1 / 1
異世界でお月見していただけなのに
しおりを挟む
「《うちの子》推し会のお月見」企画に間に合わなかったので、なんか中途半端な感じですが投稿します。
後半のえちえち…私なりに頑張りました( ´艸`)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「月が綺麗だったので」というのは意味のない言い訳で、本当はここ数日のささくれた気持ちを持て余し、気持ちの整理と気分転換の為、森の隠れ家のツリーハウスで1人で月見をしていただけなのに「今夜は月が綺麗だね」という言葉と共にオレは揺れる自分の足を見上げている。
………何故こうなった!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
突然ですが、オレこと佐藤優真は異世界にいます。
寝て起きたら異世界でした。
いや、マジで!
あの日は2つ上の姉、佐藤優莉と一緒にオレの大学の入学祝いということで、ちょっとというか結構いやかなり良いであろう隠れ家風のレストランにめちゃめちゃお洒落をさせられて連れて行かれた。オレの服ちょっとヒラヒラし過ぎじゃないかと思ったが言える訳がない。
緊張していたけど、個室だったしオーナー兼シェフは両親の知り合いだったので、緊張が解けて美味しい食事をいただきながら楽しい時間を過ごせたんだ。それからバスに乗って帰っていたんだけど、途中でオレは満腹感とバスの揺れで眠くなりいつの間にか寝てしまった。「着いたら起こすから寝てていいよ」と優莉姉に言われた思う。そして、起きたら豪華な馬車の中だった。
どういうこと!!??
頭の中がパニックでフリーズしていたら優莉姉が説明してくれた。オレが寝た後、優莉姉もいつの間にか寝てしまい、気が付けば見たこともない豪華な庭園みたいなところで木にもたれて寝ていたらしい。
「何それ?意味が分からないんだけど?」
「私も分からないわよ」
流石の優莉姉もかなり焦ったみたいだ。だからといって無駄に動いたり叫んだりせず、落ち着くために深呼吸をして周りを見渡し、傍らでオレが寝ているのを確認して様子を伺っていた。暫くすると人が来る気配がして騎士みたいな人達が現れたと思ったら「領主様がお待ちです」と言われて馬車に乗せられた。それで今、馬車に乗っているということらしい。
「今日はお洒落していて良かったわ。良家のお嬢様に思われたみたいだし」
「なにそれ……」
物凄くざっくりした説明だけど、これが今オレ達2人に起こっている現実みたいだ。
それにしてもお姉さま、落ち着き過ぎやしないですか?お陰でオレも落ち着けたけど。
「どうするの?これから……」
「ま、なるようになるんじゃない?ここで泣いたり騒いだりしても状況が変わる訳でもないし、騎士様からそれは丁寧に扱われてたから大丈夫でしょ」
「優莉姉、怖くなかった?」
「優真は寝ていたからね…ふふふ…」
何?その怪しい笑みは……。
そうなんだよな、オレ肝心なところで寝てた。
……っていうか、寝てるオレを誰が馬車に運んだんだ?
大きくはないといっても18歳の162cmの男だよ。因みに優莉姉は156cm。
せめて170cmは欲しかった……。
「あ、気付いたみたいね」
「誰がオレを馬車に運んだの?」
「ふ、ふ、ふ……聞きたい?」
優莉姉の楽しそうな顔見てたら嫌な予感しかしない。
「う……イヤって言っても言うんだろ」
「分かってるじゃない。ま、聞きなさいよ、眠り姫」
「な、なに!?その恥ずかしい名前!」
「ま、聞きなさい。ふふふ」
騎士達が現れた時の話を詳しくしてくれた。優莉姉は眠っているオレを背中に庇ってくれていたそうだ。そんなオレ達を見付けた騎士達は驚いた様子だった。優莉姉と目が合うと腰に携えた剣を地面に置き片膝をついて挨拶をし、危害を加えないこと領主様が丁重にお連れするようにと言ったことを話してくれた。優莉姉が返事をするまで頭を下げて距離を保ってくれていたそうだ。なるべく怖がらせないように気を使ってくれたんだろう。だから、優莉姉が信用したのかな。
「あれ?おかしくない?どうして領主様がオレ達のことを知っているんだろう?」
「それね。私も同じこと聞いたけど、会えばその領主様が説明してくれるって」
「ふーん?」
「それよりも、ここからが面白いんじゃない!」
そう言って嬉々として話してくれた内容に、オレは恥ずかし過ぎて逃げ出したくなった。
優莉姉が肯定の返事をすると、1人の20代中半くらいの美丈夫がゆっくりと近づいて来て「お手をどうぞ」と手を差し伸べて優莉姉を立ち上がらせてくれた。
「美丈夫…イケメンってこと?」
「イケメンだと軽い感じしない?なんていうか、男らしいのに綺麗な顔なの。それに物凄く紳士的で優雅な感じで嫌味なく極自然に気障なことを何てことない様にさらっとしていたのよ」
そして暢気に寝ているオレを見て『このお方…。眠っている……姫を抱き上げても?』と言って……って!
ちょっと待て。表現がおかしくないか?
優莉姉は口を挟もうとしたオレを無視して続けた。
『え?…ええ!その寝ているおとう、いえ……眠り姫をお願いします』
乗っかるなよっ優莉姉ー!
その騎士は軽々とオレを横抱きにした。
お姫様抱っこなんて言葉は聞こえない!
抱き上げられたオレは「ん…」と少し身動ぎ騎士の胸に頬を猫のように摺り寄せへにゃっと微笑った。騎士は優莉姉にしか聞こえない声で何か呟いたらしいけど、オレは余りの衝撃で聞いていなかった。
待って待って!寝てたオレっ!何をしている!?
「なんで起こしてくれなかったんだよ!?」
「起きなかったのよ。あらら、大丈夫?優真、顔から湯気がでそうよ。ふふふ」
「大丈夫じゃない……うう……」
抱き上げられた時に猫みたいに頬を摺り寄せたって……?
マジか…マジなのか、オレ……。
その運んでくれた騎士さんにどういう顔をして合えばいいんだ!?
「確認だけど、オレって男だって認識されてる?」
「どっちでもいいんじゃない?」
「よくないわっ!」
オレは「うー」だの「あー」だの言いながら頭を抱えた。そんなオレを慰めているのか励ましているのか分からないけど、背中を撫でたり肩を叩いたりしている優莉姉は、何でそんなに楽しそうなんだよ……。
オレがうだうだしている間にいつの間にか目的地に着いたらしく馬車が止まった。
「ユリ様、到着致しました」
「はい、ありがとうございます」
優莉姉なんでそんなにナチュラルに対応出来るんだよ。オレには無理だ。なんて目で見ていたら「私が色々対応するから、優真は暫く黙っててね」と言われてしまった。勿論「はい」と答えたよ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ごきげんよう。いつの間にか弟と異世界にいた佐藤優莉です。弟の優真の説明だといつまで経ってもお話が進まないので、私が簡潔に説明させていただきます。ご了承くださいませ。
閑話休題
馬車の扉が開き「どうぞお手を。足元にお気を付けください」とエスコートされて馬車を下りた。振り返ると優真が物珍し気にきょろきょろとしている。足元を見ないと扱けてしまうと思っていたら、案の定扱けた。
出たわ、優真の天然ドジっ子属性。
エスコートしてくれようとしていた騎士様に抱き止められている。あの方は優真をお姫様抱っこして馬車まで運んでくれた騎士様。あの時彼は頬を摺り寄せ微笑う優真を見て「なんだ…この可愛い生き物は……」って呟いたのよね。離れていた他の人達には聞こえていなかったけど。
「大丈夫ですか?眠り姫」
「へっ!?」
ぷっ…今それを本人に言いますか?優真が茹でだこになってしまった。
騎士様は何でもないようにお姫様抱っこをしているし、抱き上げれた腕の中で優真は真っ赤な顔で涙目になりながら騎士様を見上げて降ろして欲しいと言って藻掻いている。
そんな顔しちゃ駄目よ、優真!
