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一年四組、施設巡り モンスター牧場
35話 牧場産モンスターの脅威
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牧場内に入るとそこには、青々と背の高い草の茂った草原が辺り一面に広がっていた。
事前に配られていた最新の地図には、森林地帯、空洞地帯、湿地帯、湖、などの地形も存在しているはずなのだが山岳地帯以外の地域を確認できない。それほどまでに広大な草原が広がっている。
リュート達は時間短縮のために魔動路(マナ自動動路)を利用した。意外なことに、モンスターが闊歩する牧場内もにそれは引かれていた。流石に安全性を考慮してか、一般的なガラス張りではなく、地下に本線を通した地下路となっている。それが一番安全なのだから外を見たいなどの贅沢は言ってられない。
「なぁ、お前ら、アレどう言う意味だか分かったか?」
移動中、唐突にレンが口を開いた。
「油断するな、と言う意味でありんしょう?」
コユメが言葉を返す。
「それにしては言葉に重みがあったと思う。油断しない方がいい」
リュートが自分の意見を伝える。
「私は今そんなことを考えても意味ないと思うのです。戦ってから考えても遅くないのです」
「……そうか、」
モンスターの力とコアの質は千差万別であり、その関係は比例の形をとっている。さらに、同じ威力の魔法を使うモンスターであっても戦闘に慣れ戦略に優れた個体から得た物の方が質の高いものとなっている。仕組みは分かっていないものの、統計として明らかで正しいものとなっている。
学園産の魔道具、コアの質の高さは周知の事実であり、質の高さとモンスターの能力の関係性もまた周知の事実知らない者はいない。そのため、この会話もその事を前提に話されている。
しかし、レンは漠然とした不安を抱えていた。根拠はある。しかし弱い、もしかしたらと言う程度である。が、自身の経験が言っている、ここのモンスターたちの格は全くの別次元である事を。
彼の戦闘方法は簡易魔動人形を状況に応じ制作し、共に戦闘を行うと言うものであった。そのため、コアの質とモンスターの力の関係性を人一倍の知識と感覚を有していた。その為に、その考えを否定できない。むしろ後押しすらする。
(まぁ、学園内で命に関わることはないだろうが、)
ーーー死ぬぞ……
レンの頭に教員リオンの言葉が頭を過る。
(まさかな…)
考えれば考えるほど不安になっていく。
ウィーーン
リュート達の立っていた魔動路の地面が本線と分離した。
「お前ら、俺様の後ろについて来い。油断するなよ、ウサギを狩る獅子のつもりでモンスター共を相手にする。いいな!?」
レンは少しでも安心しようと警告の意味を込めてチームメイトに声がけをした。
彼らが訪れたのは横幅5メートル程の空洞地帯、目的は一般的に体長30センチになる齧歯動物である。他二つの依頼に対して難易度が低く簡単なところから攻め落とそうと言う魂胆であった。
陣形はレンが先頭、そののちにコユメ、リョウカ、リュートの順である。
「…ッ!」
レンが立ち止まった。
「「…ッ!」」
レンの目線の先を見て3人も気付く。目の前の岩陰に直径30センチ程の穴が開いていた。
「少しデカいが、中に入った跡がある。作戦どおりにいくぞ、」
レンの指示の元、リュートが『岩魔法』で巣穴の入り口を塞いだ。
「あったのです。」
リョウカは『植物魔法』で作り出した根で他の巣穴を探った。
「分かった、そっち行くね」
リュートは見つかった巣穴を塞ぎに向かう。
「上の方には無いでありんす」
高い場所の巣穴を探索していたコユメが言った。
塞いでいない巣穴の出入口は残り一つとなった。
「俺様の出番はなかったか、」
鉢合わせなどの緊急事態に対応するために待機していたレンは待ちぼうけをくらっていた。
コユメの耳がピクリと動いた。
「リュートさん!そこ離れなんし!」
最後の一つを塞ごうとするリュートにコユメが叫び扇子を振った。
「?…ッ!」
キィ!キィ!キィ!キィ!キィ!キィ!……
リュートのが塞ごうとしていた穴から齧歯動物が大量に飛び出してきた。
「イッ!」
コユメの花びらはがリュートを庇う形でモンスターとリュートの間に入り、モンスターを攻撃した。しかし、勢あまってリュートの腕を掠めてしまった。
「申し訳ありんせん」
「うんん、助かったよ。ありがとう」
リュートは右手にショーテル、左手に丸盾を形成した。
「怪我してないか!?」
レンがモンスターに向かってゴーレムナイフを三体投げた。
「大丈夫、掠っただけだよ」
飛び出した齧歯動物はちょうど6匹。しかし、それよりも目を見張るのはその大きさである。見慣れたそれより二回りほど大きく体長60センチほどあった。
(お、大きい…)
「大丈夫!見た目ほど強く無い。30センチ個体の1.3倍くらいの強さだよ。力が強いけど頭が悪い」
「お前の目はそんなことまで分かるのか!?良い働きだ!」
ナイフゴーレムがまた三体追加された。壁に刺さっていた初めの三体が一人でに浮遊し、モンスターへの攻撃を始めた。
キィー!
