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青い想い
しおりを挟むその日、私はせっせと掃除に励んでいた。
私達使用人の仕事は掃除、洗濯、掃除、掃除、その他雑用、といった感じで、掃除の割合が高い。
何故ならまぁ単純にお屋敷が広いから。
リリとルーシュは侍女も兼ねているので間に奥方様の身の回りの世話が入り、私は講師を兼ねているので練習時間が与えられている。
……ただまぁ、一応講師を兼ねている状態ではあるが、先日の講習が成功だったのかと問われれば、若干不安の方が大きい。盛り上がっていたわけではなかったから。
そうなると、そのうち講師ではなくなってしまう可能性も出てきている気がする。
折角講師を任されたのだから出来ることなら続けたいのだけど、それを判断するのは私ではなく旦那様だ。
そして、講習の内容にも不安要素はあるが、思い返せばあの初めての講習の日、赤松との会話を青い騎士さんに聞かれた。それもちょっとした不安要素になっている。
あれ以降、青い騎士さんも私もお互い仕事が忙しく遭遇していない。青い騎士さんがその件について誰かに何かを漏らす前に、どうにか弁明したほうがいいんじゃないかと思っているのだけど。
伯爵相手にあの喋り方はマズいよなぁ、いくらなんでも。
うーん、と考え込みながらも床掃除をこなしていく。
今日の担当は二階だった。二階はここの住人達、トーン一家の皆さんの居住スペースになっている。
廊下を一通り掃除し終えると、旦那様と奥方様の部屋をノックし掃除が必要かどうかを尋ねる。必要だと言われれば部屋まで掃除をする決まりなのだそうだ。
ちなみに息子さん二人の部屋はまだ触れる事を許されていない。
さらに奥方様の部屋もまだ入ったことがない。
毎回掃除は必要ないと言われるから。
やっぱり嫌われてるっぽいなぁ。
まぁ、クビを言い渡されないだけマシだけど……。
講習が成功すればもしかしたら認めてくれるかもしれないなぁ、なんて考えていたのだが甘かった。
成功したとは言えないのだから。
「……はぁ」
小さな小さな溜め息を零したところで、旦那様の部屋のドアが開いた。
そこから出てきたのは旦那様ではなく青い騎士さんだった。彼は私を見るなり目を丸くする。
何故驚かれたのかわからず、きょとんとしていると、青い騎士さんは急ぎ足でこちらに近付いてきた。
「……トリーナ様、これを」
そう言って差し出されたのはハンカチだった。
差し出されたハンカチをよく見てみると、どこからどう見ても私のものだった。
「はあ」
「先日落とされていました。……少し、汚してしまったので洗っておいたのですが……」
「え、あぁすみません、拾ってくださったのにお気遣いまで」
いつ落としたんだろう? 全然気がつかなかった。
汚したとのことだったのでチラリと見てみたのだが、しっかりと洗われたようで綺麗なもんだった。
視線をハンカチから青い騎士さんの方に戻すと、彼はまだ何か言いたげな様子を見せている。
そう大きくは動かないが、唇がほんの少しだけぱくぱくと動いている。
……もしかして、赤松との事かな……?
あのお醤油の件で赤松と喋っていた時も彼は近くに居たし、そろそろ何を聞かれてもおかしくない。
どう言い逃れようか、私はそれだけを考えてしっかりと身構えていた。
「……トリーナ様、少し話があるのですが、貴女の次の休みを俺にくれませんか?」
「あ、えっと、はい、私もお話がある……っていうかないっていうか……」
語尾がごにょごにょしてしまったが彼は気にしていないらしい。
「トリーナ様の休みは三日後でしたね。それではその日、食堂で待っていてください」
「わかりました。……っていうか青い騎士さん、そのトリーナ様ってやめませんか? なんかこうむずむずするっていうか、様付けられるような立場じゃないですし。赤い騎士さんはトリーナちゃんとか呼んでますしそのくらい軽い感じでも」
「……トリーナ様は、イービスのような男が好みなのですか?」
……はい?
