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番外編 騎士団に復帰後のアレコレ

た、たらればですよね? 俺、産むことになるんですかあああ!

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※例によって超不定期です。ネタが尽きるまで連載します。



 ――超魔術師様の伴侶になった俺。


 幸せいっぱいイチャイチャ生活を満喫していたある日。我が家に定時帰宅すると、リビングに居たカムロさんが「手紙が届いてますよ」って俺に封筒を手渡してくれた。

「差出人が弟さんの名前になってます」
「ロタから? 珍しいなぁ。アイツ、俺に手紙なんて書かないのに」

 どうしたんだろうな? 

 びりっと封筒の端っこを破りながら、ソファーに座るカムロさんの横に腰を落ち着けた。

「なんかあったのかな」
「どうなんでしょうね」 

 悪い便りじゃなければいいけど……、とか思いながらガサゴソと広げて2人で覗き込んだ便箋には、ロタらしい踊ってるみたいなクセ字で、『俺達に赤ん坊が出来た!』って書いてあった! 

 よかったあああ! いい便りだったあああ!

「カムロさん! 俺に甥っ子か姪っ子ができましたよ! あはは! ハス伯父さんとか呼ばれちゃうのかな! もしかしたら俺がクラさんって呼んでるみたいに、ハスさんって呼ばれるのかな?」

 ……っていうか女の子かな? 男の子かなぁ? クラさんに俺が言ったみたいに伯父さんみたいなカッコいい騎士になるんだ! とか、大人になったら伯父さんと結婚する! なんて言われちゃったら、照れちゃうなぁ! あと、感動して泣くかも!

「――気が早いですよ。まだ生まれてもいないのに。出産予定は来年って書いてあるじゃないですか」
 
 ギャ―ギャ―騒いだら、カムロさんにクスクス笑われた。うん、冷静になってみるとちょっと気が早いですね。孫はまだかなって言いまくって、母さんに尻をつねられた父さんといい勝負の気の早さを披露してしまったぞ! 恥ずかしいっ!

「正気に戻りました。ありがとうございます」
「ふふ。どうしたしまして。ナイブレイドも随分と甥の貴方を可愛がっているようですが、貴方もそんなふうになりそうですね。……ちょっと妬けます」

 カムロさんが俺の肩にそっと額を押し当ててきた! んなああ! やきもちっぷりが超可愛い! 俺にとって、カムロさんよりも可愛い生き物なんてこの世にいませんって! ギューって抱き締めちゃうぞ! 

 すんごい好き! 胸板にすりすりしてくるカムロさんの金髪頭をなでなで。ツヤツヤしてて、撫でてる俺の手も気持ちいいんだよなぁ。洗髪剤とか同じなのに、俺の髪にはこんな艶はないぞ。不思議!

「おめでた祝いって何がいいですかね?」
「通いの商人に聞いてみましょう」

 現金でも良さそうだけど、それだとちょっと直すぎるよな。家に来る商人さんはナイスミドル紳士で、商会のお偉いさんみたいな風格のある人だ。あの商人さんなら、スマートに贈り物のアドバイスをしてくれること間違いなしだ! ロタ達が喜んでくれそうな物を送ろう。

「……それにしても、ロタとメルシャが親になるなんて想像できてなかったですよ。もうそんな年齢なんですよね。俺もだけど。でも、2人の赤ん坊なら、きっと可愛いだろうなぁ」

 美少女で評判だったメルシャと、母さんに似て無駄に顔がいいロタの子だからな。キラキラした可愛い子が生まれるはずだ。

「子ども、欲しかったですか?」

 カムロさんが眉根を寄せたちょっと不安そうな顔をした。

 ……男同士のフウフって珍しくもないんだけど、子どもが欲しいからって理由で別れた……なんていう話もないでもないんだよな。

「もし女の子と結婚してたら欲しいと思ったでしょうけど、俺達は男同士ですから産めないじゃないですか。欲しいとは思いませんよ」

 子どもを育てるのは大変そうだけど、きっと楽しくて幸せなことだと思う。でもその幸せと、超愛している可愛いカムロさんと暮らす幸せを俺が天秤に掛けることは一生ない。

「カムロさんと一緒に居られるだけで、俺はもう十分幸せです。もし俺が産めるなら、カムロさんの子が欲しいですけど」

 なんの気もなしに笑って言ったら、目を潤ませて「私もです!」って叫んだカムロさんにすんごいキスされた。その気になっちゃった俺達は、そのままソファーで致してしまいましたよ! ベッドでない場所でするのって、いけないことしてる感じがしてちょっと興奮する! 

 あっ、ダメ、ダメですっ! こんなとこでするなんてダメ! んぁ、でも、気持ちいい……! カムロさん、もっと……! ってなっちゃったぞ! 恥ずかしいっ! ドロドロのベタベタになるまで散々した後に、風呂に入ってまたシちゃったりしてイチャイチャしまくった。


 ――そしてその日の夜は、すっかり遅くなっちゃった夕飯を食べながら、もし産めたらどんな子どもが欲しい? みたいな、たられば話で盛り上がった。

「カムロさん似の女の子とかいいかもです。きっとすんごく可愛いと思う!」
「私としては、ハス君に似た子なら男でも女でもいいです。素直で可愛いに違いありませんから」
「ええ……地味顔でも可愛いと思いますけど、俺似かぁ……」
「絶対に、ハス君似の方がいいですよ。私に似た子どもなんて、きっとハス君の取り合いになるので嫌です」
「えええええ。あはは! まさかそんな」

 最後の方は、カムロさんが魔道具を仕込んだオモチャを考え始めたり、男が産むとしたらどんな魔術を体内で構築したらいいか? なんていうマニアックというか専門的な話になってて、それはそれで面白かったんだけど……。

 遅くなったし、さあ就寝しようか! って横になったときに俺の下腹を撫でながら「母体に負担が掛からない方法があればいいんですけれど……」とか言ってるカムロさんの目が、マジすぎてちょっと怖かった!

 こわっ! こわああ! 未知の領域に足先突っ込んでる感じ! こわああああ!



 ――た、たらればですよね? 俺、産むことになるんですかあああ!









※この小説はそっち系のジャンルではないので、産むことにはなりません。
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