51 / 94
第一の神獣。死の軍勢の片鱗
41話 ミーニャさん登場だにゃ!
しおりを挟む
トウカの分身たちが捨て身の特攻でモンスターを誘導している間、パンドラ大陸の港と学園の砲撃施設のに着々と戦力が集められていた。彼らは戦闘系統の学部のいずれかの資格でBランク以上を獲得した生徒か、戦闘学科の教員である。
教員であるリオンは前衛の戦力として港で待機していた。
「あーッ、リオン!久しぶりにゃー」
可愛らしい獣耳をつけ空色の髪をした女性が船から降り、リオンに話しかけた。同僚のミーニャである。
「やめろ、知り合いだと思われる」
「えー、こんな強くて可愛いいネコっ娘いにゃいぞ!」
ミーニャは決めポーズまでつけ、リオンに媚びた様子で言い寄った。
「近づくな!てか、お前は犬だろ!せめてワンにしろ!」
「どうせ耳だけじゃ分からないにゃー。というか、今さらキャラ変とか恥ずかしすぎて出来ないにゃ…」
急にどんよりとした雰囲気を出した。感情の変換に合わせて耳もピクピクと変化するようで、元々ピンと立っていた耳は下に垂れていた。
「おい、(にゃーはいいのか、!?にゃーは!?)」
そんな、リオンのツッコミを他所に、速攻で立ち直ったミーニャがある提案を持ちかける。
「そうにゃ!今回の作戦一緒に組まにゃい?」
「あ?それはいいが、ランク外が二人固まるんは他がキツくなるぞ」
ランク外とは実力が計り知れない者に与えられる称号である。ランクA以下では何人集まろうと越えることのできない壁が存在する。
「そこで私は考えました。」
急に口調を変える。
「ん?」
「最前線の一歩先でデートにゃ!」
口調はすぐに戻った。
「は!?」
「まぁ待つにゃ、ノープランという訳じゃにゃい、どうにゃ?」
ミーニャはリオンに擦り寄る。
「分かった、一緒に行ってやる。そのかわり、デートは撤回しろ」
リオンはミーニャを引き離したが、提案には賛同した。
「にゃ!?なんでにゃ?(意外とあっさり、)」
「聞くな」
『…(にゃんだかにゃ~)』
ミーニャの目にはリオンが何かを焦っている様に見えた。
ーーー
作戦開始と共に二人はリオンの魔法で半球状の形をとった万軍の眼前に飛んだ。
「にゃーーッ!」「はぁーーッ!」
二人は刃渡り数キロメートルの刀を形成して万軍を斬り裂いた。リオンの『影魔法』と、ミーニャの『毒液魔法』で出来た刃は万軍を中心クロスし四つに引き裂いく。
しかし、万軍は何事も無かったかの様に合流して元に戻った。
「にゃッ!」
ミーニャは声を上げて驚いた。しかしそれは、手応えの感じさせない万軍の反応に対しての物では無かった。斬りつけた刀が刃こぼれでボロボロになっていたのである。
「燃費悪いにゃ~」
空中に浮かんだまま『毒液魔法』を発動させて刀を修復し、刀を重そうに持ち上げる。
「にゃ!」
「そのレベルを再利用するのはお前だけだ」
リオンは既に刀を手放していた。
万軍は大砲の様に姿を変えて二人に狙いを定める。中心には大量のエネルギーが圧縮されており、今にも解き放たれようとしていた。その時、学園側から無数の魔法攻撃が無数の流星のようにして襲いかかった。中には『座標魔法』で直接送り込まれたものもあり。万軍を形成するモンスターが次々と蹂躙されていった。圧縮されたエネルギーはコントロールを失い爆発した。
「にゃいす~」
ミーニャは魔法で毒液の薄い膜を二つ作り、自身とリオンを爆風からの守った。
「これはもう終わり…か」
リオンは残党を殲滅すべく武器を生成する。その時、凄まじい風圧が二人を襲った。誰もが戦いが終わったものだと思っていた。しかし、砂埃が晴れたあとその場に居たのは先程と全く変わらない万軍の姿である。
「なッ!(嘘だろ…)」
リオンは驚愕のあまり一手遅れた。
万軍は蛇のように体を伸ばし、一瞬にしてリオンとミーニャを飲み込んだ。腹の中は『闇魔法』の霧で満ちており、一寸先は闇の状態であった。
「…クッ!」
「ミャー!」
闇魔法に触れた事によって、リオンとミーニャにそれぞれかけられた魔法の効果が消る。空中にとどまる術を失った二人は万軍の形成する地面に向けて真っ逆さまに落ちて行った。
「……」
何も見えぬ暗闇の中、二人は地面が迫っているにも関わらず静かに目を閉じた。集中力が徐々に上がっていく。地面に接するその刹那、懐から剣を取り出し目にも止まらぬ速さで切り裂いた。
その剣はモンスターを容易く切り裂き、魔法により発生した衝撃波は尚も進み続ける。そして何より、『闇魔法』の霧に晒されても霧散どころか切れ味一つ落ちなかった。何故なら、それは魔法で形成されたものでは無いく、魔剣だったからである。魔剣とは魔道具の一種である。
衝撃はによって空いた穴には霧が入って来ていないため二人は魔法を発動させて宙に浮いた。
「「フフフッ」」
おもむろに無色のコアを取り出すと柄の窪みにはめ込んだ。コアは剣に吸収されていく。その後、剣が徐々に熱を帯び始めていった。二人は衝撃波によって空いた穴の奥に落とした。
(た~まや~)
(た~まにゃ~)
これが魔剣の正しい使い方である。
教員であるリオンは前衛の戦力として港で待機していた。
「あーッ、リオン!久しぶりにゃー」
可愛らしい獣耳をつけ空色の髪をした女性が船から降り、リオンに話しかけた。同僚のミーニャである。
「やめろ、知り合いだと思われる」
「えー、こんな強くて可愛いいネコっ娘いにゃいぞ!」
ミーニャは決めポーズまでつけ、リオンに媚びた様子で言い寄った。
「近づくな!てか、お前は犬だろ!せめてワンにしろ!」
「どうせ耳だけじゃ分からないにゃー。というか、今さらキャラ変とか恥ずかしすぎて出来ないにゃ…」
急にどんよりとした雰囲気を出した。感情の変換に合わせて耳もピクピクと変化するようで、元々ピンと立っていた耳は下に垂れていた。
「おい、(にゃーはいいのか、!?にゃーは!?)」
そんな、リオンのツッコミを他所に、速攻で立ち直ったミーニャがある提案を持ちかける。
「そうにゃ!今回の作戦一緒に組まにゃい?」
「あ?それはいいが、ランク外が二人固まるんは他がキツくなるぞ」
ランク外とは実力が計り知れない者に与えられる称号である。ランクA以下では何人集まろうと越えることのできない壁が存在する。
「そこで私は考えました。」
急に口調を変える。
「ん?」
「最前線の一歩先でデートにゃ!」
口調はすぐに戻った。
「は!?」
「まぁ待つにゃ、ノープランという訳じゃにゃい、どうにゃ?」
ミーニャはリオンに擦り寄る。
「分かった、一緒に行ってやる。そのかわり、デートは撤回しろ」
リオンはミーニャを引き離したが、提案には賛同した。
「にゃ!?なんでにゃ?(意外とあっさり、)」
「聞くな」
『…(にゃんだかにゃ~)』
ミーニャの目にはリオンが何かを焦っている様に見えた。
ーーー
作戦開始と共に二人はリオンの魔法で半球状の形をとった万軍の眼前に飛んだ。
「にゃーーッ!」「はぁーーッ!」
二人は刃渡り数キロメートルの刀を形成して万軍を斬り裂いた。リオンの『影魔法』と、ミーニャの『毒液魔法』で出来た刃は万軍を中心クロスし四つに引き裂いく。
しかし、万軍は何事も無かったかの様に合流して元に戻った。
「にゃッ!」
ミーニャは声を上げて驚いた。しかしそれは、手応えの感じさせない万軍の反応に対しての物では無かった。斬りつけた刀が刃こぼれでボロボロになっていたのである。
「燃費悪いにゃ~」
空中に浮かんだまま『毒液魔法』を発動させて刀を修復し、刀を重そうに持ち上げる。
「にゃ!」
「そのレベルを再利用するのはお前だけだ」
リオンは既に刀を手放していた。
万軍は大砲の様に姿を変えて二人に狙いを定める。中心には大量のエネルギーが圧縮されており、今にも解き放たれようとしていた。その時、学園側から無数の魔法攻撃が無数の流星のようにして襲いかかった。中には『座標魔法』で直接送り込まれたものもあり。万軍を形成するモンスターが次々と蹂躙されていった。圧縮されたエネルギーはコントロールを失い爆発した。
「にゃいす~」
ミーニャは魔法で毒液の薄い膜を二つ作り、自身とリオンを爆風からの守った。
「これはもう終わり…か」
リオンは残党を殲滅すべく武器を生成する。その時、凄まじい風圧が二人を襲った。誰もが戦いが終わったものだと思っていた。しかし、砂埃が晴れたあとその場に居たのは先程と全く変わらない万軍の姿である。
「なッ!(嘘だろ…)」
リオンは驚愕のあまり一手遅れた。
万軍は蛇のように体を伸ばし、一瞬にしてリオンとミーニャを飲み込んだ。腹の中は『闇魔法』の霧で満ちており、一寸先は闇の状態であった。
「…クッ!」
「ミャー!」
闇魔法に触れた事によって、リオンとミーニャにそれぞれかけられた魔法の効果が消る。空中にとどまる術を失った二人は万軍の形成する地面に向けて真っ逆さまに落ちて行った。
「……」
何も見えぬ暗闇の中、二人は地面が迫っているにも関わらず静かに目を閉じた。集中力が徐々に上がっていく。地面に接するその刹那、懐から剣を取り出し目にも止まらぬ速さで切り裂いた。
その剣はモンスターを容易く切り裂き、魔法により発生した衝撃波は尚も進み続ける。そして何より、『闇魔法』の霧に晒されても霧散どころか切れ味一つ落ちなかった。何故なら、それは魔法で形成されたものでは無いく、魔剣だったからである。魔剣とは魔道具の一種である。
衝撃はによって空いた穴には霧が入って来ていないため二人は魔法を発動させて宙に浮いた。
「「フフフッ」」
おもむろに無色のコアを取り出すと柄の窪みにはめ込んだ。コアは剣に吸収されていく。その後、剣が徐々に熱を帯び始めていった。二人は衝撃波によって空いた穴の奥に落とした。
(た~まや~)
(た~まにゃ~)
これが魔剣の正しい使い方である。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
白の魔女の世界救済譚
月乃彰
ファンタジー
※当作品は「小説家になろう」と「カクヨム」にも投稿されています。
白の魔女、エスト。彼女はその六百年間、『欲望』を叶えるべく過ごしていた。
しかしある日、700年前、大陸の中央部の国々を滅ぼしたとされる黒の魔女が復活した報せを聞き、エストは自らの『欲望』のため、黒の魔女を打倒することを決意した。
そしてそんな時、ウェレール王国は異世界人の召喚を行おうとしていた。黒の魔女であれば、他者の支配など簡単ということを知らずに──。

異世界転生 剣と魔術の世界
小沢アキラ
ファンタジー
普通の高校生《水樹和也》は、登山の最中に起きた不慮の事故に巻き込まれてしまい、崖から転落してしまった。
目を覚ますと、そこは自分がいた世界とは全く異なる世界だった。
人間と獣人族が暮らす世界《人界》へ降り立ってしまった和也は、元の世界に帰るために、人界の創造主とされる《創世神》が眠る中都へ旅立つ決意をする。
全三部構成の長編異世界転生物語。

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる