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第三話
剣舞のこと・舞姫は十字星に翔ぶ35
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状況は、南郷にとって極めて不利だった。
場所はカラオケの個室という閉鎖環境。唯一の出入り口は右大に塞がれている。
空理恵は未だ敵の手中にあり、アズハがその気なら奪還すら不可能だ。
右大がエイリアスビートルに変身して、生体ミサイルの一発でも撃てばそれで終わりだ。心の底から憎悪の対象に復讐したいと渇望しているのなら、アズハや空理恵を巻き込もうが関係ないはずだ。
それでも、間合いが近いのが唯一の救いである。
室内の南郷と、ドアの右大との距離は2メートルもない。
懐のナイフを抜いて右大の首を跳ね飛ばすのは……不可能ではないと見た。
このナイフは特別製だ。変身の中途なら、切っ先さえ入れば殺し切れる。
最悪でも相打ちには持ち込めると――南郷は確信した。
氷のような殺気が充満する最中、右大は笑った。鉄棒を齧りながら。
「安心しろ南郷ォ……。ここでやり合う気はない。俺はお前と違って、無関係な人間を巻き込む気はないんだ」
「バケモノの分際でお優しいことだな?」
右大の殊勝な物言いを、南郷は煽り立てた。
そうやって手段を選ぶ甘さがある。非情になり切れない出来損ないの怪物。やはり、右大高次という輩は戦闘の素人だ。人間以上の肉体なった余裕がそうさせるのだろう。
右大は咀嚼した鉄棒を飲み込んだ。ジャリ……と喉の奥から砂鉄をすするような音がした。
「勘違いするなよ南郷。俺はお前とは違う。俺は誰かの大切な人達を……家族を奪ったりはしない!」
右大は南郷を睨みつけて啖呵を切った。
なんともご立派なご高説だ。まるで正義の味方だ。
南郷は「フン……」と軽く鼻を鳴らした。内心、嘲笑っていた。
南郷に家族を奪われたから同じになるまいという、甘ったれた対抗心で自ら戦術を制限している。ここを戦場にして、他の客を巻き込みたくないから攻撃しないのだという。とんだお笑い草だ。
だが今は、その甘さを有効活用させてもらう。
ソファで眠る空理恵に横目を向けると、アズハが担ぎ上げているのが見えた。
「ご心配なく。空理恵ちゃんはウチがちゃーんと、家まで送りますわ」
「そこまできみを信用する気はないぞ」
「せやから、お兄さんの車に乗せてくださいよ? それなら安心でしょ?」
思いがけない提案だった。
確かに、それならば逃走される心配もない。
加えてアズハ自身の目的にも、つまり園衛にも堂々と近づける。お互いに損のない提案だろう。
園衛も自分の決断のケジメをつけると言った。既に覚悟は決まっている。
右大も人質解放には納得しているようだった。口を挟む気配はない。
「祭りは人気のない所でやる。山の採石場で待っている」
一方的に場所を指定すると、右大はドアから身を引いた。
「オッチャン……ホントにええんですか?」
アズハが右大に声をかけた。
南郷の手前、何かを裏に隠しているような口ぶりだった。
右大は去り際に、アズハに目をやった。
「俺は、この時を7年待ったんだ……。もう待てんのだ……!」
昂りを抑えきれぬような震えた声を残して、右大は南郷の前から消えた。
とっさに南郷は廊下に飛び出したが、既に右大の姿はなかった。
廊下の奥の非常扉が開いているのが見えた。分厚い鉄製のノブが捩じ切られている。外から強引に侵入したのだろう。
空理恵と二人分のバッグを担いで、アズハが個室から出手てきた。
「ところでお兄さん、車って何に乗ってきました?」
「……トラック」
そこまではアズハも予想していなかったらしく、「あちゃー……」と声を漏らした。
「トラックいうたら二人乗りですよねえ……?」
「どうするんだ」
「しゃーないから、空理恵ちゃんはウチの膝の上に乗せるっちゅうことで」
それは安全運転上よろしくない。
万一、警察に見つかったら無免許運転も露見して相当面倒なことになる。
空理恵のことは、迎えに来る鏡花に任せた方が良いだろう。
