紺青ラプソディー

蔵崎とら

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朝食の誘い

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 シュトフをAの店に連れて行ってから数日。
 私はいつもと変わらず、黙々と使用人としての仕事をこなしていた。

「お、葉鳥ー」

 そこに現れたのは赤松だった。
 少し離れた場所に居るのだが、こちらを向いたまま立ち止まっている。
 おそらく私を呼んでいるのだろう。
 正直お前が来いよ、と思いつつも私はそっちへと足を進めた。

「なんか用?」

 彼の前に立ち、周囲に人が居ないことを確認してからそう声を掛けると、赤松の眉間にしわが寄った。

「あぁ、まぁ。Aの店に新しい従業員がおってんけど、お前が連れてったんやろ?」

 シュトフのことか。
 シュトフを連れて行ってから数日経っているし、赤松も会ったようだ。

「そうそう。私の友達なの」

「昨日会ってんけど、あの子人間嫌いなん?」

 赤松は眉間にしわを寄せたまま首を傾げている。
 それを見た私は、小さく苦笑を漏らした。

「うーん。人間嫌いとまではいかないはずだけど人見知りっていうか内弁慶っていうか、そんな感じ。慣れれば明るい溌溂とした子なんだけどねぇ」

 私がシュトフと初めて会ったのは、孤児院に入ってすぐのことだった。
 彼女は私よりも先に孤児院に入っていたのだが、友達を作るのが下手だったらしい。
 いつも庭の隅っこに居て、先生以外の人と話している姿は見た事がなかった。
 そんな彼女と初めて喋ったのは、孤児院に入ってしばらく経った頃だった気がする。

「ふーん……。俺はともかく、Bのことも怖がっとるみたいでな」

 赤松の怖がられ慣れっぷりに笑いそうになったが、私はそれを堪えた。頑張った。

「あの子、小さい頃男の子にいじめられてたんだよ」

 シュトフは昔から可愛かった。
 顔の造形はもちろん、人の輪の中に入れずもじもじしている姿は小動物のようで、庇護欲を掻き立てられるようで。
 そしてそれに目を付けたのは三つ、四つ年上の男の子だった。
 しかし彼は残念な事に典型的な、好きな子に素直に好きだと言えず悪戯に走ってしまうタイプだった。
 その結果、ガキ大将が小動物をいじめている図が出来上がる。
 傍から見ると、彼の好意は果てしなく解りやすかったが、残念ながらそれは肝心の彼女に伝わっていなかったのだ。
 ただいじめられていると思っている彼女は怖い怖いと三日間泣き続けていて、見兼ねて私が間に入った。
 どう見ても嫌がられてるしこのままだと嫌われるよ、とかそんな事を言ったような気がする。
 『嫌われる』という言葉に、事の他ビビった彼は、それ以降シュトフに近づけなくなってしまった。

「なるほど、葉鳥がいじめられてたあの子の事助けたんや」

「結果的にはね」

 それから暫く、シュトフは私の事を救世主を見るような目で見ていたっけ。
 今じゃもう、普通の友達だけど。

「いじめっ子を殴って止めたわけではないんや」

「アホか。当時日本に居た頃の記憶はなかったし殴ってないよ」

「それ、逆に言えば日本に居った頃の事覚えとったら殴っとったって話やないか」

「……ま、そういうことになるね」

 いや、さすがに殴っていたと断言は出来ないが……出来ないか? 出来るかもしれない。

「どちらにせよ日本の記憶取り戻す前から男前やったんやな、葉鳥」

「やかましいわ」

 やれやれ、と肩を竦める赤松に対して、それをジロリと睨みつける私。
 そんな時、赤松がぽん、と一つ手を叩く。

「せや、そんな話しにきたんとちゃうわ。お前Aたちに料理教えに行くんやろ?」

「うん。その予定。明日休みだし、早速行くつもりだけど?」

 そう答えると、赤松は小さな声でうーんと呻りながら腕組みをして何かを考えるような仕草を見せる。
 私が行く事に何か問題があるのなら、予定を変えなければならないのだけど。

「ホンマか。俺も明日行くわ。あー……ほな朝飯作ったろか?」

 腕組みの状態から、右手だけを自身の顎に持っていく。
 完全に何か考えている事があるのだろう。
 なんかちょっと様子がおかしい。

「作ってくれるなら食べたい。……けど、どうしたの? なんかあった?」

「何でや?」

「何かいつもと様子が違うっていうか、全身から『考え事があります』ってオーラ出てる」

「せやろか?」

 赤松はきょとんとして首を傾げる。
 しかしポーズと言い、いつもより深い眉間の皺と言い、完全に様子がおかしい。

「朝食という餌で私を釣ろうとしてるようにしか見えない」

 思った事を包み隠さず言うと、赤松は目を丸くした。

「……まぁ、そんなところや。明日話す。ほな明日な」

「はーい」

 私との話を終えた赤松は、そのまま旦那様の部屋へと消えていった。

 そんなやりとりがあった翌日。
 約束の朝食を目当てに、朝早くから出発した。
 誰にも会わなかったが、早朝なら一人で出歩いても問題ないだろう。
 いくら私がトラブルメーカーと言われようと。

 Aの店に着き、勝手にドアを開けて中に入る。

「おはよー」

「あ! トリーナ!」

 出迎えてくれたのはシュトフだった。
 可愛いエプロンを身に付け、お店の中の掃除をしているようだ。

「シュトフおはよ。良い匂いだね」

 がらんとしたお店の中には、とてもいい匂いが充満していた。
 この匂いはお味噌汁だろうか。という事は、朝食は和食かな。

「そ、そうなの、その、は、は、伯爵様が……!」

 そんなにビビらんでも。

「朝食作ってるんでしょ?」

 自分の指定席を目指して歩きながら問うと、シュトフは目を丸くして言うのだ。

「なんで知ってるの!」

 と。

「その朝食に釣られて来たわけだし」

「……は?」

 前日のやりとりを知らないシュトフはただただきょとんとするばかり。
 そういえば、シュトフには私が赤松と友人だという話はしていなかったっけな。

 私が通称葉鳥席に座ると、すぐに厨房から赤松が顔を出した。
 奴が手にしているお盆には、白いご飯とお味噌汁が乗っている。
 どうやら配膳もしてくれるようなので、全て揃うまで大人しく待っていた。
 ちなみにシュトフは隣で目を白黒させている。

「ほれ、これで全部や。食え」

 若干のドヤ顔でそう言われた。
 目の前に並べられたのは、白いご飯にお味噌汁、それから焼き魚に卵焼き、お漬物まで付いていた。
 純和風の朝食にテンションが上がる。

「美味しそう!」

「ホンマは牛丼にしようと思ってんけどな」

「女子に朝っぱらから牛丼振舞おうとするなんてありえない」

「葉鳥男前やからな、胃袋も男なんちゃうかと」

「この野郎……」

 ……まぁ、牛丼出されても喜んで食べたけど、とは言えない。
 なんて考えていると、もう一つ、細長い箱が手渡された。

「なにこれ?」

 少し強引に差し出されたので、思わず受け取ってしまったが、これは一体なんなのだろう。
 しばし手元の箱をじっと見つめていたのだが、赤松が「開けてみ?」と言うので、遠慮なく開けてみた。

「……え? これ」

 箱の中に入っていたのは、銀色の細長い棒が二本。

「箸や。仕事で銀食器作っとる業者と知り合ってな。試作品やけど」

「へー。……じゃなくて、なんでこれを私に?」

 銀製品って結構高いんじゃなかったっけ? と首を傾げる。
 別に私の誕生日でも何でもないし、何故これを渡されるのかさっぱり解らない。

「礼や、礼。前言うとった屋台街が軌道に乗ってな。……っちゅーか、軌道に乗るどころか上昇気流に乗った……みたいな?」

「要するに思った以上に儲かってんのな」

 と、私が言うと、赤松はこくこくと頷いた。

「せや。あのアイデアは葉鳥にもろたわけやし、何かお礼せんと殺されるんちゃうかと思ってな」

「アンタは私をなんだと思ってるんだ」

 別にただの思いつきで言ったことが上手くいっただけだし、お礼なんて良かったのに、なんて言いながら、貰ったお箸をバッグの中に片付ける。
 まぁ貰えるものは貰う。

「ちょい待て、なんで使わへんねん」

「なんでって、勿体無いじゃん」

「使わんほうが勿体無いやろ。それ銀やからな、毒盛られたら一目瞭然やで」

「使用人に毒盛るバカがどこにいるのよ。それともなに? この朝食に盛ったの?」

「盛ってへん」

 淡々としたやり取りを続けつつ、私は手を合わせて食事を開始した。
 しかし勿体無いから、と片付けたが、この純和風の朝食にはやはり箸が良かったかな……

「あ、ところで赤松、昨日何言おうとしてたの?」

 食べている途中、赤松が厨房に引っ込もうとしたので、気になっていた事を聞くことにする。

「ん? あぁ、その箸いつ渡そうかと思ってな。後はまぁ……屋台のアイデア、ありがとうな」

 ひらひらと手を振って、今度こそ厨房の方へ引っ込んでいった赤松。
 私は見逃さなかった。
 奴の耳が、少しだけ赤くなっていた事を。
 日本に居た頃より大人になったなぁ、なんて思っていたけど、シャイボーイっぷりは全然変わってなかったんだな。
 そう思ったら、自然と笑いが込み上げてきた。
 大笑いすると奴に気付かれてしまうかもしれないので、ぷくく、と精一杯抑えながら笑う。

 だがしかし、笑っている場合でもなさそうだった。

「……トリーナ?」

 というシュトフの声で我に返る。

「トリーナ、伯爵様とそんなに仲良かったの……? え? な、え?」

 シュトフがあからさまに混乱していた。

 何の説明も無いままあの強面で人殺した説付きの伯爵と、自分の友人であり元孤児の私があんなにべらべら喋っていたらそりゃあ混乱するだろう。

「そ、そうなの。知り合いなのよ伯爵と」

 青い騎士さんやロゼには昔の知り合いだと言ったが、シュトフは私の昔を知っている。
 孤児院に来る前の記憶がないことも知っているし、伯爵と喋っていた姿なんか見た事もないだろうし。そもそも"伯爵"と初めて喋ったのは私が孤児院を出る直前だったし。
 というわけで昔の知り合い説が通用しないなら、最近知り合った事にするしかない。

「あの伯爵ね、私が働いてるお屋敷によく来るの。何度か一緒に仕事したこともあってね」

「そうなの? 最近知り合ったにしては凄く仲良かったみたいだけど……」

 ヤバい、あんまり納得してくれてない。

「いや、それはー……まぁ、あんまり深く気にしないでもらえれば……」

 しどろもどろになりながら答えると、シュトフは何かを思い出したように「あ」と零す。

「そういえばトリーナ、孤児院に居たとき訪ねてきてた貴族っぽい子と仲良さそうにしてたよね? あれってもしかして伯爵様だったの?」

 何を思い出したのかと思えば、そんな言葉が飛んできた。

「孤児院に居た時? ……そんなことあったっけ?」

 ん? と思い切り首を傾げながら問うと、シュトフは全力で首を縦に振る。

「あったよ。お姫様って覚えてる? 本とかお菓子持ってきてくれてた人。あの人が一度だけ男の子を連れてきたことがあったでしょ? その子よ」

 もちろん"お姫様"については覚えている。
 私達メテオール孤児院出身者の恩人なんだから。
 しかし、彼女が連れてきたという男の子はさっぱり覚えていない。

「お姫様は覚えてるけど……。え、でもその男の子を連れてきたのは一度だけなんでしょ? よく覚えてるね」

「覚えてるわよ! 私、その子とトリーナのこと取り合いしたもの!」

 ……シュトフが懐いているのは私だけだったからな、なんとなく想像は出来る。
 が、全く覚えていない。
 後で赤松に確認してみたが、赤松は孤児院に足を踏み入れたことなどないんだそうだ。
 誰だったんだろう。
 幽霊? やだ怖い。
 しかし話が赤松との関係から逸れたので、私はそっとその話を終わらせた。
 あまり深く問われるとボロが出る可能性があるからな。
 このまま気にせずに居てくれればありがたい。

「あ、そろそろオッドさん達戻ってくると思う」

 と、シュトフが言う。
 そういえばA達居なかったな、と思ったら、奴等は食材の仕入れに行っているらしい。
 朝食の事しか考えてなかったから居ないことにも気付かなかったわ。
 そしてその朝食は、綺麗に平らげてしまった。

 背後でバタン、という音がする。
 A達が帰ってきたのだろう、と思いながらくるりと振り返ると、そこには思っていた人物とはまた別の人物が立っていた。

「キキョウ様! 何故黙って行ってしまわれたのですか!」

 ……青い騎士さんだ。
 ちょっと怒っているようだ。
 そんな青い騎士さんを見たシュトフが、小さな声で尋ねてくる。

「この前から気になってたんだけど、あの騎士様はトリーナ付きの騎士様なの?」

 と。

「いや、お屋敷の騎士様なんだけどねぇ……」

 私はへらりと曖昧な笑みを見せる事しか出来なかった。




 
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