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本編
17 なにしやがってくれてんですか! この超魔術師様はあぁ!
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――俺の憧れの伯父さんこと、クラさん登場!
びっくりするくらい長い脚で、悠々と道を歩いていたスタイル抜群イケメンのクラさんは、俺の姿に気付いた途端にクワッ! と、赤銅色の瞳を見開いて「ハス!」と叫んだ。
「探したぞハスっ!」
瞳と同じ赤銅色の髪をなびかせて、あっと言う間に走り寄って来る。素早さが人外! びゅっ! と、風切り音を響かせながら、俺の方へと両腕を突き出してきたああああぁ!
「うひゃあっ!」
避けようと身構えたけど無駄だった! 気付いたときには、ガシッと両手で腰を掴まれて頭上高く持ち上げられてた。ぎゃあああああ!
ふわあっと浮遊感。視界がぐんと高くなる。
ひぃ! た、高い高いされてしまった! そのままダンスを踊るみたいにゆったりと回転するクラさん。凄い笑顔だ。歓喜と慈愛に満ち溢れている! ご機嫌なのはいいことだけど、み、道端でダイナミック高い高いはやめてくれえええ!
「はは! 相変わらず軽いな! いや、少し重くなったか。きちんと鍛えているのか? ん?」
身長180センチ、体重76キロの成人男性を、軽いと言うクラさんの腕力よ。散歩途中に熊を狩るこの人、筋力が人外なんだ。俺なんて、棒切れみたいに軽いんだよきっと。
「鍛えてるよ! 俺、もう子供じゃないんだから、下ろしてくださいよ!」
クラさんの高い高いは凄く高いぞ! なにせ身長が2メートルだ。俺の背もそんなに低くないから、余計に高い! わあ! 遠くまで見えちゃうぞぉ! 実家暮らしだった頃も、よくこうされてた。
さすがに10代後半になってくると恥ずかしくて逃げようとしたけど、クラさんの黄金の両腕は避けられなかった。ただ腕を突き出してるだけなのに何であんな凄い音が! びゅっ! とか、するんだよ!
クッッソ恥ずかしい! 今回も避けられなかった! ちくしょう! でも正直言うと楽しいんだなこれが! ……俺、まだお子様なんだなぁ。ははは。
「私にとってはいつまでも、お前は可愛い甥だ」
クラさんはちょっと強面だけど、きりっとした正統派な美形だ。しかも60歳のはずなのに、40手前くらいに見える若さ! 目を細めて嬉しそう笑うと、目尻にシワが出来るんだけどそれが渋くて凄くイイ! 俺もこんな渋い大人になりたいぞ!
ひょいっと地面に下ろしてくれたクラさんが、やんわりと俺を抱き締めてぽんぽんと背中を叩く。うっ、さっきカムロさんにぽんぽんしてたのを思い出した。き、気まずい。でも、クラさんのそういう優しさが嬉しい!
「元気そうで安心した」
「うん、元気だよ」
ぎゅっと、クラさんを抱き締め返した。
わしわしと頭を撫でてくれる手はでっかい。俺の頭を包み込める、その剣ダコの出来た逞しい手の安心感と癒しが半端ない。そしてガッチリして無駄なく長い腕や脚、ぶ厚い胸板が羨ましい! 俺の理想が、ここにある! クラさん最高!
なんて、久々に再会した憧れの伯父さんを堪能していた俺だったけど――。
「ハス君! なぜその男と抱き合っているんですかっ! 離れて下さい!」
ギャアアア! びっくりした!
っていうかどっから湧いて出たんだ! 聞いたことのないくらい怒った声で叫ぶカムロさんに、クラさんの包容力溢れまくりな胸板からベリッと引っぺがされた。と、思ったら背後からガッツリ抱き締められる。ぬあぁ!
――なにしやがってくれてんですか! この超魔術師様はあぁ!
びっくりするくらい長い脚で、悠々と道を歩いていたスタイル抜群イケメンのクラさんは、俺の姿に気付いた途端にクワッ! と、赤銅色の瞳を見開いて「ハス!」と叫んだ。
「探したぞハスっ!」
瞳と同じ赤銅色の髪をなびかせて、あっと言う間に走り寄って来る。素早さが人外! びゅっ! と、風切り音を響かせながら、俺の方へと両腕を突き出してきたああああぁ!
「うひゃあっ!」
避けようと身構えたけど無駄だった! 気付いたときには、ガシッと両手で腰を掴まれて頭上高く持ち上げられてた。ぎゃあああああ!
ふわあっと浮遊感。視界がぐんと高くなる。
ひぃ! た、高い高いされてしまった! そのままダンスを踊るみたいにゆったりと回転するクラさん。凄い笑顔だ。歓喜と慈愛に満ち溢れている! ご機嫌なのはいいことだけど、み、道端でダイナミック高い高いはやめてくれえええ!
「はは! 相変わらず軽いな! いや、少し重くなったか。きちんと鍛えているのか? ん?」
身長180センチ、体重76キロの成人男性を、軽いと言うクラさんの腕力よ。散歩途中に熊を狩るこの人、筋力が人外なんだ。俺なんて、棒切れみたいに軽いんだよきっと。
「鍛えてるよ! 俺、もう子供じゃないんだから、下ろしてくださいよ!」
クラさんの高い高いは凄く高いぞ! なにせ身長が2メートルだ。俺の背もそんなに低くないから、余計に高い! わあ! 遠くまで見えちゃうぞぉ! 実家暮らしだった頃も、よくこうされてた。
さすがに10代後半になってくると恥ずかしくて逃げようとしたけど、クラさんの黄金の両腕は避けられなかった。ただ腕を突き出してるだけなのに何であんな凄い音が! びゅっ! とか、するんだよ!
クッッソ恥ずかしい! 今回も避けられなかった! ちくしょう! でも正直言うと楽しいんだなこれが! ……俺、まだお子様なんだなぁ。ははは。
「私にとってはいつまでも、お前は可愛い甥だ」
クラさんはちょっと強面だけど、きりっとした正統派な美形だ。しかも60歳のはずなのに、40手前くらいに見える若さ! 目を細めて嬉しそう笑うと、目尻にシワが出来るんだけどそれが渋くて凄くイイ! 俺もこんな渋い大人になりたいぞ!
ひょいっと地面に下ろしてくれたクラさんが、やんわりと俺を抱き締めてぽんぽんと背中を叩く。うっ、さっきカムロさんにぽんぽんしてたのを思い出した。き、気まずい。でも、クラさんのそういう優しさが嬉しい!
「元気そうで安心した」
「うん、元気だよ」
ぎゅっと、クラさんを抱き締め返した。
わしわしと頭を撫でてくれる手はでっかい。俺の頭を包み込める、その剣ダコの出来た逞しい手の安心感と癒しが半端ない。そしてガッチリして無駄なく長い腕や脚、ぶ厚い胸板が羨ましい! 俺の理想が、ここにある! クラさん最高!
なんて、久々に再会した憧れの伯父さんを堪能していた俺だったけど――。
「ハス君! なぜその男と抱き合っているんですかっ! 離れて下さい!」
ギャアアア! びっくりした!
っていうかどっから湧いて出たんだ! 聞いたことのないくらい怒った声で叫ぶカムロさんに、クラさんの包容力溢れまくりな胸板からベリッと引っぺがされた。と、思ったら背後からガッツリ抱き締められる。ぬあぁ!
――なにしやがってくれてんですか! この超魔術師様はあぁ!
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