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受験戦争
9話 ニナvsサイカ
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他に邪魔する者のいないコート内、二人の女が睨み合っていた。
「それでは、始めてください!」
アナウンスにより試合が始まった。
合図の直後ニナとサイカは同時に動く。ニナは『氷魔法』で氷の矢と和弓を、サイカは『雷魔法』で頭サイズの球体と、小楯を二つずつ形成した。
サイカは『念力魔法』で球体を浮かべる。そして、盾と球体を正面に向け守りを固め、待ち受けるニナに向かって走り出した。
対するニナは弓を構えたまま『縮地魔法』を発動する。一瞬前に出てすぐさま元の場所に戻った。そして『氷魔法』と『射出魔法』を用いて鋭く小さな氷の粒を生成し、マシンガンの如く射出、弾幕で牽制しながらジグザグと交代していくた。一見無駄の多いように見えるその行動にも意味があった。彼女の通った軌跡には『付与魔法』と『衝撃魔法』によって仕掛けられた地雷がびっしりと敷き詰められていた。
しかし、サイカはそれを踏むことはなかった。彼女は試合開始から『魔視魔法』を発動させていた。それによって、マナ自体を可視化し地雷を避けていた。さらに、小楯と球体を器用に使い分けて氷の礫を砕きながらニナに迫る。
ニナは向かってくるサイカに対してついに矢を引き構えた。弓は氷とは思えないほどに反った。
『氷魔法』や『炎魔法』などの生成魔法はその名称の物質の様な物を生み出し操ることができる。ここで重要なのは「様な物」であり生み出しているのはマナが変質した物質である。そのため、生成された氷によく似たそれはマナ操作で、硬度、軟性、弾性などの性質に融通が効く。よって、生成魔法によって作り出される弓と矢は、よくしなる弓や弦、本物の様に柔らかい羽が使用される。
ニナはじっくりと狙いを定め満を辞して鋭く尖った矢を穿った。
それを躱せないことを悟ったサイカは『雷魔法』の球体二つと小楯を使いガードする。氷の矢は球体を二つ貫通し、小楯に当たり砕けた。破壊された球体と矢の破片は霧散してマナに戻る。盾を二つ失い防御力の落ちたサイカの足に氷の礫が複数直撃する。
「イッ…!」
氷が直撃した足は魔道具の障壁が防ぎ外傷はない。それでも、しっかりと痛みがある。サイカは新しく、球体を二つ作り出しニナに迫った。
「あなた家の乗っ取りでも考えているのですか?」
サイカが向かってくる氷を砕きながらニナに近づく。
「何のことでございますか?」
ニナが先程と同じように矢を放った。
「主人を無能に仕立て上げて操つるつもりですよね情報操作なんてことまでして!見てて気分悪いのでやめてください!」
矢を受けるのが2度目と言うこともあり小楯で矢を斜めに受けて大きく踏み込んだ。そして、小楯を手斧に変えてニナに襲いかかっる。
「そんなことありません!私はぼっちゃま一筋でございます!」
ニナは『縮地』を発動させて一歩後ろに下がり、弓を構えた。
「キャ!」
サイカが吹き飛ぶ。直前にニナの仕掛けた地雷を踏んでしまったのだ。すぐさま体勢を立て直そうとする。
だが、ニナが見逃す訳もなくそこ目掛けてが『射出魔法』を組み合わせた今までよりも強力な矢を放った。しかも矢尻にも仕掛けを施しており、平に形成した矢尻には『付与魔法』により『衝撃魔法』が込められている。そして、それは衝撃を受けたと同時に魔法が発動する仕組みになっている。超威力の矢まともに受ければ障壁の破壊で決着がつく。万が一耐えられたとしても場外勝ちを狙える狙いすました正確な一撃、外す事などあり得ない。
しかし、ある一線を超えてから矢の軌道が異常に下に傾き落ち地面に刺さった。地面で衝撃が分散され、周囲に土埃が舞った。
サイカは体勢を崩し矢を躱せない状況下にあった。だが、『魔視魔法』により矢が特別であり、安易にガードしてはいけないものである事に気付いていた。故に防ぐのでなく躱すと言う選択肢をとることになる。ここでサイカは『重力魔法』を使用した。それにより、魔法効果であるサイカの周囲1メートルほどで下方向の重力が瞬間的に増し矢の軌道を逸らすことに成功した。
「クッ…!」
直撃を免れたサイカであったが矢の威力は凄まじく余波による衝撃を受ける。
ニナは怯むサイカの隙をついて一気に距離を広げる。
それを追いかけるようにサイカが手斧を小楯に変え、球体を浮かべる。そして、始めのようにニナに迫った。しかし、今回は掠る程度の攻撃は無視し、できる限り短期での決戦を仕掛ける。新たに追加された『衝撃魔法』が付与された矢や礫は『魔視魔法』で判別して難無く躱しす。そして、サイカは再びニナを捉えた。
「そもそも、名前で呼ぶように言われていませんでしたか⁉︎そんなに恥ずかしんですか!?そんなわけ無いですよね!」
サイカが盾を手斧に変形させて切りかかる。
「ナッ…⁉︎そんな事あるはずがございません!何を根拠にそんな事言っているのですか⁉︎」
ニナは『縮地魔法』で斧を回避した後、明らかに動揺した様子で矢を放った。
「ハァ⁉︎何ですかその反応⁉︎私どう反応すればいいんですか!?」
サイカは再び近づくと『縮地魔法』の移動範囲を巨大なハンマーで薙ぎ払った。
「コホン、盗み聞きは趣味が悪いですよ」
ニナは氷の柱を横に作って勢い付く前のハンマーをガードした。
「たまたまです」
サイカはハンマーから手を離すと『発勁』を発動させて手のひらをつき出した。『発勁』とは『衝撃魔法』の派生した魔法である。魔法効果を手のみにに限定する事で魔法効果を大幅をに上げた魔法である。サイカの手が触れるとニナが衝撃波と共に吹き飛んだ。
「場外!試合終了!」
サイカは決着が着くとすぐさまサイカがニナの元に近づき、
「カリスさんのこと好きなんですか?」
と耳元で聞いた。
「………違います。」
ーーーーーー
その頃待機組は…
フリースペースでトランプを嗜んでいた。
「そなた凄いぞ!全く勝てる気がしない」
カリスが椅子にもたれ掛かる。
ダンッ!
「アーーーッ!どうしてスピードだけ何回やっても勝てないのよ⁉︎」
サリアが顔を真っ赤にしてカードを机に叩きつける。
「さぁ、どうしてだろうな。もう一回やるか?」
カイトが聞く。
「当たり前よ!私がシャッフルするわ!」
サリアがトランプを手に取る。
「それでは、始めてください!」
アナウンスにより試合が始まった。
合図の直後ニナとサイカは同時に動く。ニナは『氷魔法』で氷の矢と和弓を、サイカは『雷魔法』で頭サイズの球体と、小楯を二つずつ形成した。
サイカは『念力魔法』で球体を浮かべる。そして、盾と球体を正面に向け守りを固め、待ち受けるニナに向かって走り出した。
対するニナは弓を構えたまま『縮地魔法』を発動する。一瞬前に出てすぐさま元の場所に戻った。そして『氷魔法』と『射出魔法』を用いて鋭く小さな氷の粒を生成し、マシンガンの如く射出、弾幕で牽制しながらジグザグと交代していくた。一見無駄の多いように見えるその行動にも意味があった。彼女の通った軌跡には『付与魔法』と『衝撃魔法』によって仕掛けられた地雷がびっしりと敷き詰められていた。
しかし、サイカはそれを踏むことはなかった。彼女は試合開始から『魔視魔法』を発動させていた。それによって、マナ自体を可視化し地雷を避けていた。さらに、小楯と球体を器用に使い分けて氷の礫を砕きながらニナに迫る。
ニナは向かってくるサイカに対してついに矢を引き構えた。弓は氷とは思えないほどに反った。
『氷魔法』や『炎魔法』などの生成魔法はその名称の物質の様な物を生み出し操ることができる。ここで重要なのは「様な物」であり生み出しているのはマナが変質した物質である。そのため、生成された氷によく似たそれはマナ操作で、硬度、軟性、弾性などの性質に融通が効く。よって、生成魔法によって作り出される弓と矢は、よくしなる弓や弦、本物の様に柔らかい羽が使用される。
ニナはじっくりと狙いを定め満を辞して鋭く尖った矢を穿った。
それを躱せないことを悟ったサイカは『雷魔法』の球体二つと小楯を使いガードする。氷の矢は球体を二つ貫通し、小楯に当たり砕けた。破壊された球体と矢の破片は霧散してマナに戻る。盾を二つ失い防御力の落ちたサイカの足に氷の礫が複数直撃する。
「イッ…!」
