26 / 28
推しとは素晴らしいものだ
しおりを挟む
ほんの少し前までは、こうして矢面に立たされるのが嫌だった。怖かったから。
それでも私は皆のサンドバッグなのだからと我慢して、必死で耐えていた。
けれど、これからは違う。
私には勇者様という心強い味方がいる。
そして、その勇者様の側に居続けるためには、耐えるだけではいけない。
私がなめられていては、勇者様に迷惑がかかるのだから。
「ご結婚おめでとうございます、王女様」
ニタニタと笑うアバランザ伯爵夫人を見ながら、私はこっそりと気合いを入れる。
どんな精神攻撃が来ても狼狽えてはならない。
「下世話な話ですけれど、ご結婚となりますと、お世継ぎを産まねばなりませんねぇ」
アバランザ伯爵夫人はニタニタと笑いながらも、少しだけ声を潜めた。
声を潜めたって録音はされている。そして本当に下世話だなぁ。
「あなたがあの勇者様のお子を産めるのでしょうか?」
「それは、その時が来てみなければなんとも」
「あらぁ、そんな悠長なことを言っていて大丈夫なのですかぁ? 産めなかったらどうするのですか? あなたのせいでなんの能力もない子が生まれたらどうするのですか?」
そんなこと言われたって今からじゃ何もわかんないじゃん。何が言いたいんだろう、この人。
「あなたのお母様は、早いうちに側妃様を集めていらっしゃいましたよねぇ。だから、あなたもそうしたほうがいいのではないかと思いましてね」
アバランザ伯爵夫人はちらりと己の娘に視線をやった。
なるほど、お前が産めなかったときのためにうちの娘を勇者様の妾にしろってか。
「見たところあなたにそれほどの色気は感じませんわ。その点うちの娘ならばそういった教育も施しておりますし、殿方のお相手ならお手の物ですの」
マジで下世話だぁ……。おほほほほ、じゃねぇわ。っていうか『そういった教育』ってなんだろう? 話の流れ的に……多分、いや100億%下ネタなんだろうけど、よそのご家庭ではそういう教育を施されたりするのだろうか?
「それにそれに、うちの娘の魔力量は他の人よりも多いのですよ。ですからきっとうちの娘であれば強い魔力を持った子を産めると思いますの」
「魔力は遺伝するものではありません」
私が思わず反論すると、アバランザ伯爵夫人はふん、と鼻で笑った。
「まぁ、遺伝するのなら、あなたが無能であるはずはありませんものねぇ」
なんか知らんが急に馬鹿にされた。というか、馬鹿にするタイミングを見計らっていた、が正しいのか。
無能だと馬鹿にされて怯んだ私を見て畳みかけるつもりだったのだろう。
しかしそうはいかなかった。なぜなら勇者様が帰って来たから。なんの気配もなく。
「お待たせ、セリーヌ」
「あ、おかえりなさい、タイキ様」
あまりにも気配を感じなかったからか、この場にいるアバランザ伯爵夫人やその娘、そしてその取り巻きたちが皆一様に肩をびくつかせて驚いている。
勇者様はそんなビビり御一行様の様子を見ることなく私の膝の上のスマホに手を伸ばした。
ぽちぽちとタップしている指を目で追っているわけだが、勇者様はどうやらこの場でさっきのを再生しようとしているらしい。しかも大音量で。ああ音量がMAXに……!