コユメの攻撃によって重症を負っていた個体がレンのゴーレムに貫かれた。
キィ、キィ、キィキィ、キィー、キィ、
モンスターがものうるさく鳴き始めた。
「リュート!お前は入り口側を塞げ!」
レンは『鋼魔法』で空洞の奥側を塞いだ。
「分かった」
リュートもレンと同じように『岩魔法』で入り口側を塞いだ。
キィ?キィ、キィキィ、キィ、
援軍の望めないこの状況であってもモンスター達は鳴き続けた。
キィ!
順調に戦いが進みもう1体を倒した頃、モンスターの一体がゴーレムの攻撃を躱した。それは完全に死角であり本来なら当たっていたものであった。
そして、徐々に戦闘の毛色が変化してきた。
コユメの攻撃が当たらなくなってきた。
レンのゴーレム制作が邪魔され始めた。
リョウカの根に近づかなくなった。
リュートに砂をかけ始めた。
「ねぇ、分かってると思うけど、」
「あぁ、俺様との戦いで成長…いや学んでいる。コイツらは元々頭はよかったらしい。ただ、戦い慣れていなかっただけって事か」
モンスターが反撃を始めた。
事前に配られていた最新の地図には、森林地帯、空洞地帯、湿地帯、湖、などの地形も存在しているはずなのだが山岳地帯以外の地域を確認できない。それほどまでに広大な草原が広がっている。
リュート達は時間短縮のために魔動路(マナ自動動路)を利用した。意外なことに、モンスターが闊歩する牧場内もにそれは引かれていた。流石に安全性を考慮してか、一般的なガラス張りではなく、地下に本線を通した地下路となっている。それが一番安全なのだから外を見たいなどの贅沢は言ってられない。
「なぁ、お前ら、アレどう言う意味だか分かったか?」
移動中、唐突にレンが口を開いた。
「油断するな、と言う意味でありんしょう?」
コユメが言葉を返す。
「それにしては言葉に重みがあったと思う。油断しない方がいい」
リュートが自分の意見を伝える。
「私は今そんなことを考えても意味ないと思うのです。戦ってから考えても遅くないのです」
「……そうか、」
モンスターの力とコアの質は千差万別であり、その関係は比例の形をとっている。さらに、同じ威力の魔法を使うモンスターであっても戦闘に慣れ戦略に優れた個体から得た物の方が質の高いものとなっている。仕組みは分かっていないものの、統計として明らかで正しいものとなっている。
学園産の魔道具、コアの質の高さは周知の事実であり、質の高さとモンスターの能力の関係性もまた周知の事実知らない者はいない。そのため、この会話もその事を前提に話されている。
しかし、レンは漠然とした不安を抱えていた。根拠はある。しかし弱い、もしかしたらと言う程度である。が、自身の経験が言っている、ここのモンスターたちの格は全くの別次元である事を。
彼の戦闘方法は簡易魔動人形を状況に応じ制作し、共に戦闘を行うと言うものであった。そのため、コアの質とモンスターの力の関係性を人一倍の知識と感覚を有していた。その為に、その考えを否定できない。むしろ後押しすらする。
(まぁ、学園内で命に関わることはないだろうが、)
ーーー死ぬぞ……
レンの頭に教員リオンの言葉が頭を過る。
(まさかな…)
考えれば考えるほど不安になっていく。
ウィーーン
リュート達の立っていた魔動路の地面が本線と分離した。
「お前ら、俺様の後ろについて来い。油断するなよ、ウサギを狩る獅子のつもりでモンスター共を相手にする。いいな!?」
レンは少しでも安心しようと警告の意味を込めてチームメイトに声がけをした。