氷が直撃した足は魔道具の障壁が防ぎ外傷はない。それでも、しっかりと痛みがある。サイカは新しく、球体を二つ作り出しニナに迫った。
「あなた家の乗っ取りでも考えているのですか?」
サイカが向かってくる氷を砕きながらニナに近づく。
「何のことでございますか?」
ニナが先程と同じように矢を放った。
「主人を無能に仕立て上げて操つるつもりですよね情報操作なんてことまでして!見てて気分悪いのでやめてください!」
矢を受けるのが2度目と言うこともあり小楯で矢を斜めに受けて大きく踏み込んだ。そして、小楯を手斧に変えてニナに襲いかかっる。
「そんなことありません!私はぼっちゃま一筋でございます!」
ニナは『縮地』を発動させて一歩後ろに下がり、弓を構えた。
「キャ!」
サイカが吹き飛ぶ。直前にニナの仕掛けた地雷を踏んでしまったのだ。すぐさま体勢を立て直そうとする。
だが、ニナが見逃す訳もなくそこ目掛けてが『射出魔法』を組み合わせた今までよりも強力な矢を放った。しかも矢尻にも仕掛けを施しており、平に形成した矢尻には『付与魔法』により『衝撃魔法』が込められている。そして、それは衝撃を受けたと同時に魔法が発動する仕組みになっている。超威力の矢まともに受ければ障壁の破壊で決着がつく。万が一耐えられたとしても場外勝ちを狙える狙いすました正確な一撃、外す事などあり得ない。
しかし、ある一線を超えてから矢の軌道が異常に下に傾き落ち地面に刺さった。地面で衝撃が分散され、周囲に土埃が舞った。
サイカは体勢を崩し矢を躱せない状況下にあった。だが、『魔視魔法』により矢が特別であり、安易にガードしてはいけないものである事に気付いていた。故に防ぐのでなく躱すと言う選択肢をとることになる。ここでサイカは『重力魔法』を使用した。それにより、魔法効果であるサイカの周囲1メートルほどで下方向の重力が瞬間的に増し矢の軌道を逸らすことに成功した。
「クッ…!」
直撃を免れたサイカであったが矢の威力は凄まじく余波による衝撃を受ける。
ニナは怯むサイカの隙をついて一気に距離を広げる。
それを追いかけるようにサイカが手斧を小楯に変え、球体を浮かべる。そして、始めのようにニナに迫った。しかし、今回は掠る程度の攻撃は無視し、できる限り短期での決戦を仕掛ける。新たに追加された『衝撃魔法』が付与された矢や礫は『魔視魔法』で判別して難無く躱しす。そして、サイカは再びニナを捉えた。
「そもそも、名前で呼ぶように言われていませんでしたか⁉︎そんなに恥ずかしんですか!?そんなわけ無いですよね!」
サイカが盾を手斧に変形させて切りかかる。
「ナッ…⁉︎そんな事あるはずがございません!何を根拠にそんな事言っているのですか⁉︎」
ニナは『縮地魔法』で斧を回避した後、明らかに動揺した様子で矢を放った。
「ハァ⁉︎何ですかその反応⁉︎私どう反応すればいいんですか!?」
サイカは再び近づくと『縮地魔法』の移動範囲を巨大なハンマーで薙ぎ払った。
「コホン、盗み聞きは趣味が悪いですよ」
ニナは氷の柱を横に作って勢い付く前のハンマーをガードした。
「たまたまです」
サイカはハンマーから手を離すと『発勁』を発動させて手のひらをつき出した。『発勁』とは『衝撃魔法』の派生した魔法である。魔法効果を手のみにに限定する事で魔法効果を大幅をに上げた魔法である。サイカの手が触れるとニナが衝撃波と共に吹き飛んだ。
「場外!試合終了!」
サイカは決着が着くとすぐさまサイカがニナの元に近づき、
「カリスさんのこと好きなんですか?」
と耳元で聞いた。
「………違います。」
ーーーーーー
その頃待機組は…
フリースペースでトランプを嗜んでいた。
「そなた凄いぞ!全く勝てる気がしない」
カリスが椅子にもたれ掛かる。
ダンッ!
「アーーーッ!どうしてスピードだけ何回やっても勝てないのよ⁉︎」
サリアが顔を真っ赤にしてカードを机に叩きつける。
「さぁ、どうしてだろうな。もう一回やるか?」
カイトが聞く。
「当たり前よ!私がシャッフルするわ!」
サリアがトランプを手に取る。
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