まず流れ出したのは、私が呼んだこの場にいる人たちの名前。後に証拠にするためだったが、ここで流されるとは思わなかった。
『ご結婚おめでとうございます、王女様。下世話な話ですけれど、ご結婚となりますと、お世継ぎを産まねばなりませんねぇ』
ああ、あの時声を潜めたはずが、今ではこの場の人たち皆に聞こえるレベルの音量に。
「な、なにを」
アバランザ伯爵夫人はもちろん、急に声が聞こえ始めたことで周囲からの注目が集まる。
そしてこの騒ぎの中心にいるのがアバランザ伯爵夫人だと分かると、なんとなく「またやってるよあの人」みたいな空気が漂い始めた。
それから彼女の娘の『そういった教育』の話から私が無能だと馬鹿にされる話まで、今までの会話が全て垂れ流されたところで、勇者様が大きく息を吐いた。
「いやぁ、この祝いの席で、よくも俺の妻を馬鹿にしてくれたもんだよね」
勇者様はスマホをテーブルの上に置いて喋り出した。ボイスレコーダーアプリはまだ開かれているけれど、もう録音はしていないようだ。
「っつーかマジで下世話。子どもを産むか産まないかなんて別にそんな重大な話じゃないし、俺が愛してるのはセリーヌただ一人だけだから他の女とかいらねーの。あぁあんたには分かんないかな、あんたの異名は社交界の男狂いらしいし? さっきの男爵が今夜の相手なんだって? 三日前はあっちの子爵だったとか」
勇者様の言葉で、彼の視線の先にいた男がさっと顔を隠した。そんな図星ですって言ってるような動きしなくても。
「あとこの際だから言っておくけど、俺は王家の人たちほど優しくないから、妻を馬鹿にされたらただじゃおかない。あんたらは不敬罪に問われないからって高を括ってるみたいだけど、罪に問われないからって無事で済むと思うなよ」
勇者様の声のトーンが今までで一番低くなった。初めて聞く低さだ。録音したい。……あ、ボイスレコーダーあるじゃん。
そう思った瞬間私の右手がうっかり滑ってスマホ画面をタップしてしまったー! あーうっかりうっかり!
「それから、あんたらみたいな人たちが勝手に『王族が王女を勇者に無理矢理押し付けた』みたいな噂を流してるらしいけど、全部逆。俺が、魔王を討伐した褒美にセリーヌを望んだ。俺が勝手にセリーヌを好きになっただけ」
最高の音声が録音されてしまった。
「まぁでも今では両想いみたいなもんだし? 妖精王の冠光らせるくらいには愛し合ってる二人だし? 邪魔出来るもんならやってみろよ」
勇者様はそう言ってまた私の腰に手を回す。あんまりにも嬉しかったので、私も勇者様にぎゅっとしがみついた。
すると頭上で、ソシアがやっているらしいあのキラキラの魔法がポンポンポンと軽快に弾ける。
そして少し離れた場所から大きな声が響く。
「よ! さすが勇者! お似合いの夫婦じゃねえか!」
と、これはおそらく騎士団長様の声だ。
その声の後すぐに、割れんばかりの拍手の音が響き渡った。
あぁ良かった。
私は、私たちは祝福されているんだ。
そう思いながら勇者様の顔を見上げると、にっこりと笑って、勇者様の顔がぐっとこちらに近付いてきた。
唇に何か、と思った次の瞬間、私の意識が一瞬飛んだ。
「よくやった勇者ー!」
騎士団長様の声で我に返ると、勇者様の顔が視界に入る。
「……あ、あの、タイキ様、口紅が」
「え、付いちゃった?」
一瞬意識が飛んだせいで、あれはもしかしたらその一瞬が見せた私の都合のいい妄想かもしれないと思いかけたのだが、勇者様の唇に私の赤い口紅が付いているので、やはり現実だったようだ。
「結婚式に誓いのキスもなかったことだし、丁度いいよね。……嫌じゃなかった?」