彼らが訪れたのは横幅5メートル程の空洞地帯、目的は一般的に体長30センチになる齧歯動物である。他二つの依頼に対して難易度が低く簡単なところから攻め落とそうと言う魂胆であった。
陣形はレンが先頭、そののちにコユメ、リョウカ、リュートの順である。
「…ッ!」
レンが立ち止まった。
「「…ッ!」」
レンの目線の先を見て3人も気付く。目の前の岩陰に直径30センチ程の穴が開いていた。
「少しデカいが、中に入った跡がある。作戦どおりにいくぞ、」
レンの指示の元、リュートが『岩魔法』で巣穴の入り口を塞いだ。
「あったのです。」
リョウカは『植物魔法』で作り出した根で他の巣穴を探った。
「分かった、そっち行くね」
リュートは見つかった巣穴を塞ぎに向かう。
「上の方には無いでありんす」
高い場所の巣穴を探索していたコユメが言った。
塞いでいない巣穴の出入口は残り一つとなった。
「俺様の出番はなかったか、」
鉢合わせなどの緊急事態に対応するために待機していたレンは待ちぼうけをくらっていた。
コユメの耳がピクリと動いた。
「リュートさん!そこ離れなんし!」
最後の一つを塞ごうとするリュートにコユメが叫び扇子を振った。
「?…ッ!」
キィ!キィ!キィ!キィ!キィ!キィ!……
リュートのが塞ごうとしていた穴から齧歯動物が大量に飛び出してきた。
「イッ!」
コユメの花びらはがリュートを庇う形でモンスターとリュートの間に入り、モンスターを攻撃した。しかし、勢あまってリュートの腕を掠めてしまった。
「申し訳ありんせん」
「うんん、助かったよ。ありがとう」
リュートは右手にショーテル、左手に丸盾を形成した。
「怪我してないか!?」
レンがモンスターに向かってゴーレムナイフを三体投げた。
「大丈夫、掠っただけだよ」
飛び出した齧歯動物はちょうど6匹。しかし、それよりも目を見張るのはその大きさである。見慣れたそれより二回りほど大きく体長60センチほどあった。
(お、大きい…)
「大丈夫!見た目ほど強く無い。30センチ個体の1.3倍くらいの強さだよ。力が強いけど頭が悪い」
「お前の目はそんなことまで分かるのか!?良い働きだ!」
ナイフゴーレムがまた三体追加された。壁に刺さっていた初めの三体が一人でに浮遊し、モンスターへの攻撃を始めた。
キィー!
コユメの攻撃によって重症を負っていた個体がレンのゴーレムに貫かれた。
キィ、キィ、キィキィ、キィー、キィ、
モンスターがものうるさく鳴き始めた。
「リュート!お前は入り口側を塞げ!」
レンは『鋼魔法』で空洞の奥側を塞いだ。
「分かった」
リュートもレンと同じように『岩魔法』で入り口側を塞いだ。
キィ?キィ、キィキィ、キィ、
援軍の望めないこの状況であってもモンスター達は鳴き続けた。
キィ!
順調に戦いが進みもう1体を倒した頃、モンスターの一体がゴーレムの攻撃を躱した。それは完全に死角であり本来なら当たっていたものであった。
そして、徐々に戦闘の毛色が変化してきた。
コユメの攻撃が当たらなくなってきた。
レンのゴーレム制作が邪魔され始めた。
リョウカの根に近づかなくなった。
リュートに砂をかけ始めた。
「ねぇ、分かってると思うけど、」
「あぁ、俺様との戦いで成長…いや学んでいる。コイツらは元々頭はよかったらしい。ただ、戦い慣れていなかっただけって事か」
モンスターが反撃を始めた。
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