ほら、騎士様が一瞬目を瞠り瞳が溶けて優しく微笑んだ。
ヤバくない?あれは恋に落ちる瞬間では?
私見てはいけないものを見たのかも……。
ほら、周りの人達も固まっている。
そろそろ助けた方が良いかしら。このままだと優真が本気で泣きそうだわ。
「騎士様、大丈夫ですのでその子を降ろしてくださいますか」
騎士様は私に頷き優真に確認をした。
「本当に?」
「は、はいっ大丈夫です!」
降ろしたのはいいけど、優真の手を離さないのですか?
「あ、あの手、手を……」
「ん?」
有無を言わせない笑顔とはこのことね。
「優真、この方は寝ていたあなたを馬車まで運んでくださったのよ」
「ええっ!す、すみません。何度もご迷惑を掛けてしまってごめんなさい」
「謝らないで欲しいな」
「えっと、あの……じゃ、ありがとうございます?」
「どういたしまして」
指の裏で頬を撫でて頭ぽんぽんって……。
周りの騎士様達のざわめきが凄いんですけど?
この異様な空気は、庇護欲を掻き立てる真っ赤な顔で瞳を潤ませた優真の顔を見てなのか、このキラキライケメン騎士様(あえてこの表現)の仕草や様子からくるものなのか、はたまたその両方なのか……。
手を離さずそのままエスコートするって……。
うーわー何そのいきなりの独占欲。引くわー。
優真、あなたとんでもない人に捕まったかもよ?
「ほっほっほっ。お若いといいですな」
突然、年配の男性の声がしたと思ったらざわめきが止んだ。騎士様達が一瞬にして緊張したのが分かった。
声がした方へ振り向くと少し離れたところに白髪を後ろに軽く流し丸眼鏡を掛けた60代程の男性が微笑みながらこちらを見ていた。所謂、執事さんですね。
「さて、ご領主様がお待ちですので、そろそろご案内させていただいても宜しいでしょうか?」
「あ、はい、お願いします」
「では、こちらへどうぞ」
お屋敷というよりお城よね、これ。そんな中を案内された。
お会いした領主様はとても良い人で色々とお話をしました。私達が何故あそこにいるのを知っていたのかもですが、説明が長くなりそうなのでそれはまたの機会にお話しすることにします。
知らない世界で何の後ろ盾もなく生きていくのは大変だということで私達2人をある方の養子にしてくれました。その方は私達の家族であり先生でもあります。この世界の事を教えてくれたり生活するには何も不自由することないようにしてくれました。感謝しきれません。
それからは色々あり過ぎるくらい色々なことがあったのだけれど、一番は優真に恋人が出来たことかしら。そのお相手がこの王国の王太子で優真をお姫様抱っこした騎士様だなんて、運命デスネー(棒)
この2人がくっ付くまでも紆余曲折ありましたが、この度婚約することに決まったのに優真がごねている。何を痴話喧嘩しているのよ?拗らせて鬱々している優真を見かねた領主様が秘密のツリーハウスに行くように言ってくれた。1人になって頭を冷やして欲しいわ。あなたの王子様は何があっても決してあなたを離さないわよ。観念しなさい優真。
お姉さんは弟の幸せを願っているのだけど……(遠い目)
あなたの王子様はあなたを追っていったわ。誰にも邪魔されず2人きりだなんて……ご愁傷様。
私が出来ることは抱き潰されて寝込むであろうあなたを看病することかしら?
もう早く結婚してしまいなさい。それがあなたの為よ。いや、本当に。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
すみません。異世界転移してからのあれやこらやは端折らせてもらいました。
おかしなところや細かい事はスルーしてください。
「うちの子《推し》お月見」企画で書きたかったのは次からです!
えっち頑張ったので是非ご賞味ください。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近のオレの様子に領主様が見かねたようで「1人になってゆっくり考えてごらん」と言ってくれたので、以前に欲しい物はないかと聞かれた時にお願いして作ってもらったツリーハウスに行くことにした。
秘密のツリーハウス。オレと優莉姉の2人だけのプライベートの家というか隠れ家。環境が変わり過ぎたことで体も崩したし精神的にも不安定になった。あと、他人の目に常に晒されるということは想像以上にストレスが半端なかった。それで何も気にしないで過ごせるこのツリーハウスを作って貰ったんだ。だからここにはお世話をしてくれる侍女さん達もいない。
色々あったので今は強力な結界が張られ守られているし、ツリーハウスがある森自体に幻惑の魔法が掛けられていので普通は辿り着けない。正確な場所を知る人も限られている安全な場所だ。
そんなツリーハウスには2日前に来ている。何をするわけでもなく本を読で昼寝をしてぼーっとしたり散歩したり気の向くままに過ごしていた。来た日は疲れていたのか直ぐに眠ってしまったんだけど、昨夜ふと目を覚まして夜空を見たら綺麗な月が見えた。なので、今晩は月見をすることにした。広いバルコニーにふわふわのラグを敷いて大小のクッションをあるだけ用意。小さいテーブルの上には簡単な料理とお菓子と飲み物。
「この月を見ると本当に異世界なんだなって今更だけど思うなー」
思わず呟く。だって、月が2つあるんだよ。初めて見た時は本当に驚いたな。なんて黄昏ていたら「優真」とオレを呼ぶ声がした。気のせいと思いたかったけどもう一度聞こえた。誰かなんて見なくても分かる。
ふわっと風が吹いたと思うと、オレの名前を呼んだ声の主が目の前にトンっと軽く着地した。風魔法を使ってここまで跳んだんだろう。こんなこと出来るのは魔力の強い限られた人だけ。
「……土足厳禁」
「そうだったね」
彼はくすくす笑いながら靴を脱いだ。
「優真、私から逃げないで。ちゃんと2人で話をしよう。説明したいこともあるんだ」
「……………」
答えることが出来ない。
だって、彼の声が聞こえただけで胸が詰まった。目の前に現れたら視界が滲んだ。たった2日しか会っていなかっただけなのに抱きしめて欲しくて堪らない。そんな権利、今のオレにはないのに……。
オレが勝手に避けて離れて逃げるようにここに来たのに、彼はいつも通りオレに優しく声を掛けて微笑ってくれているんだ。
「怒ってはいないよ、拗ねてはいるけどね」
月を背に彼がゆっくりと近づいて来る。オレはクッションを抱きしめそれに顔を埋めた。
「優真……。抱き締めてもいいかな?」
近くで聞こえる声は優しいけど熱がこもっていた。
「優真、君がいくら逃げても私は捕まえに行くよ。もう離してあげられないんだ。何があってもね」
暖かな腕に包み込まれ、髪にキスをされ吐息が触れる。
「愛しているよ、優真」
うん、オレも愛してる。
「もう私から離れないで」
うん、オレを離さないで。
「優真クッションに言わず、私を見て言って欲しい」
どうやらオレはまた心の声が漏れていたらしい。恥ずかしいけど顔を上げると愛おしくて堪らないという顔で彼が見つめている。オレも同じ顔をしているのだろう。
「……ごめん…なさい…」
「謝らないで欲しいな」
「……迎えに、来てくれて…ありがとう」
「ふふ、どういたしまして」
額を合わせいつかの言葉を思い出して笑い合う。
このツリーハウスに来た時から…ううん、この世界に来た時からオレは彼のことを思わない日はなかった。
ふっと彼が真剣な眼差しでオレを見つめていた。堪らず目を瞑ると口付けられる。
触れて離れるだけのキスをすると彼は「今夜は月が綺麗だね」と言って柔らかなラグにオレを沈めた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ぐちゅっぐちゅっと卑猥な水音が絶え間なくしている。恥ずかしいのに気持ち良くて堪らない。オレをそんな身体にした張本人は綺麗な銀髪を揺らしながら熱くて固くて大きい楔をオレに穿ち胎を行き来してる。彼しか知らない彼に愛された身体。口の中を身体中を愛撫され赤い痕が数えきれないくらいに散らされていた。特に乳首は手でも口でも念入りに刺激され真っ赤に熟れてビンビンに勃っている。もうすでに前立腺を楔で突かれまくり2回イッているのにこの絶倫王子はもっともっとと色々求め、オレのイイところなんて聞かなくても全部知っているだろうに意地悪く聞いてくる。今も正常位で繋がっていますとも……。
「ほら、ここ。分かる?優真が好きな一番奥」
「ぅ…あんっ!」
そういってオレの胎の行き止まりを軽くひと突き。それだけオレのものから少し白濁が出た。
「あぁっ…」
「ふふ…。ここが私の先に吸い付いてキスしているよ」
確かに彼に胎の奥で吸い付くような感覚があるような……?
