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第三話
閑話・設定解説のこと3
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イメージ用として、10年ほど前の小説時に描いたラフを掲載します。
1.試作装甲防護服 甲型改三
南郷十字の着用する装甲服。
2000年代に入って計画された、陸上自衛隊の次世代個人用装備の試作品の一つ。
各種装備は2010年代に実用化の目途が立ち、防衛省関係者が設立した非公式の実戦部隊によって試験運用されていた。
この装甲防護服は対化学、生物兵器用の防毒機能と、機関銃弾までなら完全に防御できるメタマテリアル製電磁反応装甲を兼ね備えた防御兵装である。
ヘルメットには各種センサーが内臓され、性能緒元を登録された各種銃火器の照準サポートを行う。
これは、当時各国で開発中だった次世代小銃が小銃自体に過剰な補助装備を増設し、結果的に重量過多とコスト高騰を招いて計画自体が破綻したのと照的に、歩兵側に補助装備を充実させて汎用性を広げる目論見があった。
腰部には武装のマウントラックが設けられており、ナイフや拳銃、予備弾倉などを吊り下げることが可能。
この装甲服はあくまで防護兵装であり、パワーアシスト機能は実装されていない。
人工筋肉は関節部の補強に限定的に使用されているのみであり、装備者はあくまで個人の体力と技量と知恵で敵と相対することになる。
左目の部分が発光して見えるのは、装着車の南郷十字の義眼に対するシステム側の視覚認証エラーの特例である。
首のマフラーは南郷の個人所有物であり、詳細は不明。
試験運用していた部隊には装甲服もテスト用に複数のバリエーションが配備されていた。
この甲型装甲服は掌と脚部に極短射程の電磁パルス放射端子が組み込まれ、使用者は攻防に利用していた模様。
後に陸上自衛隊には、人工筋肉によるパワーアシスト機能を実装した〈11式作業倍力服〉〈11式化学防護倍力服〉〈13式装甲倍力服〉等の個人用装備が正式採用され、一部部隊に配備されている。
試作装甲防護服は兵装としては旧式化しており、発展型である〈13式装甲倍力服〉には性能面で大きく劣っている。
2.11式支援戦闘オートバイ試作車
南郷十字の使用する戦闘支援ドロイド。登録された個体名称は〈タケハヤ〉。
状況に応じてビークルモードとスタンディングモードの二種類の形態に変型する。
元来、歩兵の直接支援を行う小型デルタムーバーとして計画された。
自衛隊の次世代装備の一つとして開発されたもので、歩兵と一対のワンセルで多角的な戦闘能力を発揮することが期待されていた。
これも装甲防護服と同様に非公式の部隊で試験運用され、二輪タイプだけでなく三輪トライク、四輪バギー等のバリエーションが確認された。
搭載された対話型AIは、ユーザーである歩兵の各種サポートを能動的に行う。
それは移動、通信、解析、突撃や火力支援などのダイレクトサポート等の多岐に渡る。
マニピュレーターには人間用の小型火器を保持できるほか、
ハードポイントにはコネクターを用いれば、自衛隊及びアメリカ軍が採用している全ての重火器を懸架可能。ドライバさえインストールされていれば、対戦車ミサイルやロケット弾も難なく使える。
頭部には、固定装備として小型の自由電子レーザー砲を装備。ハードスキンを破壊する威力はないが、人体や一般車両を対象とすれば十分に殺傷、破壊できる出力を有している。
関節駆動には人工筋肉が使用され、格闘攻撃によって敵装甲車両及び小型ロボットの撃破やバリケードの破壊を行う。
腰部にはメタマテリアルを推進剤に利用したアークジェットスラスターが設置され、ジャンプや落下時の制動に用いる。
スタンディングモード時の両肩にはワイヤーアンカーを内蔵し、高所への昇降などに使用する。
ハイコストな兵器だがそれに見合う性能を持ち、試験部隊による運用実績も極めて良好で、自衛隊への正式採用が内定していたが、政治的トラブルにより直前で却下されてしまった。
やがて当時の防衛省関係者が定年を迎え、四輪バギー仕様の20式支援戦闘装輪車として改めて正式採用に至ったのは、試作車の完成から10年以上後のことだった。
尚、正式採用型の20式支援戦闘装輪車は、最高速度と加速性能を除く全ての面で試作車を超える性能を有している。
全高:1.8メートル(スタンディングモード時)
重量:328キログラム
武装:エレクトロンブラスター(頭部小型自由電子レーザー砲)、打突用タングステン衝角、各種重火器
3.エイリアスビートル メガス1
カブトムシ型Aクラス改造人間、エイリアスビートルの基本形態。格闘戦を得意とする生体武闘形態(バイオグラップラー)である。
固有能力は「他の改造人間のコピー」と「分身」であり、これを応用することでデータから改造人間を複製するほか、他の改造人間の能力を自分のモノとして取り込める。
だがコピーした改造人間は能力的にランクダウンし、Cクラス以下の複製体は知能も著しく劣化する。
高位の個体とはいえエイリアスビートル自体のキャパシティは有限であり、複数の能力をコピーすればオーバーヒートという形でキャパシティ超過が表れてしまう。
実際の運用で顕在化したこれらの欠点を、エイリアスビートルは自己の再調整という形で克服し、機能改善を行うことが可能。
拘束攻撃の「クロスインフェルノ」は、対電磁反応装甲用の電磁波放射攻撃で、これはエイリアスビートル独自の能力である。