彼がどこか遠くを見ながらそう言うので、私は一瞬思考が止まった。
突然放たれたこの質問の意図がよくわからない。わからないけれど、イービスというのが赤い騎士さんの名前だったとすれば、好みではない。と、正直に答えるかどうかを迷っていると、青い騎士さんが小さく首を横に振った。
「なんでもありません。では、そうですね、キキョウ様とお呼びしましょう」
いや、様付けてるし根本的に解決してないのだが……。
「ぷ、ふふ、その部分で呼ぶ人と初めて遭遇しました、ふふ」
もう青い騎士さんがクソ真面目にそう言うもんだから、笑いを堪え切れなかった。
「そうですか。ではキキョウ様と呼ばせてもらいます。……ところでキキョウ様、貴女は香水かなにかを使っているのでしょうか?」
ふと顔を上げると、青い騎士さんが首を傾げていた。
「ん? 香水? 香水なんて高価なもの使ってませんよ」
そもそも現在香水を買うような余裕はないのだ。例の紙とインク代でほぼ全財産を失ったところだし……。
「さきほどからいい香りがするので……」
なんの香りだろうかときょろきょろしてみるが、まったく分からない。私には感じられない香りなのだろうか。
「いい香り? 髪……とかかな? でも、皆と同じシャンプー使ってるはずだし、皆と同じ匂いなはずですが」
私は自分の髪を一房とってくんくんと嗅いでみるが……特に変わった匂いはしない。いつもの皆と同じシャンプーの香りだ。
「いえ、他の使用人とは違う。花の様な甘い香り……」
青い騎士さんに右手を取られ、手の甲をくんくんと嗅がれた。
髪じゃなかったんかい。
「石鹸も皆と同じですし、洗剤だって皆と」
同じです、と言おうとしたのだが最後まで言えなかった。
何故なら手の甲にキスを落とされたから。
……おい誰だよこの男が女嫌いとか言ったの。これで何回目だよ。
小さなちゅ、というリップ音が廊下に響き渡った気がした。
少なからず動揺し、立ち尽くしていると、青い騎士さんはそのまま私の髪を一房とり、そこにもキスを落とした。
……いやだから誰だよこの男が女嫌いとか言ったの!
「ちょ、あの、は!? まさかいい香りって嘘だったんじゃ」
「嘘ではありませんよ。それでは、また後で」
「いやいやいやだって今の、ちょっと!」
青い騎士さんは私の言葉なんて聞きもせず、颯爽とその場から去っていった。
謎だ……謎過ぎる……。
今までだって色々謎だと思ってたけど、本当に謎だ。
だって、これではまるで……
いやいやいや落ち着こう。落ち着くんだ。別の事考えよう。っていうか仕事しよう。
私は完全に止まってしまっていた手を動かし始める。
掃除だ。掃除をしよう。そして思考を今起きたことから離すんだ。出来れば他の事を考えて、今起きたことを忘れるんだ。それがいい。
いやぁしかし青い騎士さんったら、まさかミドルネーム部分をチョイスするとはね! キキョウ様って!
というか日本に居た頃の記憶からミドルネームと言っているが、こちらの世界にはどうもミドルネームという名称は存在しないらしい。
日本での私にはミドルネームなんて馴染みがなかったからほとんど覚えていないのだが、確かあれは宗教云々だったり、同姓同名を避けるためだったり、そんな理由で存在していたと記憶している。
この世界にも宗教はあるらしいが、この近辺ではあまり広まっていない。
そして私の知り合いにミドルネームを持っている人物は存在しない。
何か意味があるのか、と思った事はあるが誰も何も言わないし受け入れられているから深い意味はないのかもしれない。
私の、見た事もない親が面白半分で付けたのかな。
「はーーー……」
大きく息を吐き出していると、すぐ真横にあった扉の隙間から、一枚の紙が飛び出てきた。
この部屋の主は確か旦那様の次男様だったはずだ。
何だろう、とそれを拾い上げて見ると『手の甲は敬愛、髪は思慕』と書かれていた。
……手の甲、髪……?
んえぇぇっ!!
これはどう考えてもさっきキスされた場所じゃないか! ということはさっき起こった一連の出来事を見られていたということじゃないか!
はっずかしい!
