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プロローグ
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真っ暗な空間。黒い光沢放つ漆黒の巨大な牛が咆哮する。
「ふざけるなッ!」
黒牛はその見た目からは想像の出来ない幼い女子の声を発した。
「「その声で話すなッー!!」」
全く同じ容姿をした女性集団が裸ナイフで特攻する。彼女らは黒牛の魔法やブレスを華麗な身のこなしで躱す。さらに、躱しきれないと判断すれば仲間を投げ飛ばして多数を生かす判断をした
「…ッ!このッ!」
グサッ、グサッグサッ、
密度の高い弾幕を掻い潜った数名の女性が黒牛の背中に取り付き黒いナイフが刺し込む。
そのナイフは異常なほど鋭く、柄には五つの光り輝く宝石の埋め込まれていた。
「どうしだ!?タイマン最強なんでしょ!?」
女性の見下す様な声が空間内に反響する。
「これ何処がタイマンじゃ!?数に物を言わせたリンチでわ無いか!?」
黒牛は周囲を見渡すが声の主を見つけることが出来ない。口から巨大なブレスを放つが一瞬だけ外の景色が見えるだけですぐに閉ざされる。彼は黒い箱に閉じ込められていたのだ
ーーーーー
その後も戦闘は激しく続いていった。しかし、黒牛は無限に湧き出る黒髪の女性に対処し切れず黒い壁を目の前に地に臥した。
「はぁはぁ、もう限界じゃ。降参する。何でもする。じゃから命だけは助けてくれんか?わしらの仲じゃろ?」
傷だらけで心なしか小さくなった黒牛は息を切らし死にそうな声で言った。
すると、辺り一面を埋め尽くさんばかりに増えていた大量の女性が消える。景色も広い草原へと変わった。
黒い壁があったであろう場所の奥に、裸の女と同じ顔をした女が立っていた。
彼女は流水の青白い生地に燃え上がる炎をあしらったドレスを着て長い黒髪をたなびかせて見下していた。
「…ダメ、あなたがやったことは絶対に許さないわ。でも、頼むならそれ相応の態度があるでしょう」
「私は今後どんな命令にも従い馬車馬の様に働く事を誓います。この愚かな牛にどうかご慈悲を」
「よく出来で偉いわね。借りもあるし本当にペットにしようかしら」
女性は満足そうな笑みを浮かべ、彼の顎先に手を当てる。
「…っ!」
黒牛は一実の希望を見出し顔を上げた。しかし、彼の目にはにやりと笑みを浮かべた女性と宙に浮いた大量の炎と水の球が入ってきた。
「さ・よ・う・な…」
彼女が言葉をいい終わる直前、女性の立って居る場所に黒い楕円形の空間が出現し、彼女ごと消えた
「ふふふ、ハハ、ハーハッハッハッハッハッ、あやつめ最後の最後で油断しおった!バカめ!サド女!バーカバーカ」
黒牛は、立ち上がりまるで幼い女子のようにはしゃいだ。制御を失った炎と水の球が花火のように破裂し、綺麗な花火となって彼を祝福する。
「……はぁはぁはぁ、もう限界だ、あの程度のことで恨みすぎなのじゃ」
彼は体を横に倒し脱力する。
「フフッ、フフフッ…」
そして、このモンスターには生き延びた事以外に心躍る出来事が起こっていた。
次第に黒牛の体が黒い光に包まれていった。
進化である。
モンスターは条件を満たした時、周りのマナを大量に吸収して能力を大幅に上げる。だが、彼は進化することが出来なかった。
突然、体に刺さっていたナイフが爆発を起こした。多段的に爆発を起こし進化途中で脆くなった体を削り取った。
彼は自身の死を直感した。
そう、死んだ、死んだはずだ。なんじゃ?なぜ意識がある!?生きているのか?わしはまだ…ん?
体がピクリとも動かなかった。それどころか感覚すらない。
いや、それよりもここから移動しなければ、体が動かないなら魔法で。安全な場所に逃げなければっ!
(…ッ!うっ!)
耐えがたい頭痛が全身を襲う。体が崩壊するような感覚である。しかし、このままでは確実にこの世とさよならする。
(構ってられるか!まだ、わしは生きていたい。死にたくない。うおぉぉぉぉーーー!!!)