そう切り出そうとした矢先、アズハに機先を制された。
「おっと……いらんことは考えんでくださいよ?」
南郷の背中に、アズハが胸を押し付けてきた。二人分の少女の体重と、制服ごしの胸の柔らかさが圧し掛かる。
「ぬっ……」
南郷は歯を食いしばった。
17歳という年齢が詐称ではないかと疑うようなボリュームだった。単に発育が良いのか、それども忍らしく胸に何か仕込んでいるのか。いずれにせよ確かめる術はない。
これは色仕掛けでも悪戯でもない。強引な口封じだと、理解していた。
耳元で、アズハが甘く囁いた。
「ウチと空理恵ちゃんの同道がぁ……交・換・条・件です♪」
声の裏側に氷が張りついている。そういう冷たさが含まれていた。
アズハの強引さには何かの策がある。
それは南郷にではなく、園衛に向けた策なのだろうが……今の南郷にアズハを拒む選択肢は無かった。
右大鏡花が指定されたカラオケ店に着いた時、既に南郷の姿は無かった。
車の窓越しに駐車場を見渡してみたが、南郷はどこにもいない。
ほっ、と胸をなでおろす。
鏡花としては、恨めしい疫病神と顔を合わせずに済んで幸いだった。
以前の恐竜愛狂家の某といい、どうして厄介者とばかり関わることになるのか。これも学生時代の過ちの報いなのだろうか。運命が呪わしい。頭が痛い。
とりあえず、駐車場の適当なスペースに車を停めた。
「はあ……本当に……」
眉間を揉む。
辛い仕事だ。苦しい仕事だ。覚悟していた以上の重圧ばかり圧し掛かってくる。
逃げたいな――と心の隅に弱音が湧きあがった瞬間、外からコツコツ、と助手席の窓を叩かれた。
「えっ、なに……?」
驚いて顔を上げると、外国人の少女がいた。金髪の綺麗な女の子だ。あどけない顔立ちで、年は十台半ばといったところか。
見知らぬ顔だが、誰なのかは大体の察しがつく。南郷が保護を頼んだ女の子だろう。
「お姉さん、迎えの人でしょ?」
流暢な日本語で少女が言った。予想は当たりだ。
後はいつものように事務的に、クールに仕事を済ませてしまおう。そして家に帰ってお風呂に入って――
考えている途中で、ドアロックの解除音がした。
「えっ……?」
まだロック解除の操作はしていないはずだ。
だというのに、件の少女は平然と助手席に乗り込んできた。
そしてシートベルトを締めながら
「ちょっと……急いだ方が良いかもよ」
不可解なことを口にした。
「あなた……なんですか?」
「私は空理恵の友達。ソーカルっていうの。それはともかく、お姉さん……急がないと会いたい人に、二度と会えなくなるよ」
雇用主であり、人間的にも尊敬している園衛の妹君の友人だというのは分かるが、その後が分からない。困惑する。
「なにを言ってるの……?」
「大体しか分からないけど……多分あなたの……お兄さん、かな?」
「ッ……!」
背中を氷のナイフで刺し貫かれたような錯覚が走った。
南郷に聞かされた悪夢のような現実と、10年前に失踪した義兄の姿とが頭の中でごちゃごちゃに混ざっていく。
眩暈が――した。
鏡花を押し潰すように、ソーカルは淡々と続けた。
「南郷ってお兄さんは、採石場に行くって言ってたかな……? 多分、そこに行けば会える。で、どうするの? 私は家に帰れるなら、どっちでも良いけど……」
他人事だからか、ソーカルはクールに言い放った。
ここまで的確にこちらの事情を良い当てる辺り、ソーカルは普通の女の子ではないと分かる。
鏡花自身、学生時代は神がかりの予言者紛いのことをやってきたのだ。
そして今、予言めいた言葉が鏡花を苦しめ、あるいは救済せんとしているのは酷い皮肉だ。
ここで逃げて一生後悔を残すか、過去と対面するかを選ぶのは、自分自身。
鏡花は深呼吸をして、暗澹たる表情のまま、シフトレバーをリバースに入れた。
ゆっくりとバックして切り返し、駐車場を出る。
「少し……飛ばしますよ」
綺麗にキッパリと決断できるほど、鏡花は強い人間ではない。
泥のようにまとわりつく疑念がある。恐怖がある。
義兄に会うのが怖い。会って何を言えば良いのか。会って何を言われるのか。会いたくない。逃げたい。仕事を辞めたい。家に帰って大声で泣き叫びたい。
