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本編
24 話が終わったら腹ペコだ! 昼飯作り頑張っちゃうぞ!
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――蘇るトラウマ。恐るべし!
やっとのことで証言を終えた俺は、涙鼻水お化けになってしまった!
どんだけトラウマになってたんだよ! ぬああああ! 恥ずかしい! ぐすっ。うう、泣き過ぎて腹減ったよ。昼飯食べたい。ぐすんぐすん。
顔が涙と鼻水でべちょべちょで汚いですごめんなさいすみません。「ハス君、これを!」って、カムロさんが慌てて持ってきてくれた濡れタオルで顔を隠してずびずびした。
「あ、ありがとうございます……」
ぐすぐす。一生分泣いた気がする。ってのは言いすぎか。でもすんごい泣いた!
話を聞き終えて無言になってるクラさんの顔が、真剣すぎて怖い。横ではカムロさんが、神妙な顔をして背中をさすってくれている。ブチ飛びな超魔術師様がここまで優しいのもなんか怖い……って言ったら、怒られそうなんでとりあえず黙っとこう。
――ちょっと長すぎるくらい長い沈黙の後、ようやくクラさんが口を開いた。
「よくわかった。どうやら徹底的に、灸を据えねばならんようだな。どんな手を使ってでも残らず調べ上げて、根こそぎ、欠片も残さず潰す。……はは。血の滾る狩りになりそうだ」
今、狩りって言いませんでしたか。
「私も協力しますよ。持て余している金と権力がありますからね。多少の融通は利きます」
持て余している金と権力って、それってどんだけなんですか。
「ご協力感謝する。これで、より一層、いい狩りになりそうだ」
「ふふ。それはよかった」
ものすごい悪い顔をして笑う2人の姿が、魔王か何かみたいに見えた。ブチ飛び2人が手を組むとか、怖すぎる! 戦争でも始める気かな? こっ、こわあああ! 狩られる団長がかわいそ……じゃないな! 狩られてしまうがいいよ! ふははは!
「証言、ご苦労だった」
席を離れて近くに来たクラさんが、まだ鼻水ずびずびやってる俺の頭をわしわしと撫でてくれた。
「ハス、お前はよく耐えた。絶望もせず、無謀にも走らずに耐えたからこそ、こうして私に証言をすることが出来たのだ。下種どもと単独でやり合おうなどと考えていたのならば……、身の危険も考えられたのだからな」
「ぐすっ、うううっ。うん……。俺、ちゃんとしてたんだ……」
「ああ、そうだ。誰もお前を咎めはすまい。もし、そのような輩がいたのならば、私が許さぬ」
逃げることしかしていなかたって、どこかで自分を責めてた気がする。だけど、それが最良だったんだって、クラさんから言ってもらえたことで凄く気が楽になった!
「ぐすっ。……あはは。泣き過ぎだな俺。カムロさん、お目汚しですみませんでした」
「そんな、そんなことありません。ハス君」
カムロさんも、遠慮がちだったけど頭を撫でてくれた。……それにしても、泣いたらほんと腹減ったなぁ。あ、昼飯を3人で食べようと思ってたのを忘れてたぞ!
「昼飯、作ります。クラさんにも一緒に食べてもらっていいですか」って、カムロさんに聞いたら「いいですよ。お願いしますね」というお言葉が。
「でも、大丈夫ですか。あんな話の後なのに、食欲がなくなったりしませんか?」
「腹ペコです! 飯を作って食う元気は、いつでもあります」
「ふふ。ハス君らしくて頼もしいですね」
褒められ方がなんか、「食いしん坊ですね」って言われてる感じだけど、それが俺だからな! それに騎士は体が資本! つまりは飯が基本だから、これでいいんだ!
よーし、作るぞ! さっき下ごしらえしておいたから、それをまずは仕上げて食べてもらいながら追加の料理も作っちゃおう!
「お前の手料理を、久しぶりに食べられるのだな。楽しみだ」
なんて、嬉しそうに言うクラさん。見かけ通りに大食漢なクラさんには、父さんから聞いてある好物の肉料理を作ってあげようかな。今ある分で食材、足りるかなぁ……?