ピキッ!
黒牛だった物から音が鳴った。
そして、黒牛は落胆した。一瞬だけ発動することのできた魔法で自身の現状を把握してしまったのだ。
衝撃の事実を知ってしまった…今、わしは意思を持つ魔核となってしまったのか…しかも、先程の無理が祟って元の能力のほとんどを失った。このままでは適当な奴ら食べられて終わってしまう(どうすれば)
「しゃべるコア?」
途方にくれる彼の前に可愛らしい少年が立っていた。彼は見慣れないものに興味を示し眺めていた、
まさかっ!
コアは歓喜した。目は見えていないが、言葉から相手が人間であることを確信する。
「小僧!わしを利き手の甲に乗せるのじゃ!」
コアは迫力で少年をゴリ押した。少年は気圧されて、コアを右手の甲に乗せた。
「小僧、魔法を使えそうか?」
焦る気持ち抑え息を呑む。
「うん、使えそう」
無垢な少年は答えた。
「そうか、そうか使えそうか、そうじゃ試しに使ってみないか?『結合』なんてどうだ?才能があればわしを使いこなす事ができるじゃろう。実はひび割れておってな。なに、魔法をかけるだけでいい、そうすれば全てうまくいく」
コアは全力で無垢な少年を騙した。あらゆる言葉を並べる。
「分かった。やってみる」
無垢で優しい心の綺麗な少年が善意で魔法を使った。すると、コアが手の甲に沈み、手とコアが結合した。
「えっ?あれ?」
焦る少年をよそに、コアが大根役者を決め込む。
「コッ、コレハタイヘンナコトニナッタナ-」
「……?」
「これで、わしとお主は一心同体頼んだぞ、ご主人様」
「え?ご主人様?」
少年は状況を把握しきれていないようだ。フリーズしかけている。
「コアになった以上成長は見込めん。ご主人様の枠は常に、この役立たずによって一つ埋まっているのじゃ。養ってもらうぞ、ご・しゅ・じ・ん・さ・ま」
コアは媚びた。そして、達成感を一人ギュッと噛み締めた。
「あっ…」
少年は言葉を失った。
「ふざけるなッ!」
黒牛はその見た目からは想像の出来ない幼い女子の声を発した。
「「その声で話すなッー!!」」
全く同じ容姿をした女性集団が裸ナイフで特攻する。彼女らは黒牛の魔法やブレスを華麗な身のこなしで躱す。さらに、躱しきれないと判断すれば仲間を投げ飛ばして多数を生かす判断をした
「…ッ!このッ!」
グサッ、グサッグサッ、
密度の高い弾幕を掻い潜った数名の女性が黒牛の背中に取り付き黒いナイフが刺し込む。
そのナイフは異常なほど鋭く、柄には五つの光り輝く宝石の埋め込まれていた。
「どうしだ!?タイマン最強なんでしょ!?」
女性の見下す様な声が空間内に反響する。
「これ何処がタイマンじゃ!?数に物を言わせたリンチでわ無いか!?」
黒牛は周囲を見渡すが声の主を見つけることが出来ない。口から巨大なブレスを放つが一瞬だけ外の景色が見えるだけですぐに閉ざされる。彼は黒い箱に閉じ込められていたのだ
ーーーーー
その後も戦闘は激しく続いていった。しかし、黒牛は無限に湧き出る黒髪の女性に対処し切れず黒い壁を目の前に地に臥した。
「はぁはぁ、もう限界じゃ。降参する。何でもする。じゃから命だけは助けてくれんか?わしらの仲じゃろ?」
傷だらけで心なしか小さくなった黒牛は息を切らし死にそうな声で言った。
すると、辺り一面を埋め尽くさんばかりに増えていた大量の女性が消える。景色も広い草原へと変わった。
黒い壁があったであろう場所の奥に、裸の女と同じ顔をした女が立っていた。
彼女は流水の青白い生地に燃え上がる炎をあしらったドレスを着て長い黒髪をたなびかせて見下していた。
「…ダメ、あなたがやったことは絶対に許さないわ。でも、頼むならそれ相応の態度があるでしょう」
「私は今後どんな命令にも従い馬車馬の様に働く事を誓います。この愚かな牛にどうかご慈悲を」
「よく出来で偉いわね。借りもあるし本当にペットにしようかしら」
