【完結】横暴領主に捕まった、とある狩人の話

16 蕩けていく※

　涙目で叫ぶシタンに対して、領主は少しだけ目を細めてふっと笑った。

「……まあいい、恥じらっていろ。貴様のそういう顔は、悪くはない」
「なっ！　はっ、恥じらってなんか……！」

　劣等感を逆撫でするようなことを言いながら、領主が寝台に上がってくる。さすがに腹を立てて起き上がろうとしたところを、あっさり抑え込まれて覆い被さられた。

「うあ！　ひっ、や、やめ……！」

　熱く硬い一物を、ぐっと腰に擦り付けられて引き攣った悲鳴をあげてしまう。

「あっ、んんっ！　ふぅ……ん……っ」

　顔を青ざめさせながら枕元へとずり上がるが、逃げ切れない。腕と脚で囲い込まれて深く唇を重ねられ、舌を吸い上げられてしまう。

「ん、んぅ……ぐ……っ、んうぅーっ！」

　下半身を擦り付けられながら口の中をじっくりと愛撫され、拒む意思とは裏腹に体が敏感に反応して小刻みに震えた。感じてなるものかと逆らうシタンを裏切って、一物はさっさと硬くなり口付けによってぼうっと頭がしびれてくる。
　
「ふ、あ、ん、ンんっ……んぁ！」
「ん……、体は従順だな」
「あっ、う、うるさ……あっ……ん……っ」

　首筋を舐めてやわく吸い付かれ、思わず背中にしがみ付いてしまう。くちゅりと、腹の間に濡れた感触がした。先走りがもうたっぷりと出ている。気持ち悪いはずが、ぬめぬめと肌同士が滑る感触に妙な興奮を覚えた。
　
「んぁ、はぁ……っ、くそっ……！　こんな、こんな、の、……んっ、あっ！　はぁ……っ」

　ただ擦り合わせているだけなのに悔しいくらいに気持ちが良い。どんどん体が熱くなっていって、もっと肌をくっつけたくなる。腰を振るまいと強く足を突っ張っていたはずが、いつの間にか腰を擦り付けて脚を絡めていた。

「んあっ、はぁっ、はぁっ、……はっ……、あぁ……っ」
「熱いな。貴様の肌は心地良い」
「んぁ……、んん……っ、あ……っ」

　白い指先でふわりと繊細に脇や腰をさすられ、首筋や耳を甘噛みされる。

　一つ一つの刺激がくすぐったくも気持ち良くて、触れ合う肌の温かさも心地良い。無機質に犯されて気絶にまで追い込まれた時とは全く違う。なんでこんな奴にされるのが気持ち良いんだと悔しく思いながら、徐々に快楽にのめり込んでいった。

「はぁっ、はぁっ……。あぁ……」

　最初の口付けも悪くなかった。疲弊した体に追い打ちをかけるようにして与えられた、この前の口付けとは違って、蕩けるように気持ち良くてたまらない。
　
　……足りない。もっと欲しい。

　「んっ……う……」

　その欲求に逆らわずに、領主の頭を両手で引き寄せて、深く唇に喰いついてやった。