身長:1.9メートル
重量:220キログラム
武装:生体ミサイル、振動破砕衝撃波
1.試作装甲防護服 甲型改三
南郷十字の着用する装甲服。
2000年代に入って計画された、陸上自衛隊の次世代個人用装備の試作品の一つ。
各種装備は2010年代に実用化の目途が立ち、防衛省関係者が設立した非公式の実戦部隊によって試験運用されていた。
この装甲防護服は対化学、生物兵器用の防毒機能と、機関銃弾までなら完全に防御できるメタマテリアル製電磁反応装甲を兼ね備えた防御兵装である。
ヘルメットには各種センサーが内臓され、性能緒元を登録された各種銃火器の照準サポートを行う。
これは、当時各国で開発中だった次世代小銃が小銃自体に過剰な補助装備を増設し、結果的に重量過多とコスト高騰を招いて計画自体が破綻したのと照的に、歩兵側に補助装備を充実させて汎用性を広げる目論見があった。
腰部には武装のマウントラックが設けられており、ナイフや拳銃、予備弾倉などを吊り下げることが可能。
この装甲服はあくまで防護兵装であり、パワーアシスト機能は実装されていない。
人工筋肉は関節部の補強に限定的に使用されているのみであり、装備者はあくまで個人の体力と技量と知恵で敵と相対することになる。
左目の部分が発光して見えるのは、装着車の南郷十字の義眼に対するシステム側の視覚認証エラーの特例である。
首のマフラーは南郷の個人所有物であり、詳細は不明。
試験運用していた部隊には装甲服もテスト用に複数のバリエーションが配備されていた。
この甲型装甲服は掌と脚部に極短射程の電磁パルス放射端子が組み込まれ、使用者は攻防に利用していた模様。
後に陸上自衛隊には、人工筋肉によるパワーアシスト機能を実装した〈11式作業倍力服〉〈11式化学防護倍力服〉〈13式装甲倍力服〉等の個人用装備が正式採用され、一部部隊に配備されている。
試作装甲防護服は兵装としては旧式化しており、発展型である〈13式装甲倍力服〉には性能面で大きく劣っている。
2.11式支援戦闘オートバイ試作車
南郷十字の使用する戦闘支援ドロイド。登録された個体名称は〈タケハヤ〉。
状況に応じてビークルモードとスタンディングモードの二種類の形態に変型する。
元来、歩兵の直接支援を行う小型デルタムーバーとして計画された。
自衛隊の次世代装備の一つとして開発されたもので、歩兵と一対のワンセルで多角的な戦闘能力を発揮することが期待されていた。
これも装甲防護服と同様に非公式の部隊で試験運用され、二輪タイプだけでなく三輪トライク、四輪バギー等のバリエーションが確認された。
搭載された対話型AIは、ユーザーである歩兵の各種サポートを能動的に行う。
それは移動、通信、解析、突撃や火力支援などのダイレクトサポート等の多岐に渡る。
マニピュレーターには人間用の小型火器を保持できるほか、
ハードポイントにはコネクターを用いれば、自衛隊及びアメリカ軍が採用している全ての重火器を懸架可能。ドライバさえインストールされていれば、対戦車ミサイルやロケット弾も難なく使える。
頭部には、固定装備として小型の自由電子レーザー砲を装備。ハードスキンを破壊する威力はないが、人体や一般車両を対象とすれば十分に殺傷、破壊できる出力を有している。
関節駆動には人工筋肉が使用され、格闘攻撃によって敵装甲車両及び小型ロボットの撃破やバリケードの破壊を行う。
腰部にはメタマテリアルを推進剤に利用したアークジェットスラスターが設置され、ジャンプや落下時の制動に用いる。
スタンディングモード時の両肩にはワイヤーアンカーを内蔵し、高所への昇降などに使用する。
ハイコストな兵器だがそれに見合う性能を持ち、試験部隊による運用実績も極めて良好で、自衛隊への正式採用が内定していたが、政治的トラブルにより直前で却下されてしまった。
やがて当時の防衛省関係者が定年を迎え、四輪バギー仕様の20式支援戦闘装輪車として改めて正式採用に至ったのは、試作車の完成から10年以上後のことだった。
尚、正式採用型の20式支援戦闘装輪車は、最高速度と加速性能を除く全ての面で試作車を超える性能を有している。
全高:1.8メートル(スタンディングモード時)
重量:328キログラム
武装:エレクトロンブラスター(頭部小型自由電子レーザー砲)、打突用タングステン衝角、各種重火器
3.エイリアスビートル メガス1
カブトムシ型Aクラス改造人間、エイリアスビートルの基本形態。格闘戦を得意とする生体武闘形態(バイオグラップラー)である。
固有能力は「他の改造人間のコピー」と「分身」であり、これを応用することでデータから改造人間を複製するほか、他の改造人間の能力を自分のモノとして取り込める。
だがコピーした改造人間は能力的にランクダウンし、Cクラス以下の複製体は知能も著しく劣化する。
高位の個体とはいえエイリアスビートル自体のキャパシティは有限であり、複数の能力をコピーすればオーバーヒートという形でキャパシティ超過が表れてしまう。
実際の運用で顕在化したこれらの欠点を、エイリアスビートルは自己の再調整という形で克服し、機能改善を行うことが可能。
拘束攻撃の「クロスインフェルノ」は、対電磁反応装甲用の電磁波放射攻撃で、これはエイリアスビートル独自の能力である。
身長:1.9メートル
重量:220キログラム
武装:生体ミサイル、振動破砕衝撃波
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