女性は満足そうな笑みを浮かべ、彼の顎先に手を当てる。
「…っ!」
黒牛は一実の希望を見出し顔を上げた。しかし、彼の目にはにやりと笑みを浮かべた女性と宙に浮いた大量の炎と水の球が入ってきた。
「さ・よ・う・な…」
彼女が言葉をいい終わる直前、女性の立って居る場所に黒い楕円形の空間が出現し、彼女ごと消えた
「ふふふ、ハハ、ハーハッハッハッハッハッ、あやつめ最後の最後で油断しおった!バカめ!サド女!バーカバーカ」
黒牛は、立ち上がりまるで幼い女子のようにはしゃいだ。制御を失った炎と水の球が花火のように破裂し、綺麗な花火となって彼を祝福する。
「……はぁはぁはぁ、もう限界だ、あの程度のことで恨みすぎなのじゃ」
彼は体を横に倒し脱力する。
「フフッ、フフフッ…」
そして、このモンスターには生き延びた事以外に心躍る出来事が起こっていた。
次第に黒牛の体が黒い光に包まれていった。
進化である。
モンスターは条件を満たした時、周りのマナを大量に吸収して能力を大幅に上げる。だが、彼は進化することが出来なかった。
突然、体に刺さっていたナイフが爆発を起こした。多段的に爆発を起こし進化途中で脆くなった体を削り取った。
彼は自身の死を直感した。
そう、死んだ、死んだはずだ。なんじゃ?なぜ意識がある!?生きているのか?わしはまだ…ん?
体がピクリとも動かなかった。それどころか感覚すらない。
いや、それよりもここから移動しなければ、体が動かないなら魔法で。安全な場所に逃げなければっ!
(…ッ!うっ!)
耐えがたい頭痛が全身を襲う。体が崩壊するような感覚である。しかし、このままでは確実にこの世とさよならする。
(構ってられるか!まだ、わしは生きていたい。死にたくない。うおぉぉぉぉーーー!!!)
ピキッ!
黒牛だった物から音が鳴った。
そして、黒牛は落胆した。一瞬だけ発動することのできた魔法で自身の現状を把握してしまったのだ。
衝撃の事実を知ってしまった…今、わしは意思を持つ魔核となってしまったのか…しかも、先程の無理が祟って元の能力のほとんどを失った。このままでは適当な奴ら食べられて終わってしまう(どうすれば)
「しゃべるコア?」
途方にくれる彼の前に可愛らしい少年が立っていた。彼は見慣れないものに興味を示し眺めていた、
まさかっ!
コアは歓喜した。目は見えていないが、言葉から相手が人間であることを確信する。
「小僧!わしを利き手の甲に乗せるのじゃ!」
コアは迫力で少年をゴリ押した。少年は気圧されて、コアを右手の甲に乗せた。
「小僧、魔法を使えそうか?」
焦る気持ち抑え息を呑む。
「うん、使えそう」
無垢な少年は答えた。
「そうか、そうか使えそうか、そうじゃ試しに使ってみないか?『結合』なんてどうだ?才能があればわしを使いこなす事ができるじゃろう。実はひび割れておってな。なに、魔法をかけるだけでいい、そうすれば全てうまくいく」
コアは全力で無垢な少年を騙した。あらゆる言葉を並べる。
「分かった。やってみる」
無垢で優しい心の綺麗な少年が善意で魔法を使った。すると、コアが手の甲に沈み、手とコアが結合した。
「えっ?あれ?」
焦る少年をよそに、コアが大根役者を決め込む。
「コッ、コレハタイヘンナコトニナッタナ-」
「……?」
「これで、わしとお主は一心同体頼んだぞ、ご主人様」
「え?ご主人様?」
少年は状況を把握しきれていないようだ。フリーズしかけている。
「コアになった以上成長は見込めん。ご主人様の枠は常に、この役立たずによって一つ埋まっているのじゃ。養ってもらうぞ、ご・しゅ・じ・ん・さ・ま」
コアは媚びた。そして、達成感を一人ギュッと噛み締めた。
「あっ…」
少年は言葉を失った。
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