やっぱり現実だったー! という気持ちとあまりの嬉しさで口から魂が転げ落ちそうになっていたところ、勇者様が少し不安そうな顔で私の顔を覗き込んできた。
「いえ、いえ、私、幸せです」
「うん、俺も。この先一生、永遠に、来世でもずっと一緒に幸せでいよう」
貧乏くじを引いて散々な人生だと思っていたけれど、頑張っていればいいこともある。そう思わせてくれる推しという存在は、本当に本当に素晴らしいものだ。
キラキラの魔法と割れんばかりの祝福の拍手に包まれて、私は幸せを嚙み締めたのだった。
それでも私は皆のサンドバッグなのだからと我慢して、必死で耐えていた。
けれど、これからは違う。
私には勇者様という心強い味方がいる。
そして、その勇者様の側に居続けるためには、耐えるだけではいけない。
私がなめられていては、勇者様に迷惑がかかるのだから。
「ご結婚おめでとうございます、王女様」
ニタニタと笑うアバランザ伯爵夫人を見ながら、私はこっそりと気合いを入れる。
どんな精神攻撃が来ても狼狽えてはならない。
「下世話な話ですけれど、ご結婚となりますと、お世継ぎを産まねばなりませんねぇ」
アバランザ伯爵夫人はニタニタと笑いながらも、少しだけ声を潜めた。
声を潜めたって録音はされている。そして本当に下世話だなぁ。
「あなたがあの勇者様のお子を産めるのでしょうか?」
「それは、その時が来てみなければなんとも」
「あらぁ、そんな悠長なことを言っていて大丈夫なのですかぁ? 産めなかったらどうするのですか? あなたのせいでなんの能力もない子が生まれたらどうするのですか?」
そんなこと言われたって今からじゃ何もわかんないじゃん。何が言いたいんだろう、この人。
「あなたのお母様は、早いうちに側妃様を集めていらっしゃいましたよねぇ。だから、あなたもそうしたほうがいいのではないかと思いましてね」
アバランザ伯爵夫人はちらりと己の娘に視線をやった。
なるほど、お前が産めなかったときのためにうちの娘を勇者様の妾にしろってか。
「見たところあなたにそれほどの色気は感じませんわ。その点うちの娘ならばそういった教育も施しておりますし、殿方のお相手ならお手の物ですの」
マジで下世話だぁ……。おほほほほ、じゃねぇわ。っていうか『そういった教育』ってなんだろう? 話の流れ的に……多分、いや100億%下ネタなんだろうけど、よそのご家庭ではそういう教育を施されたりするのだろうか?
「それにそれに、うちの娘の魔力量は他の人よりも多いのですよ。ですからきっとうちの娘であれば強い魔力を持った子を産めると思いますの」
「魔力は遺伝するものではありません」
私が思わず反論すると、アバランザ伯爵夫人はふん、と鼻で笑った。
「まぁ、遺伝するのなら、あなたが無能であるはずはありませんものねぇ」
なんか知らんが急に馬鹿にされた。というか、馬鹿にするタイミングを見計らっていた、が正しいのか。
無能だと馬鹿にされて怯んだ私を見て畳みかけるつもりだったのだろう。
しかしそうはいかなかった。なぜなら勇者様が帰って来たから。なんの気配もなく。
「お待たせ、セリーヌ」
「あ、おかえりなさい、タイキ様」
あまりにも気配を感じなかったからか、この場にいるアバランザ伯爵夫人やその娘、そしてその取り巻きたちが皆一様に肩をびくつかせて驚いている。
勇者様はそんなビビり御一行様の様子を見ることなく私の膝の上のスマホに手を伸ばした。
ぽちぽちとタップしている指を目で追っているわけだが、勇者様はどうやらこの場でさっきのを再生しようとしているらしい。しかも大音量で。ああ音量がMAXに……!
