【完結】横暴領主に捕まった、とある狩人の話

ゆらり

文字の大きさ
上 下
27 / 112

27 焦らされて※

しおりを挟む
 ――口付けをしながら、寝台へともつれ込んだ。
 
 荒っぽい手つきで夜着の前を肌蹴けられて、下穿きを剥ぎ取られる。押さえる物が無くなり、先走りを垂らしながら一物が勢い良く勃ち上がった。脈打つ濡れたそれの横合いから下腹に指が這わされて、前よりも早い勢いで熱が注ぎ込まれていく。

「あ、あ……!」

 腹の中を急激に蕩けさせられて、一物から滴った先走りが腹の上にある白い手を汚した。

「ひっ……あっ!」
   
 もう片方の手が、シタンの一物に触れてくる。指で扱かれると大きく腰が跳ねて、尻の孔から蜜が音を立てて溢れ出た。何もかもが熱い。呼吸するだけで零れる蜜の量が増えて孔の周りを粘つかせていく。一物から流れ落ちる先走りの量も尋常でないくらい多くて、扱く指が立てる水音も段々と派手に大きくなっていく。

「あぁ……っ、んあぁっ!」

 内と外からの刺激に一物へ血が急激に流れ込み、幾らも扱かれないうちに背中をのけ反らせて達してしまう。どろりと吹き出した精が、領主の手を汚した。

「はっ、はあっ、はあっ……」

 浅く呼吸を繰り返して余韻に身を震わせている隙に、領主が夜着を脱ぎ捨てて裸になる。露にされた一物は、やはりというかすでに勃っていた。おもむろにシタンの両膝を上半身の方へと倒して、脚を大きく開かせる。腰が上がり気味になり股座が突きだされて、一物から濡れそぼる尻孔までが丸見えになってしまう。

「う、あ!」

 先走りと蜜が混じり合った淫らな流れが、腰の付け根にまで達していくのを肌に感じた。

「こ、こんな、格好、い、嫌だ……」

 目と鼻の先に、精と先走りに濡れた自分の一物がある。恥ずかしい姿勢に動揺して脚を閉じようと力を入れるが、ひざ裏をがっしりと掴んだ領主の両手に押し戻されてしまう。

「私が欲しいのではないのか。逆らうな」
「だ、だけどっ……! んっ、く……!」

 手を外そうと身じろぎしたが、卑猥に腰をくねらせてしまっただけだった。

「誘っているのか」
「さ、誘ってないっ!」
「本当にそうか? 随分と物欲しげな顔をしているぞ」
「う、嘘だぁっ……! 俺、そんなに欲しくないっ!」
「さっきの態度は嘘か。『俺も』と、言ったくせに」
「う、嘘じゃ、ない、けどっ…」

 嘘ではないが、こんな嫌らしい体勢は違う気がする。

 思わず口ごもったシタンの態度をどうとらえたのか、わずかに眉根を寄せて目つきを鋭くした領主が腰を近付けてきて、蜜の溜まった熱いぬかるみに自らの一物を触れさせた。

「ああっ!」
「んっ、……随分と濡れているな。解す必要もなさそうだ」
「あぅ、やっ、……んんっ……!」

 刺激に窄まり先端に吸い付く入り口の辺りを捏ねられただけで一物が痛いくらい張り詰めて、孔も血が集まったように熱くなる。入り込まれてもいない中が刺激を求めて疼き、勝手に綻んでいくようだ。体がおかしい。こんなになるなんて男としてどうなのか。二度の交わりだけで体が変わってしまったのか。

「うあぁっ!」

 強烈な疼きに混乱を極めながら、髪を振り乱して悲鳴を上げてしまう。腰に脚を絡めて引き寄せようともがいたが、ひざ裏を掴む領主の手がそれを頑なに阻む。自分で一物を慰めようにも当然触れない。

 まさに生殺しだ。
 
「んっ…、欲しいと……、言え。はあっ、言わなければ……、このままだ」

 そう言って焦らす領主の顔も、欲を耐えているのか薄っすらと汗をかいていて赤らんでいる。お互い苦しいのだ。意地の張り合いなどしたくない。なんとかしてしがみつくために腕を伸ばそうにも上半身を起こせなくて、領主の首筋には届かない。
 
「ひっ、ううっ、やっ、やめ、そこだけ、嫌っ、嫌だぁ……」

 弱々しく首を振っても聞き入れられず、ぬちぬちと嫌らしい音を立てて孔の表面を擦り上げられる。

「入れて欲しいか」
「ひっ、あう、ああっ、ほ、ほしい……っ! ひっ、ひうっ! い、いれて、いれてくれよぉっ!」

 尻を震わせ舌足らず気味に懇願してもまだ、一物は中へ入ってこない。散々しつこく擦られた上に、最後には軽く挿し入れたところで寸止めされた。

 発狂しそうだった。

「あぁっ! もう、入れて! 頼むからあっ! あ、あんたのそれ、ほ、ほしいっ! 欲しいよぉっ!」と、泣き叫ぶ。

 すると領主は満足気にシタンの乱れぶりに目を細めて、艷やかな笑みを浮かべた。

「いくらでも……、くれてやる」

 そうしてやっと、シタンの懇願を受け入れて腰を進めた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する

あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。 領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。 *** 王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。 ・ハピエン ・CP左右固定(リバありません) ・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません) です。 べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。 *** 2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

【完結】ここで会ったが、十年目。

N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化) 我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。 (追記5/14 : お互いぶん回してますね。) Special thanks illustration by おのつく 様 X(旧Twitter) @__oc_t ※ご都合主義です。あしからず。 ※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。 ※◎は視点が変わります。

秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~

めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆ ―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。― モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。 だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。 そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?

下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。 そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。 アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。 公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。 アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。 一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。 これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。 小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。

将軍の宝玉

なか
BL
国内外に怖れられる将軍が、いよいよ結婚するらしい。 強面の不器用将軍と箱入り息子の結婚生活のはじまり。 一部修正再アップになります

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

処理中です...