そんな思いに足を引っ張られるのを吹っ切るように、鏡花は荒っぽくアクセルを踏んだ。
場所はカラオケの個室という閉鎖環境。唯一の出入り口は右大に塞がれている。
空理恵は未だ敵の手中にあり、アズハがその気なら奪還すら不可能だ。
右大がエイリアスビートルに変身して、生体ミサイルの一発でも撃てばそれで終わりだ。心の底から憎悪の対象に復讐したいと渇望しているのなら、アズハや空理恵を巻き込もうが関係ないはずだ。
それでも、間合いが近いのが唯一の救いである。
室内の南郷と、ドアの右大との距離は2メートルもない。
懐のナイフを抜いて右大の首を跳ね飛ばすのは……不可能ではないと見た。
このナイフは特別製だ。変身の中途なら、切っ先さえ入れば殺し切れる。
最悪でも相打ちには持ち込めると――南郷は確信した。
氷のような殺気が充満する最中、右大は笑った。鉄棒を齧りながら。
「安心しろ南郷ォ……。ここでやり合う気はない。俺はお前と違って、無関係な人間を巻き込む気はないんだ」
「バケモノの分際でお優しいことだな?」
右大の殊勝な物言いを、南郷は煽り立てた。
そうやって手段を選ぶ甘さがある。非情になり切れない出来損ないの怪物。やはり、右大高次という輩は戦闘の素人だ。人間以上の肉体なった余裕がそうさせるのだろう。
右大は咀嚼した鉄棒を飲み込んだ。ジャリ……と喉の奥から砂鉄をすするような音がした。
「勘違いするなよ南郷。俺はお前とは違う。俺は誰かの大切な人達を……家族を奪ったりはしない!」
右大は南郷を睨みつけて啖呵を切った。
なんともご立派なご高説だ。まるで正義の味方だ。
南郷は「フン……」と軽く鼻を鳴らした。内心、嘲笑っていた。
南郷に家族を奪われたから同じになるまいという、甘ったれた対抗心で自ら戦術を制限している。ここを戦場にして、他の客を巻き込みたくないから攻撃しないのだという。とんだお笑い草だ。
だが今は、その甘さを有効活用させてもらう。
ソファで眠る空理恵に横目を向けると、アズハが担ぎ上げているのが見えた。
「ご心配なく。空理恵ちゃんはウチがちゃーんと、家まで送りますわ」
「そこまできみを信用する気はないぞ」
「せやから、お兄さんの車に乗せてくださいよ? それなら安心でしょ?」
思いがけない提案だった。
確かに、それならば逃走される心配もない。
加えてアズハ自身の目的にも、つまり園衛にも堂々と近づける。お互いに損のない提案だろう。
園衛も自分の決断のケジメをつけると言った。既に覚悟は決まっている。
右大も人質解放には納得しているようだった。口を挟む気配はない。
「祭りは人気のない所でやる。山の採石場で待っている」
一方的に場所を指定すると、右大はドアから身を引いた。
「オッチャン……ホントにええんですか?」
アズハが右大に声をかけた。
南郷の手前、何かを裏に隠しているような口ぶりだった。
右大は去り際に、アズハに目をやった。
「俺は、この時を7年待ったんだ……。もう待てんのだ……!」
昂りを抑えきれぬような震えた声を残して、右大は南郷の前から消えた。
とっさに南郷は廊下に飛び出したが、既に右大の姿はなかった。
廊下の奥の非常扉が開いているのが見えた。分厚い鉄製のノブが捩じ切られている。外から強引に侵入したのだろう。
空理恵と二人分のバッグを担いで、アズハが個室から出手てきた。
「ところでお兄さん、車って何に乗ってきました?」
「……トラック」
そこまではアズハも予想していなかったらしく、「あちゃー……」と声を漏らした。
「トラックいうたら二人乗りですよねえ……?」
「どうするんだ」
「しゃーないから、空理恵ちゃんはウチの膝の上に乗せるっちゅうことで」
それは安全運転上よろしくない。
万一、警察に見つかったら無免許運転も露見して相当面倒なことになる。
空理恵のことは、迎えに来る鏡花に任せた方が良いだろう。
そう切り出そうとした矢先、アズハに機先を制された。
「おっと……いらんことは考えんでくださいよ?」