まず流れ出したのは、私が呼んだこの場にいる人たちの名前。後に証拠にするためだったが、ここで流されるとは思わなかった。
『ご結婚おめでとうございます、王女様。下世話な話ですけれど、ご結婚となりますと、お世継ぎを産まねばなりませんねぇ』
ああ、あの時声を潜めたはずが、今ではこの場の人たち皆に聞こえるレベルの音量に。
「な、なにを」
アバランザ伯爵夫人はもちろん、急に声が聞こえ始めたことで周囲からの注目が集まる。
そしてこの騒ぎの中心にいるのがアバランザ伯爵夫人だと分かると、なんとなく「またやってるよあの人」みたいな空気が漂い始めた。
それから彼女の娘の『そういった教育』の話から私が無能だと馬鹿にされる話まで、今までの会話が全て垂れ流されたところで、勇者様が大きく息を吐いた。
「いやぁ、この祝いの席で、よくも俺の妻を馬鹿にしてくれたもんだよね」
勇者様はスマホをテーブルの上に置いて喋り出した。ボイスレコーダーアプリはまだ開かれているけれど、もう録音はしていないようだ。
「っつーかマジで下世話。子どもを産むか産まないかなんて別にそんな重大な話じゃないし、俺が愛してるのはセリーヌただ一人だけだから他の女とかいらねーの。あぁあんたには分かんないかな、あんたの異名は社交界の男狂いらしいし? さっきの男爵が今夜の相手なんだって? 三日前はあっちの子爵だったとか」
勇者様の言葉で、彼の視線の先にいた男がさっと顔を隠した。そんな図星ですって言ってるような動きしなくても。
「あとこの際だから言っておくけど、俺は王家の人たちほど優しくないから、妻を馬鹿にされたらただじゃおかない。あんたらは不敬罪に問われないからって高を括ってるみたいだけど、罪に問われないからって無事で済むと思うなよ」
勇者様の声のトーンが今までで一番低くなった。初めて聞く低さだ。録音したい。……あ、ボイスレコーダーあるじゃん。
そう思った瞬間私の右手がうっかり滑ってスマホ画面をタップしてしまったー! あーうっかりうっかり!
「それから、あんたらみたいな人たちが勝手に『王族が王女を勇者に無理矢理押し付けた』みたいな噂を流してるらしいけど、全部逆。俺が、魔王を討伐した褒美にセリーヌを望んだ。俺が勝手にセリーヌを好きになっただけ」
最高の音声が録音されてしまった。
「まぁでも今では両想いみたいなもんだし? 妖精王の冠光らせるくらいには愛し合ってる二人だし? 邪魔出来るもんならやってみろよ」
勇者様はそう言ってまた私の腰に手を回す。あんまりにも嬉しかったので、私も勇者様にぎゅっとしがみついた。
すると頭上で、ソシアがやっているらしいあのキラキラの魔法がポンポンポンと軽快に弾ける。
そして少し離れた場所から大きな声が響く。
「よ! さすが勇者! お似合いの夫婦じゃねえか!」
と、これはおそらく騎士団長様の声だ。
その声の後すぐに、割れんばかりの拍手の音が響き渡った。
あぁ良かった。
私は、私たちは祝福されているんだ。
そう思いながら勇者様の顔を見上げると、にっこりと笑って、勇者様の顔がぐっとこちらに近付いてきた。
唇に何か、と思った次の瞬間、私の意識が一瞬飛んだ。
「よくやった勇者ー!」
騎士団長様の声で我に返ると、勇者様の顔が視界に入る。
「……あ、あの、タイキ様、口紅が」
「え、付いちゃった?」
一瞬意識が飛んだせいで、あれはもしかしたらその一瞬が見せた私の都合のいい妄想かもしれないと思いかけたのだが、勇者様の唇に私の赤い口紅が付いているので、やはり現実だったようだ。
「結婚式に誓いのキスもなかったことだし、丁度いいよね。……嫌じゃなかった?」
やっぱり現実だったー! という気持ちとあまりの嬉しさで口から魂が転げ落ちそうになっていたところ、勇者様が少し不安そうな顔で私の顔を覗き込んできた。
「いえ、いえ、私、幸せです」
「うん、俺も。この先一生、永遠に、来世でもずっと一緒に幸せでいよう」
貧乏くじを引いて散々な人生だと思っていたけれど、頑張っていればいいこともある。そう思わせてくれる推しという存在は、本当に本当に素晴らしいものだ。
キラキラの魔法と割れんばかりの祝福の拍手に包まれて、私は幸せを嚙み締めたのだった。
10
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
薔薇の令嬢はやっぱり婚約破棄したい!
