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vs秘密結社クロノス
82話 対処と対策
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学園は5人の襲撃者の攻撃を受けた。彼らはそれぞれの思惑を胸に学園に多大な被害をもたらした。だが、各所の奮闘、リーダー格の撃破によってその被害は収束しつつあった。
しかし、新たな刺客が突如学園に飛来した。人の姿をした無数のそれらは明らかな敵意を持って何かをしようとしている。だが、攻撃が全く効かず対抗策は無いと思われた
「奴らを殺す策がある!」
絶望的な状況に思われたが、ラウドには秘策があるようだ
彼は3種のカプセル型錠剤をリオンに見せた。
「毒か?信じらんねぇ…、それに…」
異常な硬さに加えて仮に傷ついても刃が通り抜けたそばから即座に治癒される肉体。小さなカプセルでどうにかできる相手とは思えない
それに、もう一つ懸念があった。それはラウドが彼らの扱う精神操作の影響下にある可能性である
「お前は、」
…大丈夫そうだな
逆にラウドは怪訝な顔をしたリオンを見て安堵の表情を浮かべた。
彼は彼なりにリオンは無事だと判断したのだ
「実証済みだ。あれは見た目通り人と同じ構造をしている。無理やり口にぶち込めばいい」
「了解。アイツらは俺に任せてもらえるか。この環境だ、体は限界だろ」
「…あぁ、そうだな。心身共に限界だらしい。アレの情報、薬の座標は念話で共有する。シェルターの入り口に送ってくれ」
「了解」
「いや、最後に一つ。これを使え」
ラウドはコアを差し出した。それは精神系統の『認識魔法』のコアである。それは文字通り認識に影響を与える魔法である。
ラウドは侵略者の精神干渉の条件が存在の認知である事を突き止め、魔法で認識できなくする事で対策していたのだ
「必要ねえな。俺にだって策はある」
リオンはコアを受け取らなかった。ラウドの肩に手を乗せ『縮地魔法』を発動させ、ラウドを見送った
「…了解」
リオンのこめかみから燻銀の腕輪まで灰色の線が光る。ラウドからの念話を受信した。
「すぅー、はー、よし!」
彼は生涯で最も大きな覚悟を決めた。自殺する覚悟だ
ガッ‥!グチャ…
リオンは生々しい音を立てて自らの心臓を抜き取った
ガリッ
心臓を口に入れて噛み砕く
『影魔法』で生成した影を軸にして『固定魔法』を使用して大量のカプセルを棒状に固めた
リオンはこの場で最も敵の脅威を正確に認識していた。しかし、戦力が圧倒的に足りない
どうしたら、お帰りいただけるのやら…
彼はカプセルを固めた棒とシルビアから奪った剣を腰に携え襲撃者のいる上空へと転移した
「俺は真下にある学園っていう教育機関の教員だ。そちらについて聞いていいか?」
リオンはある個体の前に移動するとできる限り丁寧に、それでいて遜らずに挨拶をした。
知性があるのは分かってる。無数にいる襲撃者の中でコイツだけが人のように体を動かした。問題は交渉可能かどうかだ
「…ッ!」
彼の胸に心臓が生成される。
来やがったな!
ポン
リオンの付けている腕輪から真っ黒なキューブが飛び出した
「……」
リオンの目の前にいる容姿端麗な女性が目に見えて動揺をし始めた。リオンの顔と腕輪、キューブを繰り返し確認して、想定外とでも言いたそうな困惑した顔をした。
「話し合いをしようぜ」
スゥ、
彼女の姿勢が急に正された。背筋が伸び、顎を引き、足がそろう。まるで別人になったようである
「…ッ!」
強い!
リオンは腰の武器に手を伸ばす
「待て」
女性が言葉を発した。透き通った聞き取りやすい。だが、抑揚が無く感情の読み取れないそんな声だった
「分かった」
やはり動くか!話が通じる!交渉可能か!?
交渉を穏便に済ますためには、できる限り好印象を与える必要がある。しかし、リオンは武器から手を離せなかった
「そう構えなくてもいい。目的が知りたいのだろう。一つある。それを果たせれば望み通りこの世界から去ることになろう」
今までの無口が嘘のように彼女は話し始めた。
「このワールドで物理反転現象が発生した。それは、世界に多大な負荷を及ぼし、他の世界、私たちの現実にまで負荷を及ぼした。私の目的はその対処と対策だ」
「おぉ…!」
それなら、解決している。実行犯は殺った。彼女を引き渡せば良い。コアやこの剣は惜しいが、引き渡せば…ん?
「まて、具体的にどう対策する?」
最初に彼女と対面したミーニャの言動が引っ掛かった。「そんな酷いこと」とは?
「発生源の殺害。及び関係者の滅殺です。ですから、あなたは世界の人間を皆殺しにした後、自害すれば良いのです。そうすれば、望み通り私は帰還します」
混合魔法『領域』+特殊マナ技能『物質把握』+『縮地魔法』+人器『演算機ラプラス』+個人技能『超精密動作』
絶技『居合黒雪嵐』
ーーーー何も変化がなかった。リオンの手が前方に移動しただけのように見えた
「…」
彼女が唐突に白目を剥き、手足は力無く垂れ下がる。程なくして彼女を含めた周囲の襲撃者が無防備に頭から落下し始めた
「ハハっ…」
目の前の光景に乾いた笑いが出る。酸素、窒素、二酸化炭素、そのどれかを肺に満たすだけで、無敵に思えた敵が羽虫のように蹴散らされた
いけるぞ!兵の補充はされてない!殲滅すれば…!
リオンの背後からある気配が接近してきた
「…っと、それくらいは予想できるよな。今度の体はイケオジか?」
リオンは彼を襲った鉄拳を転移で軽く躱す。
構えは生真面目な戦士って感じだな。こういうタイプの相手は得意だぜ!
ズっ…
彼の喉から見覚えのある黒い刃が突き出した。
しかし、新たな刺客が突如学園に飛来した。人の姿をした無数のそれらは明らかな敵意を持って何かをしようとしている。だが、攻撃が全く効かず対抗策は無いと思われた
「奴らを殺す策がある!」
絶望的な状況に思われたが、ラウドには秘策があるようだ
彼は3種のカプセル型錠剤をリオンに見せた。
「毒か?信じらんねぇ…、それに…」
異常な硬さに加えて仮に傷ついても刃が通り抜けたそばから即座に治癒される肉体。小さなカプセルでどうにかできる相手とは思えない
それに、もう一つ懸念があった。それはラウドが彼らの扱う精神操作の影響下にある可能性である
「お前は、」
…大丈夫そうだな
逆にラウドは怪訝な顔をしたリオンを見て安堵の表情を浮かべた。
彼は彼なりにリオンは無事だと判断したのだ
「実証済みだ。あれは見た目通り人と同じ構造をしている。無理やり口にぶち込めばいい」
「了解。アイツらは俺に任せてもらえるか。この環境だ、体は限界だろ」
「…あぁ、そうだな。心身共に限界だらしい。アレの情報、薬の座標は念話で共有する。シェルターの入り口に送ってくれ」
「了解」
「いや、最後に一つ。これを使え」
ラウドはコアを差し出した。それは精神系統の『認識魔法』のコアである。それは文字通り認識に影響を与える魔法である。
ラウドは侵略者の精神干渉の条件が存在の認知である事を突き止め、魔法で認識できなくする事で対策していたのだ
「必要ねえな。俺にだって策はある」
リオンはコアを受け取らなかった。ラウドの肩に手を乗せ『縮地魔法』を発動させ、ラウドを見送った
「…了解」
リオンのこめかみから燻銀の腕輪まで灰色の線が光る。ラウドからの念話を受信した。
「すぅー、はー、よし!」
彼は生涯で最も大きな覚悟を決めた。自殺する覚悟だ
ガッ‥!グチャ…
リオンは生々しい音を立てて自らの心臓を抜き取った
ガリッ
心臓を口に入れて噛み砕く
『影魔法』で生成した影を軸にして『固定魔法』を使用して大量のカプセルを棒状に固めた
リオンはこの場で最も敵の脅威を正確に認識していた。しかし、戦力が圧倒的に足りない
どうしたら、お帰りいただけるのやら…
彼はカプセルを固めた棒とシルビアから奪った剣を腰に携え襲撃者のいる上空へと転移した
「俺は真下にある学園っていう教育機関の教員だ。そちらについて聞いていいか?」
リオンはある個体の前に移動するとできる限り丁寧に、それでいて遜らずに挨拶をした。
知性があるのは分かってる。無数にいる襲撃者の中でコイツだけが人のように体を動かした。問題は交渉可能かどうかだ
「…ッ!」
彼の胸に心臓が生成される。
来やがったな!
ポン
リオンの付けている腕輪から真っ黒なキューブが飛び出した
「……」
リオンの目の前にいる容姿端麗な女性が目に見えて動揺をし始めた。リオンの顔と腕輪、キューブを繰り返し確認して、想定外とでも言いたそうな困惑した顔をした。
「話し合いをしようぜ」
スゥ、
彼女の姿勢が急に正された。背筋が伸び、顎を引き、足がそろう。まるで別人になったようである
「…ッ!」
強い!
リオンは腰の武器に手を伸ばす
「待て」
女性が言葉を発した。透き通った聞き取りやすい。だが、抑揚が無く感情の読み取れないそんな声だった
「分かった」
やはり動くか!話が通じる!交渉可能か!?
交渉を穏便に済ますためには、できる限り好印象を与える必要がある。しかし、リオンは武器から手を離せなかった
「そう構えなくてもいい。目的が知りたいのだろう。一つある。それを果たせれば望み通りこの世界から去ることになろう」
今までの無口が嘘のように彼女は話し始めた。
「このワールドで物理反転現象が発生した。それは、世界に多大な負荷を及ぼし、他の世界、私たちの現実にまで負荷を及ぼした。私の目的はその対処と対策だ」
「おぉ…!」
それなら、解決している。実行犯は殺った。彼女を引き渡せば良い。コアやこの剣は惜しいが、引き渡せば…ん?
「まて、具体的にどう対策する?」
最初に彼女と対面したミーニャの言動が引っ掛かった。「そんな酷いこと」とは?
「発生源の殺害。及び関係者の滅殺です。ですから、あなたは世界の人間を皆殺しにした後、自害すれば良いのです。そうすれば、望み通り私は帰還します」
混合魔法『領域』+特殊マナ技能『物質把握』+『縮地魔法』+人器『演算機ラプラス』+個人技能『超精密動作』
絶技『居合黒雪嵐』
ーーーー何も変化がなかった。リオンの手が前方に移動しただけのように見えた
「…」
彼女が唐突に白目を剥き、手足は力無く垂れ下がる。程なくして彼女を含めた周囲の襲撃者が無防備に頭から落下し始めた
「ハハっ…」
目の前の光景に乾いた笑いが出る。酸素、窒素、二酸化炭素、そのどれかを肺に満たすだけで、無敵に思えた敵が羽虫のように蹴散らされた
いけるぞ!兵の補充はされてない!殲滅すれば…!
リオンの背後からある気配が接近してきた
「…っと、それくらいは予想できるよな。今度の体はイケオジか?」
リオンは彼を襲った鉄拳を転移で軽く躱す。
構えは生真面目な戦士って感じだな。こういうタイプの相手は得意だぜ!
ズっ…
彼の喉から見覚えのある黒い刃が突き出した。
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