「……情報ありがとうございます」
聞いているかはわからないが、私はドアに向かってそう言った。
その後、その場の掃除をさっさと終わらせて逃げるようにそこから離れたのは言うまでもない。
手の甲は敬愛、髪は思慕……。
敬愛はまぁ良いとして思慕とは。
思慕って、いや待てよ、さっきのは匂いを嗅いだだけであってキスはしていないんじゃないだろうか。
ありえない。ありえないだろう。そうだありえない。
キスする場所に意味があるという話はチラッと聞いたことがある。
しかし皆が皆そんな事知っているとは思えない。
青い騎士さんが何も知らずにとった行動かもしれない。
考えすぎは良くない。自惚れも良くない。
ロゼ、リリ、ルーシュ、あんなに可愛い子達に囲まれている人がこんな平凡な女に興味など持つものか。
そもそもあいつ女嫌いって言ってただろ。
一通りぐるぐると考えたが、一応落ち着いた。
おそらく気のせいだ、と。
その日の夕飯時、私は使用人の皆と食堂にいた。
可愛い子達に囲まれ、美味しい食事を摂っていれば、ぐるぐると考えていたことは頭の隅に追い遣られていた……と思う、多分。思いたい。
「トリーナちゃん」
私を呼びながら赤い騎士さんが食堂に入ってきた。青い騎士さんも一緒に。
なんとなーく気まずい感じもあったのだが、赤い騎士さんの悪戯っぽい笑顔によってそれは掻き消された。
「なんですか?」
「いやぁ今日ね、とある男が二人尋ねてきたんだ」
とある男が二人? 何が言いたいのか解らなかった私は顔を訝しげに歪める。
「伯爵に頼まれたとかで荷物を運んできてくれたんだけどね、どうもトリーナちゃんを探してるみたいだったよ」
ほう。
あの伯爵に頼まれて男二人が荷物を運んできた、と。
「どんな感じの男でした?」
なんとなく見当は付いたが、私は質問を続ける。
「片方は商人、片方は元騎士……いや、不審者だったか?」
確定したな。完全に確定したな。
AとBだ。っていうかBは未だに不審者呼ばわりなのか可哀想にざまあみろ。
「なんとなく解りました」
「それで、商人のほうから手紙預かったんだけど」
赤い騎士さんの手にあるのは手紙というより紙切れだった。多分ここに来てから書いたのだろう。
どうせ店に来いっていう催促かメイド服を見れなかったっていう愚痴とかその辺だろう。
くださいという意味をこめて手を出すと、ひょいとかわされた。
意味わかんない。
奪い取ろうとして手を伸ばしたが、こっちは座っていて相手は立っているわけだし届くはずもなく。
「飯食ってからね」
赤い騎士さんはそう言って至極楽しそうに笑った。
ふと青い騎士さんを見ると、嫌そうに眉間に皺を寄せていた。
そんな顔してないで取り返してくれよ……。
それからしばらくして、私は食事を終えたのだが、赤い騎士さんはまだ食事中だ。
一応さっきの手紙を受け取ろうとは思っていたのだが「トリー、私達お風呂行くけど……」と、ロゼから声が掛かった。
「あ、じゃあ私も行く。一人で入るの寂しいし」
「え、でもさっきの手紙は」
手紙を受け取っていないことを気にしてくれているのだろうが、別に大した内容じゃないだろうし、そこまで執着するものでもない。
立ち上がる私を見て、赤い騎士さんは驚いたような顔をしたあと、少し残念そうな顔をしていた。
そこまで欲しがると思っていたのか。
「折角預かってくれたみたいですけど、読まずともくだらない事が書いてある気しかしないので捨てていただいても構いません」
すみませんね、と一言残して食堂から出た。
ちなみにその手紙、お風呂に入った事ですっかり忘れていたのだが、私の風呂上りを待ち構えていた青い騎士さんの手によって私の手元にやってきた。
どうやら彼が気を遣って赤い騎士さんから取り上げてきてくれたらしい。
「ありがとうございます、青い騎士さん」
そう言って受け取った手紙を開くと、あまり綺麗とは言えない文字が並んでいる。
『この場所が仮店舗から本店舗に格上げするかもしれへんわ』
『あと葉鳥のメイド服見れへんかったーしょぼん。Aより』
前半はこっちの世界の言葉、後半は日本語だ。
想像通りのくだらなさに全力で腹が立った。私のメイド服……いやこの使用人の制服は見世物ではない。
「キキョウ様、その手紙の差出人は……?」
さっき食堂で見たように顔を顰めている。
「知り合いでした」
友達と言うか迷ったのだが、万が一にでもそれがA達本人にバレたら奴等は絶対にニヤニヤするはずなので、友達とは言ってやらなかった。
「……どういった知り合い、なのですか?」
何故そこまで掘り下げるのだろうかと彼の表情を窺ってみると、不審そうというより嫌そうに顔を顰めている。恐らく知り合いではないはずの青い騎士さんがAを嫌がる理由がどこかにあるだろうかと考える。
そこで、ふと思い出されたのは思慕という言葉だった。
「昔なじみというか舎弟……いや、弟?」
そう言うと、青い騎士さんの眉間から少し力が抜けた気がした。
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