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本編
19 きっちり場を収められた! 偉いぞ俺! やればできる子!
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――元英雄級騎士VS王国筆頭魔術師の白熱した口論バトル! 勝利の女神はどちらに微笑むでのしょうか! 実況は元下級騎士ハス・ブレッデがお送りしております。
なんて、ふざけてる場合じゃないか。急に始まった喧嘩にちょっとビックリしてうっかり見守っちゃったけど、終わる気配がなさそうだぞこれぇ!
「よくも好き勝手にこき下ろしてくれましたね! もう、貴方とハス君の関係なんて、どうでもいいです! 今、この人は私が雇っているんです! 近付くのは絶対に許しません!」
「ほう。己以外とは関わらせないように拘束して、使役するというのか。酷なことを」
……ああ言えば、こう言うっていうヤツだなぁ! クラさんちょっと大人げないよ。からかってるのかなぁ。それにしては言い方がちょっときついっていうか、ネチネチしてるなぁ……。
「そんな扱いはしていませんっ! どうしてそう、歪曲した物の言い方をするんですか貴方は!」
「事実であろう。貴殿こそ何故そのように融通が利かぬのか。まったくもって度し難い」
すみませんね。その歪曲した物言いしてる人、俺の伯父さんなんです。ははは。俺を探しに来たんですよ。実家から捜索願いが出たんだと思います。だから、落ち着いて欲しい!
クラさんと早く色々話したい! なんで俺の居る場所が分かったのかとか、実家のこととか、騎士団の問題もだけど……とにかく! 色々! せっかく会えてすごく嬉しかったのに……! 2人で意味不明な言い争いなんか始めるし!
それに、外で騒いでるのはマズいだろ! この人達は国をひっくり返せるくらいの大物だ。脇役の俺はさておき、場を弁えないとダメじゃないか! 立派な大人2人で何やってるんだよ!
もういい加減にしてくれよ――がああ!
おっと、お耳汚し失礼致しました。ここんとこ環境が激変したり、ショックなことが多かったからストレスが溜まってるんだよな。きっと。
……ふぅ。この変な喧嘩、終わらないなら俺が終わらせるしかない!
ここはあえて、声量を抑えてクールにいこう。
「――そろそろ、おやめになって頂けませんか」
びくっ! と、カムロさんの体が震えた。そして、クラさんがピタッと口を閉じる。
「誰が聞いているとも知れない道端で、このような醜態を晒して恥ずかしくはないのですか。せめて、場を選びましょう。お二人とも、御自身の立場というものを、確りとお考えください」
凄く冷めた声! 誰が喋ってるんだろうね?
俺だよ俺!
脳内も言動も、普段はわちゃわちゃギャーギャーしてる俺だけど、立派な騎士を目指してる身だからな。切り替えれば、それなりに出来るんだよ。まだまだ未熟だけどな。言葉遣いの汚い騎士は、俺の目指すところじゃない。
「そうだったな。済まないハス」
「す、すみませんでした」
大人しくなったな。2人とも聞き分けてくれる人で良かった! このまま真面目な顔で話を進めよう。
「謝罪をする前に、まず離れてくださいませんか」
「あっ! は、はい……」
俺が感情を乗せない声で言うと、あっけないくらいに素早く離れてくれるカムロさん。普段もこれくらいなら、俺も苦労しないんだけどなぁ。
クルリと振り返って、冷めた目を向けると超魔術師様は叱られた子供みたいにしょんぼりしていて可哀そうなくらいだった。紫の瞳が少し潤んでいる。うっ! ほんとに可哀そうだけど、あ、甘やかさないぞ!
「お屋敷の応接間を、借用する許可を下さい。伯父のクラノゥサと話したいことがありますので。……よろしいでしょうか」
「えっ! この男が、ハス君の伯父様なんですか!」
元英雄級騎士クラノゥサ・ナイブレイドが俺の伯父だというのがよっぽどの衝撃だったのか、カムロさんが呆然とした顔をしている。
いやー、地味顔の俺とゴージャスダイナミック美形のクラさんが親戚だなんて誰も気付かないだろうな! 取り立てて誰かに言うことはしてないし。
「ナ、ナイブレイドが、……だなんて、そ、それだと、わ、私は、とんでもない……」
俺の耳にはよく聞き取れなかったけど、おろおろしながら独り言をつぶやき始めちゃって返事をしてくれない。仕方ないなぁ。もう一度言いますよー。クールさマシマシで!
「よろしいでしょうか」
「……ひっ! す、すみませんっ! ……き、許可します。好きに使ってください」
カムロさんが怯えた顔をして、やっと返事をしてくれた。
えっ? そんなに? 自覚はなかったけど、俺は今、ものすごく怒っているみたいだ。カムロさんにもだけど、クラさんにも。八つ当たりも入ってるかもだけど、さすがにこんな状況は、ないったらない! ストレスが限界にきてたんだろうなぁ。いいタイミングで暴発したな。はははは!
「ありがとうございます」
カムロさんに慇懃に礼をして、クラさんの方へと目を向ける。
いつも堂々としていて、怖いものなんてない顔をしたクラさんの視線が少し泳いでいるぞ……。ちゃんとこっちを見てくださいよという気持ちを込めて、きりっと表情を引き締めて「伯父上、お時間は頂けますか」って、冷えた口調で聞いてみた。
「……うむ、無論だ」
今まで、伯父上呼びなんてしたことなんてなかった。それだからかな、クラさんがちょっと悲しそうに形のいい眉を下げてしまった。こっちに向いた瞳は、カムロさんみたいに潤んではいなかったけど、何かこう泣きそうっていう空気が漂っているのは気のせい……だよな?
……そこまできつく言ったかなぁ俺。
後で何か美味しい物を作ってあげよう。クラさんも一緒にお屋敷で昼飯を食べてもいいか、カムロさんに許可もらおうかな。拒否られるかもって? 今のカムロさんに拒否権なんてないったらない!
人が通らなかったのが不幸中の幸いだったな。あんな珍妙な喧嘩を見られたら俺、恥ずかしくてしばらくお外に出られなくなっちゃうぞ!
……今までの騒ぎが嘘みたいに、静かになった。気持ちのいい静けさが、カムロさんの大声でダメージを受けてた鼓膜に優しい!
さて、それじゃあ移動しましょうか。クラさんをお屋敷の応接間へご案内だ!
――きっちり場を収められた! 偉いぞ俺! やればできる子!
※喧嘩の火種そのものが暴発……。
「最強」と「最恐」は、同一とは限らないのです。
なんて、ふざけてる場合じゃないか。急に始まった喧嘩にちょっとビックリしてうっかり見守っちゃったけど、終わる気配がなさそうだぞこれぇ!
「よくも好き勝手にこき下ろしてくれましたね! もう、貴方とハス君の関係なんて、どうでもいいです! 今、この人は私が雇っているんです! 近付くのは絶対に許しません!」
「ほう。己以外とは関わらせないように拘束して、使役するというのか。酷なことを」
……ああ言えば、こう言うっていうヤツだなぁ! クラさんちょっと大人げないよ。からかってるのかなぁ。それにしては言い方がちょっときついっていうか、ネチネチしてるなぁ……。
「そんな扱いはしていませんっ! どうしてそう、歪曲した物の言い方をするんですか貴方は!」
「事実であろう。貴殿こそ何故そのように融通が利かぬのか。まったくもって度し難い」
すみませんね。その歪曲した物言いしてる人、俺の伯父さんなんです。ははは。俺を探しに来たんですよ。実家から捜索願いが出たんだと思います。だから、落ち着いて欲しい!
クラさんと早く色々話したい! なんで俺の居る場所が分かったのかとか、実家のこととか、騎士団の問題もだけど……とにかく! 色々! せっかく会えてすごく嬉しかったのに……! 2人で意味不明な言い争いなんか始めるし!
それに、外で騒いでるのはマズいだろ! この人達は国をひっくり返せるくらいの大物だ。脇役の俺はさておき、場を弁えないとダメじゃないか! 立派な大人2人で何やってるんだよ!
もういい加減にしてくれよ――がああ!
おっと、お耳汚し失礼致しました。ここんとこ環境が激変したり、ショックなことが多かったからストレスが溜まってるんだよな。きっと。
……ふぅ。この変な喧嘩、終わらないなら俺が終わらせるしかない!
ここはあえて、声量を抑えてクールにいこう。
「――そろそろ、おやめになって頂けませんか」
びくっ! と、カムロさんの体が震えた。そして、クラさんがピタッと口を閉じる。
「誰が聞いているとも知れない道端で、このような醜態を晒して恥ずかしくはないのですか。せめて、場を選びましょう。お二人とも、御自身の立場というものを、確りとお考えください」
凄く冷めた声! 誰が喋ってるんだろうね?
俺だよ俺!
脳内も言動も、普段はわちゃわちゃギャーギャーしてる俺だけど、立派な騎士を目指してる身だからな。切り替えれば、それなりに出来るんだよ。まだまだ未熟だけどな。言葉遣いの汚い騎士は、俺の目指すところじゃない。
「そうだったな。済まないハス」
「す、すみませんでした」
大人しくなったな。2人とも聞き分けてくれる人で良かった! このまま真面目な顔で話を進めよう。
「謝罪をする前に、まず離れてくださいませんか」
「あっ! は、はい……」
俺が感情を乗せない声で言うと、あっけないくらいに素早く離れてくれるカムロさん。普段もこれくらいなら、俺も苦労しないんだけどなぁ。
クルリと振り返って、冷めた目を向けると超魔術師様は叱られた子供みたいにしょんぼりしていて可哀そうなくらいだった。紫の瞳が少し潤んでいる。うっ! ほんとに可哀そうだけど、あ、甘やかさないぞ!
「お屋敷の応接間を、借用する許可を下さい。伯父のクラノゥサと話したいことがありますので。……よろしいでしょうか」
「えっ! この男が、ハス君の伯父様なんですか!」
元英雄級騎士クラノゥサ・ナイブレイドが俺の伯父だというのがよっぽどの衝撃だったのか、カムロさんが呆然とした顔をしている。
いやー、地味顔の俺とゴージャスダイナミック美形のクラさんが親戚だなんて誰も気付かないだろうな! 取り立てて誰かに言うことはしてないし。
「ナ、ナイブレイドが、……だなんて、そ、それだと、わ、私は、とんでもない……」
俺の耳にはよく聞き取れなかったけど、おろおろしながら独り言をつぶやき始めちゃって返事をしてくれない。仕方ないなぁ。もう一度言いますよー。クールさマシマシで!
「よろしいでしょうか」
「……ひっ! す、すみませんっ! ……き、許可します。好きに使ってください」
カムロさんが怯えた顔をして、やっと返事をしてくれた。
えっ? そんなに? 自覚はなかったけど、俺は今、ものすごく怒っているみたいだ。カムロさんにもだけど、クラさんにも。八つ当たりも入ってるかもだけど、さすがにこんな状況は、ないったらない! ストレスが限界にきてたんだろうなぁ。いいタイミングで暴発したな。はははは!
「ありがとうございます」
カムロさんに慇懃に礼をして、クラさんの方へと目を向ける。
いつも堂々としていて、怖いものなんてない顔をしたクラさんの視線が少し泳いでいるぞ……。ちゃんとこっちを見てくださいよという気持ちを込めて、きりっと表情を引き締めて「伯父上、お時間は頂けますか」って、冷えた口調で聞いてみた。
「……うむ、無論だ」
今まで、伯父上呼びなんてしたことなんてなかった。それだからかな、クラさんがちょっと悲しそうに形のいい眉を下げてしまった。こっちに向いた瞳は、カムロさんみたいに潤んではいなかったけど、何かこう泣きそうっていう空気が漂っているのは気のせい……だよな?
……そこまできつく言ったかなぁ俺。
後で何か美味しい物を作ってあげよう。クラさんも一緒にお屋敷で昼飯を食べてもいいか、カムロさんに許可もらおうかな。拒否られるかもって? 今のカムロさんに拒否権なんてないったらない!
人が通らなかったのが不幸中の幸いだったな。あんな珍妙な喧嘩を見られたら俺、恥ずかしくてしばらくお外に出られなくなっちゃうぞ!
……今までの騒ぎが嘘みたいに、静かになった。気持ちのいい静けさが、カムロさんの大声でダメージを受けてた鼓膜に優しい!
さて、それじゃあ移動しましょうか。クラさんをお屋敷の応接間へご案内だ!
――きっちり場を収められた! 偉いぞ俺! やればできる子!
※喧嘩の火種そのものが暴発……。
「最強」と「最恐」は、同一とは限らないのです。
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