――話が終わったら腹ペコだ! 昼飯作り頑張っちゃうぞ!
やっとのことで証言を終えた俺は、涙鼻水お化けになってしまった!
どんだけトラウマになってたんだよ! ぬああああ! 恥ずかしい! ぐすっ。うう、泣き過ぎて腹減ったよ。昼飯食べたい。ぐすんぐすん。
顔が涙と鼻水でべちょべちょで汚いですごめんなさいすみません。「ハス君、これを!」って、カムロさんが慌てて持ってきてくれた濡れタオルで顔を隠してずびずびした。
「あ、ありがとうございます……」
ぐすぐす。一生分泣いた気がする。ってのは言いすぎか。でもすんごい泣いた!
話を聞き終えて無言になってるクラさんの顔が、真剣すぎて怖い。横ではカムロさんが、神妙な顔をして背中をさすってくれている。ブチ飛びな超魔術師様がここまで優しいのもなんか怖い……って言ったら、怒られそうなんでとりあえず黙っとこう。
――ちょっと長すぎるくらい長い沈黙の後、ようやくクラさんが口を開いた。
「よくわかった。どうやら徹底的に、灸を据えねばならんようだな。どんな手を使ってでも残らず調べ上げて、根こそぎ、欠片も残さず潰す。……はは。血の滾る狩りになりそうだ」
今、狩りって言いませんでしたか。
「私も協力しますよ。持て余している金と権力がありますからね。多少の融通は利きます」
持て余している金と権力って、それってどんだけなんですか。
「ご協力感謝する。これで、より一層、いい狩りになりそうだ」
「ふふ。それはよかった」
ものすごい悪い顔をして笑う2人の姿が、魔王か何かみたいに見えた。ブチ飛び2人が手を組むとか、怖すぎる! 戦争でも始める気かな? こっ、こわあああ! 狩られる団長がかわいそ……じゃないな! 狩られてしまうがいいよ! ふははは!
「証言、ご苦労だった」
席を離れて近くに来たクラさんが、まだ鼻水ずびずびやってる俺の頭をわしわしと撫でてくれた。
「ハス、お前はよく耐えた。絶望もせず、無謀にも走らずに耐えたからこそ、こうして私に証言をすることが出来たのだ。下種どもと単独でやり合おうなどと考えていたのならば……、身の危険も考えられたのだからな」
「ぐすっ、うううっ。うん……。俺、ちゃんとしてたんだ……」
「ああ、そうだ。誰もお前を咎めはすまい。もし、そのような輩がいたのならば、私が許さぬ」
逃げることしかしていなかたって、どこかで自分を責めてた気がする。だけど、それが最良だったんだって、クラさんから言ってもらえたことで凄く気が楽になった!
「ぐすっ。……あはは。泣き過ぎだな俺。カムロさん、お目汚しですみませんでした」
「そんな、そんなことありません。ハス君」
カムロさんも、遠慮がちだったけど頭を撫でてくれた。……それにしても、泣いたらほんと腹減ったなぁ。あ、昼飯を3人で食べようと思ってたのを忘れてたぞ!
「昼飯、作ります。クラさんにも一緒に食べてもらっていいですか」って、カムロさんに聞いたら「いいですよ。お願いしますね」というお言葉が。
「でも、大丈夫ですか。あんな話の後なのに、食欲がなくなったりしませんか?」
「腹ペコです! 飯を作って食う元気は、いつでもあります」
「ふふ。ハス君らしくて頼もしいですね」
褒められ方がなんか、「食いしん坊ですね」って言われてる感じだけど、それが俺だからな! それに騎士は体が資本! つまりは飯が基本だから、これでいいんだ!
よーし、作るぞ! さっき下ごしらえしておいたから、それをまずは仕上げて食べてもらいながら追加の料理も作っちゃおう!
「お前の手料理を、久しぶりに食べられるのだな。楽しみだ」
なんて、嬉しそうに言うクラさん。見かけ通りに大食漢なクラさんには、父さんから聞いてある好物の肉料理を作ってあげようかな。今ある分で食材、足りるかなぁ……?
――話が終わったら腹ペコだ! 昼飯作り頑張っちゃうぞ!
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