけ……だよ。僕だっ……て、してあげ……たかったんだ。でも……これじゃあ出来ない……なって……思っただけ。捨てよう……とか、逃げ……ようとか、思って……ない。信じて……」
東條はそれには答えなかった。
拘束されたままの葵の体を丹念に舐めていく。
東條から与えられる快楽に、体が敏感に反応する。
東條の手には羽毛のような物が握られていてそれを鈴口から睾丸にむけて滑らせていく。
――あぁぁぁぁぁぁぁ
「ヤマ……トさん」
「怖くないのか、お前だって嫌だろう」
「いやじゃ……ない。なんで怖いなんて思うと思ったの? ってこと」
一生懸命目を見開き、まっすぐ見つめてくる一途で真摯な目に東條は誤魔化すのをやめ、大きなため息をついた。
「きっとこれから俺がお前にしようとしている事を知れば、気持ち悪くて近寄りたくないと思われても仕方がないと自覚があるからだ」
拘束されていなければ、きっと葵は東條の頬に手をやりキスをしただろう。
「好きにしていいよ」
天使のように可愛い葵の台詞に夢かと思うと、東條は自分の手をつねった。
「大和さん、あはは、何可愛いことしてるのさ。夢なんかじゃないよ。勿論、弱音を吐くかもしれない、すぐ泣くかもしれない、それでも僕は貴方の本気が欲しいと思っているよ。まだ見ないその性癖なしでは本当の貴方は見られないんでしょう。それなら選択の余地なんかないじゃないか」
指で強く中を擦り、葵の声が苦しそうに泣いた。
「大和さん……」
「その台詞は反則だろう。他の奴にも言ったかもと想像するだけで、嫉妬で狂ってしまいそうだ。手酷く苛めたくなってしまう」
東條は自分が話しているときは羽で敏感な秘部をくまなく愛撫し、それ以外はくすぐったいくらいの敏感な肌を嫌という程舐めた。
決して痛くはない。しかしやられ続ければペニスは痙攣するし、身体は触られただけで仰け反る程敏感になる。東條はしつこい程に舐め続け、葵のペニスから白濁としたものが出なくなるまで舐めては吸うを繰り返した。
拘束具で吊り下げられた葵はアナルに埋まっている2本の指の動きに敏感になりながら、喘ぎ疲れて脱力する。意識が遠退く葵を確認すると東條は一段ステップアップし、乳首に歯を立て痛みを加えてきた。
「ひ――――――」
血が滴り落ちたかと思うような激しい痛みだった。
東條の左手が葵を振り子の様に激しく揺さぶり、揺れ動く秘部を受けとめるように右の2本の指は奥までつきささった。器用な東條の指は常人より遥かに長く太い。快楽を与えるのに最適な悪魔の指だ。
「ダメ、ダメ――そこあてちゃ嫌、嫌、嫌――」
「立場をわきまえろ」
東條の冷酷な声色が葵を捕まえる。ビクッと肩を縮め潤んだ目は恐る恐る東條を見上げた。
「感謝だ、葵。まずはありがとうございますというんだよ。出来ないか?」
怖い……。
――怖かったら逃げろ。大和さんはそう言った。今なら解放してもらえる。
今なら逃げられる。
逃げろ! 頭の中に木霊する。
――それだけはダメだ。僕が逃げたら、もう大和さんはきっと誰のことも信じなくなってしまう。
絶対に逃げちゃいけない。
「あ、ありがとうございます」
言われたままに葵は従った。
東條の口元が歪む。
「良い子だ。そんなに嬉しいならもっとしてあげるよ。もっとゆさぶって指で結腸をグリグリして欲しいか?」
コクンと小さく頷いた。
――好きだといっているのに。
――逃げないといっているのに。
それでもこの顔は決して僕を信じてはいないと、僕は確信していた。
それなら、僕は絶対にあなたから逃げない。
「良い子。そういう時はおねだりするといいよ」
左手で尻朶を掴むと指を何度も擦りあげた。
「ンンンンンンンン」
「言っておくれ。葵」
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