蔵崎とら
恋愛
本編完結済み、現在番外編更新中です。
家庭環境の都合で根暗のコミュ障に育ちましたし私に悪役令嬢は無理無理の無理です勘弁してください婚約破棄ならご自由にどうぞ私ちゃんと手に職あるんで大丈夫ですから……!
ふとした瞬間に前世を思い出し、己が悪役令嬢に転生していることに気が付いたクレアだったが、時すでに遅し。
己の性格上悪役令嬢のような立ち回りは不可能なので、悪足掻きはせず捨てられる未来を受け入れることにした。
なぜなら今度こそ好きなことをして穏やかに生きていきたいから。
三度の飯より薔薇の品種改良が大好きな令嬢は、無事穏便な婚約破棄が出来るのか――?
【完結24万pt感謝】子息の廃嫡? そんなことは家でやれ! 国には関係ないぞ!
宇水涼麻
ファンタジー
貴族達が会する場で、四人の青年が高らかに婚約解消を宣った。
そこに国王陛下が登場し、有無を言わさずそれを認めた。
慌てて否定した青年たちの親に、国王陛下は騒ぎを起こした責任として罰金を課した。その金額があまりに高額で、親たちは青年たちの廃嫡することで免れようとする。
貴族家として、これまで後継者として育ててきた者を廃嫡するのは大変な決断である。
しかし、国王陛下はそれを意味なしと袖にした。それは今回の集会に理由がある。
〰️ 〰️ 〰️
中世ヨーロッパ風の婚約破棄物語です。
完結しました。いつもありがとうございます!
芋女の私になぜか完璧貴公子の伯爵令息が声をかけてきます。
ありま氷炎
恋愛
貧乏男爵令嬢のマギーは、学園を好成績で卒業し文官になることを夢見ている。
そんな彼女は学園では浮いた存在。野暮ったい容姿からも芋女と陰で呼ばれていた。
しかしある日、女子に人気の伯爵令息が声をかけてきて。そこから始まる彼女の物語。
ケダモノ王子との婚約を強制された令嬢の身代わりにされましたが、彼に溺愛されて私は幸せです。
ぽんぽこ@書籍発売中!!
恋愛
「ミーア=キャッツレイ。そなたを我が息子、シルヴィニアス王子の婚約者とする!」
王城で開かれたパーティに参加していたミーアは、国王によって婚約を一方的に決められてしまう。
その婚約者は神獣の血を引く者、シルヴィニアス。
彼は第二王子にもかかわらず、次期国王となる運命にあった。
一夜にして王妃候補となったミーアは、他の令嬢たちから羨望の眼差しを向けられる。
しかし当のミーアは、王太子との婚約を拒んでしまう。なぜならば、彼女にはすでに別の婚約者がいたのだ。
それでも国王はミーアの恋を許さず、婚約を破棄してしまう。
娘を嫁に出したくない侯爵。
幼馴染に想いを寄せる令嬢。
親に捨てられ、救われた少女。
家族の愛に飢えた、呪われた王子。
そして玉座を狙う者たち……。
それぞれの思いや企みが交錯する中で、神獣の力を持つ王子と身代わりの少女は真実の愛を見つけることができるのか――!?
表紙イラスト/イトノコ(@misokooekaki)様より
お飾り王妃の愛と献身
石河 翠
恋愛
エスターは、お飾りの王妃だ。初夜どころか結婚式もない、王国存続の生贄のような結婚は、父親である宰相によって調えられた。国王は身分の低い平民に溺れ、公務を放棄している。
けれどエスターは白い結婚を隠しもせずに、王の代わりに執務を続けている。彼女にとって大切なものは国であり、夫の愛情など必要としていなかったのだ。
ところがある日、暗愚だが無害だった国王の独断により、隣国への侵攻が始まる。それをきっかけに国内では革命が起き……。
国のために恋を捨て、人生を捧げてきたヒロインと、王妃を密かに愛し、彼女を手に入れるために国を変えることを決意した一途なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:24963620)をお借りしております。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる