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第一の神獣。死の軍勢の片鱗
39話 トウカの分身
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そこは、外生生物の形成する円筒の内側、特攻した教育トウカの分身たちは無傷で生存していた。
それは、彼らが本体であろう個体の排除を優先したからである。
「ねぇ!私たち舐められてるわよ!」
分身の一人が声を上げた。
キィ!
その声に反応して速度に特化した齧歯動物が飛びついた。
分身はあまりの速度に反応し切れず噛みつかれ、次々と群がる昆虫類や蚊食鳥などの小型モンスターに埋もれていく。その時、
ドカーーンッ!!
群がるモンスターの中心で大爆発が起きた。ボトボトとモンスターのコアが地面に落ちる。分身たちは真っ先に落ちたコアの原石を取りに行く。
モンスターたちは警戒し、円筒の形から半球状に形を変えて分身に近づかず遠距離から魔法による攻撃を始めた。魔法も数が多いだけに多様であり、単純な電撃の『雷魔法』もあれば、ムチを模した『炎魔法』、高圧で発射し対象を切断する『水魔法』などある。
分身の内の数人は魔法を受け、負傷してしまう者もいた。
かすり傷を負った者はそのまま走り、足手纏いになるほどの怪我を負った者は立ち止まり一つでも多くの魔法をその身に受ける。致命傷を負い立つことすらできない者は地に伏しじっと時を待つ。無残にも即死してしまった者の体は何も残さず霧散した。
「ねぇ、統率個体いると思う?」
「居ないんじゃないかしら」
「どうする?私たちの自爆も焼け石に水よ?」
「いまさらだけど、万軍ってモンスター全般の群れなのね」
「ねぇ見て!あそこで粘体動物が分裂してるわ」
爆心地にたどり着いた分身が次々にコアを拾い上げる。
「これは、学園の方で集中砲火してもらったほうがいいんじゃない?」
「忘れたの?元々そうだったのよ」
「私たちがパンゲアに来たのは偵察と足止のはずよ。学園に向かってなければ戦う必要もないわ。」
「じゃあ、何で今私たち戦ってるの?」
「あっ!リオンに飛ばされたのよ!」
その時、分身たちはどよめき騒つく。
「絶対、生きて帰るわよ!」
「誰か一人だけでも生きて本体にこの情報を伝えるのよ!」
(必ず、あの愚弟に鉄槌を下してやる!)
更なる目的を得た彼女らの手際は素早かった。手元のコアをかろうじて息のある負傷者に投げた。そして、爆発音を背にモンスターの壁に向かって走り出した。
モンスターらは腹の中の獲物を
逃さまいと魔法などで攻撃を仕掛け食い止めようとしてくる。
分身は一本の矢のような陣形を組んで走った。先頭を走るのは『空間魔法』持つ分身である。『空間魔法』は指定した空間内を掛け合わせて発動させた別の魔法の影響下に置く補助魔法だが、生物が例外なく持つ魔法への抵抗を利用し応用することで生物のシルエットを感覚で捉えることが出来る。『炎魔法』で形成された長めのナイフを二本持ち魔法や特攻するモンスターを叩き落とす。その背後では『炎魔法』のコアを持った個体が武具をと『水魔法』のコアを持った個体が防具を作成していた。最後尾には優先的に装備が支給される。それは、定期的に背後から追撃してくるモンスターたちに対しての殿となるためである。うしろからの時間が経つほど装備の支給が行き渡りモンスターの壁に近づく頃には残る四十名ほど全員が完全武装となっていた。そこで『炎魔法』と『水魔法』を発動させていた二人が膝を着いて立ち止まった。
「もう限界ね」
二人はコアを他の分身に託し先程拾っていたコアを二人で握った。二人の体はコアに吸い込まれるように消えていき、少し経ってから、
ドカン!
と、爆発した。規模は初手ほどのものでは無かったが最後の殿としての役割を果たした。
ガラッ、ガラッ、
進む先の地面が少し盛り上がる。
それを見て先頭を走っていた分身が後続に武器とコアを託し、こちらもコアの原石に吸い込まれていった。後続でコアを受け取った分身は原石を一緒に拾い上げ壁に向かって投げた。
ドカーンッ!
そのコアは突然光だしひび割れ終いには壁と地面を巻き込んで爆発した。モンスターがひしめき合う壁には穴が開き光が差し込んできた。
脱出に手が差し掛かった瞬間、天井を形作っていた。モンスターたちが覆いかぶさるように落下してきた。
ドカーーーーーンッ!!
遠目からでもわかるような巨大な爆発が万軍を襲った。
それは、彼らが本体であろう個体の排除を優先したからである。
「ねぇ!私たち舐められてるわよ!」
分身の一人が声を上げた。
キィ!
その声に反応して速度に特化した齧歯動物が飛びついた。
分身はあまりの速度に反応し切れず噛みつかれ、次々と群がる昆虫類や蚊食鳥などの小型モンスターに埋もれていく。その時、
ドカーーンッ!!
群がるモンスターの中心で大爆発が起きた。ボトボトとモンスターのコアが地面に落ちる。分身たちは真っ先に落ちたコアの原石を取りに行く。
モンスターたちは警戒し、円筒の形から半球状に形を変えて分身に近づかず遠距離から魔法による攻撃を始めた。魔法も数が多いだけに多様であり、単純な電撃の『雷魔法』もあれば、ムチを模した『炎魔法』、高圧で発射し対象を切断する『水魔法』などある。
分身の内の数人は魔法を受け、負傷してしまう者もいた。
かすり傷を負った者はそのまま走り、足手纏いになるほどの怪我を負った者は立ち止まり一つでも多くの魔法をその身に受ける。致命傷を負い立つことすらできない者は地に伏しじっと時を待つ。無残にも即死してしまった者の体は何も残さず霧散した。
「ねぇ、統率個体いると思う?」
「居ないんじゃないかしら」
「どうする?私たちの自爆も焼け石に水よ?」
「いまさらだけど、万軍ってモンスター全般の群れなのね」
「ねぇ見て!あそこで粘体動物が分裂してるわ」
爆心地にたどり着いた分身が次々にコアを拾い上げる。
「これは、学園の方で集中砲火してもらったほうがいいんじゃない?」
「忘れたの?元々そうだったのよ」
「私たちがパンゲアに来たのは偵察と足止のはずよ。学園に向かってなければ戦う必要もないわ。」
「じゃあ、何で今私たち戦ってるの?」
「あっ!リオンに飛ばされたのよ!」
その時、分身たちはどよめき騒つく。
「絶対、生きて帰るわよ!」
「誰か一人だけでも生きて本体にこの情報を伝えるのよ!」
(必ず、あの愚弟に鉄槌を下してやる!)
更なる目的を得た彼女らの手際は素早かった。手元のコアをかろうじて息のある負傷者に投げた。そして、爆発音を背にモンスターの壁に向かって走り出した。
モンスターらは腹の中の獲物を
逃さまいと魔法などで攻撃を仕掛け食い止めようとしてくる。
分身は一本の矢のような陣形を組んで走った。先頭を走るのは『空間魔法』持つ分身である。『空間魔法』は指定した空間内を掛け合わせて発動させた別の魔法の影響下に置く補助魔法だが、生物が例外なく持つ魔法への抵抗を利用し応用することで生物のシルエットを感覚で捉えることが出来る。『炎魔法』で形成された長めのナイフを二本持ち魔法や特攻するモンスターを叩き落とす。その背後では『炎魔法』のコアを持った個体が武具をと『水魔法』のコアを持った個体が防具を作成していた。最後尾には優先的に装備が支給される。それは、定期的に背後から追撃してくるモンスターたちに対しての殿となるためである。うしろからの時間が経つほど装備の支給が行き渡りモンスターの壁に近づく頃には残る四十名ほど全員が完全武装となっていた。そこで『炎魔法』と『水魔法』を発動させていた二人が膝を着いて立ち止まった。
「もう限界ね」
二人はコアを他の分身に託し先程拾っていたコアを二人で握った。二人の体はコアに吸い込まれるように消えていき、少し経ってから、
ドカン!
と、爆発した。規模は初手ほどのものでは無かったが最後の殿としての役割を果たした。
ガラッ、ガラッ、
進む先の地面が少し盛り上がる。
それを見て先頭を走っていた分身が後続に武器とコアを託し、こちらもコアの原石に吸い込まれていった。後続でコアを受け取った分身は原石を一緒に拾い上げ壁に向かって投げた。
ドカーンッ!
そのコアは突然光だしひび割れ終いには壁と地面を巻き込んで爆発した。モンスターがひしめき合う壁には穴が開き光が差し込んできた。
脱出に手が差し掛かった瞬間、天井を形作っていた。モンスターたちが覆いかぶさるように落下してきた。
ドカーーーーーンッ!!
遠目からでもわかるような巨大な爆発が万軍を襲った。
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