南郷の背中に、アズハが胸を押し付けてきた。二人分の少女の体重と、制服ごしの胸の柔らかさが圧し掛かる。
「ぬっ……」
南郷は歯を食いしばった。
17歳という年齢が詐称ではないかと疑うようなボリュームだった。単に発育が良いのか、それども忍らしく胸に何か仕込んでいるのか。いずれにせよ確かめる術はない。
これは色仕掛けでも悪戯でもない。強引な口封じだと、理解していた。
耳元で、アズハが甘く囁いた。
「ウチと空理恵ちゃんの同道がぁ……交・換・条・件です♪」
声の裏側に氷が張りついている。そういう冷たさが含まれていた。
アズハの強引さには何かの策がある。
それは南郷にではなく、園衛に向けた策なのだろうが……今の南郷にアズハを拒む選択肢は無かった。
右大鏡花が指定されたカラオケ店に着いた時、既に南郷の姿は無かった。
車の窓越しに駐車場を見渡してみたが、南郷はどこにもいない。
ほっ、と胸をなでおろす。
鏡花としては、恨めしい疫病神と顔を合わせずに済んで幸いだった。
以前の恐竜愛狂家の某といい、どうして厄介者とばかり関わることになるのか。これも学生時代の過ちの報いなのだろうか。運命が呪わしい。頭が痛い。
とりあえず、駐車場の適当なスペースに車を停めた。
「はあ……本当に……」
眉間を揉む。
辛い仕事だ。苦しい仕事だ。覚悟していた以上の重圧ばかり圧し掛かってくる。
逃げたいな――と心の隅に弱音が湧きあがった瞬間、外からコツコツ、と助手席の窓を叩かれた。
「えっ、なに……?」
驚いて顔を上げると、外国人の少女がいた。金髪の綺麗な女の子だ。あどけない顔立ちで、年は十台半ばといったところか。
見知らぬ顔だが、誰なのかは大体の察しがつく。南郷が保護を頼んだ女の子だろう。
「お姉さん、迎えの人でしょ?」
流暢な日本語で少女が言った。予想は当たりだ。
後はいつものように事務的に、クールに仕事を済ませてしまおう。そして家に帰ってお風呂に入って――
考えている途中で、ドアロックの解除音がした。
「えっ……?」
まだロック解除の操作はしていないはずだ。
だというのに、件の少女は平然と助手席に乗り込んできた。
そしてシートベルトを締めながら
「ちょっと……急いだ方が良いかもよ」
不可解なことを口にした。
「あなた……なんですか?」
「私は空理恵の友達。ソーカルっていうの。それはともかく、お姉さん……急がないと会いたい人に、二度と会えなくなるよ」
雇用主であり、人間的にも尊敬している園衛の妹君の友人だというのは分かるが、その後が分からない。困惑する。
「なにを言ってるの……?」
「大体しか分からないけど……多分あなたの……お兄さん、かな?」
「ッ……!」
背中を氷のナイフで刺し貫かれたような錯覚が走った。
南郷に聞かされた悪夢のような現実と、10年前に失踪した義兄の姿とが頭の中でごちゃごちゃに混ざっていく。
眩暈が――した。
鏡花を押し潰すように、ソーカルは淡々と続けた。
「南郷ってお兄さんは、採石場に行くって言ってたかな……? 多分、そこに行けば会える。で、どうするの? 私は家に帰れるなら、どっちでも良いけど……」
他人事だからか、ソーカルはクールに言い放った。
ここまで的確にこちらの事情を良い当てる辺り、ソーカルは普通の女の子ではないと分かる。
鏡花自身、学生時代は神がかりの予言者紛いのことをやってきたのだ。
そして今、予言めいた言葉が鏡花を苦しめ、あるいは救済せんとしているのは酷い皮肉だ。
ここで逃げて一生後悔を残すか、過去と対面するかを選ぶのは、自分自身。
鏡花は深呼吸をして、暗澹たる表情のまま、シフトレバーをリバースに入れた。
ゆっくりとバックして切り返し、駐車場を出る。
「少し……飛ばしますよ」
綺麗にキッパリと決断できるほど、鏡花は強い人間ではない。
泥のようにまとわりつく疑念がある。恐怖がある。
義兄に会うのが怖い。会って何を言えば良いのか。会って何を言われるのか。会いたくない。逃げたい。仕事を辞めたい。家に帰って大声で泣き叫びたい。
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