滲む視界で彼を見上げ少し首を傾げる。
「…くっ……。そんな顔で見つめられると我慢がきかなくなってしまう」
そう言うと今度は胎の奥をぐりぐりと抉ってきた。
「やぁっ…ああ…ああ…ひんっ」
奥がくぽくぽしてるぅ。
「ああ、そんなこと言ってはいけないよ。すぐにでももっと奥に入りたくなってしまうから……」
心の声が口に出ていたようで彼が一層熱い目をしてオレを見ていた。
「も、もう奥ないよ…?あっあっ…とんとんしないでぇ……ああんっ……」
「あるよ。それを説明したかったのに優真は逃げてしまったから」
彼の手がオレの腹を撫でる。丁度そこは彼が入っている場所。中のものを確かめるように少し強めに撫でられてぐっと押された。
「っ!?ああっ!…んっ……。ふぇ…?」
「可愛いね、優真。外からでも感じるんだね」
オレの身体どういうエロ仕様だよ。もう全部このエロ王子のせいだ!
「そんなに可愛く睨まれても私を煽るだけだよ。煽られてあげてもいいのだけれど、ちゃんと説明をしないとね」
「……ん、説明?」
「そう、優真がそんなに拗ねなくても逃げなくてもいいっていうことをね、説明させて」
「……んっ…え、えっち…ぁんっ…しながら…?」
「それが一番分かりやすいし、実感してもらえるだろうからね」
なんかイヤな予感しかしないんだけど、大丈夫かな?っていうか話しながら緩く刺激してくるのやめて。
「もっと先に進んでもいいくらい優真の準備はできているんだよ」
「え?意味が…あっ…分かんっない…んぁ…」
なんだろう?オレの胎の奥が彼のものに纏わりつくような感じがした。
「ふふ、ほらね。もっと奥にって私を誘っている」
「ひっ!?ああっ!!」
彼の先端はオレの胎の奥の突き当りに押し当てられたままだ。いつもならここをさっきのようにとんとんされたりぐりぐりされたりする。でも今回は違った。そのまま突き進んできた。
「やっ!やだっ!奥ない!ないのっ!無理ぃっ!入らない!やぁーあーっ!!」
「くっ…締まるっ……ふぅ…。大丈夫だよ、優真。私を見て怖くないから」
「…っ…やっ…こ、怖い…ひんっ!」
オレは無意識に握りしめていたシーツから手を放し彼に腕を伸ばした。すると彼は掴んでいたオレの腰から手を放し包むようにオレの身体を抱きしめて優しく口付けてくれた。オレはぎゅっと彼に抱き着いた。開きっぱなしだった口の中に入ってきた舌はくちゅくちゅと恥ずかしい音を立てながら慰めるように愛撫してくれる。お互いの舌が絡み合い気持ちがいい。暫くすると少し官能をもった感じで上顎を舐められ舌を吸われた。
「んっ…ぁ…んんっ……ふぅん…ぁん……はぁん……」
「落ち着いた?」
彼はオレの唇を舐めちゅっと音を立てキスをして聞いてきた。
「……うん」
零れた涙を舐めて眦をついばみ、俺を落ち着かせるように顔中にキスをしてくれる。
「ふふふ、くすぐったいよ」
「ごめん。怖がらせたね」
「ううん、大丈夫。ちょっと吃驚しただけだから。それと、あの…その…あ、あの奥に、えっと…その…は、入るの?」
「入るよ。今まで以上に気持ちがいいはずだよ」
なに…そのいい笑顔。そんなにそこに入れたいのかよ!?
これ以上気持ち良くなるって……。オレどうなるの……?
ちょっと不安になってへにょっとしていたら、顔に出ていたのか心配そうに瞳を覘き込まれた。
「怖い?」
「…う、うん。ちょっとだけ」
「さっきは痛くなかった?」
「うん。痛くはなかったけど、なんか…ぐっとして、熱くて…気持ち…良かったけど…んんっ……」
思い出したら恥ずかしくて顔が熱くなって中の彼を改めて感じてしまった。
「そう、気持ち良かったんだね。それは楽しみだね」
……そうか、楽しみなのか。
オレは、不安だよ?余り快感が過ぎると逆に怖くなる。
だって身体も心もどうにかなっちゃいそうなんだもん。
それを正直になんて言えない。色んな意味でベッドから出られなくなりそうだから……。
「す、するの?」
「駄目?」
そんな捨てられた子犬みたいな顔をしないでほしい。なんでも許してしまいそうになる。
「…………い…いよ……」
うう、キラキラ笑顔が眩しい。そんなに嬉しいのかよ。
「このまま抱き合ったままでしようか?」
ぎゅっと抱き着いて彼の鎖骨に顔を埋めて頷く。
「腕を少し緩めて。私の顔を見て」
「……もう一回…キス、したい」
と言って顔を上げると噛みつかれるようにキスをされた。激しいよぅ。キスだけでイきそうになって息もたえだえになるころに唇が離れた。頭がぼうっとしている。
「いくよ」
「……うん…」
もうずっと入れっぱなしの彼のものが再び胎の行き止まりをとんとんとノックしてぐりぐりと抉ってくる。そして、ぐっと奥に力が加わると奥の入り口が開かれていく。
「ひぃっ!?あああ、あああ、んああーーっっ!!」
すごく熱くて固いくて大きなものがなんか駄目なところに入ってくるのを感じた。
「あああっ…奥の奥っに、入ってくるよぅ……ああんっ!」
「本当の一番奥まで入っているよ。くっ…もっていかれそうだ」
オレは身体を反らし、嬌声を上げることしかできない。
身体がビクビクしている。
多分イッたんだけど快感が強すぎて分からない。
「私も…もう限界だ。1回射精すよ」
彼はそういうと奥の入り口を出たり入ったりしてきた。
な、なにこれっ!?奥の奥でじゅぽじゅぽしてるぅ!!?
「やぁんっ!すごいっ…気持ちいい…やっ、いいよぅ…あんっ…あああ、あああ…ひぃん!!」
抉るように入って来て奥から抜かれる時にカリが入り口を捲り上げるように刺激をしてくるのが堪らない。何回もそこを出し入れされてるたび強すぎる快感が襲ってくる。身体も心も痺れた様に感じ切ってしまう。こんなの知らない。ずっと気持ち良すぎてイキっぱなしになった。
「っ…くっ!イクよっ!」
高みに向かって胎の中を奥を激しく突き上げてくる。
「ああっ…あん、あっあっ…んんーっ…あん…ああっああーーっっ!!」
瞼の奥にチカチカと星が見えて、身体の奥深くに熱いものが広がるのを感じた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
暖かい。気持ちいい。心地いい。抱きしめられて優しい声で名前を呼ばれている。
「ーーーゆう、ま…。優真、大丈夫かい」
「…ぅん?……大丈、夫……」
薄く目を開けながら答える。少し意識が飛んでいたようだ。
唇を合わされたので無意識に口を開けるとオレの好きな味の果実水が流れ込んできた。飲み干すと舌を絡められ離れていった。
「ん…美味しい。もっと……」
呟くように言うと離れた唇が直ぐに塞がれまた飲ませてくれる。何回かそれを繰り返して意識がはっきりとしてきた。
「…んんっ……あ…りがと……」
ちゅっとキスで返事をされた。
ちゃんと目を開け状況を確認すると、オレの脚の間に彼の身体があり向かい合わせに座っていた。
暖かな両手で包むように顔を上げられ目が合うと、とんでもないことを問われた。
「とても気持ち良さそうだったけど、どうだった?」
「……ん?」
一瞬何のことを言われたのか分からず首を傾げたら、お腹を撫でられ変な声が出た。
「ひゃっ!?」
そ、それはさっきのアレですか!?今も奥の奥がじんじんしているけど、それです……よね?やっぱり……。
心配そうな顔をしながらキラキラした瞳で見ないでほしい。
「ううう……気持ち…良かったよ……。よ、良過ぎて身体も頭もバカになる……。もう…恥ずかし過ぎるぅ……。そんなこと聞くな!ばかっ!」
火が出そうなくらい熱い顔を両手で隠して悪態をつく。
感想なんて聞くなよ!もう、マジで恥ずか死ねる……。
「ふふふ。それは良かった。優真、私を見て欲しいな。ちゃんと説明すよ」
そういえば来た時からそんなことを言っていたな。説明ってなに?
顔から手を外して王子の顔を見た。多分、オレの顔は真っ赤だろうけど。
「うん、可愛い」
そう言ってちゅっと唇と頬にキスをしてくる。
もう、キリがない。
恥ずかしさを無理やり無視して王子に聞く。
「説明ってなんの?」
「優真の憂いを晴らす為に必要なこと。まずは確認だけど、優真は自分が男だから世継ぎが産めないから身を引こうとした。合ってる?」
「……うん」
「世継ぎの心配はいらないよ」
「どうして?」
「優真が産めるから」
「はあ!?何言ってんの?オレ男だよ?」
「男でも産めるよ」
………………はい?今、何て言った?
『オトコデモ ウメルヨ』
「意味が分からない。そんな器官ない」
「ないけど作れるからね」
いや、益々意味が分からない。
「ああ、心配しないで。私と優真の2人で優真の胎に作るから大丈夫」
何が大丈夫なのか?オレの胎に作るだと?
………………駄目だ。付いていけない……。
フリーズしているオレに王子は説明をしてきた。
「さっき優真の胎の奥の奥に入ったでしょ。あそこにね私の魔力を込めた精液を出すんだよ。そしてね、それを定期的に少なくとも2、3日に1回は必ず行うと、そこに子どもを授かれる器官が出来るんだよ。同時に妊娠するんだけどね」
「ちょ、ちょっと待って!さっき奥の奥に出さなかった!?」
「出したよ」
「出したよ。じゃないっ!」
「大丈夫。魔力を込めていないし1回じゃ出来ないから。それにまだ優真の了解を貰っていないから、勝手に子どもを授かれる器官を作れない。そんなことをしたらユリ嬢からも宰相からも王や王妃、領主様、侍従や侍女達、優真を心配している全ての者に非難されてしまう。それ以上に優真に嫌われたくはない」
愁傷なことを言っている雰囲気だけど、多分、周りからかなり色々と言われたんだろうなって感じがする。
皆ありがとう。オレは何とかこの衝撃的な現実を受け止める時間が得られるよ。
「ごめんなさい。ちょっと無理」
「……それは、どういう意味かな?」
待って!怖い笑顔しないで!
「ち、違う!違うからっ!あの、その、2人の子どもを授かれるのは嬉しいけど、えっと、なんていうか、その…身体変わっちゃうってことでしょ!?だ、だから、待っていて欲しいの!覚悟が出来るまでっ!」
とろける様な瞳で見つめられて頬を撫でられた。
「あっ!?…ちょっと待って…急に大きくしない…でっ…んぁっ…ああんっっ!」
そうです。まだ彼のものが挿っています。っていうか基本抜いてくれません。
「優真、愛しているよ」
「あんっ…オレも、好き…愛してるっから…んぁっ……ちょっと待ってっ!」
「大丈夫、覚悟が出来るまでいくらでも待つよ」
「あんっ…違うの、そうじゃ…なくて、今……ふあっ…ああっ」
そのまま仰向けに倒されて膝を抱えられたと思ったら、ごりっと前立腺を突かれそのままぐぷっと奥まで貫かれた。
「ああっ!…ああんっ!!」
もう何も考えられなくなる。見上げると熱い眼差しの見惚れる程の綺麗な顔と月の光で輝いている銀髪。
「あっあっあっ…んあっ…あっ…ああっ…」
揺れているオレの足の向こうには、綺麗な満月がオレ達を照らしていた。
END
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
お読みいただき、ありがとうございます。
このお話はアルファポリス様の「《うちの子》推し会・お月見」企画に乗っかりエロが書きたいが為に勢いと思い付きで書いてみた短編です。
(前戯のお仕置きえっちもあったんですが時間がなくて泣く泣くカット。乳首攻めから始まり前の根元にリボンをしてイかせず前も後ろも舌で指で苛めるんですけど……それはまた機会があれば。)
ちゃんとプロットを立てて長編として書いていこうかと思っていますので、よろしければそちらも読んで頂ければ嬉しいです。
(途中の端折った部分とかです。転移の経緯とか、王子の名前とか出会いとか、初えっちとか……ふふふ)
数話ストックが出来たら投稿しますので気長にお待ちいただければ幸いです。
後半のえちえち…私なりに頑張りました( ´艸`)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「月が綺麗だったので」というのは意味のない言い訳で、本当はここ数日のささくれた気持ちを持て余し、気持ちの整理と気分転換の為、森の隠れ家のツリーハウスで1人で月見をしていただけなのに「今夜は月が綺麗だね」という言葉と共にオレは揺れる自分の足を見上げている。
………何故こうなった!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
突然ですが、オレこと佐藤優真は異世界にいます。
寝て起きたら異世界でした。
いや、マジで!
あの日は2つ上の姉、佐藤優莉と一緒にオレの大学の入学祝いということで、ちょっとというか結構いやかなり良いであろう隠れ家風のレストランにめちゃめちゃお洒落をさせられて連れて行かれた。オレの服ちょっとヒラヒラし過ぎじゃないかと思ったが言える訳がない。
緊張していたけど、個室だったしオーナー兼シェフは両親の知り合いだったので、緊張が解けて美味しい食事をいただきながら楽しい時間を過ごせたんだ。それからバスに乗って帰っていたんだけど、途中でオレは満腹感とバスの揺れで眠くなりいつの間にか寝てしまった。「着いたら起こすから寝てていいよ」と優莉姉に言われた思う。そして、起きたら豪華な馬車の中だった。
どういうこと!!??
頭の中がパニックでフリーズしていたら優莉姉が説明してくれた。オレが寝た後、優莉姉もいつの間にか寝てしまい、気が付けば見たこともない豪華な庭園みたいなところで木にもたれて寝ていたらしい。
「何それ?意味が分からないんだけど?」
「私も分からないわよ」
流石の優莉姉もかなり焦ったみたいだ。だからといって無駄に動いたり叫んだりせず、落ち着くために深呼吸をして周りを見渡し、傍らでオレが寝ているのを確認して様子を伺っていた。暫くすると人が来る気配がして騎士みたいな人達が現れたと思ったら「領主様がお待ちです」と言われて馬車に乗せられた。それで今、馬車に乗っているということらしい。
「今日はお洒落していて良かったわ。良家のお嬢様に思われたみたいだし」
「なにそれ……」
物凄くざっくりした説明だけど、これが今オレ達2人に起こっている現実みたいだ。
それにしてもお姉さま、落ち着き過ぎやしないですか?お陰でオレも落ち着けたけど。
「どうするの?これから……」
「ま、なるようになるんじゃない?ここで泣いたり騒いだりしても状況が変わる訳でもないし、騎士様からそれは丁寧に扱われてたから大丈夫でしょ」
「優莉姉、怖くなかった?」
「優真は寝ていたからね…ふふふ…」
何?その怪しい笑みは……。
そうなんだよな、オレ肝心なところで寝てた。
……っていうか、寝てるオレを誰が馬車に運んだんだ?
大きくはないといっても18歳の162cmの男だよ。因みに優莉姉は156cm。
せめて170cmは欲しかった……。
「あ、気付いたみたいね」
「誰がオレを馬車に運んだの?」
「ふ、ふ、ふ……聞きたい?」
優莉姉の楽しそうな顔見てたら嫌な予感しかしない。
「う……イヤって言っても言うんだろ」
「分かってるじゃない。ま、聞きなさいよ、眠り姫」
「な、なに!?その恥ずかしい名前!」
「ま、聞きなさい。ふふふ」
騎士達が現れた時の話を詳しくしてくれた。優莉姉は眠っているオレを背中に庇ってくれていたそうだ。そんなオレ達を見付けた騎士達は驚いた様子だった。優莉姉と目が合うと腰に携えた剣を地面に置き片膝をついて挨拶をし、危害を加えないこと領主様が丁重にお連れするようにと言ったことを話してくれた。優莉姉が返事をするまで頭を下げて距離を保ってくれていたそうだ。なるべく怖がらせないように気を使ってくれたんだろう。だから、優莉姉が信用したのかな。
「あれ?おかしくない?どうして領主様がオレ達のことを知っているんだろう?」
「それね。私も同じこと聞いたけど、会えばその領主様が説明してくれるって」
「ふーん?」
「それよりも、ここからが面白いんじゃない!」
そう言って嬉々として話してくれた内容に、オレは恥ずかし過ぎて逃げ出したくなった。
優莉姉が肯定の返事をすると、1人の20代中半くらいの美丈夫がゆっくりと近づいて来て「お手をどうぞ」と手を差し伸べて優莉姉を立ち上がらせてくれた。
「美丈夫…イケメンってこと?」
「イケメンだと軽い感じしない?なんていうか、男らしいのに綺麗な顔なの。それに物凄く紳士的で優雅な感じで嫌味なく極自然に気障なことを何てことない様にさらっとしていたのよ」
そして暢気に寝ているオレを見て『このお方…。眠っている……姫を抱き上げても?』と言って……って!
ちょっと待て。表現がおかしくないか?
優莉姉は口を挟もうとしたオレを無視して続けた。
『え?…ええ!その寝ているおとう、いえ……眠り姫をお願いします』
乗っかるなよっ優莉姉ー!
その騎士は軽々とオレを横抱きにした。
お姫様抱っこなんて言葉は聞こえない!
抱き上げられたオレは「ん…」と少し身動ぎ騎士の胸に頬を猫のように摺り寄せへにゃっと微笑った。騎士は優莉姉にしか聞こえない声で何か呟いたらしいけど、オレは余りの衝撃で聞いていなかった。
待って待って!寝てたオレっ!何をしている!?
「なんで起こしてくれなかったんだよ!?」
「起きなかったのよ。あらら、大丈夫?優真、顔から湯気がでそうよ。ふふふ」
「大丈夫じゃない……うう……」
抱き上げられた時に猫みたいに頬を摺り寄せたって……?
マジか…マジなのか、オレ……。
その運んでくれた騎士さんにどういう顔をして合えばいいんだ!?
「確認だけど、オレって男だって認識されてる?」
「どっちでもいいんじゃない?」
「よくないわっ!」
オレは「うー」だの「あー」だの言いながら頭を抱えた。そんなオレを慰めているのか励ましているのか分からないけど、背中を撫でたり肩を叩いたりしている優莉姉は、何でそんなに楽しそうなんだよ……。
オレがうだうだしている間にいつの間にか目的地に着いたらしく馬車が止まった。
「ユリ様、到着致しました」
「はい、ありがとうございます」
優莉姉なんでそんなにナチュラルに対応出来るんだよ。オレには無理だ。なんて目で見ていたら「私が色々対応するから、優真は暫く黙っててね」と言われてしまった。勿論「はい」と答えたよ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ごきげんよう。いつの間にか弟と異世界にいた佐藤優莉です。弟の優真の説明だといつまで経ってもお話が進まないので、私が簡潔に説明させていただきます。ご了承くださいませ。
閑話休題
馬車の扉が開き「どうぞお手を。足元にお気を付けください」とエスコートされて馬車を下りた。振り返ると優真が物珍し気にきょろきょろとしている。足元を見ないと扱けてしまうと思っていたら、案の定扱けた。
出たわ、優真の天然ドジっ子属性。
エスコートしてくれようとしていた騎士様に抱き止められている。あの方は優真をお姫様抱っこして馬車まで運んでくれた騎士様。あの時彼は頬を摺り寄せ微笑う優真を見て「なんだ…この可愛い生き物は……」って呟いたのよね。離れていた他の人達には聞こえていなかったけど。
「大丈夫ですか?眠り姫」
「へっ!?」
ぷっ…今それを本人に言いますか?優真が茹でだこになってしまった。
騎士様は何でもないようにお姫様抱っこをしているし、抱き上げれた腕の中で優真は真っ赤な顔で涙目になりながら騎士様を見上げて降ろして欲しいと言って藻掻いている。
そんな顔しちゃ駄目よ、優真!
ほら、騎士様が一瞬目を瞠り瞳が溶けて優しく微笑んだ。
ヤバくない?あれは恋に落ちる瞬間では?
私見てはいけないものを見たのかも……。
ほら、周りの人達も固まっている。
そろそろ助けた方が良いかしら。このままだと優真が本気で泣きそうだわ。
「騎士様、大丈夫ですのでその子を降ろしてくださいますか」
騎士様は私に頷き優真に確認をした。
「本当に?」
「は、はいっ大丈夫です!」
降ろしたのはいいけど、優真の手を離さないのですか?
「あ、あの手、手を……」
「ん?」
有無を言わせない笑顔とはこのことね。
「優真、この方は寝ていたあなたを馬車まで運んでくださったのよ」
「ええっ!す、すみません。何度もご迷惑を掛けてしまってごめんなさい」
「謝らないで欲しいな」
「えっと、あの……じゃ、ありがとうございます?」
「どういたしまして」
指の裏で頬を撫でて頭ぽんぽんって……。
周りの騎士様達のざわめきが凄いんですけど?
この異様な空気は、庇護欲を掻き立てる真っ赤な顔で瞳を潤ませた優真の顔を見てなのか、このキラキライケメン騎士様(あえてこの表現)の仕草や様子からくるものなのか、はたまたその両方なのか……。
手を離さずそのままエスコートするって……。
うーわー何そのいきなりの独占欲。引くわー。
優真、あなたとんでもない人に捕まったかもよ?
「ほっほっほっ。お若いといいですな」
突然、年配の男性の声がしたと思ったらざわめきが止んだ。騎士様達が一瞬にして緊張したのが分かった。
声がした方へ振り向くと少し離れたところに白髪を後ろに軽く流し丸眼鏡を掛けた60代程の男性が微笑みながらこちらを見ていた。所謂、執事さんですね。
「さて、ご領主様がお待ちですので、そろそろご案内させていただいても宜しいでしょうか?」
「あ、はい、お願いします」
「では、こちらへどうぞ」
お屋敷というよりお城よね、これ。そんな中を案内された。
お会いした領主様はとても良い人で色々とお話をしました。私達が何故あそこにいるのを知っていたのかもですが、説明が長くなりそうなのでそれはまたの機会にお話しすることにします。
知らない世界で何の後ろ盾もなく生きていくのは大変だということで私達2人をある方の養子にしてくれました。その方は私達の家族であり先生でもあります。この世界の事を教えてくれたり生活するには何も不自由することないようにしてくれました。感謝しきれません。
それからは色々あり過ぎるくらい色々なことがあったのだけれど、一番は優真に恋人が出来たことかしら。そのお相手がこの王国の王太子で優真をお姫様抱っこした騎士様だなんて、運命デスネー(棒)
この2人がくっ付くまでも紆余曲折ありましたが、この度婚約することに決まったのに優真がごねている。何を痴話喧嘩しているのよ?拗らせて鬱々している優真を見かねた領主様が秘密のツリーハウスに行くように言ってくれた。1人になって頭を冷やして欲しいわ。あなたの王子様は何があっても決してあなたを離さないわよ。観念しなさい優真。
お姉さんは弟の幸せを願っているのだけど……(遠い目)
あなたの王子様はあなたを追っていったわ。誰にも邪魔されず2人きりだなんて……ご愁傷様。
私が出来ることは抱き潰されて寝込むであろうあなたを看病することかしら?
もう早く結婚してしまいなさい。それがあなたの為よ。いや、本当に。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
すみません。異世界転移してからのあれやこらやは端折らせてもらいました。
おかしなところや細かい事はスルーしてください。
「うちの子《推し》お月見」企画で書きたかったのは次からです!
えっち頑張ったので是非ご賞味ください。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近のオレの様子に領主様が見かねたようで「1人になってゆっくり考えてごらん」と言ってくれたので、以前に欲しい物はないかと聞かれた時にお願いして作ってもらったツリーハウスに行くことにした。
秘密のツリーハウス。オレと優莉姉の2人だけのプライベートの家というか隠れ家。環境が変わり過ぎたことで体も崩したし精神的にも不安定になった。あと、他人の目に常に晒されるということは想像以上にストレスが半端なかった。それで何も気にしないで過ごせるこのツリーハウスを作って貰ったんだ。だからここにはお世話をしてくれる侍女さん達もいない。
色々あったので今は強力な結界が張られ守られているし、ツリーハウスがある森自体に幻惑の魔法が掛けられていので普通は辿り着けない。正確な場所を知る人も限られている安全な場所だ。
そんなツリーハウスには2日前に来ている。何をするわけでもなく本を読で昼寝をしてぼーっとしたり散歩したり気の向くままに過ごしていた。来た日は疲れていたのか直ぐに眠ってしまったんだけど、昨夜ふと目を覚まして夜空を見たら綺麗な月が見えた。なので、今晩は月見をすることにした。広いバルコニーにふわふわのラグを敷いて大小のクッションをあるだけ用意。小さいテーブルの上には簡単な料理とお菓子と飲み物。
「この月を見ると本当に異世界なんだなって今更だけど思うなー」
思わず呟く。だって、月が2つあるんだよ。初めて見た時は本当に驚いたな。なんて黄昏ていたら「優真」とオレを呼ぶ声がした。気のせいと思いたかったけどもう一度聞こえた。誰かなんて見なくても分かる。
ふわっと風が吹いたと思うと、オレの名前を呼んだ声の主が目の前にトンっと軽く着地した。風魔法を使ってここまで跳んだんだろう。こんなこと出来るのは魔力の強い限られた人だけ。
「……土足厳禁」
「そうだったね」
彼はくすくす笑いながら靴を脱いだ。
「優真、私から逃げないで。ちゃんと2人で話をしよう。説明したいこともあるんだ」
「……………」
答えることが出来ない。
だって、彼の声が聞こえただけで胸が詰まった。目の前に現れたら視界が滲んだ。たった2日しか会っていなかっただけなのに抱きしめて欲しくて堪らない。そんな権利、今のオレにはないのに……。
オレが勝手に避けて離れて逃げるようにここに来たのに、彼はいつも通りオレに優しく声を掛けて微笑ってくれているんだ。
「怒ってはいないよ、拗ねてはいるけどね」
月を背に彼がゆっくりと近づいて来る。オレはクッションを抱きしめそれに顔を埋めた。
「優真……。抱き締めてもいいかな?」
近くで聞こえる声は優しいけど熱がこもっていた。
「優真、君がいくら逃げても私は捕まえに行くよ。もう離してあげられないんだ。何があってもね」
暖かな腕に包み込まれ、髪にキスをされ吐息が触れる。
「愛しているよ、優真」
うん、オレも愛してる。
「もう私から離れないで」
うん、オレを離さないで。
「優真クッションに言わず、私を見て言って欲しい」
どうやらオレはまた心の声が漏れていたらしい。恥ずかしいけど顔を上げると愛おしくて堪らないという顔で彼が見つめている。オレも同じ顔をしているのだろう。
「……ごめん…なさい…」
「謝らないで欲しいな」
「……迎えに、来てくれて…ありがとう」
「ふふ、どういたしまして」
額を合わせいつかの言葉を思い出して笑い合う。
このツリーハウスに来た時から…ううん、この世界に来た時からオレは彼のことを思わない日はなかった。
ふっと彼が真剣な眼差しでオレを見つめていた。堪らず目を瞑ると口付けられる。
触れて離れるだけのキスをすると彼は「今夜は月が綺麗だね」と言って柔らかなラグにオレを沈めた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ぐちゅっぐちゅっと卑猥な水音が絶え間なくしている。恥ずかしいのに気持ち良くて堪らない。オレをそんな身体にした張本人は綺麗な銀髪を揺らしながら熱くて固くて大きい楔をオレに穿ち胎を行き来してる。彼しか知らない彼に愛された身体。口の中を身体中を愛撫され赤い痕が数えきれないくらいに散らされていた。特に乳首は手でも口でも念入りに刺激され真っ赤に熟れてビンビンに勃っている。もうすでに前立腺を楔で突かれまくり2回イッているのにこの絶倫王子はもっともっとと色々求め、オレのイイところなんて聞かなくても全部知っているだろうに意地悪く聞いてくる。今も正常位で繋がっていますとも……。
「ほら、ここ。分かる?優真が好きな一番奥」
「ぅ…あんっ!」
そういってオレの胎の行き止まりを軽くひと突き。それだけオレのものから少し白濁が出た。
「あぁっ…」
「ふふ…。ここが私の先に吸い付いてキスしているよ」
確かに彼に胎の奥で吸い付くような感覚があるような……?
滲む視界で彼を見上げ少し首を傾げる。
「…くっ……。そんな顔で見つめられると我慢がきかなくなってしまう」
そう言うと今度は胎の奥をぐりぐりと抉ってきた。
「やぁっ…ああ…ああ…ひんっ」
奥がくぽくぽしてるぅ。
「ああ、そんなこと言ってはいけないよ。すぐにでももっと奥に入りたくなってしまうから……」
心の声が口に出ていたようで彼が一層熱い目をしてオレを見ていた。
「も、もう奥ないよ…?あっあっ…とんとんしないでぇ……ああんっ……」
「あるよ。それを説明したかったのに優真は逃げてしまったから」
彼の手がオレの腹を撫でる。丁度そこは彼が入っている場所。中のものを確かめるように少し強めに撫でられてぐっと押された。
「っ!?ああっ!…んっ……。ふぇ…?」
「可愛いね、優真。外からでも感じるんだね」
オレの身体どういうエロ仕様だよ。もう全部このエロ王子のせいだ!
「そんなに可愛く睨まれても私を煽るだけだよ。煽られてあげてもいいのだけれど、ちゃんと説明をしないとね」
「……ん、説明?」
「そう、優真がそんなに拗ねなくても逃げなくてもいいっていうことをね、説明させて」
「……んっ…え、えっち…ぁんっ…しながら…?」
「それが一番分かりやすいし、実感してもらえるだろうからね」
なんかイヤな予感しかしないんだけど、大丈夫かな?っていうか話しながら緩く刺激してくるのやめて。
「もっと先に進んでもいいくらい優真の準備はできているんだよ」
「え?意味が…あっ…分かんっない…んぁ…」
なんだろう?オレの胎の奥が彼のものに纏わりつくような感じがした。
「ふふ、ほらね。もっと奥にって私を誘っている」
「ひっ!?ああっ!!」
彼の先端はオレの胎の奥の突き当りに押し当てられたままだ。いつもならここをさっきのようにとんとんされたりぐりぐりされたりする。でも今回は違った。そのまま突き進んできた。
「やっ!やだっ!奥ない!ないのっ!無理ぃっ!入らない!やぁーあーっ!!」
「くっ…締まるっ……ふぅ…。大丈夫だよ、優真。私を見て怖くないから」
「…っ…やっ…こ、怖い…ひんっ!」
オレは無意識に握りしめていたシーツから手を放し彼に腕を伸ばした。すると彼は掴んでいたオレの腰から手を放し包むようにオレの身体を抱きしめて優しく口付けてくれた。オレはぎゅっと彼に抱き着いた。開きっぱなしだった口の中に入ってきた舌はくちゅくちゅと恥ずかしい音を立てながら慰めるように愛撫してくれる。お互いの舌が絡み合い気持ちがいい。暫くすると少し官能をもった感じで上顎を舐められ舌を吸われた。
「んっ…ぁ…んんっ……ふぅん…ぁん……はぁん……」
「落ち着いた?」
彼はオレの唇を舐めちゅっと音を立てキスをして聞いてきた。
「……うん」
零れた涙を舐めて眦をついばみ、俺を落ち着かせるように顔中にキスをしてくれる。
「ふふふ、くすぐったいよ」
「ごめん。怖がらせたね」
「ううん、大丈夫。ちょっと吃驚しただけだから。それと、あの…その…あ、あの奥に、えっと…その…は、入るの?」
「入るよ。今まで以上に気持ちがいいはずだよ」
なに…そのいい笑顔。そんなにそこに入れたいのかよ!?
これ以上気持ち良くなるって……。オレどうなるの……?
ちょっと不安になってへにょっとしていたら、顔に出ていたのか心配そうに瞳を覘き込まれた。
「怖い?」
「…う、うん。ちょっとだけ」
「さっきは痛くなかった?」
「うん。痛くはなかったけど、なんか…ぐっとして、熱くて…気持ち…良かったけど…んんっ……」
思い出したら恥ずかしくて顔が熱くなって中の彼を改めて感じてしまった。
「そう、気持ち良かったんだね。それは楽しみだね」
……そうか、楽しみなのか。
オレは、不安だよ?余り快感が過ぎると逆に怖くなる。
だって身体も心もどうにかなっちゃいそうなんだもん。
それを正直になんて言えない。色んな意味でベッドから出られなくなりそうだから……。
「す、するの?」
「駄目?」
そんな捨てられた子犬みたいな顔をしないでほしい。なんでも許してしまいそうになる。
「…………い…いよ……」
うう、キラキラ笑顔が眩しい。そんなに嬉しいのかよ。
「このまま抱き合ったままでしようか?」
ぎゅっと抱き着いて彼の鎖骨に顔を埋めて頷く。
「腕を少し緩めて。私の顔を見て」
「……もう一回…キス、したい」
と言って顔を上げると噛みつかれるようにキスをされた。激しいよぅ。キスだけでイきそうになって息もたえだえになるころに唇が離れた。頭がぼうっとしている。
「いくよ」
「……うん…」
もうずっと入れっぱなしの彼のものが再び胎の行き止まりをとんとんとノックしてぐりぐりと抉ってくる。そして、ぐっと奥に力が加わると奥の入り口が開かれていく。
「ひぃっ!?あああ、あああ、んああーーっっ!!」
すごく熱くて固いくて大きなものがなんか駄目なところに入ってくるのを感じた。
「あああっ…奥の奥っに、入ってくるよぅ……ああんっ!」
「本当の一番奥まで入っているよ。くっ…もっていかれそうだ」
オレは身体を反らし、嬌声を上げることしかできない。
身体がビクビクしている。
多分イッたんだけど快感が強すぎて分からない。
「私も…もう限界だ。1回射精すよ」
彼はそういうと奥の入り口を出たり入ったりしてきた。
な、なにこれっ!?奥の奥でじゅぽじゅぽしてるぅ!!?
「やぁんっ!すごいっ…気持ちいい…やっ、いいよぅ…あんっ…あああ、あああ…ひぃん!!」
抉るように入って来て奥から抜かれる時にカリが入り口を捲り上げるように刺激をしてくるのが堪らない。何回もそこを出し入れされてるたび強すぎる快感が襲ってくる。身体も心も痺れた様に感じ切ってしまう。こんなの知らない。ずっと気持ち良すぎてイキっぱなしになった。
「っ…くっ!イクよっ!」
高みに向かって胎の中を奥を激しく突き上げてくる。
「ああっ…あん、あっあっ…んんーっ…あん…ああっああーーっっ!!」
瞼の奥にチカチカと星が見えて、身体の奥深くに熱いものが広がるのを感じた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
暖かい。気持ちいい。心地いい。抱きしめられて優しい声で名前を呼ばれている。
「ーーーゆう、ま…。優真、大丈夫かい」
「…ぅん?……大丈、夫……」
薄く目を開けながら答える。少し意識が飛んでいたようだ。
唇を合わされたので無意識に口を開けるとオレの好きな味の果実水が流れ込んできた。飲み干すと舌を絡められ離れていった。
「ん…美味しい。もっと……」
呟くように言うと離れた唇が直ぐに塞がれまた飲ませてくれる。何回かそれを繰り返して意識がはっきりとしてきた。
「…んんっ……あ…りがと……」
ちゅっとキスで返事をされた。
ちゃんと目を開け状況を確認すると、オレの脚の間に彼の身体があり向かい合わせに座っていた。
暖かな両手で包むように顔を上げられ目が合うと、とんでもないことを問われた。
「とても気持ち良さそうだったけど、どうだった?」
「……ん?」
一瞬何のことを言われたのか分からず首を傾げたら、お腹を撫でられ変な声が出た。
「ひゃっ!?」
そ、それはさっきのアレですか!?今も奥の奥がじんじんしているけど、それです……よね?やっぱり……。
心配そうな顔をしながらキラキラした瞳で見ないでほしい。
「ううう……気持ち…良かったよ……。よ、良過ぎて身体も頭もバカになる……。もう…恥ずかし過ぎるぅ……。そんなこと聞くな!ばかっ!」
火が出そうなくらい熱い顔を両手で隠して悪態をつく。
感想なんて聞くなよ!もう、マジで恥ずか死ねる……。
「ふふふ。それは良かった。優真、私を見て欲しいな。ちゃんと説明すよ」
そういえば来た時からそんなことを言っていたな。説明ってなに?
顔から手を外して王子の顔を見た。多分、オレの顔は真っ赤だろうけど。
「うん、可愛い」
そう言ってちゅっと唇と頬にキスをしてくる。
もう、キリがない。
恥ずかしさを無理やり無視して王子に聞く。
「説明ってなんの?」
「優真の憂いを晴らす為に必要なこと。まずは確認だけど、優真は自分が男だから世継ぎが産めないから身を引こうとした。合ってる?」
「……うん」
「世継ぎの心配はいらないよ」
「どうして?」
「優真が産めるから」
「はあ!?何言ってんの?オレ男だよ?」
「男でも産めるよ」
………………はい?今、何て言った?
『オトコデモ ウメルヨ』
「意味が分からない。そんな器官ない」
「ないけど作れるからね」
いや、益々意味が分からない。
「ああ、心配しないで。私と優真の2人で優真の胎に作るから大丈夫」
何が大丈夫なのか?オレの胎に作るだと?
………………駄目だ。付いていけない……。
フリーズしているオレに王子は説明をしてきた。
「さっき優真の胎の奥の奥に入ったでしょ。あそこにね私の魔力を込めた精液を出すんだよ。そしてね、それを定期的に少なくとも2、3日に1回は必ず行うと、そこに子どもを授かれる器官が出来るんだよ。同時に妊娠するんだけどね」
「ちょ、ちょっと待って!さっき奥の奥に出さなかった!?」
「出したよ」
「出したよ。じゃないっ!」
「大丈夫。魔力を込めていないし1回じゃ出来ないから。それにまだ優真の了解を貰っていないから、勝手に子どもを授かれる器官を作れない。そんなことをしたらユリ嬢からも宰相からも王や王妃、領主様、侍従や侍女達、優真を心配している全ての者に非難されてしまう。それ以上に優真に嫌われたくはない」
愁傷なことを言っている雰囲気だけど、多分、周りからかなり色々と言われたんだろうなって感じがする。
皆ありがとう。オレは何とかこの衝撃的な現実を受け止める時間が得られるよ。
「ごめんなさい。ちょっと無理」
「……それは、どういう意味かな?」
待って!怖い笑顔しないで!
「ち、違う!違うからっ!あの、その、2人の子どもを授かれるのは嬉しいけど、えっと、なんていうか、その…身体変わっちゃうってことでしょ!?だ、だから、待っていて欲しいの!覚悟が出来るまでっ!」
とろける様な瞳で見つめられて頬を撫でられた。
「あっ!?…ちょっと待って…急に大きくしない…でっ…んぁっ…ああんっっ!」
そうです。まだ彼のものが挿っています。っていうか基本抜いてくれません。
「優真、愛しているよ」
「あんっ…オレも、好き…愛してるっから…んぁっ……ちょっと待ってっ!」
「大丈夫、覚悟が出来るまでいくらでも待つよ」
「あんっ…違うの、そうじゃ…なくて、今……ふあっ…ああっ」
そのまま仰向けに倒されて膝を抱えられたと思ったら、ごりっと前立腺を突かれそのままぐぷっと奥まで貫かれた。
「ああっ!…ああんっ!!」
もう何も考えられなくなる。見上げると熱い眼差しの見惚れる程の綺麗な顔と月の光で輝いている銀髪。
「あっあっあっ…んあっ…あっ…ああっ…」
揺れているオレの足の向こうには、綺麗な満月がオレ達を照らしていた。
END
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
お読みいただき、ありがとうございます。
このお話はアルファポリス様の「《うちの子》推し会・お月見」企画に乗っかりエロが書きたいが為に勢いと思い付きで書いてみた短編です。
(前戯のお仕置きえっちもあったんですが時間がなくて泣く泣くカット。乳首攻めから始まり前の根元にリボンをしてイかせず前も後ろも舌で指で苛めるんですけど……それはまた機会があれば。)
ちゃんとプロットを立てて長編として書いていこうかと思っていますので、よろしければそちらも読んで頂ければ嬉しいです。
(途中の端折った部分とかです。転移の経緯とか、王子の名前とか出会いとか、初えっちとか……ふふふ)
数話ストックが出来たら投稿しますので気長にお待ちいただければ幸いです。
1
お気に入りに追加
15
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
潜入捜査でマフィアのドンの愛人になったのに、正体バレて溺愛監禁された話
あかさたな!
BL
潜入捜査官のユウジは
マフィアのボスの愛人まで潜入していた。
だがある日、それがボスにバレて、
執着監禁されちゃって、
幸せになっちゃう話
少し歪んだ愛だが、ルカという歳下に
メロメロに溺愛されちゃう。
そんなハッピー寄りなティーストです!
▶︎潜入捜査とかスパイとか設定がかなりゆるふわですが、
雰囲気だけ楽しんでいただけると幸いです!
_____
▶︎タイトルそのうち変えます
2022/05/16変更!
拘束(仮題名)→ 潜入捜査でマフィアのドンの愛人になったのに、正体バレて溺愛監禁された話
▶︎毎日18時更新頑張ります!一万字前後のお話に収める予定です
2022/05/24の更新は1日お休みします。すみません。
▶︎▶︎r18表現が含まれます※ ◀︎◀︎
_____
不夜島の少年~兵士と高級男娼の七日間~
四葉 翠花
BL
外界から隔離された巨大な高級娼館、不夜島。
ごく平凡な一介の兵士に与えられた褒賞はその島への通行手形だった。そこで毒花のような美しい少年と出会う。
高級男娼である少年に何故か拉致されてしまい、次第に惹かれていくが……。
※以前ムーンライトノベルズにて掲載していた作品を手直ししたものです(ムーンライトノベルズ削除済み)
■ミゼアスの過去編『きみを待つ』が別にあります(下にリンクがあります)
生贄として捧げられたら人外にぐちゃぐちゃにされた
キルキ
BL
生贄になった主人公が、正体不明の何かにめちゃくちゃにされ挙げ句、いっぱい愛してもらう話。こんなタイトルですがハピエンです。
人外✕人間
♡喘ぎな分、いつもより過激です。
以下注意
♡喘ぎ/淫語/直腸責め/快楽墜ち/輪姦/異種姦/複数プレイ/フェラ/二輪挿し/無理矢理要素あり
2024/01/31追記
本作品はキルキのオリジナル小説です。
異世界転移した男子高校生だけど、騎士団長と王子に溺愛されて板挟みになってます
彩月野生
BL
陰キャ男子高校生のシンヤは、寝て起きたら異世界の騎士団長の寝台に寝ていた。
騎士団長ブライアンに求婚され、強制的に妻にされてしまったが、ある日王太子が訪ねて来て、秘密の交流が始まり……騎士団長と王子の執着と溺愛にシンヤは翻弄される。ダークエルフの王にまで好かれて、嫉妬に狂った二人にさらにとろとろに愛されるように。
後に男性妊娠、出産展開がありますのでご注意を。
※が性描写あり。
(誤字脱字報告には返信しておりませんご了承下さい)
遣らずの十六夜
沼田桃弥
BL
【ざっくり内容紹介】
合コン会場で出会った二人の馴れ初め的なSS。年下大学生×疲れて心が荒んだ会社員。ちょっとだけエッチ。
【詳細なあらすじ】
仕事ばかりで彼氏を作る場合じゃなかった大輔にもそれなりの余裕が出てきた。SNSをふと見ていたら、こっち向けの合コン開催の広告に目がいく。大輔は興味本位で参加する事にした。
しかし、会場は安い大衆居酒屋。身内ばかりで騒がしいし、イライラする。テーブルの向こう側にタイプの子が居たが、おっさんにガッチリと囲まれ、声をかけにくかったし、なんか面倒だった。大輔は開き直って、会費の元を取る為にビールを呑みまくり、飯もガッツリ食べた。そして、合コンはお開きになり、大輔は足早に帰る事にした。
大輔がスクランブル交差点で信号待ちをしていたら、後ろから声をかけられる。大輔が面倒くさそうに後ろを振り返ると……。
◆この作品は「小説家になろう」にも同タイトルで掲載しています
くっころ勇者は魔王の子供を産むことになりました
あさきりゆうた
BL
BLで「最終決戦に負けた勇者」「くっころ」、「俺、この闘いが終わったら彼女と結婚するんだ」をやってみたかった。
一話でやりたいことをやりつくした感がありますが、時間があれば続きも書きたいと考えています。
21.03.10
ついHな気分になったので、加筆修正と新作を書きました。大体R18です。
21.05.06
なぜか性欲が唐突にたぎり久々に書きました。ちなみに作者人生初の触手プレイを書きました。そして小説タイトルも変更。
21.05.19
最終話を書きました。産卵プレイ、出産表現等、初めて表現しました。色々とマニアックなR18プレイになって読者ついていけねえよな(^_^;)と思いました。
最終回になりますが、補足エピソードネタ思いつけば番外編でまた書くかもしれません。
最後に魔王と勇者の幸せを祈ってもらえたらと思います。
23.08.16
適当な表紙をつけました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
長編、お待ちしてます( =^ω^)
ありがとうございます(*^^*)
なるべく早く読んでいただけるように頑張ります!