モンスターコア

ざっくん

文字の大きさ
上 下
22 / 94
受験戦争

15話 カイトvsクイナ 観戦.1 1/21手直ししました。

しおりを挟む
 観戦席にて
 アヤメは試合開始前からコートを睨みつける

「さぁ、暴いてやるわよ!あっ、リュート、ネタバレは無しね。」

 試合の始まる直前にサリアが意気揚々と言った。

「さっきは知りたがってたのに?」

「ここまできたら自分で暴きたいじゃない!」

「そなた達は何の話しをしてるのだ?」

 カリスが興味本位で聞いた。

「そういえば、さっき居なかったね。カイトが『面白いもん見せてやる』って言ったから、サリアがそれを暴こうとしてるんだよ」

リュートがことの成り行きを簡単に説明する。

「それは、面白そうだ。私も考えみよう」

 カリスがそう言って試合に目を向ける。

「私も参加させてもらってもよろしいですか?」

ニナが聞く。

「もちろん、良いよ」

 ニナが体をコートを向けた時、コアが声を上げた。

「ご主人!教えるのじゃ。答え合わせがしたい!」

「分かったの?」

 リュートは優しく聞き返す。

「完璧じゃ!早く答え合わせをするのじゃ!」

「コアまずは答えを言ってみて?」

 試合は『加速魔法』を互いに使用してカイトがカウンターするところまでしか進んでおらず。現状では「面白いもの」の一端すら出て来ていないので、わかるはずがないとリュートはたかを括っていた。

「主人、早くわしを耳元まで持ち上げるのじゃ。空手じゃろ、空手、あの動きは空手じゃ!」

 コアがリュート耳元で他に聞こえない様に言った。

「う~ん、惜しい!残念だけど違うよ。」

「何処が違ったのじゃ?」

「ヒントになっちゃうから言わない。でもすごいねそんなマイナーなのよく知ってるね。わざわざ調べないと出てこない武術なのに」

「あの動きが前見た空手使いを名乗る男にそっくりじゃった」

「戦ったの?」

「見てただけじゃ。趣味の人間観察の一環でのぞかせてもらったのじや」

「戦ったとかじゃないんだ」

「フフッ、わしを相手できる者はそう居ない。それこそ人間をやめたような奴でないと。じゃが、人間の中でも強者の部類じゃった…と思う」

 コアが不安になりながら言った。

「なんか歯切り悪くない?」

「いや…途中で飽きて見るのやめたのじゃ」

「ふ~ん、そう…まぁ、惜しかったけど違ったから。他の考えてみて」

「して、どのあたりが惜しかったのじゃ?」

「言わない。」

「う~ん、」

 コアが唸りを上げ再び試合を眺め始める。
 サリア、カリス、ニナの3人は協力して面白いもの考察ことにあたっていた。

「今、使用しているのは加速魔法と水魔法ですね」

「今度は、壁魔法を使って足場にしたわ」

「今のところ、カイト殿の魔法は水魔法、加速魔法、壁魔法の三つ、この魔法を掛け合わせても何も出来そうにないな。となると、残り二つがキーになる…か」

 ニナとサリアの意見をカリスがカリスがまとめる。その後も魔法についての議論は続くが、核心的な進展は望めなかった。

「あっ、そういえば、さっきコアが『惜しい』って言われてたわね」

サリアはそう呟くと、

「ねぇコア、なんで答えたの?」

 と、コアに声をかけてた。

「わしが敵に塩を贈るわけ無いじゃろう」

「ふーん、それもそうね(ん、敵?)」

 サリアがコアの言葉に違和感を覚える。

(勝負なんでしてたっけ?)

 確認のために辺りを見回す。サリアはそこで、信じ難い光景を目の当たりにする。
 一言も喋らないコア。事務的に議論を重ねるカリスとニナ。そして何より、サリアが気圧されるほどの形相で試合を睨み続けるアヤメがいた。

(もしかして、みんな本気なの?まっ、まずい!)

 サリアは今までの遅れを取り戻すべく食い入るように試合に目を向けてた。
 するとちょうど、試合でカイトが攻撃を仕掛けたクイナを投げた。

(何アレ!?魔法?いや、押したのはカイトだけど、相手が自ら投げ飛ばされに行ったようにも見えた…。幻覚魔法?重力魔法?ううん、違うそんな素振りは無かった)

 サリアが必死に考えていると、隣でニナが

「体術…」

 と、呟いた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

白の魔女の世界救済譚

月乃彰
ファンタジー
 ※当作品は「小説家になろう」と「カクヨム」にも投稿されています。  白の魔女、エスト。彼女はその六百年間、『欲望』を叶えるべく過ごしていた。  しかしある日、700年前、大陸の中央部の国々を滅ぼしたとされる黒の魔女が復活した報せを聞き、エストは自らの『欲望』のため、黒の魔女を打倒することを決意した。  そしてそんな時、ウェレール王国は異世界人の召喚を行おうとしていた。黒の魔女であれば、他者の支配など簡単ということを知らずに──。

異世界転生 剣と魔術の世界

小沢アキラ
ファンタジー
 普通の高校生《水樹和也》は、登山の最中に起きた不慮の事故に巻き込まれてしまい、崖から転落してしまった。  目を覚ますと、そこは自分がいた世界とは全く異なる世界だった。  人間と獣人族が暮らす世界《人界》へ降り立ってしまった和也は、元の世界に帰るために、人界の創造主とされる《創世神》が眠る中都へ旅立つ決意をする。  全三部構成の長編異世界転生物語。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...